恩田陸のレビュー一覧
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ネタバレ作中作「夜果つるところ」にまつわるミステリー。
映像化しようとするたびに不幸な事故が起こって頓挫してしまう本作。
これは呪いなのか?
その関係者やファンが集まり、それぞれの「夜果つるところ」について語り合い、解き明かそうとしていくストーリー。
後半のインタビューや、作者である飯合梓の正体についての考察が面白かった。
でもたぶん、何ひとつ正解は分からず。
それでも登場人物それぞれが、この作品に対して多少なりの折り合いをつけることができたのかな。
舞台はクルーズ船。
非日常の中、熱に浮かされ、下船と共に日常に引き戻される。
あれは現実にあったことなのか…なんて感覚は誰しも経験したことがあるんじ -
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ネタバレいやあ、面白かったです。
1992年デビューの恩田氏の2004年の作品。ちょっと古めですが、恩田氏得意のモダンホラー系の作品です。
あれ?表紙ってあの、羽生結弦選手!?って思ったけど全く違った。俳優の高杉真宙さんでした。これだからオッサンは嫌ですよね。
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本作、主役らしい主役というのが居ません。
しいて言えば、都内建築学部に通う捷、そして造形アーティストとして駆け出しの律子、ベンチャー企業経営兼大学院生の和繁、あたりか。
対して、人の心に入ることのできる(人に容易に感応できる)悪玉的アーティスト烏山響一がもう一方の中心人物。
上記の3名の人物やその係累が、響一に影響され、ある -
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宮城県にある常野という地に生まれた者たちは、特異な力を持っているという。
膨大な情報をまるで引き出しにしまうかのように記憶すること家族、人の未来を見通す力を持った女性、二百年もの月日を生きる老人。かつて一族を総称して地名でもある「常野」を語っていた彼らは、現在ひっそりと人類に溶け込んで生きている。
本作『光の帝国 常野物語』は、そんな摩訶不思議な力を持った常野一族にまつわる短編が全十編が収録されている。
超常的な力を持つ常野で生まれた者たち。だが、不思議と彼らの日常は私たち読者とあまり変わらない。学校へ行き大人になり、仕事をして子供を育てる。そうやって社会に溶け込む姿を見ていると、常野一族は -
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ネタバレ恩田氏の2010年代の作目。2013-2014年に新聞小説として掲載され、2015年に出版。ちなみに新聞小説は以前の『夢違』に続き、二作目。
アフターコロナ後に本作を読むと、恩田氏の未来感(未来勘!?)がかなり鋭いことを感じます。AIロボットや未知のウイルスなど、まるでコロナを経験したかのような筆ぶりでした。
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超大型台風に見舞われたとある日本の国際空港。
入管で足止めされ『別室』に連れてこられた年齢性別もバラバラな男女10名。彼らを迎える謎の若い女(実はAIロボットだった)から命じられるのは『この中にテロリストがいる。そして10人の使命はそのテロリストを見つけ出すこと』とのこと。 -
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恩田陸
新潮文庫の初期タイトルを3冊くらい読んで以来の作品
しかもどうやら間違えて買ってしまったらしい
読みたかったのは「ドミノ」だった
さて内容の方は3部構成
piece
脈絡のない引用の羅列
なんだこれは
play
なるほどpieceを絡めたストーリー展開になるのか
これは楽しみ
picture
playの補強と真相が
パッケージはとても面白いと思ったけど内容は薄いし謎解きも軽い
文字数が少なくて30分で読める作品だから仕方ないけど勿体無い気もする
恩田陸の味をほんのり思い出した感
★は甘めで3つです
はやく積読ドミノを探し出して読まなければ -
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ネタバレ喧嘩したって揉めたって、信じられないくらいの暗くて重い打ち明け話をしても次の日には普通に話しちゃってる男の子四人。
無かったことにはしないけど、それでも冗談言い合って笑って。後腐れがなくてカラッとした感じ。男の子らしいなぁ、女の子同士だとそうはいかないよなぁ。良いなぁ。と、思いました。そして、美国や寛司、統…と、登場人物の名前が(漢字が)古風で素敵です。私には刺さりました。
光浩の告白は………聞いて知ってしまったこちらが暫く滅入るぐらいのヘビーな内容でしたね。私は今凄く辛いです。あのシーンはしばらく読み返したくないです。
すごく面白い作品でしたが、光浩が本で描かれてる範囲ではイマイチ救われず( -
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贅沢な列車に、贅沢な名前の並ぶ小説
それぞれの物語がとてもあたたかい気持ちになる
そこに乗車するそれぞれが
何らかの思いを一緒に乗せて旅に出る
誰かを大切に思って
大切な人を誘って
願い叶わなかった列車の旅になっても
「その人を思い出すこと」が供養にもなる
1話目の
さよなら、波瑠/井上荒野
一見、芯もあって強くて…こういう人の気持ちが
苦しくて苦しくてね
思わず感情移入、涙が出た
糸井重里さんの
「帰るところがあるから、旅人になれる」
当たり前なんだけど
そんなふうに考えたことなかったからね
さすがだな、
糸井さんの言葉だな、って思った
静かな気持ちで読めるキレイな本でした -
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ネタバレ1992年にデビューした恩田陸氏による作品。文芸誌に分割掲載されたのち、2004年に単行本化。
強いてラベリングするならば、ミステリー系青春小説!?
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恩田氏お得意の群像劇系の作品。
構成としても4章からなる各章を一人称で語らせるもの。この手法も馴染んできました。
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第一章は毬子の視点。
高校二年生の美術部。まだ純真。高校三年の憧れの先輩二人(女)と演劇祭の舞台背景作成のため、先輩の家(女ですよ)にお泊りにいくということでウキウキ。
また、親友がダブルデートを仕組んで他校の男子と知り合いになったり、身辺に動きがあります。ただし、先輩の家にお泊り合宿すると、物事は予想しな -
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『思い出の館のショウシツ』(はやみねかおる)3…設定は面白い。
『麦の海に浮かぶ檻』(恩田陸)3…幻想的な世界観がいい。
『QED〜ortus〜——鬼神の社——』(高田崇史)2…神社仏閣と鬼の蘊蓄だけで事件自体はしょうもない。
『時の館のエトワール』(綾崎隼)4…あの個性的な2人はたぶんシリーズがあるんだろう。トリックもオチも気持ちいい。
『首無館の殺人』(白井智之)2…著者の作品は何冊も読んできたがなぜか急に露悪・下品な表現が受け付けなくなってしまった。
『囚人館の惨劇』(井上真偽)5…一番しっかりしてて一番面白かったが、それは一番ボリュームがあったからかもしれない。