恩田陸のレビュー一覧

  • 七月に流れる花/八月は冷たい城

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    同じ境遇の少年少女が、林間学校という名目で集められる。
    ミチル視点では、ミチルも読者と同じくらい林間学校についての知識がないから一緒にドキドキしながら読み進められた。
    ミチル視点の七月では、ミチルは林間学校でおこることについて何も教えてもらえずに疑心暗鬼になるが、林間学校について理解している光彦視点の八月でも、分かっているからこそ光彦も疑心暗鬼になってしまうのが面白いなと思った。

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    2023年03月01日
  • エンド・ゲーム 常野物語

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    単行本既読。
    改めて読み返すと、ますます「常野一族」の全貌というか組織図が気になりました。と言っても、飽くまで共助のための緩い繋がりなんだと思いますが。
    在野に散って一族同士の婚姻を避けていた常野の人々。
    しかし、両親がその禁を犯して生まれた拝島時子には、無自覚ながらも強大な力があります。
    「裏返す」力。
    何を裏返し、裏返したらどうなるのか。それは明らかではありません。
    この孤独で空虚なゲームを終わらせるために現れた、「洗濯屋」の火浦。彼もまた、気がつけばゲーム・プレイヤーとして拝島家に迎え入れられました。
    本当に在るのか?という命題を、超常能力にも一族にも、そして世界に対しても問うような。<

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    2023年02月28日
  • 七月に流れる花/八月は冷たい城

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    久しぶりの恩田陸。
    コロナより前に書かれた作品のようだけど、コロナ経験すると、こんなことも今後起こり得るのかもなと、ファンタジーなのに妙に現実的なことのように思えた

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    2023年02月27日
  • ロミオとロミオは永遠に〔下〕

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    20世紀サブカルチャーのノスタルジーに溢れたSF学園モノで、良い意味の荒唐無稽さ、スピード感のある物語。
    皮肉なハッピーエンドも嫌いじゃない。夢は過去にしかないのだな。

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    2023年02月26日
  • 終りなき夜に生れつく

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    スピンオフだったとは、、題につられて買ってしまった。

    本編を読み切ってから読み返してみると、当たり前だが初回とは違った面白さがあった。

    しかし知らない時でも物語の連続として十分に面白かった記憶がある。

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    2023年02月25日
  • 小説以外

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    エッセイが面白い小説家さんって素敵!
    恩田さんの小説はすごく好きなものと、いまいちはまりきれないものがあるのだが、こんなフランクででも魅力的な人が書いてるんだと思うとまた違った楽しさがあるように感じる。
    ちょっと気恥ずかしくも感じるけれど。
    本当に本をたくさん読まれる方なんだなと痛感したけれど、本ではなく私が1番共感したのは本ではなく圧倒的に二日酔いのエッセイでした。

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    2023年02月25日
  • 土曜日は灰色の馬

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    恩田さんの書評エッセイ、それほど肌に合う訳ではないけれどところどころ共感。『レベッカ』を好きなこと、マニアックな児童書の『トンボソのおひめさま』同じ年代に同じ本が好きだったんですねと話しかけたくなる。清水義範も久々に読みたくなった。あと本のカタログが好きなところ、背表紙のタイトルだけながめて飽きないところとか…

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    2023年02月24日
  • ロミオとロミオは永遠に〔下〕

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    ネタバレ

    昭和から平成初期までのカルチャーを閉じ込め、タイムカプセルに仕立て上げたような小説でした。
    それは物語の構成とも通じるものがあります。

    恩田さんは「ハッピーエンドのつもりだった…なんだか非常に絶望的な結末に感じ」たとあとがきで書かれています。

    個人的には、喪失感が募るラストでした。
    失われたと感じるのは、カルチャーに対してか。未来への希望に対してか。
    現代は、まるで荒涼とした地雷原を腹這いで手探りに進むようです。何もかも食い尽くしてしまい、あとは滅びるのをゆっくりと待つ虚しさを感じます。
    本当は展望と野心をいっぱいに抱え、欲望のままにコンテンツを消費し続けられたらいいのに。

    『成仏』によ

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    2023年02月20日
  • 七月に流れる花/八月は冷たい城

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    面白かった。恩田さんの世界観がたっぷり味わえた。
    少年少女ものだと理瀬シリーズが断然好きなので、もう一度読みたいとは思わなかった。

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    2023年02月14日
  • 図書室の海

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    みなさんが話しているように、??なものもあった。本編を読めば繋がっていくのかな。オデュッセイアと図書室の海はよかった。

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    2023年02月09日
  • ねじの回転 FEBRUARY MOMENT(上)

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    ネタバレ

    過去に遡って歴史を確認、修復していく国連の担当官がやってきたのは二・二六事件の直前。
    史実とSFの要素が絡まったストーリーで、初めは何が起きているのかよくわからなかったが、いつの間にか、どう展開していくのか先を気にしながら読んでいた。
    恩田陸の想像力はスゴい。

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    2023年02月08日
  • ロミオとロミオは永遠に〔上〕

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    近未来、汚染された地球に取り残された挙句、文化すら取り上げられて倹しく暮らす日本人たち。エリート養成校「大東京学園」へ入学すれば将来が約束される──そんな希望と野心を持って全国から集まった男子たち。彼らを待っていたのは過酷な労働と競争だった。

    上巻では、主人公・アキラとともに世界観を学んでいきます。そして、行方不明になった兄の謎に迫っていく。
    友達のアキラ、一方的に敵視してくるリュウガサキ、新宿クラスのシマバラたち、妄執に駆られた教師のタダノ、謎の少女・キョウコ。髭のおじいさんは校長なんでしょうか。
    果たしてアキラとシゲルはどうなるのか。アキラの兄はどうやって学園から脱出できたのか。
    気にな

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    2023年02月02日
  • 歩道橋シネマ(新潮文庫)

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     様々なジャンルの短編18話を収録した短編集。
     ちょっと不気味だったり、怖かったりで、ちょっとホラーっぽい印象のある作品も。
     頑張って読みましたけど、ホラー系はやっぱり苦手ですね。。。
     ただ、大好きだった「麦の海に沈む果実」のスピンオフである「麦の海に浮かぶ檻」があったので、それだけで大収穫でした。
     恩田さんの描く少年少女の年頃特有の不安定さって、切なさと余韻があって好きなのです。

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    2023年01月29日
  • 夢違

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    ネタバレ

    タイトルの読み方分からなかったけど最後まで読むと、そういう意味だったのかなあと自分で納得はできた
    伏線回収されないままの曖昧な事象が多かったので夢なのかな?現実なのかな?とふわふわした気持ちになった

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    2023年01月28日
  • 球形の季節

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    どんな怪異よりも、人生、平凡で凡庸で、ダラダラと続く人生ほど怖くはないという真理をさらりと提示する、これはまさに究極のホラー。こうした恐怖にはまだしも女性の方が耐えられる、というのが結末の意味だろうか。

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    2023年01月27日
  • 夏の名残りの薔薇

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    ネタバレ

    【目次】主題/第一変奏/第二変奏/第三変奏/第四変奏/第五変奏/第六変奏
    あとがき-二つのマリエンバートの狭間で
    心地よく秘密めいた恩田陸 杉江松恋
    恩田陸スペシャル・インタビュー(聞き手・杉江松恋)

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    2023年01月21日
  • 謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー

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    ネタバレ

    『白』に続き『黒』。結構どれも特殊だった。以下、印象に残ったお話。
    ◆はやみねかおるさんのが一番好きかな。一番平和でした。初読みだったけど、『ディリュージョン社~』は読んでみたいと思った。
    ◆恩田陸『麦の海に浮かぶ檻』。死の味のキス。◆高田崇史さんの『QED~』もなかなか面白いと思った。へ~なるほど、と。
    ◆白井智之さんのはなぜかスラスラ読めてしまった。そして作者さんがこんなお話をサラッと普通に書いているように感じがして凄く怖い。好きだけど嫌いなやつ。いや、個人的にはあまり好きな話ではない。「本当に気持ち悪い」

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    2023年01月14日
  • 七月に流れる花/八月は冷たい城

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    新しい感覚でした。怖くて気持ち悪くて悲しくて、でもどこかで思いやりがあるような感じたことの無い読後感に包まれています。
    謎がするすると解けていくのは気持ちよかったですが、正直もう一度読みたいとは思えませんでした。

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    2023年01月12日
  • エンド・ゲーム 常野物語

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    今までの常野物語とは、ちょっと違った雰囲気でゾワゾワくる感じ。
    裏返すとか洗濯とか、時子なのか瑛子なのか混乱してしまう。

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    2023年01月11日
  • 上と外(下)

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    父親の勤務先であるG国での休暇中にクーデターに巻き込まれた日本人家族の4人。密林を彷徨い『成人の儀式』に巻き込まれる子供たちと、密林へと消えた子供たちを探すべく奔走する大人たち。

    ・・・
    下巻では『成人の儀式』の描写が中心。

    マヤ文化の再興や伝統行事へ、なぜか日本人が巻き込まれてしまうのはやや唐突に過ぎる感もあります。が、地下に構築された遺跡で繰り広げられる『儀式』を生き延びようとする主人公錬(れん)の心理描写は手に汗を握ってしまうほどで、自然と感情移入してしまいます。

    そのほか、本冊では遺跡や古代文明というモチーフが強く感じられますが、恩田氏は本作以外でも『ネクロポリス』や『MAZE』

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    2023年01月10日