恩田陸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
かつての同級生である恵弥に誘われ、西アジアでの極秘プロジェクトに参加した満。そこで彼を待っていたのは、砂漠の丘の上に立つ巨大な白い立方体形の建築物だった。そこは〈存在しない場所〉〈有り得ぬ場所〉と呼ばれ、なかに入った人が消えてしまうという謎の迷路。恵弥が満を呼んだのは「迷路で人が消失する条件」を推理させるためだというが……。〈神原恵弥シリーズ〉第1作目。
ファンタジックな遺跡をめぐるオカルトミステリーかと思いきや、立地と国際問題に基づく現実的な真相が明かされ、しかも最後にはSFのかけらもチラッと見せてくれるサービス精神旺盛なエンタメ小説。
いちおう表向き製薬会社勤めの恵弥がこの件でコーディ -
Posted by ブクログ
学園もの、ホラー、ということで小夜子に近いかな?と思ったのであんまり期待しないで読んだ。だからか割と楽しく読めた。
確実に人ではない何かが関与している土地だと分かっているから、未知の存在がいるというだけでホラー感あってとても良い。
最初のアンケートのやつがよくわからなくて、読み進めているうちにちょっとずつ面白くなっていった。
自分も東北出身だけど正直地元には全く魅力を感じていないので、気持ちとしては久子に近いかなと思ったけど、晋に入れ込んでいく彼女は嫌いだなと思った。でもこういうところは普通の高校生だなぁとリアルさを感じた。
読み進めてページ数が少なくなっていくのにこの展開の感じは…とある種 -
Posted by ブクログ
独特の世界観が絶妙で、ずっとこの世界に浸っていたかったけど、それももう下巻でおしまいに。
血塗れジャックに殺された人たちがパブに集まって殺された状況を語るのは面白いシチュエーションだった!
しかし、肝心の犯人はつかまらないまま世界が歪んで(融合して)いき、黒婦人も消えてしまうしクライマックスへ進んでいくところもおもしろい。
ただ、ラストがいまいち消化不良で残念。。。無理にミステリ風にせずに、この素晴らしい世界観を風土記のように描いて欲しかったかも。。。アナザーヒルの設定はとても魅力的で、住人たちも素敵な人ばかりだったので、ただそれを味わいたかった。 -
Posted by ブクログ
腹に落ちて、消化するまで少し時間がかかりそうだ。
塚崎多聞を主人公として、各種物語が展開されていく。なんといっても面白いところは、多聞の人柄と各地の描写だろう。
特に砂丘なんかは、まだ訪れたことがない分さらに興味が湧いてしまった。
旅先と事件は、切っても切り離せないものなんだろう。トラベルミステリーは、とても面白い。
1つ1つは面白いが、一冊の文庫として読むと、最後のオチはなんだったんだろう。なにが不連続なのだろう。
恩田先生のことだから、何かしらの連鎖があるのではないかと思ってしまう。
ただ単に気づけていないこととして、再度読んでみよう。