恩田陸のレビュー一覧

  • 朝日のようにさわやかに

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    長さがバラバラならばテーマも様々な14編の短編

    「水晶の夜、翡翠の朝」は水野理瀬シリーズの、
    「淋しいお城」は“ミステリーランド”シリーズの番外編…前者のヨハンはカッコよく、“みどりおとこ”の転生が
    生々しい

    この2編とラジオパーソナリティの会話だけで
    事件が進み解決する「あなたと夜と音楽と」が好き

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    2020年01月12日
  • 消滅 VANISHING POINT

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    空港という非日常空間での物語。
    考えるということ、自分が何者かをどう証明するか、
    実は深遠な課題なのかも。

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    2020年01月05日
  • 妖し

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    評価は三ツ星半と言ったところか。
    タイトルどおり「妖し」を共通テーマとした異なる作者による短編集であり、それぞれに異なる趣きの作品からなっており、飽きることなく読み終えることが出来た。

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    2020年01月04日
  • 訪問者

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    これ、過去に読んでたっぽいです(^^;;
    陸の孤島的な設定が好みかも?と思ったのですが、なんとなく肩透かし。
    だから余計に記憶に残っていなかったのかな?

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    2020年01月03日
  • EPITAPH東京

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    東京を舞台にした戯曲を書いている主人公(まあ恩田さんでしょう)が、その舞台となる東京を色々な角度から切り取って東京という街の実像に迫っていく過程を書き記したエッセイ、という感じでしょうか。東京のあんな点こんな点とかなり興味深い内容です、少し物知りになったような気がします。ただし、視点が途中で謎の男性が見る東京に変わったり、肝心の戯曲の冒頭場面や設定詳細が登場したりと、なかなかに全体像を理解するのが難しい作品でした。

    そして、頭に浮かんだのは「三月は深き紅の淵を」の〈回転木馬〉です。まさしくあれに似た構成。あの作品も章自体の全体像を理解するのに苦しみましたが、こちらはもう少し整理された印象を受

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    2019年12月28日
  • 妖し

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    表題「妖し」のような統一感はあまり感じない。
    「真珠星スピカ」「李果を食む」「フクライ駅から」が良かったかな。特に「フクライ」の終盤に雪崩れ込むような展開のスピード感がなかなかよい。朱川湊人氏の作品は読んだことがないので、今度読んでみたい。

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    2019年12月27日
  • ねじの回転 FEBRUARY MOMENT(下)

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    同じ歴史を何回も繰り返されるのは当事者にとっては堪らないものがあるだろう。当事者にも思いがあり、その方向性で意図的に少しずつずらしていくと………タイムパラドックスに捻り加えた面白い構成。

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    2019年12月27日
  • MAZE 新装版

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    ネタバレ

    その場所に行き着くまでの狭い谷を抜けていく道程は、ペトラ遺跡に向かう「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」の場面をイメージしてしまいました。また、色もシチュエーションも違いますが、丘の上のその物は「2001年宇宙の旅」のモノリスをイメージしてしまいました。なかなかに魅力的な設定です。

    アジアの西の果て、荒野の中にたった四人、これは冒険ものなのか、ミステリーものなのか、はてまたホラーなのかという雰囲気が漂う一方で場違いとも思える怪しさ満点の主人公・神原恵弥の登場。そんな謎に満ちた異世界の空間の中で食事風景だけがやたら活き活きとしてリアルなのがまた不思議な雰囲気を纏います。このなんだかよくわからな

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    2019年12月23日
  • 消滅 VANISHING POINT (上)

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    ネタバレ

    国際空港の入管で別室に連行された11人による密室劇。‬

    ‪天災、テロ、感染症、サイキック、ヒューマノイド。色んな要素が含まれていて一言で表しづらい小説です。‬
    ‪行動や時間の制限で不安を煽られながら、登場人物の1人となって推理をしてみるものの、著者の世界に翻弄されるばかり。‬
    ‪どんな展開になっていくのか読めません。

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    2019年12月23日
  • エンド・ゲーム 常野物語

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    恩田さんがあとがきで「「常野物語」のシリーズ三作目ということで非常に緊張した」と書かれていますが、他二作を相当意識されたのだと思います。特に「蒲公英草子」とは極端に世界観が異なります。「蒲公英」と対比させるかのように、現代・都会を舞台にし、登場人物を最小限に絞り、光のあたらない闇に蠢く世界を描いたのがこの作品だと思いました。

    思えば一作目の「光の帝國」で私が苦手と思ったのが〈オセロ・ゲーム〉でしたが、この作品はまさにその長編でした。「光の」でも 裏返す という表現がどうしても頭にイメージできないままでしたが、この作品ではさらに 包む・叩く・洗う などという抽象的な動詞が追加になってさらに混乱

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    2019年12月20日
  • 消滅 VANISHING POINT (上)

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    ネタバレ

    【内容】
    超大型台風接近中の日本。国際空港の入管で突如11人が別室に連行された。時間だけが経過し焦燥する彼ら。大規模な通信障害で機器は使用不能。その中の一人の女が「当局はこの中にテロ首謀者がいると見ている。それを皆さんに見つけ出していただきたい」と言った。女は高性能AIを持つヒューマノイドだった。10人は恐怖に戦きながら推理を開始する。


    【感想】
    「蜜蜂と遠雷」を読んだ時と同じような印象。
    言葉にするのは難しいが、
    沢山の登場人物のバックグラウンドがしっかり描かれるから、其々を一人称にして述べられる描写は程々にリアリティーがあるのだが、作られたリアリティーという感じがするから、あまり心に響

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    2019年12月10日
  • 七月に流れる花

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    読み始めた時はホラーチックで怖い雰囲気だったけど、全ての意味が分かったときはそうだったのかー。と思うのと同時に切なくなった。

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    2019年12月09日
  • EPITAPH東京

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    戯曲を書く作者がストーリーを模索しながら東京をさ迷う連作短編集。
    同時に買った奥田英郎の著作だと勘違いして読んでしまい「頑張って恩田陸みたいな実験的な小説書いてるけど失敗だったなー」と思いながら読んでしまい、奥付きひっくり返して脱力した次第…

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    2019年12月05日
  • 八月は冷たい城

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    ネタバレ

    「七月に流れる花 」の続編で、本編でストーリーがわかります。
    中学生位では「死」を受け止めることはなかなか難しい。

    自ら死の境界を味わうこと、他人の死を経験することで、
    死が身近になった位だから。

    比喩もグロいけど、解釈を間違えると、恐怖になる。

    児童向きのため、話の展開は難しくないが、必ず「みどりおとこ」なのか?疑問が残ったけど。

    この話はエイズ等から発想が生まれたのかな。

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    2019年12月04日
  • 不安な童話

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    暗い不穏な雰囲気が漂う物語。
    生まれ変わりなのか?ただの偶然なのか?遺書に書かれた絵には何が隠されているのか?
    推理しながら読むという感じにはならなかったけど、面白く読めた。

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    2019年11月18日
  • 朝日のようにさわやかに

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    まず、巻末を読むことをお薦めします。
    短編集は2冊目ですが、他の長編とのつながりはない作品のようです。

    不思議な感覚を感じた作品もありました

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    2019年11月14日
  • 八月は冷たい城

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    「緑色感冒」で親の死が近い子供たちばかりが集められる
    「夏の城」

    少年たちはその場所で親の死を待つ

    「七月」より先にこっちを読んでしまったので
    世界観がわかるまで時間がかかっちゃった(汗

    案内人の「みどりおとこ」の正体は・・・

    急いで「七月」も読まなくちゃ

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    2019年11月13日
  • ねじの回転 FEBRUARY MOMENT(下)

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    ネタバレ

    安藤大尉、栗原中尉、石原莞爾。
    とりあえず2・26事件の勉強になった笑

    「歴史を修正する」という設定がとても面白かった。

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    2019年11月01日
  • 酩酊混乱紀行 『恐怖の報酬』日記

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    読んでみて、一番に思うのは
    「そんなに飛行機が怖いの⁉️」
    という素朴な疑問。次に感じるのは
    「どんだけビールが好きなの❓」
    という驚き。

    私はお酒が飲めないから、ビールやアルコールに酔う楽しさは理解できない。でも、楽しそう。
    反対に飛行機を怖いなんて思った事がないので、ここまで怖がる気持ちが不思議に感じられる。飛行機よりも遊園地のアトラクションのほうが、よっぽど怖いと思うけど‥‥

    好きな作家の書いたエッセイは、出来れば読まないようにしている。予めイメージした人物像が崩れるのが嫌だから‥‥本書を読んで、確かに思い描いていた恩田陸像は崩壊したけど、恩田陸さん自身にはもっと親近感を覚えた。面白

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    2019年10月20日
  • きのうの世界(下)

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    カテゴライズするなら、ファンタジーミステリー。

    上巻で散りばめられた謎の全てが繋がる展開を想像していたので、拍子抜けした。リアリティ重視の人は、消化不良に感じると思う。

    しかし、ミステリーとしては物足りないが、物語の雰囲気や設定はとても楽しめた。
    上巻の陰鬱さだが、終盤は朗らか!

    気負いなく読めるので、重苦しい本が苦手な人に勧めたい。

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    2019年10月18日