恩田陸のレビュー一覧

  • 酩酊混乱紀行 『恐怖の報酬』日記

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    恩田陸さんがアイルランドとイギリスに旅をする。飛行機恐怖症で、盛んにそのことをうだらうだらと書いていて、鬱陶しいといえば鬱陶しいが、まあご愛敬。全体として、恩田さんの文は面白いし、旅行先の雰囲気がよく伝わって来る。行ってみたくはなるよ。ときどき、文学作品の話も出てきて、これもなんだか面白い。おまけのキリン、サッポロ、オリオンビールの話も酒飲みらしくてよかった。

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    2019年10月17日
  • 夏の名残りの薔薇

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    山奥のホテルで、大富豪の三姉妹から招かれた人間だけが参加できるパーティー。
    そこで起きる殺人事件。
    おぉ!どうなる!と思いきや、次の章ではその殺人は無かった事として話が進む。
    何とも不思議な小説。

    映画のような世界観だなーと思っていたら、本当にある映画のオマージュ作品なのだとか。

    訳がわからないなりに、雰囲気は楽しめた1冊。

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    2019年10月15日
  • MAZE 新装版

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    ネタバレ

    もっと派手な展開を期待していたので残念ではあったが話自体は引きつけられるものがある。
    最後盛り上がりに欠ける…

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    2019年09月23日
  • EPITAPH東京

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    〈筆者K〉は戯曲『エピタフ東京』の執筆に行き詰まりながらも、失われつつある東京の魅力への探求を続けていた。
    ある日、自分を吸血鬼と名乗る吉屋という男に出会うが―。

    〈筆者K〉が執筆に悩みながら東京の日常を過ごすエッセイ風の章、吸血鬼を自称する男の視点の章、そして戯曲『エピタフ東京』の脚本部分と、3つのパートで構成されています。

    一応フィクションの体裁を取っていますが、エッセイのような、ドキュメンタリーのような。
    ストーリーの起承転結は期待してはいけません。

    だんだん〈筆者K〉が恩田陸自身に思えてきて、恩田さんの日々の雑感や小説になる前のアイディアの断片を読んでいる気になります。
    それはそ

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    2019年09月03日
  • ネクロポリス 上

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    ファンタジー+ミステリーの不思議な物語。
    不思議な世界観でお盆の時期にオススメな物語(笑)。
    日本とイギリスの文化が融合しているような設定。

    毎年「ヒガン」と呼ばれる1カ月を「アナザー・ヒル」と呼ばれる場所で過ごすV.ファーの人々。
    そこでは死んだ人々が「お客さん」として実体化して現れ、再会を楽しめるという。

    上巻では
    主人公ジュンは、文化人類学の研究で、アナザー・ヒルに親戚とともに訪れます。
    そこには、故人との再会を望む人達や、「血塗れジャック」事件の被害者の人たちから犯人像を聞き出したい人々が。
    しかし、アナザー・ヒルに上陸する直前に、鳥居につるされた死体を発見。
    さらに、アナザー・ヒ

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    2019年08月18日
  • 球形の季節

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    ネタバレ

    ある噂が広がる中、噂の出所を突き止め解決する話。かと思いきや、これは事件を解決する話ではなく、祈りながら待ち続ける人達の話。
    .
    それぞれが進んで行こうとする、重大な場面で、クライマックスの直前で物語があっさりと終わってしまい、「うわ!」と思わず声に。

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    2019年08月04日
  • ブラザー・サン シスター・ムーン

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    久しぶりに恩田陸の小説を読んだ。
    大学生活の回顧録みたいな感じで、綾音(小説)・衛(音楽)・一(映画)の視点から語られている。
    最初に読んだ時はピンとこなかったけど、今回読んで何を言いたいのかわかった気がする。

    三匹の蛇が落ちてきた様子、その後の蛇たちが行く末の描写が印象的。
    特別対談では?だったけど、衛の音楽サークルの話(2部)が好きだった。

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    2019年08月04日
  • 消滅 VANISHING POINT

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    ミステリかと思えば、ちょっとコメディのようでもあり、ひやっとする場面とのんびりした場面がそれぞれ面白かった。

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    2019年07月21日
  • 訪問者

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    「三月は深き紅の淵を」の最初の章に雰囲気が似ている。
    老人たち(男性複数、女性1人)と対峙する主人公、古い洋館、という設定かな。
    読後感は全然違う。
    本作は怖かった‥。
    無表情って恐ろしいよね。

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    2019年07月13日
  • ねじの回転 FEBRUARY MOMENT(下)

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    2.26事件を題材に過去をやり直す。。。というSF的な内容で、タイムパラドクスとか、これは一体どうなるの?という読んでいる中でも頭がこんがらがってきそうな話でしたw
    何度も繰り返される中で何が正しいのか、あるいはどうあるべきなのかがわからなくなってきて…
    最終的にはちょっとホラーチックな感じでしたね。
    日本で起きたクーデターとして有名ですが、以前映画で見ていたので、なんとなく内容はわかりましたが、知らないと結構わかりづらかったかなという気もしました。

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    2019年07月07日
  • EPITAPH東京

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    これは東京にまつわるエッセイだ。
    物語を期待したが、相変わらずチャレンジングな構成を
    試したがる筆者の趣味嗜好の本だった。
    ただ、エッセイとしては大変面白かったのだが…
    そういえば、戯曲EPITAPHは桐野夏生のoutを連想させた。

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    2019年06月26日
  • 夜の底は柔らかな幻(上)

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    恩田陸の超能力や架空の国のシリーズは読んだことがなく、そのシリーズかなと思って読み始めた。実際、設定や架空の言葉に最初は?だらけ。
    だけど、この話は前にでた本と関係あるものではなく、この主人公がいろいろあった状況から突如はじまっている。でも、だんだんそれがわかってくる感じがとてもおもしろかった。下巻が楽しみ。

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    2019年06月21日
  • 消滅 VANISHING POINT (上)

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    ネタバレ

    下巻までの感想含みます。入管で止められた10人、この中にいるテロリストを見つけ出すために閉じ込められた部屋で過ごすという話。登場人物を把握し、伏線かも?というのを戻って確認したりするので読むのに時間はかかりましたが、会話劇としてはスリリングでおもしろかったです。なんと言ってもキャスリンが異質で複雑でこの本にしかないおもしろさを出してると思います。しかしタイトルの消滅とは何か?というのが明らかになるラストは、完全に予想外すぎて結構唐突な感じがありました。

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    2019年06月02日
  • 七月に流れる花

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    ファンタジーと現実の狭間のお話。
    何も教えてもらえないミチルがちょっとかわいそうです。笑
    最後まで読んでから読み返してみると、また別の物語のようです。続き…というか別視点のお話もあるそうですが、まあいいかな。

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    2019年05月28日
  • ねじの回転 FEBRUARY MOMENT(上)

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    ネタバレ

    人が歴史に手を出すことが許されるのか?

    時間遡行ができるようになって、国連がしたことはある歴史上の人物の暗殺。それは歴史上の大きな悲劇を回避するための介入だったが、そのために人類に絶滅の危機が迫る。危機を救うために国連は、もう一度、過去を修復してやり直すため、過去の歴史的事件を「再生」し、そこで起きたことをなぞって歴史を「確定」するプロジェクトを始めた。今回選ばれたポイントは、「二・二六事件」。安藤大尉、栗原中尉、石原莞爾の3人が選ばれ、「確定」作業に取り組むがーー。

    れきしをかえては、なぜいけないの。ということで。介入しておかしくなった歴史を、「正しい歴史」に戻すために取り組む国連のメン

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    2019年05月28日
  • 八月は冷たい城

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    少年サイドの話。
     <夏の城>にやってきた4人の少年を待っていたのは、首を折られた4本のヒマワリだった。

     7月とは違って、ここにいる意味が解っている少年たち。
     が、不穏因子があって、結局は世界が、小さくだったとしても、揺れ動くことになる。

     <真実>はかのように重い。

     にしても、最後の最後にうっそうとした緑に覆われて、人工のものが朽ちているというイメージはよくある。
     よくあるということは、わりと共通する夢想なのだろう。

     人は、緑を夢にみる。
     緑の中で、圧倒的な沈黙の中で、朽ちることを遺伝子レベルで求めているのかもしれない。

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    2019年05月03日
  • 七月に流れる花

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     季節外れの転校生は、呼ばれると必ず行かなければならない林間学校「夏の城」に招待された。
     古城で5人の少女たちの共同生活が始まる。

     「7月に流れる花」が少女サイドで、「8月は冷たい城」が少年サイドの話なので、両方読んでしまうと、そういうことなのね、って思うのだけど、とにかく謎が多い。
     転校生であるという条件というか立場が、これほど歯がゆいとは。
     それにしても、何もかも内緒にしなくてもいいんじゃないかと思うんだけどね。

     もう、何をどう書いてもネタバレそうになりそうなので、あれなんだけど、ようするに、様々な選択肢をつきつけられる物語なのだと思う。
     
     必ず行かなければならないとして

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    2019年05月03日
  • 夢違

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    恩田さんらしい作品です。夢を映像で記録するとか、その解析を生業にした主人公とか、かつて事故で亡くなったはずの女性の幽霊とか、小学校で頻発する集団白昼夢に神隠し・・・。これでもかと言わんばかりのオカルト的な要素を盛り込みながら、ぎりぎりのところで破綻せず一定水準のエンタテイメントに仕上げているあたりはさすがだなあと感心しました。
    一方で、たくさんの事件や謎が印象的な仕掛けとともに現れはするのですが、例えば神隠しにあった子供たちの帰結とか、ラストシーンもですが、最終的にはやっぱりそうするしかないのねという感じで、導入部と比べてインパクトに欠けるように思えました。ある種の超常現象を扱っていながらも一

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    2019年03月31日
  • きのうの世界(下)

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    恩田さんらしく、暗くて独特の雰囲気の中進められていく展開と散りばめられる謎の数々には読む手が止まりませんでした。が、最後の結末は私的にはいまいちでした。期待しすぎたのかも。

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    2019年03月12日
  • 夏の名残りの薔薇

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    ネタバレ

    元ネタの映画を観たことがないと、だいぶ退屈な小説。アラン・レネは…ヒロシマ・モナムールは観たことあったんだけどな…観たらまたパラパラ読み直そうかなと思う。

    話の構造は面白いし、こういう小説もアリだと思う。私も過去をねつ造することがあるし、そのことが小説になってて興味深かった。ただ、雰囲気のせいもあるのか、物語の世界には没頭できなかった。

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    2019年03月12日