恩田陸のレビュー一覧
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デジャビュ(既視感)のような気分を味わった、物語の始まる東北の一地方「谷津」という土地に。
「みのりやひろのり、ひとし」たちにいつか会っているような、自分のことのような。
どこかであったような自分のことのような人たちが、住んだことのあるようなところで繰り広げる日常の非日常。私は恩田さんの書くファンタジーの気質ひとつだろうと思う。いや、羨ましい筆力の才能。
でも、それは後から思ったこと、とっぷりとはまって楽しんでしまった。とくに第二章「いつの間にかこんなに違った生き物になってしまった」の「谷津」の町の情景描写は好もしい。
『国道を車で走れば、谷津を通過するのに、もし運悪く信号待ちにひっかか -
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女流画家高槻倫子の遺作展に出掛けた主人公万由子が、展示されている絵から強烈な怖れを感じ意識をうしなってしまった。
後日その画家の息子から「母の生まれ変り」ではないかと指摘されることから苦しみが始まる。画家は25年前に殺されたのだったから。
なぜ、縁もゆかりもない「私」古橋万由子が知っているような気がするのか、画家を殺した犯人は?というあらすじ。
「生まれ変り」伝説などというまがまがしさは苦手とひきながら読み進んだのだが、すじの面白さにぐんぐん惹きつけられ最後の展開になるほどと思わされた。
クリスティの「スリーピング・マーダー」の結末も深層心理をうまく取り入れ、そのクリスティの筆運びの恐 -
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私の年齢ではこういうのをゲーム感覚というのかな、ということになる。
変化に富んで、急展開でジェットコースタに乗っているごとく面白かったということ。
あらすじは、夏休み、離婚した夫婦とその子供の兄妹がマヤ文明の遺跡のある土地で再会する。
さて、無事に観光を終えて帰る前日、その国にクーデターが勃発、ジャングルをヘリコプターで飛んでいるうちに事故にも合い父親、母親と兄妹が離れ離れになってしまう。
放り出された秘境のジャングル。
果たして再会できるのか。生き残れるのか、冒険と、ゲームがが始まる。
マヤ文明聞いたことはあるけれどよく知らないな(恥だが)と思わず世界史年表と地図帳を出して確かめた。あっ -
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恩田陸の『茶と黒の幻想』を読んだ。幻想的な『三月は深き紅の淵を』『麦の海に沈む果実』の続きと期待して…。(この2作は題名に惹かれたともいえるが)
けれども。
そつがないけれど「それが、なにか…」というのが感想。別に恩田さんがいけないのではなくて、そういう資質の作家さんなので、この口当たりのよさがいいという人も多いと思う。
たまたま一緒に読み始めたのが、D・H・ロレンスの『恋する女たち』だったのが悪かった。おなじ男女4人が織り成す模様が、あっさり味の料理と、こってり味の料理の違いがわかってしまった。
もちろんストーリーはまったく違うので内容がおもしろいとかそうではないとかではなく