恩田陸のレビュー一覧
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近未来、汚染された地球に取り残された挙句、文化すら取り上げられて倹しく暮らす日本人たち。エリート養成校「大東京学園」へ入学すれば将来が約束される──そんな希望と野心を持って全国から集まった男子たち。彼らを待っていたのは過酷な労働と競争だった。
上巻では、主人公・アキラとともに世界観を学んでいきます。そして、行方不明になった兄の謎に迫っていく。
友達のアキラ、一方的に敵視してくるリュウガサキ、新宿クラスのシマバラたち、妄執に駆られた教師のタダノ、謎の少女・キョウコ。髭のおじいさんは校長なんでしょうか。
果たしてアキラとシゲルはどうなるのか。アキラの兄はどうやって学園から脱出できたのか。
気になるところで下巻です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ父親の勤務先であるG国での休暇中にクーデターに巻き込まれた日本人家族の4人。密林を彷徨い『成人の儀式』に巻き込まれる子供たちと、密林へと消えた子供たちを探すべく奔走する大人たち。
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下巻では『成人の儀式』の描写が中心。
マヤ文化の再興や伝統行事へ、なぜか日本人が巻き込まれてしまうのはやや唐突に過ぎる感もあります。が、地下に構築された遺跡で繰り広げられる『儀式』を生き延びようとする主人公錬(れん)の心理描写は手に汗を握ってしまうほどで、自然と感情移入してしまいます。
そのほか、本冊では遺跡や古代文明というモチーフが強く感じられますが、恩田氏は本作以外でも『ネクロポリス』や『MAZE』で古代遺跡を描いており、こういうの好きなのかなあ、とちょっと思いを馳せました。まあ、確かに古代遺跡って私もロマンを感じてしまいますが。
そのほか、『儀式』のリーダーであるニコと東京で再会するのはまあちょっと陳腐なドラマな雰囲気になりますが、それはそれで予定調和的なハッピーエンドはほのぼのとしてよいものだと思います。
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ということで全編通してスリルとサスペンスを感じられるエンターテイメント小説であると思います。瞠目するほどの感激や驚きは私にはありませんでしたが、恩田氏らしい味のある楽しい小説であったと思います。 -
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ネタバレ離婚の末にバラバラになって暮らす家族の年に一回の行事である再会旅行。父親の勤務先であるG国で過ごす休暇中に家族でクーデターに巻き込まれる。クーデター発生時彼らはヘリで遺跡に向かう途中であったが、クーデター側と思しきパイロットに子供たちはヘリから密林へと落とされてしまう。
上巻ではローティーンの兄妹たちが知恵を絞ってジャングルを生き抜く描写が中心。
但しそこは恩田氏。生死がかかっているとはいえ、青春テイストがかおるのは「夜のピクニック」の作者ゆえか。訳あって異母兄妹である二人は、頼りがいがある爽やかなアウトドア系の兄と、新体操に打ち込む美しい妹として、わずかにお互いを異性として見ている雰囲気があります。仄かな恋の雰囲気を匂わすもキレイなままで終わるのがいかにも恩田流といってもよいのかもしれません。
そのほか、上巻では残された大人たちがクーデターによる軟禁下から脱出し子供たちを創作に行くのがもう一つのシーンとして描かれます。
ただ、より印象的でキャラ立ちしているのは日本の家族であり、主人公である錬の従兄、また彼らの祖父などが色々な伝手を使ってこの四人の安否を確認しようとする様は非常にエキサイティングでした。
下巻ではまた流れが変わりますが、両編通じてまずまずの面白さだと思います。 -
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恩田陸の旅エッセイ。刊行は平成23年、文庫化は平成25年。積読の結果令和5年に読むという。
どんなタイミングでも、自分が読んだ時がその本との出会いなので、気にはしてないのですが、エッセイとかは共感できる部分が変わってくるのかなあ、と思う。
あとあと読むことで、著者が感じたことが未来にどんな影響を与えたのか、と楽しめるというのはあるけど。連載もしくは、刊行当時の読者である自分の生の感情とたらし和すことができないかな、と思う一面もある。
なんにしろ、楽しめればいいのだけど。変なところで変な理屈こねてしまうのはやめたいですな。
郡上八幡の回は「愚かな薔薇」じゃないか、ということがすぐにわかったので、わくわくしました。まだ書き上げてない作品、いつか出るであろう作品のきっかけになった場所を巡ったエッセイ。「愚かな薔薇」のあの異様な熱気の原点はここだったのか、と楽しく読みました。
結果を知っているからこその喜びでしたね、この回は。
こんな楽しみもあるのだから、読むタイミングなんて人それぞれでいいんだよなあ、と再確認です。自分に都合よく。 -
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新本格30周年記念アンソロジー…アンソロジーってあまり手に取ることはこれまでなかったけど、どうしても読みたかった恩田陸先生の 『麦の海に浮かぶ檻』を読むために手にしました。やっぱりいいなぁ…『麦の海に沈む果実』の番外編、主人公はあの人!だから、今そうなんだぁ~と納得できました。読めてよかったです!
他の作品では、綾崎隼先生の『時の館のエトワール』:時間が狂う館、「時の館」に修学旅行で宿泊することになった女学生…時間が狂うとはどういうことなのか…。
井上真偽先生の『囚人館の惨劇』:兄妹の乗ったバスが転落事故を起こす…生存した他の乗客と一緒に近くにあった館で救助を待つことになったが…その館は囚人館だった…。
この2作品は読ませてもらえた感がありました。でも、その他の作品は、読み終えはしたけれど私好みではなく残念でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ短編集。
「心変わり」
続きを読みたくなる。絶対この後何かがある!と、期待させる話。窓から見える高速道路の壁が破損していてそこから向こう側の家が見えるなんて経験してみたい。
「忠告」「協力」
犬や猫がお手紙書いてくれるなんて夢みたい!ちょこちょこ誤字ってるのが可愛くて仕方がない。でも猫が飼い主(男)に恋して飼い主(女)を殺すのは怖すぎる
「少女界曼荼羅」
これもまた続いて欲しい話。文章で不思議な世界観を表現できるのってほんとすごい。
「台北小夜曲」
台北の街並みが目に浮かぶ。ちょっと不思議な話で好き。不思議で解釈は読者次第。Mのセリフと彼のセリフがリンクするところ、男の子は彼岸花とカラス。
「交信」
小惑星探査機はやぶさの帰還を記念してかかれたもの。はやぶさが帰還した時、探査機の途方もない旅に思いを馳せて、切ないというか寂しいというか、なんとも言えない愛おしい気持ちになったんだけど、「交信」を読むとさらに愛おしく感じる。寂しかったね、寒かったね。おかえり。