恩田陸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレたぶん、5月連休明けか、中旬くらいに読んだんだと思う。
読んでいて、ふと、思った。
これって、もしかして、恩田陸版「なんとなく、クリスタル」?って(爆)
といっても、「なんとなく、クリスタル」は、主人公(だったか?)の女性がパイドパイパーハウスに新譜を見に行こうか迷うシーンしか記憶にないwこともあり、内容ではなくて。
この「ブラザー・サン シスター・ムーン」に出てくる3人の日常の雰囲気が、なんとなーく、“なんとなく、クリスタル”だなーって。
ていうか、それこそ「なんとなく、クリスタル」なんて題名にした方が、この本の内容に合っている気がするのだ。
いや、別に、「なんとなく、クリスタル」にこだわっているわけではなく、「ブリリアントな午後」でも、「たまらなく、アーベイン(だっけ?)」でもいいんだけどさw
自分としては、これを書くにあたって、著者がモチーフにしたのかもしれない、その「ブラザー・サン シスター・ムーン」という映画を知らないこともあり、(話の後、著者と登場人物のモデルとなった当時のジャズのスタープレイヤーとの対談がついていることも含めて)なんとなーくクリスタルな話?、だなぁーって思った。
それはそれとして、ファンとしては、これって、著者はどういう意図で書いたんだろう?というのが気になるわけだ。
ま、意図というか、どんな風に書いたというか(たまたまネタがなかっただけwというのも含めて)。
3つの章+予告編ヴァージョンで構成されているこの話を、著者はどの順番で書いたのだろう?と、なんだかそこが妙に気になるのだ。
ファンとしてはw
とはいうものの、著者はジャズをやってただけあって、インプロビゼーションでノリまくるのはいいんだけど、
ノリまくりすぎちゃって、元の演奏に戻り損ねることが多々ある(というか、常習?)からなーw
(ビッグバンドにインプロビゼーションがあるかどうかは知らないw)
素直に考えれば、「予告編ヴァージョン」は予告編とあるのだから。この3人を主人公に物語を考えていて、次にポツンと話が飛んで2章目を書いたってことかなぁー、と思うんだけど…。
というのも、1章目がよくわからないんだよなー。
ぶっちゃけ、素人が自己陶酔が自己逃避だかで書いたみたいな、この話を一章に持ってきている(残している)ということは、「予告編」にある3人の物語を書くというのはもちろん頭にありつつ、まず一章を書いて。
次に、もっとも小説然としている2章を次に書き、3章でインプロビゼーションしまくっちゃって、例によって話が元に戻らなくなって。
しょうがないから、なんとか収拾をつけようと予告編の部分を、わざわざ「予告編ヴァージョン」とことわりを入れて書いたんじゃないかと勘繰ってしまうわけだw
ただ、短編集なんか読むと、この「予告編」みたいに唐突に始まって唐突に終わる話は普通にあるから、まず短編として(ネタとして)「予告編」があったのかなーとも思う。
だって、1章は「予告編」の設定をちゃんと引き継いでいるし、また、2章に展開を巧く引き渡してもいる。
結局、3章のインプロビゼーション吹きまくりで話を収拾し損ねただけ、と考えれば、なんだ、結局いつもの著者のパターンじゃんwみたいな?
ということは、1章は著者のたんなる照れにすぎないってこと?w
恩田陸の小説の魅力は、めくるめく謎、謎、謎…(ただし、それに見合う結末はないw)にあると思ってたけど、間違っても結末に期待してはいけない!を忘れなければ、これはこれで面白い。
というか、ノスタルジアの魔術師と言われる(らしい)恩田陸が、自ら“自伝的”と言う小説で、自分の大学時代を全否定するのが面白い(興味深い)。
(80年代半ばにおくった自分の大学生活を否定する著者の感覚。もしかしたら、それこそが恩田陸が今ウケる根本なのかも?なんて思ったりw)
というかー、これって、そもそもフィクションなわけで。著者が“自伝的”と言うそれって、ノスタルジーに浸ることを良しとしないことにこだわりたい著者の、当時スターだった大学のジャズプレイヤーとの対談まで全部ひっくるめたフィクション(小説の一部)なんじゃないのかな?なんて思ったw -
Posted by ブクログ
なんとなく「夜の底は〜」に近いなと思った。個人的にはあちらの方が怖かったんだよな…神山の得体の知れなさが。
比較してしまうのは良くないかもしれないけど、烏山はそこまでカリスマ性を感じなかった…すごい人なんだとは思うんだけど…
そんな風に思うのはラストでひっくり返されたから。悪は悪のままであるからこそ光るのではと思う。想像もしなかった善にやられる悪という構図は定番といえば定番だけどやや納得できないラストだった。
というか姉ちゃん一人であそこまで来たの?インスタレーション沢山あったのに?
夏海は世界を支配する側になりたいと思っているが、本性曝け出したところでものすごい小物感あるなぁと思ってしまった。烏山が悪のままでラストを迎えたとしても、結局はいいように使われて始末されてそう。
そしてひたすらに橘兄弟がかわいそう。
全体的に不気味だという印象はあるけど怖いとまでは思わなかった。一番嫌だなと思ったのはゴムの迷路…気持ち悪い…
恩田作品のこの手のラスト最近しんどくなってきた。伏線回収が雑すぎる… -
Posted by ブクログ
十人の人気作家が作る、妖しげな世界。
「ANNIVERSARY」は言葉の持つ明るい世界とは異なる、なんだか奇妙な、悲しい世界だ。
世界がループするのだ。
ちょうど今読み返している『D.Gray-man』にも、繰り返される日々の話が出てきていた。
この漫画について語るのはまた別の機会として、とにかく元の世界においてきた子供のことが気になってしまう。
愛する者との離別を考えると、胸が苦しくなる。
『李果を食む」は、私が感じ取ったおぞましさは二つあった。
どちらだ。
どっちなんだ。
いや、どちらでも構わないだろう。
もうすぐ、スモモの季節。
あの甘酸っぱいすももを、私はこの話を思い出さずに食べられるだろうか?
「かぐわしきひと」「喪中の客」はどちらも気味の悪さで際立つ。
前者は自分の思い込みに騙され、そして、終わりの凄惨さに胃液が上がってくる。
後者は、自分の見ている世界が本当に正しいのか、わからなくなる。
それにしても、あの客人は一体なぜきたのだろう?
そちらの方が、より、恐ろしい。 -
Posted by ブクログ
事故に見せかけた連続殺人か?
閉じ込められた山の中の洋館で、さらなる事件が?
密室ミステリーのドキドキ感と洋館に住む個性的な老人たちのキャラクターがマッチして、最後までどうなるの?と引っ張られました。
「訪問者には気を付けろ」という言葉が出てくるのですが、キャッチーですよね。
訪問者という名の異物が混入してくる感じ。
そして、誰が本当の訪問なの?という不思議な感覚。
最後の最後は、あれ?え?と思いましたが、それはミステリーによくある話なので、語るほどのことではありません。
むしろ、読み終えたときに自分も共犯者であり、訪問者であった感じがしてくる作品です。 -
Posted by ブクログ
中庭で起きた殺人事件?の演劇という感じの作品です。
2006年作品で、バブル崩壊から立ち直れない日本、
3年後、追いうちをかけて、リーマンショック。
さらに5年後には東日本震災。
2019年11月にはコロナが発生し、2020年を
迎えている。まさに「ブラック・スワン」
主な登場人物は曲者女優3人、脚本家、刑事。
私的には壊れたレコードのように繰り返される文章が少しずつ、1部書き換えられている印象で、だんだん、いらいらと麻痺を起こした感じ。リズムが悪く、読者を疲れさせて、思考回路を低下させる目的があると、邪推してしまう。
現在、老若男女問わず、ストレス社会において、権威のある人、高学歴の人でさえ、耳を疑う事件を起こしている。
ゴシップを好む人の性を逆手に取った舞台作品に価値は本当にあるのだろうかという所感。