(上)はワクワクしながら読んだ。破壊され、取り残されて、緩やかに滅亡に向かっていく世界。ある意味どこよりも生命力に満ちた(生と死が常に隣り合わせの異様なエネルギーがある)、異様な場所、閉塞された大東京学園が舞台。アキラとシゲル、二人の少年の友情や、それぞれがそれぞれの「何か」に立ち向かい続ける姿が小気味いい。管理され支配され制限される中で、でもだからこそ禁止された文化無しに生きられなくて、20世紀のサブカルチャー、"退廃した"文化がたまらなく魅力的。みんなどこかで"今"をおかしいって感じてる。でもどうしたら良いか分からないし、敵は途方もない。そもそも敵はなんだ?何に立ち向かえば良い?制度?国家?学園?タダノ?滅亡に向かう世界、地球を破壊した先人たち、大衆文化、大量消費の文化こそが悪か?もうわけがわからない。
何だかしっくりこない。苦しい、納得出来ない。でも何かに相対するときって、結局のところ自分が何に立ち向かえば良いのか、そのためにどうすれば良いのかって掴みきれないし、いざ立ち向かおうとすると足が竦んで足踏みしてしまう。現状のまま、その日常の中にいた方が良いんじゃ?でも現実には希望がなくて。そういう中で、現状に甘んじて緩慢な死を選ぶか、変化を望んで動くか。
人が過酷な状況で何を選択するかって、本当に難しい。自分にとって何が大事なのか、その行動を選択させる動機、自分の根底にある動かせない何か、が何なのか。自分に必要な物って、何だろう。私が私として生きるために必要な物とは。
いろんな物が理不尽で異様な環境の中でじんわり浮き彫りにされる。
うーん。思考がいったりきたりしてしまう。
(下)は怖くて、不安がせり上がってきて、途中で読むのを止められなかった。その結果たどり着いた結末にほっと出来たのかというと、よくわからない。読み終わって脱力はしたけど。
結局のところ読んで自分の中に何が残ってるかっていうとよくわかんないなあ。
取り敢えず、今のところ再読する気力はわかない。心臓に悪かった、うん。