恩田陸のレビュー一覧
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ネタバレウイルスハンター神原恵弥シリーズ第三弾。最近読んでなかった著者ですが、これ主人公のキャラが大好きなんです。あらゆる面で凄腕でキャラも強いのに、これまた家族友人知人が負けない変人ばかり(でも優秀)しかも今回は大好きなT共和国ときたらそりゃ読みますとも。今回も恵弥の行動言動思考の運びを楽しみながら、脇を固めるみなさんにも楽しませていただきました。特にエディ!彼だけで話ができそうなかっこよさ。謎解き自体は、そりゃないぜベイベー的展開(化学兵器のあたりではそれはフィクションだとのちにわかったのでは?というところも)でしたが、恵弥自身が次の段階に向かっていて次回作も楽しみなキャラクター小説でした。
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原発破壊のため国土の二割が立ち入り禁止となった日本。その地域を管理パトロールするのは「ウルトラ・エイト」と呼ばれるロボットたちだが、ある日そこへ国税庁の女がやってきた。三日間で制限区域の実態調査を行うというのだが、その目的は…
放射能汚染を軸にロボットやゾンビといったSFな世界を描きつつ、現実に対する叫びが感じられる話。シリアスに書くとどこまでも暗い話になるところを、ロボットたちのとぼけたキャラや昭和感満載の小ネタ、そして財護徳子の破天荒なキャラで軽い雰囲気になっていて読みやすい。しかし詰め込み過ぎで焦点が合わず、インパクトが足りない気がした。色々と惜しい。 -
Posted by ブクログ
「エピタフ東京」という戯曲を書く筆者Kと、その友人B子、自称吸血鬼の吉屋が無味無臭の東京を背景に行き交う。
視点が変わったり、シナリオが入っていたりと構成は特殊なのに、なぜか平たい感じもして、掴み所がないのがこの作品の味なのかな、と感じた。
また、一人称が「筆者」だからか、恩田陸がこう考えているのかな、と思わされることからプロローグ、2011年3月の日記に繋がる所も面白い。
「屋上とジャンケン」から引用。
「ローマは映画が撮られる前から有名観光地だったからいいものの、よく考えてみると、ロケ地に行ってみたいという願望は不思議だ。スクリーンに映しだされているのは、虚構としての風景である。映画がフィクションである以上、物語の背景である風景も虚構としての背景なのだ。現実の場所に行って、虚構の追体験をしたいと思うのは、なんだか矛盾しているような気がする。」
先日読んだ、テーマパークの歴史についての文章に同じことが書かれていた。
非日常を体験するというテーマの大きなターニングポイントは、ディズニーランドらしい。
あれも、映画を観るという虚構の追体験である。
「どこかに新名所が作られると、ゴジラはスクリーンの中で必ずそれを破壊することになっていた。今にして思えば、あらかじめフィクションの世界で破壊しておくことによって、逆に永続性を祈念していたような気がする。」
「松本サリンはオウムのしわざ
読んだ瞬間ゾッとしたことを思い出す。
そして、改めて周囲を見てみると、ガードレールには、えんえんとその文章が押してあるのだった。まるで蟻の行列のように、ずっと先まで続いている。」
このように引用してみると、恩田陸が目に止めた不思議のカケラを繋ぎ合わせたような、つまりはエッセイのような、そんな印象も受ける。 -
Posted by ブクログ
特に館モノが好きとかではなく、手っ取り早く読んだことのない作家さんの小説を読みたい!と思い、手に取りました。
■はやみね先生といえば児童書というイメージが強いのですが、掲載作は大人が読んでも充分に楽しめるし、青少年が読んでも楽しめる話だと思いました。ガッチガチのミステリーを期待している方には物足りないかもしれませんが、1作はこういった話があってもいいのではないかと思います。
■恩田先生の作品はタイトルでわかるように『麦の海に沈む果実』のスピンオフで、私も楽しみにしていました…が、いかんせん話が短い!勿論、このページ数で恩田陸の世界を見事に作り上げる力量は流石ですが、『麦の海に沈む果実』のスピンオフとしては肩透かし感が否めず、他の作品とのバランス的にも恩田先生だけを目当にこの本を読む必要はないかな、と思いました。
■高田先生の作品はこれが初めてです。
QEDシリーズがお好きな方には登場人物の新たな一面が楽しめる作品なのかもしれません。私も短いページ数でふんだんに語られる薀蓄をおおいに楽しめました。でもこれ…館じゃないよね!?
■綾崎先生も初めてです。これもまたシリーズものの主要人物が登場しているようですが、キャラ付けがなんともラノベっぽい!ミステリーとして読むとうーん…と思いましたが、館だからいっかな!とも思えました。(掲載順の妙)
■白崎先生も初です。
こちらはなんとも個性的というか、読む人を選ぶ作風だと思いました。でもミステリーとしては面白いと思いますし、はじめはギョッとするしほりんのことも段々と好感を抱いてすまうんですよ。これは純粋に凄いなと思いました。でも本当にグロい!し、品性に欠ける!ので、はやみね先生の作品目当てでこの本を読んじゃった青少年がいたらどうすんだよ!と思いました。とはいえ、責任は編集部にあるので、先生は別に悪くないのではないかな…。
■井上先生の作品も初読みです。
首無し館の後に読むと、この作品だけ取り出して読む時よりも、ものすごく正統派なミステリーに思えてしまうという。そこへきてあのオチ。作品の魅力を最大限に生かした掲載順の妙だと思いました。、ラストを飾るに相応しいしんみりとさせられる話でしたね。本格かというと本格ではないような気がしますが。
1作ずつ取り出すと、どれもちょっっぴり物足りないところがあるのですが、1冊として捉えると、それぞれバラエティに富んでいて、バランスのいいアンソロジーだと思いました。