恩田陸のレビュー一覧
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デジャビュ(既視感)のような気分を味わった、物語の始まる東北の一地方「谷津」という土地に。
「みのりやひろのり、ひとし」たちにいつか会っているような、自分のことのような。
どこかであったような自分のことのような人たちが、住んだことのあるようなところで繰り広げる日常の非日常。私は恩田さんの書くファンタジーの気質ひとつだろうと思う。いや、羨ましい筆力の才能。
でも、それは後から思ったこと、とっぷりとはまって楽しんでしまった。とくに第二章「いつの間にかこんなに違った生き物になってしまった」の「谷津」の町の情景描写は好もしい。
『国道を車で走れば、谷津を通過するのに、もし運悪く信号待ちにひっかかったとしても五分とかからない。日本中に、これと同じような町がいったいいくつ位存在しているのだろう?』
ここを読んでドライヴ途中の旅愁を思い浮かべる人は多いだろう。
そんな町が心を込めて描写され、みのりという女の子に『浮き立つような気持ちになる』と言わしめる、紅川の情景。如月山の四つの高校、男の子の高校二つ、女の子の高校二つ。そうして物語は始まる。
「球形の…」と題名がいうようにこの地球上に幾千とある物語の一つ、ファンタジーに込められた普遍性。その普遍性として述べられている「ことがら」がこの物語のカギなのだが、それを言うのは控えよう。しかし、その「ことがら」は私にも生きる上でもっとも大切な、大切なことがらなのだ。 -
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女流画家高槻倫子の遺作展に出掛けた主人公万由子が、展示されている絵から強烈な怖れを感じ意識をうしなってしまった。
後日その画家の息子から「母の生まれ変り」ではないかと指摘されることから苦しみが始まる。画家は25年前に殺されたのだったから。
なぜ、縁もゆかりもない「私」古橋万由子が知っているような気がするのか、画家を殺した犯人は?というあらすじ。
「生まれ変り」伝説などというまがまがしさは苦手とひきながら読み進んだのだが、すじの面白さにぐんぐん惹きつけられ最後の展開になるほどと思わされた。
クリスティの「スリーピング・マーダー」の結末も深層心理をうまく取り入れ、そのクリスティの筆運びの恐ろしさに背筋が凍る思いをしたものだが、勝るとも劣らない。
オカルトでもないエンターテイメントでもない、サスペンス、サイコホラーとあらゆるジャンルを組み込んでミステリーで味付けしてある、稀有な作品とみた。
恩田陸、3作目らしい。「六番目の小夜子」「球形の季節」と読み進んでくればきっとこの不思議なジャンルの物語にとりこになった読者も多かったのでは。
私はその後の発展した作品を先に読んでいるので、恩田さんの才能を再確認したわけだが。
恩田さん独特のおかしみのある語り口も健在確定である。(であるが、この語り口になかなか私は慣れ得ないのだが...)
子供の頃に読んでもらった童話はずーっと覚えているものだ。とくに寝しなに読んでもらったものは...。怖ろしいことだ! -
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私の年齢ではこういうのをゲーム感覚というのかな、ということになる。
変化に富んで、急展開でジェットコースタに乗っているごとく面白かったということ。
あらすじは、夏休み、離婚した夫婦とその子供の兄妹がマヤ文明の遺跡のある土地で再会する。
さて、無事に観光を終えて帰る前日、その国にクーデターが勃発、ジャングルをヘリコプターで飛んでいるうちに事故にも合い父親、母親と兄妹が離れ離れになってしまう。
放り出された秘境のジャングル。
果たして再会できるのか。生き残れるのか、冒険と、ゲームがが始まる。
マヤ文明聞いたことはあるけれどよく知らないな(恥だが)と思わず世界史年表と地図帳を出して確かめた。あった、メキシコのそば、ユカタン半島、ティカル、王のピラミッド。G国らしき国。そのシティ。
私の友人にそういういわゆる秘境が好きで選んで旅行している人がいるが、なにを好き好んででいく必要があるのか思う私。中国の桂林しか行ったことがない。桂林が秘境ならだが…。(川下りの船上はトイレの凄さとか食事に生臭さに辟易としたので、そうだったのだと思うのだが)
そんな貧弱な経験に照らしていうのだが、そんなところ厭だなーと思う、さよう、主人公の兄妹「レン」(15歳)「チカ」(12歳)の二人も絶えず東京の、文明の便利さを懐かしんで慨嘆しては余儀なく冒険している。しかーし、様々な試練に立ち向かい兄妹は強くなっていくのだろうか?というところが物語り。
ところどころ、恩田さんらしい書き込みがはいる、「じいちゃん」の人生哲学。
その地の文が「恩田ワールド」と私は思う。
自分のことにかまけている大人。大人って者は目配りが出来てこそ大人なんだよ。どうしようもない情けない父親のいつわらない姿。自分勝手なタイプの母千鶴子。悔いて行いを改めて変わっていけば普通なのだが、どっこい。(あれ、ネタバレでないよね)
単行本の緑色っぽい表紙と中表紙の見開きのイラストがいい。読み進むとヒントになるから面白い。 -
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「館」をテーマにしたアンソロジー。新本格30周年記念アンソロジー第3弾。
はやみねかおる『思い出の館のショウシツ』
メタブックという設定が面白い
恩田 陸『麦の海に浮かぶ檻』
シリーズものの外伝(シリーズ未読…)
高田崇史『QED~ortus~ ―鬼神の社―』
こちらもシリーズものらしき。理屈っぽい先輩
綾崎 隼『時の館のエトワール』
タイムリープとSFチックと思わせて、こう来るか
うん。ヒロインの感想に同じ。
白井智之『首無館の殺人』
グロい。汚物方面でもグロ、トリックもグロ、例えの表現すらも。
井上真偽『囚人館の惨劇』
先の読めない展開
シリーズの外伝が多いのと、ミステリー要素は少なめな印象。白の方が好みかな