恩田陸のレビュー一覧

  • 私と踊って

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    短編小説と知らず読んでいたが、トリッキーな設定などエンターテインメント溢れる作風で楽しんで読むことができた。描写が難しいところがあるので流し読みは難しかった。

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    2017年03月23日
  • 夜の底は柔らかな幻(上)

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    この作品のスピンオフが発売になるので、手に取った1冊。何とも、最初から不思議な世界で「恩田ワールド」全開な感じ。特殊能力を持つ「在色者」、国家権力が及ばない「途鎖国」…こういう世界を描く才能って、ただただ凄いと感じる作品。ただ現実離れし過ぎているので、この世界観に慣れるまでは、少し時間がかかった。

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    2017年03月06日
  • 訪問者

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    物語の舞台は山荘に限定されている。
    舞台にしたら面白いかも・・・などと考えた。
    もったいないと思ったのは、千次以外はキャラクターにこれといった個性が感じられなかったこと。
    もう少しそれぞれのキャラクターがはっきりと描き分けられていたほうが良かった気がする。
    すべてが計算しつくされたものだったのか。
    あいまいなまま幕が引かれるラストが、奇妙な余韻を残す。
    読み終わったあとに、本当はまったく違う物語だったのでは?と危うい不安定さが残る作品だった。
    それにしても、「訪問者にきを付けろ」にあんな解釈があったとは!?
    普通の物語のようで、エンドマークの後にもうひとつ別の物語があるような。
    不思議な恩田ワ

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    2017年02月27日
  • 夏の名残りの薔薇

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    ネタバレ

    ある企業の創業家である3人姉妹が山奥のホテルで催すパーティーの顛末を参加者たちが語る物語です。

    最終章すらも変奏であることに代わりなく、真相が読者に任せられるとんでもない物語ですが、物語の構成は早々に読者に示されており、大きな逸脱がないにも関わらず、最後まで引っ張る技はさすがです。

    また私のような不注意な読者が後になってその企みに気づくと、作者に対する恐ろしさは倍増と言えます。

    技巧的な作品であるため充足感は低めですが、背徳的なテーマを始め人の欲望や願望が散りばめられ、妖しさに満ち満ちた魅力的な作品でした。

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    2017年02月26日
  • 夜の底は柔らかな幻(下)

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    上巻からの緻密な心理描写が、下巻の首を絞めたのか。
    三分の二くらいまではわりときちんと人物たちの心理描写が入るのに、ラストの場面での早回しのような書きっぷり。
    落ちどころは分かったし、仏の描写も好きだったけれど、あと百ページ多ければ…いや、いっそ上中下にしていたら…素人が口を出すことじゃないのは分かっているのだけれど、面白かったし、好きな人物多いし、もう夢が現実に染み出してくる描写とかめっちゃ怖いし、もっと読みたかったというのが正直なところなのだけれど、最後の駆け足に振り落とされないように、そっちに気を取られすぎたことが自分的に残念だった。
    神山さんがどんな気持ちで実邦と暮らしていたのかとか、

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    2017年02月17日
  • 夏の名残りの薔薇

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    富豪の姉妹が山間のホテルに親しい人を集めて数日に渡って催されるパーティー。でたらめな話の中に、何かしら真実が匂わされ、事件が起こりそうな兆し。
    三姉妹の作り話とともに各章の語り手が異なり、当然それぞれ異なった見解を語る。その語り自体も何処までが真実で何処までが作る話なのか思い込みなのかわからない。
    恩田流藪の中。

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    2017年02月02日
  • 夜の底は柔らかな幻(下)

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    再読。

    この世界観が好きで読むのだが、心理の葛藤ばかりでほとんど内容はないので、記憶にあまりなく、新しい気持ちで読んだ。

    登場人物が多い。
    ほんの少しの役目の為に出てくる人物が多いように思う。
    使い捨ての人物たち。

    そして、話を散々膨らませるだけ膨らませておいて、エンディングはいまいち。
    登場人物たちのほぼ全員が目指し捜していた『のっぺらぼう』の神山が、たいした活躍もせずにまさにのっぺらぼうのままエンディング。
    納得がいかない人も多いのではないか。

    ここまで酷評したけれど、私は恩田陸ファン。
    締まらないことの多いエンディングと、結論着かない内容、すべて込みで楽しむので、無問題。
    恩田陸

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    2017年01月23日
  • クレオパトラの夢 新装版

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    そもそも謎が何なのかがわからない。
    それが恩田流。
    そして、かっこいい両性具有キャラが必ず出てくる。
    恵弥は慎吾風?

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    2017年01月07日
  • puzzle(パズル)

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    短い文量ですっきりまとまっている。
    答えありきの一本道と言えなくもない。
    すごく久しぶりの恩田陸だった。
    10年近く前からの積ん読がやっと消化できた。

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    2017年01月07日
  • 訪問者

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     本当に久々の恩田陸。ファンタジーに片足突っ込んだような作家だという認識を持っていて、ミステリである本作でもその雰囲気を纏っている。
     外界から隔絶された洋館で嵐の夜に起こる事件・・・というのは、私は名探偵コナンでしか味わったことが(多分)ないのだけど、アニメを見ていた小学生時代を思い出してワクワクしながら読んだ。読んでいて容易に風景を想像できるのも良く、非常に楽。

     一方で、この人の小説はファンタジーモノや日常系の方がより面白いのかなとも思った。単にミステリというジャンルが苦手なせいかも知れないけど、もっと曖昧な世界に包まれたい。ので、もう少し他の小説も漁ってみようと思う。

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    2016年12月30日
  • ブラザー・サン シスター・ムーン

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    ザキザキザキトリオがそれぞれ大学で文学、音楽、映画に取り組む話。それぞれの話が最後に行くに連れ絡み合って伏線が明らかになっていく、のかと思えばそんなこともなくほとんど独立した短編集に近い構成だった。大学ならではの空気感の描写はよかったが、早稲田大学の話だと分かると「なんだかなぁ」と思ってしまった。

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    2016年11月22日
  • クレオパトラの夢 新装版

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    恩田陸の小説の登場人物は、たいてい輪郭がぼんやりしたような人達だが、本作の主役・神原恵弥は輪郭のはっきりした濃いキャラ。前作『MAZE』よりもパワーアップしているし、『麦の海…』の校長先生よりも濃い。

    恵弥が謎を解くと言うよりも、周りに振り回された感があり、終わってみたら何だかそっけない。ま、面白いには面白かったけど。

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    2016年11月09日
  • 朝日のようにさわやかに

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    短編です。どれも読みやすかった。最初の「水晶の夜、翡翠の朝」が良かった。これはシリーズみたいなので他のも読んで見よう。

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    2016年10月29日
  • 中庭の出来事

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    著者のマジックにかかって、最初は話がどう展開しているのか分からなかった。恩田陸さんはとても凝った本を書くなと驚かされる。私たちは皆、観客になったり、役者になったりしている。生きるということは、演劇の世界のようだ。私もどこかの「中庭」で、私という役を演じているのかもしれない。

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    2016年10月07日
  • 中庭の出来事

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    あらすじは脚本化が毒殺されその容疑者に3人の女優がいる。という戯曲をかいている作家がいて友人にアドバイスを求める、虚と実が巧妙に入り混じっていてクルクルとテンポよくすすんでいく。

    同じ展開が何度も繰り返され、それが芝居の中のことなのか現実なのかはたまた脚本なのか。

    最初男、女だったのが次に同じシーンでは名前が出てきていて少し話が進むと
    ここでつながるのかと思ったりしながら読み進んでいく。

    だんだん頭の中が???どーなってるんだ?どーなるんだ?と読んでいくのだが。

    ラストがあ~そういう風に終わらせてしまうのかと若干残念だった。

    最初にミステリーなのねこの話はというような概念を勝手にもっ

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    2016年09月20日
  • ロミオとロミオは永遠に〔下〕

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    とある書評で恩田さんの描く男子は皆知的で物静かでカーチェイスなどしないと書いてありましたが、この作品ではカーチェイスしてます、自転車だけど。サブカルに満ち満ちたパロディのようなラノベのような小説。恩田さんはあまりにも作風が変幻自在かつ多作なので、読んでいない作品があるとうれしくなっちゃいます。

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    2016年09月07日
  • 隅の風景

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    『月の裏側』(福岡県・柳川)
    『六番目の小夜子』(茨城県・水戸)
    「ノスタルジア」(長野県・松本)
    『ユージニア』(石川県・金沢)
    『クレオパトラの夢』(北海道・函館)
    『まひるの月を追いかけて』『夢違』(奈良県・奈良)
    「幻影キネマ」(広島県・尾道)
    「砂丘ピクニック」(鳥取県)
    『球形の季節』(岩手県・一関)
    「魔術師」(宮城県・仙台)

    『愚かな薔薇』『闇の絵本』『太陽の末裔』は刊行されたのかしら……。

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    2016年08月06日
  • 消滅 VANISHING POINT

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    ネタバレ

    近未来の空港密室劇的ミステリー。

    恩田さん得意の会話による謎の周りをぐるぐる回る感じが、11人という登場人物によって長編に仕上がっています。
    冒頭のつかみ、展開は非常に面白く、「消滅」って台風のこと?と的はずれな推理もしてしまいました。
    大型台風接近、大規模通信障害、空港内爆発事故、に加えて国際手配レベルの情報操作犯、テロリスト、ヒューマノイドと盛り沢山なので、着地ができないかと思いきや、恩田さんらしくもなく、きれいにでも残念ながらこじんまりとまとめてしまいました。
    結末が衝撃的だったり大どんでん返しの連続だったりしたら大傑作になっていたかもしれないだけに惜しいです。

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    2025年05月25日
  • 朝日のようにさわやかに

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    短編集、「水晶の夜、翡翠の朝」と「赤い毬」はアンソロジーで既読。「あなたと夜と音楽と」が一番面白かった。本当にラジオの深夜放送を聴いている気分。
    「淋しいお城」はドキッとする。自分も淋しい子どもだったのかな…と。
    「楽園を追われて」は「猫と針」や「黒と茶の幻想」を彷彿させる。恩田陸はこういった同窓生が集う話が上手いですね。

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    2016年07月22日
  • 三月は深き紅の淵を

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    不思議不思議な本だった。こういう話も書けるなんて、引き出しがたくさんある人なんだ。結構好きかも。

    前に読んでたんだ。すっかり忘れてまた読んでしまった。そして前の自分の感想に唖然。今回読んで、1、2章はよかったけど、3章は別の物語かと、4章は混乱してしまった。結構苦手かも。いい加減な私に言われたくないですね。

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    2024年06月13日