あらすじ
塔のある町が抱える秘密を住人たちは何も知らない。夜に塔を見てはいけないという町に伝わる不思議な教え。亀とハサミと天の川のステンドグラスが表す意味とは。殺された男は駅の掲示板に奇妙な貼り紙を持ち込み、誰かと連絡を取っていた。彼は町の秘密に触れてしまったのか。雨が降る。町の本当の姿が明らかになる。
...続きを読む感情タグBEST3
この街に住んでみたい。
最後まで、予想のつかない展開で引っ張ってくれます。不穏な感じを漂わせるのが本当に上手でした。
なりより、街の描写がとても良くて、行ってみたくなりました。あのカフェでコーヒーを飲みたいとか、駅に行ってみたいなどと本気で思ってしまいました(^^)
Posted by ブクログ
最後まで不気味な雰囲気を楽しめる作品だった。
吾郎の弟はどうなったのか、「あなた」の死因はなんだったのか、高校生たちの今後など、散りばめられた伏線が回収されずに終わった。ちょっともやもやだけど、回収されなかったからこそ不気味な雰囲気を最後まで楽しめたと思う。
有川浩さんのエッセイで紹介されていた本だったけど、さすが面白かった。
Posted by ブクログ
色んな町の人の視点があって面白い。感じてる事や考えてる事が個々で違うけど、同じ不気味さが漂っていて終始不安感が拭えなかった。最後は賛否両論ありそうだけど、個人的には作者っぽさがあって良い終わり方だと思った。
Posted by ブクログ
サスペンスというより普通の物語として読むべき作品だと思います。
サスペンスとして読むと伏線の結果が欲しくなってしまいますが、この作品はそこはあまり親切ではありません。しかし、本筋の謎はちゃんとわかるので、楽しめて読めました。
Posted by ブクログ
上司の送別会の最中に突然姿を消した男が、1年後遠く離れた田舎町で死体となって発見されます。
田舎町は、水路があり目的の分からない塔が立っています。
犯人探しから明らかになっていく不思議の数々に驚く一冊でした。
読み進めると、まるで不気味な雰囲気の中、追い立てられるような感覚に陥り、主人公に感情移入していまいます。
お天気がずっと曇りの中、何かを探して夢中で歩いているような気分になります。
謎が謎を読んでわからないことや不可解なことが入り乱れて、独特の不気味で不思議な世界観が体験できる内容でした。
まさかこんな展開になるとは! と驚きで一杯の下巻でした。
Posted by ブクログ
再読3回目。
すごい結末。少しずつ、空白が埋められていくパズルみたいな作りの物語。謎が解けていく爽快感、と言いたいところだけど、「なんだ、この結末は!」という、してやられた感が満載。
Posted by ブクログ
恩田さんらしい。
面白かった。
でも、途中で若干吾郎の人格がぶれるような。
「あなた」の死に方もちょっと無理がある気がしないでもないけど・・・
新聞小説だったと聞いて納得がいく書き方かもしれない。
常野物語のシリーズも再読したくなった。
Posted by ブクログ
なんか、殺人とかホラーとかすごいどろどろした話かと思って読んでたけど、期待を裏切り、爽やかな余韻が残った。
バタフライ・エフェクト。
時間は続いている。
いろいろと影響しあいながら。
何かが起こる時、それには理由がある。
歴史は途切れることなく続いている。
でも、今日という日は、昨日までの世界とは別の世界。
そんな不思議な世界に僕らは生きている。
Posted by ブクログ
再読。初めて読んだときは、ラストがなんとなくよくわからなかった。2回目でもよくわかったというのではなく、意識が身体から離れた描写がすごいなあと、自然に落ち着くところに落ち着いた感じがした。集中豪雨に見舞われたあとの町の描写は秀逸。裏表紙の紹介に「恩田陸がすべてを詰め込んだ集大成」と書かれていて、「大げさな煽り文句」と思ったが、確かに恩田さんらしい要素や細部が結構入っていて、「ふんふん、確かに」。だけど、「集大成」には早すぎるでしょ。まだまだこれからいっぱい書く人なんだから。
Posted by ブクログ
上巻を読み終わった時に、なんとなく市川殺しの犯人がわかったような気がしていた。ちょっと違っていたけど、おおかた合っていたかな。ただ、読む人によってははぐらかされた気がするかもしれない。
それにしても田中や「彼女」が何故死ななければならなかったのか?大きな謎が残る。田中はもう老体なので致し方ないとして、「彼女」に関しては、詰まる所市川の死の理由とある意味同じだったのではないか?
常野物語が好きな人ははまる物語だと思う。
Posted by ブクログ
いろんな意味で恩田陸らしい作品。前半はとても雰囲気がよく引き込まれていく感じなのに急に失速してしまったかのような展開になってしまう。後半は後半で楽しめる内容だとは思いますが前半での期待値からするとね(笑)
Posted by ブクログ
これ、本当に意味のわからない話なのだ。十ン年振りに再読したがやはりよくわからなかった。
何かが起きそうで何も起きない話というのはよくあるが、何かが既に起きていて、けれどどうなっていくのかがまるでわからない話というのははっきり言って恩田陸にしか描けないのではないか。
それにしてもクライマックス、「真相」が顔を出す場面では読者ははっきりと置いてけぼりにされている。ついてくんなと言わんばかりだ。今回読んでやはり首を傾げた。
Posted by ブクログ
男が死んだ理由と彼が移住した町の秘密を解き明かす話だけど、ミステリーではない。たくさん撒いた伏線は、思ったのと違う展開で回収され、最後はスッキリとはいかない。いろいろ、ちょっと強引なところも。ミステリーではなく、秘密を持った町に住む人々の話としては楽しめた。
それよりも、瞬間記憶能力を持つ男の苦悩が痛々しかった。地図を記憶して現地に行ったら、景色が3Dみたいに浮き上がって見えるとか。読んでるだけで、こっちも乗り物酔いみたいになったよ。
Posted by ブクログ
さて、前半から読まれている皆様、お疲れ様です。後半はもう少し読みやすいと思います。
何しろ事件の全貌が見えてきてますからね。
街に隠された歴史とそれを取り巻く人間たち。すこしずつ詳らかになる謎。ここにきてやはり恩田氏の技巧が唸るというものでしょう。
・・・
町の建築に代々携わる謎の建築企業新村グループとそれを統括する老女志津。
その秘密に気づきつつある高校生の和音。
偶然にも和音と同様、亡くなった吾郎の死に不振なものを感じる高校生修平。
こうした人間関係が絡まりつつも物語を展開させます。
・・・
そして何より印象的なのは吾郎の死、ではないでしょうか。
魂が肉体から離れるとどうなるか。自分の肉体が腑抜けになっている状態が見える。同時に肉体では感覚が失われる。
これはもう、あたかも臨死体験をしたかのような書きぶり。
更には、自我・私、という気持ちが薄れ世界と一体化してゆくという。
なんか・・・死ぬときに本当にこうだったら、死ぬことって多分全然怖くないんだろうな、と思いました。吾郎が、ちょっぴり寂しいけど、みたいな発言をしていたのですが、そこがまたリアルでしたね。
・・・
ということで恩田氏の新聞連載小説でした。
下巻はどんどん読みやすくなると思います。死を意識しちゃっている方とかには最後の最後はとても印象深い終わり方だったと思います。
えも言われぬ読後感でした。
Posted by ブクログ
街にある3つの塔の謎と、死んだ市川吾郎の謎が解き明かされる。
特有の怖さというか、異様な世界観があって、明確な答えがあるようでないような感じ。
単館映画で上映される邦画感がある。
恩田陸さんの本は2冊目だけど、異様な表現が上手い作家さんなんだなと。
2作品とも結局当事者以外の周りが思っていることと真実って必ずしも同じってことはないんだなぁと思う。
最近、「明確な答え」「わかりやすい話」ばかり読んでたから、ある意味刺激的だった。
あんまり単純な話ばっかり読んでると良くないなと思った。
あらすじ
上司の送別会から忽然と姿を消した一人の男。
一年後の寒い朝、離れた町で死体となって発見された。そこは塔と水路のある、小さな町。
殺人か事故か、どんな形でそこまで至ったのかを丁寧に綴られているお話。
Posted by ブクログ
下巻の後半で全ての謎が明かされるが、真実は少し意外だった。
不穏な雰囲気に包まれたストーリー展開ながら、蓋を開けてみれば、浮島という特徴のある土地には、その土地を守るための昔からの言い伝えがあったが、今では住人は細かい部分は記憶しておらず、その地をよく知る旧家と、その家族に代々特集能力を持つ人がいた、ということをベースに紡ぎ出された物語だった。
そして、人並外れた記憶力とか透視のような能力を持つ人には、それなりの苦しさや心身への負担があるんだな、と思った。自分は凡人でよかった。(笑)
Posted by ブクログ
どんなに好きな作家さんでも合わないと感じる作品はあるものだ。恩田陸さんの作品も賛否が分かれるものがあるけれど本書もその一つに数えられるだろう。しかし終始何が起きているのか分からない不穏な雰囲気を作品から醸し出す様はさすがで一気に読み進めてしまう。この街では一体何が…?
Posted by ブクログ
世界観は大好きです。
ただ、あまりにふんわり終わりすぎたのがちょっと。街の秘密、主人公の脳裏、もっと深く結論が欲しかった気がします。
Posted by ブクログ
カテゴライズするなら、ファンタジーミステリー。
上巻で散りばめられた謎の全てが繋がる展開を想像していたので、拍子抜けした。リアリティ重視の人は、消化不良に感じると思う。
しかし、ミステリーとしては物足りないが、物語の雰囲気や設定はとても楽しめた。
上巻の陰鬱さだが、終盤は朗らか!
気負いなく読めるので、重苦しい本が苦手な人に勧めたい。
Posted by ブクログ
恩田さんらしく、暗くて独特の雰囲気の中進められていく展開と散りばめられる謎の数々には読む手が止まりませんでした。が、最後の結末は私的にはいまいちでした。期待しすぎたのかも。
Posted by ブクログ
塔と水路の町で起きた殺人事件にまつわる人と町の物語。
世界観や文章は間違いなく恩田さん。
いろいろな登場人物に観点から物語が語られ、それぞれが関連をもちながら進んでいく手法は本当に楽しい。
上巻はぐいぐいと引き込まれていく。
なぜ上巻なのか。
世界観、文章、手法は最後まで本当に面白かったが、下巻に入っての、殺人事件の顛末、町の秘密など、伏線の回収がしょぼく感じてしまった。
もう少しミステリー色の強い結末の方が個人的には好きだった。
自然の怖さと、先祖の知恵と、ファンタジーの融合という感じで、それはそれで面白いのだが、ちょっとピンとこなかったなぁ。
月の裏側のようなホラーっぽい方が良かったような。
Posted by ブクログ
間隔が空いてしまったので、前のことを少し忘れてしまった。なんだかよくわからないところが多かった。結局それぞれの人物はどうなったのだろう。想像するしかないのか。
Posted by ブクログ
タイトルの意味がわかった瞬間になんかじわじわとくるお話。
殺人事件の解決がまさかのアレにはびっくりしたけど、まぁ恩田さんやしアリかな 笑。
むしろあれだけの伏線をよくまぁ拾えたなぁ、と感動。
ただ、弟の存在と和音がキャラメルの箱を隠す下りはいらない気もするけど。
いつものことながら、前半のあのワクワク感はほんまにたまらん。
恩田節は健在やなー。
Posted by ブクログ
上巻を読み進めている途中から、超能力などによる結末にならないと良いなと思っていたが、それなりに説明が付いて終わって良かった。
最期の章だけ、少々ファンタジー要素強めだったが、まぁ。
Posted by ブクログ
なぜ女が死んだのか、
誰に殺されたのか、
高校生たちはどうなったのか、
死んだ彼の弟はどうしているのか、
恩田陸独特の不思議な雰囲気は大好きだけど、足りない部分が多すぎてすっきりしなかった。
Posted by ブクログ
一度買って読み終わったのにまた買ってしまった本。
しかし、上巻を読んでもさっぱりさきの内容が思い出せないので結局二回楽しんだといえばたのしんだ。
自分の記憶力が悪いのか、物語の印象が薄いのか。
1人の男の失踪と殺人事件を追って話は進むが、主人公という訳ではなく、男が死んだ町に潜む謎を明らかにするための物語のような。
町の謎がジワジワと見えてくるまではとても引き込まれる。
ただ、一方後半で男や彼を追ってきた女の処理が物足りなく感じた。
ところで、『昨日の物語』という元ネタがあるのを今知ったのでこっちを読んだらもっと楽しめるのだろうなぁと思いつつ、読めるのはいつになるやら。
Posted by ブクログ
やっぱり上巻の方が面白かった。下巻はまあまあ。殺人事件の真相、市川吾郎がすごいことになってる割には印象薄い。恩田さんの他作品と比べると綺麗に終わったと思う。
伏線回収に虫食いがあるし、この登場人物の意味…と思うところあり。多視点から成る物語の醍醐味、部分が繋がって一点に収束する快感がなかった。でも、恩田陸の文章、作品の持つ雰囲気が好きなんだ。
上下で分けずに、ハードカバーで読んだ方がよかったかも。