恩田陸のレビュー一覧
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「二・二六事件」
この日付がそのまま名前になった歴史上の出来事は、誰もが知っているのではないか。私も知っている。
・・と思って読み始めたのだが、知っているようでこの事件がどうして起きたのか、この事件が、その後の日本の歴史の中でどういう意味を持つのか、悲しいほど覚えていなかった、、、いや、きっと当時、年号と名前と、国の中枢にいる政治家たちが殺された叛乱だった、と上っ面だけ覚えたのだろう。
そんなわけで、最初はこの事件について知識が足りず、いまいち作品世界に入り込めなかった。
もう1つ、残念なことに、私自身がSFは苦手分野でもあるため、色々な言葉の意味が分かるような分からないような、で。ところどこ -
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ネタバレ常野物語シリーズ第3段。
蒲公英草紙のような、ほんわかする読後感はなく、"で、どうなるんだろう?"というモヤモヤ感が残ったが、それが恩田ワールドだなのかもしれない。
常野ゆかりの人たちのなかでも、特に強い力を持っている両親から、その力を受け継いだ(まだその力は開花しきっていないが)時子の前に、洗濯屋の火浦が現れる。
時子も初めは火裏が敵なのか味方なのか計りかねていたが、いつの間にか二人は婚約していた。が、火裏の方は、時子とその両親を洗濯したことのアフターサービスとして結婚を決めたという。
人の真意を探りながら生きるのは、怖いし寂しい。
最後に時子の父が、裏返したり、裏返 -
Posted by ブクログ
友人が読みたいと言ってた本に興味を持って!
なんとなく、タイトルから穏やかな物語をイメージしていたけれど、
不穏で緊張感漂うお話だった。
恩田陸さんは「夜のピクニック」「蜜蜂と遠雷」などを読んだことがあったこともあり、雰囲気が全然違っていてびっくり!
高校生の彼女たちは私より年下だけど、
香澄も芳乃も毱子も真魚子も大人びていて憧れる〜
物語が進むにつれ視点が変わっていくから4人それぞれのキャラクターを感じやすくて、みんな好きになってしまった。
最後に向けて緊張感が高まっていくけど、
第三部が終わって油断していたところからの
終章の入りでひっくり返され。さらに終章のラストでもう一返し。
で -
Posted by ブクログ
ネタバレ行方不明になった腹違いの兄を、兄の彼女と名乗る女と共に奈良へと探しに行く。
古都奈良の、数千年前から現在までの時の流れがごちゃ混ぜになったような雰囲気と、旅を続けるたびにそれぞれの関係性や思惑がくるくると変わる状況がリンクする。
個人的には、会話や思考の流れに集中してしまい、奈良の情景が全然頭に入らなかったのが残念。また、最後の展開が少し唐突で、もう少し静と母の関係性が描かれると良かった。描かれない、ということがつまり静の母への感情を表しているのかもしれないけど…。
そういえば、腹違いの兄弟姉妹や、死者を軸にした生者たちの苦悶っていうテーマは恩田陸さんの作品によく出てくるなぁ。
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購入済み
残念
短編は凄く難しい。
短い中でもグイグイ引き込まれる上質のものを望んでいるが、これは手垢がついたような内容。
はじめから予想通りの内容で、全く何も感じませんでした。
恩田さんは長編の方が世界観が独特で面白いですね。 -