恩田陸のレビュー一覧

  • ドミノin上海

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    数年前に「ドミノ」を読んでなかなか面白かったので手に取りました。
    「ドミノ」と同じく一般的な小説と比べて登場人物が多く、複数のストーリーが展開されますが、それぞれがドミノのピースとなり、偶然が重なり合い、大きな作品・結末へと収束していきます。

    私の頭のスペックが追いつかず、「ドミノ」よりちょっと複雑に感じた部分もありました。

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    2025年01月18日
  • 終りなき夜に生れつく

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    『夜の底は柔らかな幻』を読み、世界観をわかっているほうが最初から物語を楽しめる。スピンオフです。

    葛城の、まだ青くて人間みがあった頃を知れて嬉しい。

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    2025年01月18日
  • スキマワラシ

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    不思議な感覚が続く話
    主人公の兄弟が姉妹なんじゃないかと思う雰囲気で、そこもまた不思議な感じがする
    でも、終盤出てくるハナコとの関係は男女でないといい感じにならないと思う

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    2025年01月12日
  • Q&A

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    大型商業施設での事故に巻き込まれた人たちのインタビューや、周辺の人々にまつわる短編で構成された一冊。
    立場もそれぞれ、施設に訪れた目的も、事故当時にいた場所もまちまちで、当然、見たものも巻き込まれ方も違う。

    大きな人の流れに逆らえず、広い建物内をあちらこちらへなすすべなく押し流された経験、それに抗えないことへの恐怖。自分の運命を何も決められない絶望や、その事故の悲惨さに傷ついたこと。
    ある人はその恐怖と悲劇をしたたかに利用し、ある人は自分に巣食った心の傷から目を逸らそうと道を踏み外し、ある人はその恐怖と向き合わず、ある人にとってはこの大事故も悲劇ではなかった。

    インタビュー3人目の老人の「ああいう場所にいた事自体が羞恥であり敗北と感じる」という感覚、消防士さんの「日常なんてどこにもないという恐怖」、分かるなぁ⋯

    単なる事故の記録というだけじゃなく、陰謀とか宗教とか心の病とか、なんかこう⋯普段なら笑い飛ばすようなものに縋ってしまうのも仕方ないと思わされる所がやりきれない。助かっても諸手を挙げて「よかったね」と言えない気持ち悪さ。

    で、事故の原因は結局⋯終盤のあの説でいいの?
    一応、エンディングっぽいエピソードはあったけど、個人的に、結局細かい謎は色々残りました。

    いろんな色の作品を書く作家さんですが、今回のは〈性格悪い方〉の恩田陸、でした。


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    2025年01月05日
  • 消滅 VANISHING POINT (下)

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    ネタバレ

    上下巻まとめての感想。空港の入管で足止めされた人たちが「この中にテロリストがいる」と言われてみんなで推理していく話。
    足止めを食った人の中にテロリストがいるのかと思いきや結局ベンジーが怪しいという話だったので筋としては肩透かしをくらった気分。でも登場人物それぞれの視点で物語が進んでいく過程を読むのは面白かった。
    何かに追われている母子のことがちょっと気になった。

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    2025年01月04日
  • 灰の劇場

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    ネタバレ

    難しかった…。

    1、0、(1)が何なのか、理解できなくて。
    TとMのパートで、数字が分かれてんの?とか、小説家は小説家っていうキャラクターかと思いきや、え?違う?本当の作者のことなの?とか。
    そして、これは私自身の問題だけど、フィクションとノンフィクションとの境目が、水彩絵の具に水を落としたみたいに滲んでぼやけるタチなので、何が本当で、何がどこまで作りものなのかも、正直、読み終わった後ですら今ひとつわかってない。

    まずもって、勝手な思い込みで、全く違うストーリーを思い描いていた。
    だから、これっていつになったら話、動くんやろ?ってずっと思いながら読み進めていた。

    人が死を選ぶ時、長く緩やかな絶望が下地にあって、きっかけは些細なことなのかもしれない。
    そして、ああいう風に、前の晩は眠れたり、朝ごはん食べたり、後のことも冷静に考えて、野菜や果物は食べないでおいたりするもんなのかもな。
    ただ、絶望具合が、自分にはリアルに伝わってこない。
    自分が、未熟なせいかもしれない。

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    2024年12月31日
  • 愚かな薔薇 上

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    いつの時代の話なのか。何か遠い未来の話のようでありながら、舞台が山の集落なので、昔の話のような。それがミステリアスな感じなのかも。

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    2024年12月28日
  • 訪問者

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    恩田陸さんのミステリーはたぶん初。
    面白かった。テンポも良く、情報過多になると探偵役が整理してくれるからスラスラ読めた。

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    2024年12月27日
  • 七月に流れる花/八月は冷たい城

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    少年少女たちの冷たい夏のお話だった。
    小説の初出しは2016年、でも今読むのとでは気持ちが違うだろうなと思う。
    未知というものは社会的動物にとって、ライオンよりも恐ろしい。

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    2024年12月26日
  • 愚かな薔薇 上

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    爽やか青春系でない方の恩田陸。
    光の帝国とか大好きなのでそんな感じを期待したのですが、ちょっと消化不良。

    虚ろ船乗りになるべくキャンプに参加する奈智。血切り、木霊、徹夜踊り..謎がたくさんあるのに全部回収しきれてない感。
    面白かっただけにもやっとしました。うむむ

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    2024年12月22日
  • 象と耳鳴り

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    ちょうど先日、江戸川乱歩傑作集を読んだところだったので、D坂はもちろんのこと、これらの短編もぞくぞくしながら楽しめた(乱歩ほどのグロさはなく、恩田さんぽい女性や情景の艶やかさの方がある)
    あとがきにもある通り、秘密の花園や本格ミステリへの憧憬など、好きなものを詰め込んだな〜というのが分かって楽しかった。タマゴマジックを先に読んだけれど、最後の魔術師は、その元になったもののよう。

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    2024年12月19日
  • puzzle(パズル)

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    久しぶりの恩田作品。ホラーなのかと思っていたが、意外に筋が通っていて短いけど味わえました。このわけの分からない情報だけで、ほぼ真相を当ててしまった春さん凄い。もう少し志土さんと2人のやり取りを読みたかったですね。

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    2024年12月19日
  • 妖し

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    読書疲れしていたため久々の短編。朱川先生の短編が一番好き。上品な怖さの作品が多くて良かった。どの作品も長編で読んでみたくなる魅力があった

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    2024年12月18日
  • 黄昏の百合の骨

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    終始不穏な空気が続いて気になって一気読み。
    おもしろいしめちゃくちゃ読みやすい。
    しかし、状況がよくわからなくて疑問が多い中、最終的に伏線回収されたのは8割くらいで終わってしまった。
    突然名前が出てきて一切登場しないあれは誰だったの?あの人はどうしてそもそも知ってたの?
    と、色々謎なまま解説を読んで本書がこれまであった3作の続編にあたると知った。
    とはいえ、解説者が言うには恩田作品は何かがわかりそうでわからないまま宙吊りにされている感覚になって腑に落ちないからこそ次の作品に手を伸ばしたくなるらしい。
    では私も他の3作を読んでみなくては。
    読んだところで不可解さは残るとも書かれているけど(笑)

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    2024年12月16日
  • 禁じられた楽園〈新装版〉

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    ネタバレ

    いやあ、面白かったです。

    1992年デビューの恩田氏の2004年の作品。ちょっと古めですが、恩田氏得意のモダンホラー系の作品です。

    あれ?表紙ってあの、羽生結弦選手!?って思ったけど全く違った。俳優の高杉真宙さんでした。これだからオッサンは嫌ですよね。

    ・・・
    本作、主役らしい主役というのが居ません。

    しいて言えば、都内建築学部に通う捷、そして造形アーティストとして駆け出しの律子、ベンチャー企業経営兼大学院生の和繁、あたりか。

    対して、人の心に入ることのできる(人に容易に感応できる)悪玉的アーティスト烏山響一がもう一方の中心人物。

    上記の3名の人物やその係累が、響一に影響され、あるいは直接的に、或いは間接的に、彼の実家の和歌山県は熊野のふもとの実家にしつらえた私設インスタレーションへと導かれていく。

    そこで待ち構えていた「あれ」とは…

    ・・・
    やはり本作、響一のキャラの魅力が一番印象的です。

    芸術家家系に生まれ、20代そこそこでアーティストとして成功。それが何故か遅れて大学生になる不可解さ。

    更に現役大学生として手掛けたPV(コンピレーションアルバム?)が大ヒット。しかし、そのPVにはサブリミナル的な「何か」が見えたり見えなかったりと噂され…。

    彼は人の心を読んだり、あるいは、彼の「感応力」「共振性」により相手の忘れたい記憶を呼び覚ましたりすることが出来るという設定。非常に悪魔的な雰囲気。

    聞けば実家はそもそも田舎の旧家で、アーティストをよく支援しているという。先祖も多くはアーティストと結婚するも、そのアーティストはことごとく亡くなるという。

    そうした血筋や格式の上に成立している響一こそが本作の魅力であると思います。

    ・・・
    加えてですが、響一の実家が和歌山の山奥の熊野というのが、これまた良いではないですか!

    熊野というと、役小角などが修験道を究め、結果超自然的な力を備えたという神聖な場所、というイメージです。

    そこに佇む旧家のお屋敷、その山奥で何やらしめ縄でまつられる「それ」。

    これは絶対何か人間じゃない超越的な存在がいるやつです。

    で実際色々起こるわけですが笑

    ・・・
    ということで恩田作品でした。

    因みに結論は実はあっけない感じ?でした笑 ハッピーエンドです。展開が小気味良く、500ページ超の大部な作品ながらサクサク読むことができました。

    モダンホラー、超能力等の話が好きな方にはおすすめできる作品です。

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    2024年12月12日
  • 消滅 VANISHING POINT

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    ネタバレ

    恩田氏の2010年代の作目。2013-2014年に新聞小説として掲載され、2015年に出版。ちなみに新聞小説は以前の『夢違』に続き、二作目。

    アフターコロナ後に本作を読むと、恩田氏の未来感(未来勘!?)がかなり鋭いことを感じます。AIロボットや未知のウイルスなど、まるでコロナを経験したかのような筆ぶりでした。

    ・・・
    超大型台風に見舞われたとある日本の国際空港。

    入管で足止めされ『別室』に連れてこられた年齢性別もバラバラな男女10名。彼らを迎える謎の若い女(実はAIロボットだった)から命じられるのは『この中にテロリストがいる。そして10人の使命はそのテロリストを見つけ出すこと』とのこと。

    果たして10人はミッションを成功裏に収め、家路につくことが出来るか。

    ・・・
    本作、群像劇なんです。

    で、群像劇というと、やはり複数のキャラをキチンとキャラ立ちさせることが必要だと個人的には思います。

    本作では10人+AIロボットの計11名がキャラとして登場しますが、いささか人数が多いというのが印象です。故に、私は数人誰がだれだか分からなくなるという状況に…。

    ・・・
    それでもやはり、恩田氏もキャラの設定・作りこみが素晴らしいですね。

    なかでもAIロボットのキャサリン。当然感情がないロボットという設定なので、外からの印象で描くわけですが、これがなかなか絶妙。

    まず、人間と機械のはざまの存在を、どこまで・どう表現するか。本作ではぱっと見は判断がつかないという設定でした。肌の質感ももう人間と分からないという設定。

    そこに、判断が難しい問題への対応として「間」を持つという設定にしてあるというくだり。また嘘はつかないという基本設計から、喋ると影響がある質問にたいしては「無言」を貫くというくだり。こうした描写に、逆に人間らしい行為というものが浮かび上がってくるわけですね。「間」とか「無言の承認」とか。

    この「間」を演算処理が重くて追いつかない、と登場人物に推理させたり、実は一部で「当局」が反応に介入していると推察するのもなかなか面白い解釈でした。

    でも、外見上判別不能なロボットが出てきたら、世の男性などは美しいロボットで(が)いいと、いっそう先進諸国で出生率が下がりそうな気がしました笑

    ・・・
    それ以外にも、世界で散発的に発生する病原菌の保持者が10人の中にいるのでは、というくだりがありました。

    作中ではこの病原菌が実はテロ道具ではないかと疑われ、さらには原因とみられることへも登場人物から推理が提出されました。

    これなども、5年前に読んだら単なるスリラー小説の味付け程度にしか思えないかもしれませんが、コロナ当時の飛行機移動時の入国の厳しさを思い出すと、実にリアル(小説をリアルっていうのもあれですが)に感じた次第です。

    ・・・
    ということで恩田氏の群像劇系スリラーでした。

    ちょっとキャラが多いのですが、幾人かは際立っていて、面白く読めました。

    一週間ほどお休みが取れてしかも何もやることがない、というときは試しに読んでみても良いかもしれません。3-4日あれば読めるかな。

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    2024年12月04日
  • 薔薇のなかの蛇

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    ストーリーは面白かったんですが、最後がイマイチわからなかった。
    リセって一体何者ですか……?
    シリーズものだということに気づいたのは、読んでる途中で、シリーズのはじめを読んだほうがいいかもしれないと思いました。

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    2024年11月25日
  • puzzle(パズル)

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    恩田陸

    新潮文庫の初期タイトルを3冊くらい読んで以来の作品

    しかもどうやら間違えて買ってしまったらしい
    読みたかったのは「ドミノ」だった

    さて内容の方は3部構成

    piece
    脈絡のない引用の羅列
    なんだこれは

    play
    なるほどpieceを絡めたストーリー展開になるのか
    これは楽しみ

    picture
    playの補強と真相が


    パッケージはとても面白いと思ったけど内容は薄いし謎解きも軽い
    文字数が少なくて30分で読める作品だから仕方ないけど勿体無い気もする
    恩田陸の味をほんのり思い出した感

    ★は甘めで3つです
    はやく積読ドミノを探し出して読まなければ

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    2024年11月23日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    贅沢な列車に、贅沢な名前の並ぶ小説

    それぞれの物語がとてもあたたかい気持ちになる

    そこに乗車するそれぞれが
    何らかの思いを一緒に乗せて旅に出る

    誰かを大切に思って
    大切な人を誘って
    願い叶わなかった列車の旅になっても
    「その人を思い出すこと」が供養にもなる

    1話目の
    さよなら、波瑠/井上荒野
    一見、芯もあって強くて…こういう人の気持ちが
    苦しくて苦しくてね
    思わず感情移入、涙が出た

    糸井重里さんの
    「帰るところがあるから、旅人になれる」
    当たり前なんだけど
    そんなふうに考えたことなかったからね
    さすがだな、
    糸井さんの言葉だな、って思った

    静かな気持ちで読めるキレイな本でした

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    2024年11月19日
  • puzzle(パズル)

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    筆者自ら云っているような「誰も信じてくれないだろうな」と言う謎解きで済ますのは、推理小説ではタブーである。読者に失礼この上無いのです

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    2024年11月14日