恩田陸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
私は三浦しをん熱がまだ冷めないので、本屋に行くと、「三浦しをん」を探してしまう。
題名を見て「きみはポラリス」を思い出したこともあり、本書を購入。
でも、開けて読み始めると、JR九州のクルーズトレインを巡る7人の作家の短編集だった。北斗七星之ではない。表紙をよく見れば電車だったし、帯にもそう書かれている。すぐにカバー掛けてもらっなので気が付かなかった。
因みに、文春文庫では「甘い罠」「妖し」などをテーマに豪華な顔ぶれでアンソロジーを出している。(この本がそうであるように、初出はオール読物かもしれない)
私は、中でも川上弘美の「アクテビティは太極拳」が良かった。母親が子育て中の娘に手紙でななつ星の旅に誘うのだが、それが内田百閒の引用文で、物語もそこから始まる。旅は新型コロナで中止になり、二人はリモートで旅気分を味わうことに。母親も娘である私も魅力的で読んでいて楽しかった。
それから、アンソロジーとして単行本を出版する際に、書き下ろした2の作品、糸井重里のエッセイ「帰るところがあるから、旅人になれる。」と小山薫堂の「旅する日本語」が、とても良かった。
イラストレーターはそれぞれ違うのだけど、イラストが秀逸でページの余白も良くて、ページを捲る度にホッとするようなスッとするような気持ちになった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ上巻を読んだ勢いのまま下巻を読み終えました。
私の中では彰彦の話がトップで興味深く、利枝子、蒔生、節子の順で面白く感じました。
といっても、節子の話がつまらなかったわけではなく、この4人には節子は必要だし、何も深みがなさそうだと思っていた(失礼!)節子にも則夫の死期が近いことなど、人には人の事情がしっかりと根底にあることを思い知りました。
学園にいた時の憂理を好きな人にとっては悲しい思い話でもあったかと思います。やはりあの学園自体が異質で、あそこにいた子たちは幸せになることができないというのを、憂理の最期を知る事で垣間見てしまった気がしました。
北海道にある学園の濃霧が立ち込める雰囲気と、屋久島の自然の中のむっとした水分量が多い空気感が、距離はすごく離れているのにどこか通じ合っていました。
4人がそれぞれ片思い(と一括りにして良いのかわかりませんが)をしているというのも、若い頃のドロドロした感情の片思いとは違い、どこか割り切ったすっきりとした片思いをしている4人で気持ちよく読むことができました。屋久島の壮大な自然描写も相まってそう感じたのかもしれません。
既婚者で子どももいるような男女の大人4人が屋久島に行くというのは非現実的で、飲み会でさくっと決まる話ではないとは思いますが、もしこんなことがあったら面白いですね。でももし夫が参加すると言った時、快く送り出すことは出来ないと思います・・・。