恩田陸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
中庭で起きた殺人事件?の演劇という感じの作品です。
2006年作品で、バブル崩壊から立ち直れない日本、
3年後、追いうちをかけて、リーマンショック。
さらに5年後には東日本震災。
2019年11月にはコロナが発生し、2020年を
迎えている。まさに「ブラック・スワン」
主な登場人物は曲者女優3人、脚本家、刑事。
私的には壊れたレコードのように繰り返される文章が少しずつ、1部書き換えられている印象で、だんだん、いらいらと麻痺を起こした感じ。リズムが悪く、読者を疲れさせて、思考回路を低下させる目的があると、邪推してしまう。
現在、老若男女問わず、ストレス社会において、権威のある人、高学歴の人で -
Posted by ブクログ
麦の海のように読んでいてハラハラする方が好みだった。これは淡々と進むのがちょっと辛い。
上巻では利枝子のことは結構好きだったのに、下巻読んでなんだか無理になってしまった。蒔生の章を読んでいる時は蒔生が本気で無理だったが、節子の章ではその嫌悪感は少し和らいだ。
蒔生は自分に正直なのはいいんだけど、その過程や結果で誰かを傷つけているというところが受け付けない。傷の付け方が生半可じゃないんだもの。一生かけても修復できない傷というところがたち悪いわ。
それでもまだ好きだという利枝子が無理だ…そこが彼女を苦手になってしまった要因だな。
憂理のその後をこんな形で知ることになるのが悲しい。実は生きてまし -
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ネタバレ常野物語を追い続けて3日で追いついた。それほどに面白くてこの本にも期待をしていた。
現実の世界にいたのに、いつのまにか人の領域ではないどこかへ迷い込んでしまったような感覚。自分で足を踏み入れたことに気づかず、はっとした時には物語はもう終わりに差し掛かっている。
「夜の底は〜」で味わった何かに似たものを再び味わうことになるとは…
「あれ」の存在に限らないけど、恩田さんは詳しく説明しない主義なのかな?それは悪いことじゃないしむしろそのほうがミステリーっぽくて私は好きです。ただ、風呂敷広げ過ぎだなとは思う。
シリーズを通して常野一族は穏やかであることは知っていたが、知らないうちにそのイメージは「争 -
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2020.03.22
新型肺炎とかコロナウイルスとかタイムリーな単語が出てきてびっくり!
思わず発行年月日を確かめてしまった。
分厚い本の中身はほとんど登場人物たちの雑談。本題からは何度も脱線するわ長いわで途中何度もコックリコックリ船を漕ぎながら意地で読み終えた。
広げに広げた風呂敷を畳まないままアッサリと終わっちゃう恩田陸節が変わってなくて懐かしい。
匂わせに匂わせたスーパーロボットのキャスリンやら子供の特殊能力やら親父とおばさん、親子の名前が最後まで出てこないことやら伏線だらけだったけど結局それはそれ。結末にはなーんの関係もない。逆に潔い!笑
恩田陸の小説は物語のオチを期待して読むの -
Posted by ブクログ
これはなんだろう。これは本当に小説なんだろうか。
ある女子大生の日常が第一人称で語られる。そこに出てくるキーワードの数々。『女子大生ブーム』『消防署のほう…から来て消火器を売りつける』『イカ天』『エビ天』、日航機の墜落事故の記載があることで、これが1980年代後半のことだろうと思われる当時の時代を表す言葉たち。
文章が変だ。『本音を言えば、あんまり学生時代のことを話したくないのだ。そもそもあまりにも平穏で、大した話もない。』という割には、永遠に続くかのような極めて粘着質な文章。わざと句点を入れないで、読点で強引に繋げていく長々とした読みづらい表現。それを分かった上で、『私の何事も起きない学 -
Posted by ブクログ
【怪異】をテーマに描く奇譚小説。
アンソロジーシリーズ。
この面子だし、と思って読み始めたのが
間違いだった…
想像のはるか上の上をゆく怖さだった…
夜、部屋で一人で読んでいられないページが
何度もあった。
大好きな米澤穂信の
「わたしキャベンディッシュ」も、
あーー、これが伏線でこうなる感じかぁ
のんきに思っていたあたし。
伏線は伏線でも回収先が違っていて
安定の穂信のぞわぞわ感。
乾ルカの「かぐわしいひと」なんか
ここから先は、もう読めない……と
次の日に
持ち越したくらいなのに
その怖さに上塗りされるように
壊れていく人間の怖さがくる。
えーーー??そっちーーー??!みたいな…