恩田陸のレビュー一覧

  • 中庭の出来事

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    ネタバレ

    恩田陸作品好きで、昔からちょくちょく読んでるけど、読む順番として『雪月花黙示録』の次だったのは良くなかったなーと。
    作品の世界観に没入して、「結末は!?」「この世界の真相は!?」ってなってるところで急に梯子外される感じ。その感じも嫌いじゃないんだけど、2作続いたのは良くなかった。全然違う作品だけど、楠巴の最後の口上と、『雪月花黙示録』の蘇芳の最後のセリフがどうしても重なるし。

    ただ、読んでる間トランス状態になれるところは本当に良かった。どれが現実でどれが虚構なのか全く分からん。
    もう一回読み返す必要があるけど、この話全てが劇中劇ってことよね?現実なのはこの本の読者だけで、本の中で行われてるの

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    2021年10月12日
  • ライオンハート

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    面白かったです。SFメロドラマになるのかな…?
    時代が前後する壮大な世界でした。エリザベスとエドワードが出逢っては別れ出逢っては別れ。。
    「春」がとても良かった。泣きましたこれは。
    「天球のハーモニー」でこの世界のきっかけを知り、「記憶」で遂に大団円。良かった。

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    2021年10月02日
  • ねじの回転 FEBRUARY MOMENT(下)

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    いまのコロナ禍と共通するところがある

    「ねじの回転」ではHIDSという奇病が蔓延し
    世界を破滅に向かわせるけど、もしかしたら
    コロナも未来を破滅させるかもしれない…
    そしたらどの時代を修正するんだろう?

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    2021年10月02日
  • 八月は冷たい城

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    ネタバレ

    7月に続き8月も読んでた。
    表紙をみて「あの男の子の話だ!」と。7月に~の時に一瞬出てきた後、何も出てこなかったので、???って気になっていた男の子の話が読める♪と思って、読んでみた。

    こちらは、切なすぎる。
    というか、7月には気にならなかった設定が、8月を読んで、気になりまくってあまりストーリーを受け入れられなくなった。
    読めば読むほど、何も知らされなかったミチルが切なすぎて、この城に来る子供たちが切なすぎて、なんでこの場にこの子達をケアする大人が近くにいないのか、謎過ぎた。親を失うこの巨大な喪失感を、子どもたちだけで過ごさせるって・・・。

    コロナが落ち着かない中でのこの話は、ちょっとえ

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    2021年10月02日
  • 図書室の海

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    恩田陸さんの短編集。表題作から「夜のピクニック」前日談などが収録されている。私自身恩田陸さんの小説をあまり読んだこと無かったが、サスペンス調だったり、日常系だったり、引き込まれていく感じがした。

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    2021年10月03日
  • ねじの回転 FEBRUARY MOMENT(上)

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    舞台は二・二六事件
    史実に詳しくないから最初は入りづらかったけど、
    歴史を知らなくてもまったく問題なし
    未来のために過去をなぞって修復する
    正しい場合は「確定」、違う場合は「不一致」になりやり直していくはずが徐々に不一致が不一致でなくなり…

    当時の電話を盗聴していて、オヅとクロサワ映画好きのアリスが感慨深くなるのに共感
    たしかに当時の会話は現代よりも優雅で美しいんだろうなあ

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    2021年09月26日
  • 黒と茶の幻想(下)

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    続けて、下巻に入る。

    蒔生の章。
    相変わらず“美しい謎”と蘊蓄や警句の混じった話が続く中、周りから『いつも「寛いで」いる』と見える男の中身はやはり複雑。
    紫織という明彦の姉も大概だが、この男も上巻で見てきた人物像からはがらりと印象が変わる『人でなし』ぶり。
    何かの拍子に思いもかけない記憶が甦るというのはままあるし、結構大事なことでも忘れていることはあるとは思うが、この男の場合、あそこまで用意しているのに覚えていないということはあるのだろうか…。
    上巻の感想にたくさん付けた「?」への答がここで語られたたが、どこまでが本当でどこが嘘かの疑心暗鬼は続く。

    結局、あたしとこの世との橋渡しをしてくれ

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    2021年09月19日
  • エンド・ゲーム 常野物語

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    ネタバレ

    常野物語の三作目。
    一作目の『光の帝国』では、
    不思議な力を持つ 様々な常野の人々が紹介された。
    二作目の『蒲公英草紙』は、記憶を「しまう」春田家の物語。
                                                                                                                                    
    そして、今回は拝島家の「裏返す」お話。
    母親・暎子が会社の慰安旅行に行った先で意識不明に。
    娘・時子は、助けを求めて、ある番号に電話をかける。
    それは父の失踪後十数年間、冷蔵庫に貼ってあ

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    2021年09月18日
  • 球形の季節

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    デジャビュ(既視感)のような気分を味わった、物語の始まる東北の一地方「谷津」という土地に。
    「みのりやひろのり、ひとし」たちにいつか会っているような、自分のことのような。

    どこかであったような自分のことのような人たちが、住んだことのあるようなところで繰り広げる日常の非日常。私は恩田さんの書くファンタジーの気質ひとつだろうと思う。いや、羨ましい筆力の才能。

    でも、それは後から思ったこと、とっぷりとはまって楽しんでしまった。とくに第二章「いつの間にかこんなに違った生き物になってしまった」の「谷津」の町の情景描写は好もしい。

    『国道を車で走れば、谷津を通過するのに、もし運悪く信号待ちにひっかか

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    2021年09月14日
  • まひるの月を追いかけて

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    行方不明の異母兄弟の足跡をナゾの女性と旅する本でした。
    ちょっと「嘘」が多く、心惹かれない感じでしたが
    読まないでいるとやはり読みたくなる不思議な展開で
    そこが恩田先生の魅力なのかなと思いました。

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    2021年09月13日
  • 不安な童話

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    女流画家高槻倫子の遺作展に出掛けた主人公万由子が、展示されている絵から強烈な怖れを感じ意識をうしなってしまった。

    後日その画家の息子から「母の生まれ変り」ではないかと指摘されることから苦しみが始まる。画家は25年前に殺されたのだったから。

    なぜ、縁もゆかりもない「私」古橋万由子が知っているような気がするのか、画家を殺した犯人は?というあらすじ。

    「生まれ変り」伝説などというまがまがしさは苦手とひきながら読み進んだのだが、すじの面白さにぐんぐん惹きつけられ最後の展開になるほどと思わされた。

    クリスティの「スリーピング・マーダー」の結末も深層心理をうまく取り入れ、そのクリスティの筆運びの恐

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    2021年09月13日
  • 図書室の海

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    いわゆる恩田陸ワールド満載の一冊。短編集。
    今までに書かれた長編のなごり、きれはし、昇華とこれから書かれるだろう物語の暗示、予感だろう。

    それらしき思い当たりがあるのがある。私がまだ読んでいないのもは分からないし、読んだのもぼやっとしているが、これから巡り会う楽しみがある。

    不思議だな、恩田陸の作品は「いつでも、どこでもない」場所で起きる事象。東北の一地方のような気がするが、雰囲気がモダンでしゃれていて、いつか行ったような土地、過ごしたような時間、会ったような人々が登場する。宮沢賢治もそうだった、やはり東北系。

    以下の一口感想は、私の思い違いもあるかも。

    「春よ、こい」…古今和歌集紀貫

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    2021年09月12日
  • ライオンハート

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    まず、絵が語りかけてくる。みていると、ついと吸い込まれそう。

    章ごとの名画を眺め、想像をはせ、夢み、すれ違いのメロドラマかある。
    でも、恩田さんだ、通俗を通り越してる。

    感動の物語の結末はある。
    ファンはたまらないだろう。ってわたしもファンだが。

    ケイト・ブッシュのセカンドアルバム「ライオンハート」も知らず、ロバート・ネイサンの「ジェニーの肖像」も知らない。
    スマップの「ライオンハート」すら聴いた覚えはなけれど。

    なぜか、懐かしいというのも恩田さんの定評。
    軽くて、しっとりの恩田ワールドである。

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    2021年09月10日
  • 上と外(上)

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    私の年齢ではこういうのをゲーム感覚というのかな、ということになる。
    変化に富んで、急展開でジェットコースタに乗っているごとく面白かったということ。

    あらすじは、夏休み、離婚した夫婦とその子供の兄妹がマヤ文明の遺跡のある土地で再会する。
    さて、無事に観光を終えて帰る前日、その国にクーデターが勃発、ジャングルをヘリコプターで飛んでいるうちに事故にも合い父親、母親と兄妹が離れ離れになってしまう。
    放り出された秘境のジャングル。
    果たして再会できるのか。生き残れるのか、冒険と、ゲームがが始まる。

    マヤ文明聞いたことはあるけれどよく知らないな(恥だが)と思わず世界史年表と地図帳を出して確かめた。あっ

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    2021年09月10日
  • 横浜の名建築をめぐる旅

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    既知の建物がほとんど。
    紹介がメインで、眺めるのが楽しい。これをきっかけに現地を訪れるのがいいかも。

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    2021年09月09日
  • 不連続の世界

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    行ったことのある場所が舞台になっていて、より想像しながら読むことができた。
    なんとなく大人な雰囲気の小説。

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    2021年09月02日
  • 上と外(上)

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    一体何の話なんだ!と思いながらも、G国のジャングル、首都、そして日本で同時進行する緊迫感のあるストーリーはさすが。
    清く正しく力強い少年による青春物語は恩田陸先生の得意技ですね。

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    2021年08月24日
  • まひるの月を追いかけて

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    兄が失踪した。兄の彼女と彼を探す旅に出るが━。

    母親を「あの人」と初めて呼んだのっていつだったろうなんて考えながら読んでいた。
    設定はやはり複雑なところがあるけれど、『ユージニア』ほどの不気味さはなくて、そこは読みやすかった。
    源氏物語みたいなお話。

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    2021年08月22日
  • 球形の季節

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    ある町のそこだけ死んだように、ひっそりと佇む町。この世と違う異次元の世界に入り込む事ができる町で才能ある男の子が少しのスパイスを投入するとたちまち波紋が広がる。
    みんながこうなると願う念がそうなってしまう。
    この町に住む人々の、高校生の日常と非日常を描き今の生活に疎んじているコ、満足できない発散したい念が異次元の世界へ行きたい、何か起こる期待を町全体に漂い怪異現象を引き寄せる。
    その世界に入り込む人がいたのかどうか結末は分からずじまいでうやむやになるがホラーよりは、恩田陸の世界の方が合っているきがする

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    2021年08月12日
  • 黒と茶の幻想(下)

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    恩田陸の『茶と黒の幻想』を読んだ。幻想的な『三月は深き紅の淵を』『麦の海に沈む果実』の続きと期待して…。(この2作は題名に惹かれたともいえるが)

     けれども。

     そつがないけれど「それが、なにか…」というのが感想。別に恩田さんがいけないのではなくて、そういう資質の作家さんなので、この口当たりのよさがいいという人も多いと思う。

     たまたま一緒に読み始めたのが、D・H・ロレンスの『恋する女たち』だったのが悪かった。おなじ男女4人が織り成す模様が、あっさり味の料理と、こってり味の料理の違いがわかってしまった。

     もちろんストーリーはまったく違うので内容がおもしろいとかそうではないとかではなく

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    2021年08月04日