恩田陸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ1992年にデビューした恩田陸氏による作品。文芸誌に分割掲載されたのち、2004年に単行本化。
強いてラベリングするならば、ミステリー系青春小説!?
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恩田氏お得意の群像劇系の作品。
構成としても4章からなる各章を一人称で語らせるもの。この手法も馴染んできました。
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第一章は毬子の視点。
高校二年生の美術部。まだ純真。高校三年の憧れの先輩二人(女)と演劇祭の舞台背景作成のため、先輩の家(女ですよ)にお泊りにいくということでウキウキ。
また、親友がダブルデートを仕組んで他校の男子と知り合いになったり、身辺に動きがあります。ただし、先輩の家にお泊り合宿すると、物事は予想しない展開になってゆきます。
第二章は芳野の視点。
彼女は高校三年の美大志望の女の子。香澄という相棒とともに、学校でも超然とした様子に映る彼女からの視点。非常に冷静に世界を観察し、毬子のあどけなさ、相棒の香澄の分からないところ、香澄の家での女子合宿への闖入者たる月彦(香澄の従弟)やその友暁臣の心情を読み取り、時に牽制し、時に操ろうとします。
第三章は真魚子の視点。
ってか名前が妙に少女マンガっぽい雰囲気。
彼女は毬子の親友。素直過ぎる毬子と比べれば彼女はかなり冷静。仲間として毬子も好きだし、ボーイフレンドも好き。一学年上の芳野と香澄の超然コンビに憧れもあるものの、違和感もある。そうした中で毬子が二人に抱きこまれるように合宿に参加するのが若干悔しくもあるという感情も。
物語りの後半以降を締めくくる重要なポジション。言わば物語の見届け人のような立ち位置。
終章は香澄の視点。
あたかも彼女の辞世の句のような短章。
三章までではいまいち確証が持てない空白部分を彼女の独白が埋めてくれます。
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ということで、恩田作品でした。
夏休みの私的合宿(お泊り会)から一つの事件が発生し、それには過去から因果があったことがつまびらかになる、というものでした。
性格のはっきりと異なるキャラを配置して一人称で語らせる、というのがいかにも恩田さんらしい作品でした。 -
Posted by ブクログ
『思い出の館のショウシツ』(はやみねかおる)3…設定は面白い。
『麦の海に浮かぶ檻』(恩田陸)3…幻想的な世界観がいい。
『QED〜ortus〜——鬼神の社——』(高田崇史)2…神社仏閣と鬼の蘊蓄だけで事件自体はしょうもない。
『時の館のエトワール』(綾崎隼)4…あの個性的な2人はたぶんシリーズがあるんだろう。トリックもオチも気持ちいい。
『首無館の殺人』(白井智之)2…著者の作品は何冊も読んできたがなぜか急に露悪・下品な表現が受け付けなくなってしまった。
『囚人館の惨劇』(井上真偽)5…一番しっかりしてて一番面白かったが、それは一番ボリュームがあったからかもしれない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレすっごい世界観への引き込まれかたがすごかった。自分的にはサスペンスやミステリー要素はあんまり注視して読まず、要所要所で出てくるアナザーヒルの光景を頭に浮かべながら読みすすめ観光スポットを巡っているそんな感じだった。
もちろん異変や不穏な出来事は多くあったが、それでもヒガンを行っている人達が各々の意見を語り合いながら酒屋で飲み交わすみたいな描写やガッチの時の重い雰囲気から解放された時の人間臭さは読んでいてとても好きになれるシーンだった。
読むのにかなり時間がかかってしまいうろ覚えだけどジュンのこの
「人間というのはなんと不可思議な存在だろう。極めて物理的な存在でありながら、やはり自然の一部であり、容れ物である身体に比べて、精神活動は超自然に近い。現実的であろうとする精神は、常に矛盾の間で引き裂かれつつも、その微妙なバランスのとれた小さな一点を縫うようにして未来へ向かおうとする。」と考えた事は自分の記憶に残り作者の考えの一端を知れる事ができた。
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Posted by ブクログ
独特で良く作り込まれた物語設定と世界観。恩田氏が文庫本あとがきで「勝手に物語が拡がっていった」と述べるように、優れた作品であるのは間違いない。しかし私には合わず。ミステリーなのかファンタジーなのかサスペンスなのかホラーなのかどっちつかずの状態で物語は進行し、大事件が起こっているようでそうでもなかったり、最後はなぜかの大団円で幕を閉じる。ハッピーエンドであるゆえに幾多の伏線や謎解きは何だったのかと思わせるファンタジー色強めの終演は「?」という気持ちを残す。最後の最後はホラー映画のようなラストであるし。約1000ページ読んだわりには何だったんだろう、という気持ちが勝ってしまった。