恩田陸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2人の女性が自殺した三面記事をきっかけに、というあらすじを読み、社会派ミステリーかと思い込んでいた。
実際には、三面記事に衝撃を受けた私(恩田さん)が、0.その記事の女性2人を主人公に小説を書くまでと、1.その小説が舞台化される過程を描いたものだった。(1).私が執筆した「小説内小説」も登場する。
章立ての「0」「1」「(1)」の表記を途中までまったく気にしていなかったのだが、先に書いた3つのパート分けを記したものだった。
「私」のパートは”恩田さんらしき誰か”であり、ノンフィクションのようでフィクションなのだろうと思っていたのだが、あとがきを読むとほとんどが恩田さん本人に起きた事実だという。フィクションとノンフィクションが融合する新感覚の小説だった。
本編では、なぜ2人は自殺を選んだのか、明確にはわからなかった。しかしあとがきで、その理由を推測できる程度の事実が判明する。それを知った後に本編ラストの2人のパートをもう一度読み返すと、ここは恩田さんの書いたフィクションとはいえ、なんとも言えない苦しい気持ちになった。 -
Posted by ブクログ
カラーの異なる作品群で、それぞれの慄きがあり面白かった!
めくるめくパニック映画のような『アイソレーテッド・サークル』。
ジメッとした薄暗い雰囲気が抜群な味をもつ『お家さん』。
実話怪談の入れ子構造が心地良い『窓から出すヮ』。
自分の身に起きたら一番厭な『追われる男』。
グロテスクな怖気がはしる『猫のいる風景』。
特に好きだったのは、最後にふさわしい静かな余韻がある恩田陸『車窓』。
新幹線内の短いやりとりだけどリアルに空気感を想像できる。私も車窓を眺めて、この町に生まれたらどんな人生だったかな?とか、窓一面の畑の持ち主の日々を想像したりするのが好きなので、これから新幹線乗るたびに思い出しそう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ恩田氏の作品は、この五年程、結構読んできました。
当初は『夜のピクニック』の印象が強く、YA系の方だと思いましたが、次第に感じたのは非常に器用な人ということ。
モダンホラー的作品、舞台脚本のような密室推理モノ、或いは両者が入り混じったような作品も。というか、とにかく、多産。毎年一作以上作品を発表されている気がします。
で、今回は2009年発表の作品となります。
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とある地方の名士である朝霞家を訪ねてきたのは、映画監督故峠昌彦の親友井上。井上は、峠の遺言を預かっている弁護士であるが、それを隠して雑誌記者として峠監督の幼少期を伺う、という設定で朝霞家を訪問する。
朝霞家に集うのは、剛腕の長姉千沙子亡きあとの、長男千蔵、次男千次、三男千衛、次女千恵子、次女の夫協一郎、住み込みの手伝いの更科、そして曰くありの少女愛華。
井上は、峠監督の本当の父親を探し当てようとしインタビューに臨むが、屋敷には度重なる意図せざる訪問者が訪れる。
そして次第に解き明かされる真実と、降ってわいた死体。殺人か事故か、各人の意図は何か、朝霞家は何かを隠そうとしているのか。最後に明らかにされる真実は・・・。
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印象ですが、本作は二時間ドラマ・劇的な感じの作品であると感じました。
良くも悪くも舞台設定が丁寧になされ、その要素が「あるある」な感じに仕上がっていると感じます。
先ず金持ち一家の存在。朝霞家です。長姉を亡くしたあと、遺産争いも起こりかねないイザコザがあったということ。
次に、隠し子問題。映画監督の峠は亡くなったものの、朝霞家が運営する孤児院で育てられ、しかも朝霞家の誰かが実の父親であると本人は思っていた。
そして殺人。映画監督の峠が亡くなったのは、何かの口封じのためか。あるいは朝霞家の長姉が亡くなったのも事故ではなく他殺では?
さらにさらに、密室です。豪雨により、お屋敷を囲む土地にがけ崩れがあり、外部と遮断された状況は、ある意味密室になります。
このような「舞台」で、事実が次第に明らかになり、思惑が交錯しつつ、新人物が舞台をかき乱します。
やや典型過ぎるきらいはありますが、時を忘れて楽しめるエンタメであると思いました。
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ということで恩田氏の作品、一か月ぶりでした。
二時間ドラマのような小説を読みたい方なら、まずまず楽しんでいただけると思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレかなり昔に読んだ「ドミノ」が好きだったため、続編も楽しみだった。今回は上海が舞台で、人だけでなくパンダも出てきてドタドタの群像劇。登場人物が多いので、何度か最初にまとめられている登場人物一覧を見ながら読み進めた。最後に怒涛にそれぞれのストーリーが混ざり合うのが面白かった。パンダ視点のストーリーは、斬新で面白みもありつつ、かなりファンタジーだと思った。最後、えり子がマギーに対して行った行為とかけた声の意味は…まさか…?と面白かった。
前作の内容を忘れていたが、前作の登場人物が多く出ていたらしいので、読み直してから読むとより面白そう。