恩田陸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
丘の上にある幽霊屋敷に住んでいた人たちの物語が短編小説で書かれている。
私は相変わらず、短編が繋がっているタイプの本が好きだ。
幽霊に近いのは「思い出」である。
過去の様々な出来事によって沢山の幽霊で溢れてしまった幽霊屋敷。
全体的な印象として、人が死ぬ様にあえて少しグロテスクさを足しているのが蛇足だなあと思った。
人の肉を食べさせる理由が書かれていなくて、人食について書きたいだけなのかなあと思ったり。
生まれて間もない子供を抱き抱えて転んで殺してしまったり。そういう人がワンランク不愉快になりそうな死に方を意図して書いてるのが透けててちょっとくどいなあと思った。
1人目に出てきた作家と、大工さんの章で出てきた作家と、最後の方に出てきた作家が全員違う人だとしたら一体どれくらいの年月が経っているのだろう……… -
Posted by ブクログ
ネタバレ白いワンピースのおさげの女の子。胴乱をさげて、虫取り網を持ち、瓦礫のなかに何かを探している。急速に発達した時代のなかで、それまであったものがなくなっていく淋しさの権化のように感じられた。
ドアの向こうへ走り去る女の子達をみたとき、
彼女たちの役目は終わった。
目の前を、明るい夏が駆け抜けていった。
そんな気がした。
僕らの国の、夏の季節が過ぎ去っていった。
そうも思った。 (引用)
これがこの本の全てだと思った。
夏というのは、熱く栄えた日本の近代を指す。
女の子の姿は、その象徴。
日本が変わり、彼女たちは去っていく。
読み終わっても謎が多く残ったので後味が良いとは言えないが、今の日本とひと昔前の日本を比べたときの淋しさを言語化してくれていて引き込まれた。
昭和の時代のことはわからないが、自分が小さかったころのきらきらした眩しさを思い返しながら読めた。 -
Posted by ブクログ
初、恩田陸。
短編集を読む時、満足を得られるかどうかの方針は、収録されている短編の半数以上に満足すれば満足、という場合もあるし、ほとんどがお眼鏡にかなわなくともある突出した一編があることで満足、終わりよければ全て満足、勿論、どれをとっても満足、ということもあるだろう。
今回でいうと、収録された作品のほとんどが複雑怪奇で説明不足の感を否めない。なんじゃこりゃって感じだったのが正直なところ。しかしながら、あとがきまで読むとそれが覆される。各作品、書き下ろしのものは別としてそれぞれに原案や原作、恩田作品の前日譚、といった役割があった。つまり、この短編集のほとんどが導入であり下地なのだということ。
そして、解説にて「初めて恩田陸を読んだ読者に向けて」の解説があったが、そこで更に合点がいった。つまり「これは始まりに過ぎない」のであって、ここで判断するのは時期尚早ということみたいだ。
と、いった前提を踏まえた上でこの一冊に関して感じることとすれば、それでもよくわからぬ、難しいということだ。それぞれの原点にあたればよりよく理解できるのだろう。恩田作品初の自分にとって考えついたのは掴みどころがないなという所感。どの作品も登場人物も世界観も時代も場所も違うので、一体何を読んでいるのかわからぬといったところ。
とりあえず短編集もう一冊買ってあるので、時期を隔てて取り組むこととする。 -
Posted by ブクログ
面白いっちゃ面白いんだけど、終わり方が物足りない。話が全然回収されず、謎の種だけまいて終わった。舞台台本だから、本来はこの劇を見終えた後に、お客さん達に結末はどんな感じなのかを想像して話に花を咲かせて欲しかったのかな。
しかし、それにしてももう少し話が回収されるべきだと思う。おそらく舞台を実際に見ていたら、閉幕後、?????という脳内だったかも。
もっと長さのあった話を無理やり短くしたというか、初めから2回に分けて行なう話で、今回は謎を提示する幕で、次作は解決編という感じ。(次作はないけど…)
猫要素はあってないようなものだし、針要素は皆無。針を比喩的に使う分にはあるかもしれないが、“針“という単語は今作中では一切出てこない。
続編を書いて欲しい… -
Posted by ブクログ
ネタバレ読み終わって第一声
「な、なんだ~~~~~~~~~~~~~~~!?」
夢を変える方法を探した結果、自分自身が夢そのものになることで害のないものに操作できるようにしよう!に落ち着いた?野田は夢札酔いが悪化し、他のベテランたちと同じように夢と現実の境が完全に溶け込んでしまった?だから最後には古藤と会話を交え触れることさえ叶ってしまった?じゃあこれまでの八咫烏の集団白昼夢は?神隠しは?あの黒い霧は?どうして彼らは戻ってきたの?山の中で彷徨っていたのはなに?古藤が見えて聞こえたというホンダ君のあの言葉はなんだったの?
もー全部わかってないよわたし。
それは私が理解できていない、ちゃんと気づけていない部分で語られていたのかもしれない。
でも少なからず、意図して語られなかったものもあった気がする。
だって、夢ってそういうものだからだ。
明確でない。いつだって抽象的で、反対に明瞭であったとしても、目が覚めると朝のひかりの中に溶けるように消えてしまう。散り散りになって、自分の中に返って来ることさえそうそうない。
『何かの夢をたくさん見ていた気がするのに、カーテンの隙間にあさのひかりを見たとたん、すべてが淡いバラバラの欠片となって、両手の指のあいだをあっさり滑り落ちていってしまった。』
この感覚がわかるのは、きっと私だけじゃないんだろうと思う。
物語は、すべてに対して「気がする」というだけで話が進んでいたことが、気持ち悪くてたまらなかった。
現実と夢の境が曖昧になるということで言えばこの気持ちの悪さは正解で、寧ろそれを呼んでいるだけの読者にまで感じさせるのは見事な手腕というやつかもしれない。でも気持ちが悪かった。
ずっとずっと曖昧模糊としたまま話が進み、決定的なことはほとんど明言されない。しかも、それは最後の最後まで。
これは個人的な感覚だけど、あまりにずっと明確な事象が起きないからメリハリが感じられなくて読むのに集中できなかったな。
まぁ、そう思うとなんとも芸術点の高いお話だったなぁとも思う。