恩田陸のレビュー一覧

  • 上と外(上)

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    ネタバレ

    離婚の末にバラバラになって暮らす家族の年に一回の行事である再会旅行。父親の勤務先であるG国で過ごす休暇中に家族でクーデターに巻き込まれる。クーデター発生時彼らはヘリで遺跡に向かう途中であったが、クーデター側と思しきパイロットに子供たちはヘリから密林へと落とされてしまう。

    上巻ではローティーンの兄妹たちが知恵を絞ってジャングルを生き抜く描写が中心。
    但しそこは恩田氏。生死がかかっているとはいえ、青春テイストがかおるのは「夜のピクニック」の作者ゆえか。訳あって異母兄妹である二人は、頼りがいがある爽やかなアウトドア系の兄と、新体操に打ち込む美しい妹として、わずかにお互いを異性として見ている雰囲気が

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    2023年01月10日
  • 蒲公英草紙 常野物語

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    ファンタジーっぽいのが苦手なので、初めは取っ付きにくいかと思ったけれど、どんどん話に引き込まれていった。
    聡子の最後が運命だとしたら、あまりにも悲しすぎる。

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    2023年01月04日
  • 隅の風景

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    恩田陸の旅エッセイ。刊行は平成23年、文庫化は平成25年。積読の結果令和5年に読むという。
    どんなタイミングでも、自分が読んだ時がその本との出会いなので、気にはしてないのですが、エッセイとかは共感できる部分が変わってくるのかなあ、と思う。
    あとあと読むことで、著者が感じたことが未来にどんな影響を与えたのか、と楽しめるというのはあるけど。連載もしくは、刊行当時の読者である自分の生の感情とたらし和すことができないかな、と思う一面もある。

    なんにしろ、楽しめればいいのだけど。変なところで変な理屈こねてしまうのはやめたいですな。

    郡上八幡の回は「愚かな薔薇」じゃないか、ということがすぐにわかったの

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    2023年01月03日
  • 黒と茶の幻想(下)

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    やましい男女四人組の旅日記。ダンナや奥さんはこんな四人での旅行を許可してはいけないな。やましい、やましい。
    リア充は惨たらしい目に遭ってほしい私としては不満の残る内容でズコーって感じではあったけど、Y島に行きたくなりました。
    大人版「夜のピクニック」かな。

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    2023年01月02日
  • 謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー

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    新本格30周年記念アンソロジー…アンソロジーってあまり手に取ることはこれまでなかったけど、どうしても読みたかった恩田陸先生の 『麦の海に浮かぶ檻』を読むために手にしました。やっぱりいいなぁ…『麦の海に沈む果実』の番外編、主人公はあの人!だから、今そうなんだぁ~と納得できました。読めてよかったです!

    他の作品では、綾崎隼先生の『時の館のエトワール』:時間が狂う館、「時の館」に修学旅行で宿泊することになった女学生…時間が狂うとはどういうことなのか…。
    井上真偽先生の『囚人館の惨劇』:兄妹の乗ったバスが転落事故を起こす…生存した他の乗客と一緒に近くにあった館で救助を待つことになったが…その館は囚人

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    2022年12月30日
  • 私と踊って

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    ネタバレ

    短編集。
    「心変わり」
    続きを読みたくなる。絶対この後何かがある!と、期待させる話。窓から見える高速道路の壁が破損していてそこから向こう側の家が見えるなんて経験してみたい。

    「忠告」「協力」
    犬や猫がお手紙書いてくれるなんて夢みたい!ちょこちょこ誤字ってるのが可愛くて仕方がない。でも猫が飼い主(男)に恋して飼い主(女)を殺すのは怖すぎる

    「少女界曼荼羅」
    これもまた続いて欲しい話。文章で不思議な世界観を表現できるのってほんとすごい。

    「台北小夜曲」
    台北の街並みが目に浮かぶ。ちょっと不思議な話で好き。不思議で解釈は読者次第。Mのセリフと彼のセリフがリンクするところ、男の子は彼岸花とカラス

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    2022年12月27日
  • ブラザー・サン シスター・ムーン

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    恩田さんの自伝的小説。高校→大学にあがったときの友人たちの繋がりってふわっとしていたなあという記憶とともに読みました。

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    2022年12月27日
  • 歩道橋シネマ(新潮文庫)

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    恩田陸さんの本をはじめて読みました。

    この本を読む前に読むべき本があったかもしれない。

    別の本で好きになってからこの本にたどり着ければと思いました。
    (少し間をおいてから機会があれば戻ってこようと思いました。)

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    2022年12月26日
  • 本からはじまる物語

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    本に纏わるアンソロジー。
    お馴染みの作家さんは、なるほど作家さんらしいお話だし、はじめての作家さんの話はなかなか新鮮だ。

    梨木香歩さんの「本棚にならぶ」がとても衝撃的で印象が強かった。なんだか、私もこんな風になっていく気がしないでもないと。怖いよりもなぜか納得してしまうのだ。

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    2022年12月25日
  • 夜の底は柔らかな幻(下)

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    ネタバレ

    最後の最後の最後でいいシーンきちゃって、でも、実邦まだタミさんの事知らないよね、って思いながら、涙ほろり。ずっと、死の気配が漂っていた中で、最後のシーンはかろうじて生が感じられたように思います。
    謎だらけのまま終わったけど、不思議と不完全燃焼感はない。なぜなら、最初から最後まで不思議だったから。

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    2022年12月20日
  • 禁じられた楽園〈新装版〉

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    うーん…なんか物足りない感じでした。美術関係の話だと聞いたので購入したのですが、私的にはもう少し色々と書いて欲しかったかも。個人による感想なので、人によって個人差があるかもしれないけど、私は頁数分厚くても良いからもう少し詳しく書いて欲しかった。特に結末とか。

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    2022年12月19日
  • 訪問者

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    スラスラ読めました!ミステリー好きの人には結末は少し物足りない感がありましが、私的には面白かったので星三つです!

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    2022年12月19日
  • 七月に流れる花

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     いきなり「みどりおとこ」が出てきたら驚かない方がおかしい。知らない方が幸せ以前の事な気が…
    ファンタジーなのかと思ったら、現実の話と言うことが一番驚いたかも。設定が面白い。
    八月…も読んでみよう。

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    2022年12月08日
  • 夏の名残りの薔薇

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    “「夏の名残りの薔薇」の構成について考えていた時、一つの主題を繰り返して微妙に変化させていく、という形式だけは決まっていたが、いよいよ書き始めるという時になって、何かこの小説には核になるものが欠けているような気がしてならなかった”と、この作品執筆の経緯を語られる恩田陸さん。

    この世には数多の小説があり、それを日々生み出される作家さんの存在があります。私たちの手元に届くのは、当然にその完成品である商品としての小説です。制作途上のものが届くことはありませんし、また見たいと思っても、作家さんの頭の中を覗き見することもできません。そんな小説が私たちの手元に届くまでを分かりやすく書いた作品に額賀澪さん

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    2022年12月07日
  • MAZE 新装版

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    恩田陸ってそつなく何でも書けるし、文章も平明でこれといった瑕疵もないが逆に胸を突くような感動もしない小説家というイメージであった。ところでこの小説、正にイメージ通りのそこそこ面白い小説だった。
    謎の白い箱というフックで読者を引っ張りながら、キャラクターの軽妙な語り口やホラー描写で盛り上げて、その間に社会批評的なワードもしれっと混ぜてくるという素晴らしい構成だ。
    だが、まじでこれっぽちも感動しない。

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    2022年12月05日
  • 象と耳鳴り

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    この装丁、特別感があって好き。

    引退した元判事、関根多佳雄(「六番目の小夜子」に出てきた関根秋の父親)を主人公としたミステリ短編集。秋以外の関根ファミリーが総出演する。

    個人的には「曜変天目の夜」と「ニューメキシコの月」が好き。

    この作品に刺激されて曜変天目を見に行ったし、西馬込に給水塔見に行ったし、アンセル・アダムスの写真集も見るようになりました。

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    2022年12月01日
  • 六番目の小夜子

    ネタバレ 購入済み

    結局どういう事?

    昔ドラマになっていたのでタイトルだけは知っていて(ドラマ嫌いなので見た事はない)、いつか小説を読んでみたいと思いずっとフォローしていたのですが、値引きされていたので漸く購入。

    途中まではとてもミステリアスな雰囲気でぐいぐいと物語に引き込まれていったのですが、終盤で拍子抜けというか、私では理解が追いつかない展開になってしまいました。
    本当にレビュータイトル通り。「結局なんだったの?」状態。
    沙世子の思考が一貫してよく解らなかったし、黒川はどうやって沙世子の存在を知ったの?
    加藤の自室で起きたアレはただの妄想だったのか、それとも本当にオカルトホラー的なものだったのか。
    読後に疑問が出

    #ダーク

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    2022年11月26日
  • 夏の名残りの薔薇

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    【2022年78冊目】
    章が変わるごとに絶妙に変化を見せるストーリー。何が真実で、虚構で、過去で、未来なのか、混乱したまま物語は終焉までひた走ります。

    頭の切り替えがなかなかに難しかった。物語と本筋では関係ない引用が多々あったのも混乱を引き起こす呼び水の一つだったかなと。

    地に足がつかない、なんとも奇妙な小説でした。

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    2022年11月27日
  • 図書室の海

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    恩田陸の短編集
    わりとSF・ミステリ系が多い印象
    「春よ、こい」香織と和恵の時間が繰り返す
    「茶色の小瓶」OLの関谷俊子はあることがきっかけで同僚の三保典子が気になる
    「イサオ・オサリヴァンを探して」ベトナム戦争らしき戦場を舞台にした短編
    「睡蓮」利瀬と血のつながらない兄弟の亘と稔
    「ある映画の記憶」映画『青幻記』をモチーフにしたミステリ
    「ピクニックの準備」恩田陸で一番好きな「夜のピクニック」の前日譚
    「国境の南」喫茶店のウエイトレスが行ってきたささやかだけど恐ろしい行為
    「オデュセイア」ファンタジー 面白かった
    「図書室の海」六番目の小夜子のスピンオフ的作品
    「ノスタルジア」最初の「春よ、

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    2022年11月22日
  • 歩道橋シネマ(新潮文庫)

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    買おうか買うまいか迷ったけど…
    目次を覗いたら「麦の海に浮かぶ檻」というタイトルを発見してしまい、即レジへ。
    その名の示す通り「麦の海に沈む果実たち」のスピンオフで時系列で言うと前日譚。ー檻ーに出てくるあの人がー果実ーに出てくるあの人になるんだな…とマニア心がくすぐられた。

    恩田さんの得意な都市伝説的な小説が多い。中には語り手が何かものを書いている人で、周りの人も語り手をOさんと呼ぶので、語り手=恩田さん?あれ?これ、エッセイかな?と一瞬思うのですが、たぶん小説でしょう。

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    2022年11月21日