恩田陸のレビュー一覧
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ネタバレ離婚の末にバラバラになって暮らす家族の年に一回の行事である再会旅行。父親の勤務先であるG国で過ごす休暇中に家族でクーデターに巻き込まれる。クーデター発生時彼らはヘリで遺跡に向かう途中であったが、クーデター側と思しきパイロットに子供たちはヘリから密林へと落とされてしまう。
上巻ではローティーンの兄妹たちが知恵を絞ってジャングルを生き抜く描写が中心。
但しそこは恩田氏。生死がかかっているとはいえ、青春テイストがかおるのは「夜のピクニック」の作者ゆえか。訳あって異母兄妹である二人は、頼りがいがある爽やかなアウトドア系の兄と、新体操に打ち込む美しい妹として、わずかにお互いを異性として見ている雰囲気が -
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恩田陸の旅エッセイ。刊行は平成23年、文庫化は平成25年。積読の結果令和5年に読むという。
どんなタイミングでも、自分が読んだ時がその本との出会いなので、気にはしてないのですが、エッセイとかは共感できる部分が変わってくるのかなあ、と思う。
あとあと読むことで、著者が感じたことが未来にどんな影響を与えたのか、と楽しめるというのはあるけど。連載もしくは、刊行当時の読者である自分の生の感情とたらし和すことができないかな、と思う一面もある。
なんにしろ、楽しめればいいのだけど。変なところで変な理屈こねてしまうのはやめたいですな。
郡上八幡の回は「愚かな薔薇」じゃないか、ということがすぐにわかったの -
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新本格30周年記念アンソロジー…アンソロジーってあまり手に取ることはこれまでなかったけど、どうしても読みたかった恩田陸先生の 『麦の海に浮かぶ檻』を読むために手にしました。やっぱりいいなぁ…『麦の海に沈む果実』の番外編、主人公はあの人!だから、今そうなんだぁ~と納得できました。読めてよかったです!
他の作品では、綾崎隼先生の『時の館のエトワール』:時間が狂う館、「時の館」に修学旅行で宿泊することになった女学生…時間が狂うとはどういうことなのか…。
井上真偽先生の『囚人館の惨劇』:兄妹の乗ったバスが転落事故を起こす…生存した他の乗客と一緒に近くにあった館で救助を待つことになったが…その館は囚人 -
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ネタバレ短編集。
「心変わり」
続きを読みたくなる。絶対この後何かがある!と、期待させる話。窓から見える高速道路の壁が破損していてそこから向こう側の家が見えるなんて経験してみたい。
「忠告」「協力」
犬や猫がお手紙書いてくれるなんて夢みたい!ちょこちょこ誤字ってるのが可愛くて仕方がない。でも猫が飼い主(男)に恋して飼い主(女)を殺すのは怖すぎる
「少女界曼荼羅」
これもまた続いて欲しい話。文章で不思議な世界観を表現できるのってほんとすごい。
「台北小夜曲」
台北の街並みが目に浮かぶ。ちょっと不思議な話で好き。不思議で解釈は読者次第。Mのセリフと彼のセリフがリンクするところ、男の子は彼岸花とカラス -
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“「夏の名残りの薔薇」の構成について考えていた時、一つの主題を繰り返して微妙に変化させていく、という形式だけは決まっていたが、いよいよ書き始めるという時になって、何かこの小説には核になるものが欠けているような気がしてならなかった”と、この作品執筆の経緯を語られる恩田陸さん。
この世には数多の小説があり、それを日々生み出される作家さんの存在があります。私たちの手元に届くのは、当然にその完成品である商品としての小説です。制作途上のものが届くことはありませんし、また見たいと思っても、作家さんの頭の中を覗き見することもできません。そんな小説が私たちの手元に届くまでを分かりやすく書いた作品に額賀澪さん -
ネタバレ 購入済み
結局どういう事?
昔ドラマになっていたのでタイトルだけは知っていて(ドラマ嫌いなので見た事はない)、いつか小説を読んでみたいと思いずっとフォローしていたのですが、値引きされていたので漸く購入。
途中まではとてもミステリアスな雰囲気でぐいぐいと物語に引き込まれていったのですが、終盤で拍子抜けというか、私では理解が追いつかない展開になってしまいました。
本当にレビュータイトル通り。「結局なんだったの?」状態。
沙世子の思考が一貫してよく解らなかったし、黒川はどうやって沙世子の存在を知ったの?
加藤の自室で起きたアレはただの妄想だったのか、それとも本当にオカルトホラー的なものだったのか。
読後に疑問が出 -
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恩田陸の短編集
わりとSF・ミステリ系が多い印象
「春よ、こい」香織と和恵の時間が繰り返す
「茶色の小瓶」OLの関谷俊子はあることがきっかけで同僚の三保典子が気になる
「イサオ・オサリヴァンを探して」ベトナム戦争らしき戦場を舞台にした短編
「睡蓮」利瀬と血のつながらない兄弟の亘と稔
「ある映画の記憶」映画『青幻記』をモチーフにしたミステリ
「ピクニックの準備」恩田陸で一番好きな「夜のピクニック」の前日譚
「国境の南」喫茶店のウエイトレスが行ってきたささやかだけど恐ろしい行為
「オデュセイア」ファンタジー 面白かった
「図書室の海」六番目の小夜子のスピンオフ的作品
「ノスタルジア」最初の「春よ、