恩田陸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ短編集。とりあえず全部大好きな深海のようで薄氷を踏むような雰囲気で好き。昔読んでよく分からんってなったのを、再読したらめちゃくちゃ好みだった。はっきり書かれてないのが昔ダメやったんやろなぁ、そこを漸く読み取れるようになったのか。
「春よ、こい」
春を目指して巻き戻る少女たちの女性たちの話。タイムリープ感と海底のようなしっとりじっとりした感じが大変好み。
「茶色の小壜」
会社の同僚が血を見て笑っている、それが気になり調べる女性の話。同僚の女性を同じように気になってたのに、いつ足を掴まれていたのか。はっきりと明記できない怪しさが好き。
「イサオ・オサリヴァンを捜して」
イサオのことを知っている人たちに話を聞く話。沼みたいに入ったら抜け出せない。この続きが読みたい。
「睡蓮」
理瀬シリーズ短編。理瀬が学園に行く前、亘と稔と住んでいて嫉妬を芽生えさせる話。亘の連れてきた女の子に嫉妬するの、亘のこと好きなんやろな、どういう種類かはさておき。そして亘の彼女を誘惑した男、理瀬の父親では?理瀬のこと好きな、親バカなのか。
「ある映画の記憶」
ふと思い出した映画を見て、古い記憶が呼び起こされる話。あの日、海で死んだ叔母は、なぜ死んだのだろうか。
「ピクニックの準備」
夜のピクニック前日譚。夜のピクニック読みたくなる。ここから始まったのか。
「国境の南」
喫茶店で人気だった店員は、水にヒ素を入れていた。そして同じ所で新たにオープンした店は、かつてその店の店長がまた始めた店だった。怖い、ゾワゾワする、何てフィクションって言い切れないすぐそばでありそうな様がもう。
「オデュッセイア」
ココロコ、という大陸が意思を持ち歩き、泳ぎ、背に人を住まわせ進む話。世界の歴史かのようで、最後に救いがあるのがまだこの世界を諦めていないようで良い。
「図書室の海」
六番目の小夜子の前日譚。ここから本編か、めっちゃ本編読み直したい。小夜子の代じゃなかったら、こんな風なのかもね。
「ノスタルジア」
懐かしい記憶、というお題から天敵の女から逃れられない話になる話。 -
Posted by ブクログ
恩田陸作品はいくつか読んだことがあるが、タイトル通り小説以外のエッセイや解説、書評などをまとめた作品。
小説家って、面白い物語を届けてくれる妖精みたいなイメージだけど、エッセイとかを読むと人間なんだって思って面白い。
↓印象に残ったところ↓↓
読書とは、突き詰めていくと、孤独の喜びだと思う。人は誰しも孤独だし、人は独りでは生きていけない。矛盾しているけれど、どちらも本当である。書物というのは、この矛盾がそのまま形になったメディアだと思う。読書という行為は孤独を強いるけれども、独りではなしえない。 本を開いた瞬間から、そこには送り手と受け手がいて、最後のページまで双方の共同作業が続いていくからである。本は与えられても、読書は与えられない。読書は限りなく能動的で、創造的な作業だからだ。自分で本を選び、ページを開き、文字を追って頭の中に世界を構築し、その世界に対する評価を自分で決めなければならない。それは、群れることに慣れた頭には少々つらい。しかし、読
書が素晴らしいのはそこから先だ。独りで本と向き合い、自分が何者か考え始めた時から、読者は世界と繋がることができる。孤独であるということは、誰とでも出会えるということなのだ。
ファンタジーというのは、戦争の話である。
(略)もっと正確に言えば、「秩序を取り戻す話」とでも言い換えるべきだろうか。
(略)それは、平和や成長や宝物や勝利という目的が一応設定されてはいるが、詰まるところ「秩序を取り戻す」ために戦う話である。
(略)世界は秩序を、賢者を、失われた倫理を取り戻すことを切に求めている。魔法の杖の一振りで、失われたものを取り返すことを願っているのだ。それは、逆に言うと、いかに世界が多くのものを失い、この世に魔法も奇跡もないことを実感しているかということの裏返しだ。世界はヒーローを求めている。秩序を回復してくれる聖なる存
在を、誰もが血眼で捜しているのだ。「聖」や「神」という言葉がこれほど安売りされている時代もない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ空港で足止めをくらった男女数名。テロの犯行予告があり犯人に該当するとのことで突如犯人探しが始まった。
誰がテロリストなのか、どんな犯行なのかを想像させられる場面が多く最後までミステリーとして読んでました。
恩田さん作品では途中まで良かったのにと思うことが結構あるのですが今回もそれ。
犯人自身気が付いてないから誰か特定できないんじゃないか、消滅とは感染症?もしかしたら全て嘘でキャスリンが犯人?なんて色々考えましたがそんなことはなく意外とハッピーエンド。
途中で見破ったキャスリンがネタを仕込み被疑者の中から別で捕まっていたベンジーが本当のことを言うように仕向ける。多分これがなくても時間になれば言ってそうでしたが。
コロナ禍前の作品でしたがコロナを思わせるほどの記述。コロナ後だからこそ感染症のところは恐怖でした。
若干回収できていないところもありましたが途中まで面白かったです。