恩田陸のレビュー一覧

  • 六番目の小夜子

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    読み始めは、ハラハラドキドキが感じられず、ワクワク感も無い状況が続きました。
    しかし、後半から引き込まれて、楽しませてもらいました。
    ありがとうございます。

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    2025年05月23日
  • 灰の劇場

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    2人の女性が自殺した三面記事をきっかけに、というあらすじを読み、社会派ミステリーかと思い込んでいた。
    実際には、三面記事に衝撃を受けた私(恩田さん)が、0.その記事の女性2人を主人公に小説を書くまでと、1.その小説が舞台化される過程を描いたものだった。(1).私が執筆した「小説内小説」も登場する。
    章立ての「0」「1」「(1)」の表記を途中までまったく気にしていなかったのだが、先に書いた3つのパート分けを記したものだった。
    「私」のパートは”恩田さんらしき誰か”であり、ノンフィクションのようでフィクションなのだろうと思っていたのだが、あとがきを読むとほとんどが恩田さん本人に起きた事実だという。

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    2025年05月22日
  • ライオンハート

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     時や空間を越え、互いに想い合うもほんの一瞬しか邂逅できず、結ばれない2人を描いたSFラブストーリー。幻想的で個人的には好きな雰囲気だが、苦手な人も多そう。終わり方も好みだが、人には勧めづらい。一生に一度のほんの束の間しか逢えない織姫と彦星のよう。幼少期に一度は運命の相手に憧れるが、大人向けの物語に昇華させているのが凄い。ミレーの『春』の章が好き。その後2人はいつまでも幸せに暮らしましたとさ、とならない運命が切ない。最終章の2人にもすぐに別離が訪れたのだろうか。

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    2025年05月20日
  • 木曜組曲 〈新装版〉

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    ネタバレ


    自殺か他殺か

    結局はえい子を殺そうと思ったのに偶然が重なり自分がその毒を飲んでしまうという

    かわるがわる視点が変わるけど読みやすかった

    表の顔と裏の顔はやはりみんな違うよね

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    2025年05月20日
  • 歩道橋シネマ(新潮文庫)

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    恩田さんの作品は、「今このとき」から少し離れた場所を見ているような
    距離感を感じる
    同じものを見ていても人によって見え方が違うことも
    ずっとわけのわからなかったことが、長い時間のあとに、するするっと解けるお話もわりとある印象
    記憶力が良い方なのかな?と思う

    現実にはいろんなことすぐ忘れてしまうし、記憶も都合のよいように改竄しがちだから…

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    2025年05月20日
  • 七月に流れる花/八月は冷たい城

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    ネタバレ

    世界のことわりを変えた最近の疫病がモチーフなのかな。
    全身みどりのおとこに連れられて、夏のお城に向かう少女たち。
    第二章は少年たちの視点。

    不思議なできごとがおこり、この風習の意味、全身みどりのおとこの意味が
    じわじわと明かされていく。

    みどりおとこの中に、この世を去った家族たちの記憶が積み重なっているかもしれない。
    それは救いともなんともいえない。
    童話のようなノスタルジックな雰囲気の中に、ミステリ感もSF感もあるお話だった。

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    2025年05月20日
  • 木洩れ日に泳ぐ魚

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    ネタバレ

    同居を解消しようとしている男女
    最後の夜に酒を飲みながらとことん対話する
    彼らは双子のきょうだいということになっている
    旅先で案内人が崖から転落して死亡した件について語る

    ふたりは互いに恋愛感情を抱いていたが一線は越えなかった
    最後の会話をしながら、女性は過去を思い出す
    ふたりがきょうだいではなく、いとこ同士だったことが想起される

    いとこ同士なら恋愛してもいいのに、彼女はもう彼を愛していないと気づく
    きょうだいだと思っていたからこそ愛していた

    残酷な事実を照らすように、太陽が昇る

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    2025年05月26日
  • 慄く 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    ホラー短編集。もっと心が元気な日に読めばよかったな。精神的に疲れている時に読むと悪意や嫌悪感がグサリとくる。有栖川有栖『アイソレーテッド・サークル』が一番印象的。どうやら私はデスゲームのような話がとても怖いらしい。

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    2025年05月20日
  • 私と踊って

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    ネタバレ

    恩田さんの読みだしたら止まらない、読者を引きつける文章がすてきで、短編もやめどころがわからない一冊でした。

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    2025年05月19日
  • 中庭の出来事

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    ネタバレ

    おしゃれな演劇を見ているみたい
    同じシーンを違う役者が演じることで
    真実は近づいたり離れたり…

    有名な演劇をばらばらにとりあげたシーンが印象的だった。

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    2025年05月19日
  • 灰の劇場

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    ネタバレ

    同居していた四十代の女性ふたりが一緒に橋から飛び降りたのはなぜか
    作者の人生と交互に描かれる
    並走するフィクションとノンフィクション

    本当のことは当事者にしかわからない
    なぜそれを知りたいと思うのだろう

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    2025年05月20日
  • 灰の劇場

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    2人の自殺した女性たちと、それを題材にしようとしている女性の視点がコロコロと変わる作品。
    読んでいて、あれこれって今どっちの話だっけ?となるような部分もあったけど、そこもまたこの作品の魅力かなと思った。

    なぜかページを捲る手が止まらなくなり、心にスッと入って来ました。

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    2025年05月18日
  • 黒と茶の幻想(下)

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    主に会話劇で、心理描写や風景描写に重きを置いているような印象。
    大きな出来事はなくたんたんと進むストーリーで物足りなかった。

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    2025年05月13日
  • 慄く 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    カラーの異なる作品群で、それぞれの慄きがあり面白かった!
    めくるめくパニック映画のような『アイソレーテッド・サークル』。
    ジメッとした薄暗い雰囲気が抜群な味をもつ『お家さん』。
    実話怪談の入れ子構造が心地良い『窓から出すヮ』。
    自分の身に起きたら一番厭な『追われる男』。
    グロテスクな怖気がはしる『猫のいる風景』。

    特に好きだったのは、最後にふさわしい静かな余韻がある恩田陸『車窓』。
    新幹線内の短いやりとりだけどリアルに空気感を想像できる。私も車窓を眺めて、この町に生まれたらどんな人生だったかな?とか、窓一面の畑の持ち主の日々を想像したりするのが好きなので、これから新幹線乗るたびに思い出しそう

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    2025年05月11日
  • 私の家では何も起こらない

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    ネタバレ

    面白い、とは思うが…
    読み手の想像力をかなり要する作品。
    が率直な感想。

    洋館の歴史というか記憶というか。
    人類が栄え、いつかは必ず死ぬ生き物。
    そこらじゅうで死んでた可能性はあるし
    なにが幽霊屋敷なのか。
    どの建物、土地も知られてないだけで
    いわくはあるものだろう笑

    会話形式で話が進んでいたからだろうか
    誰が何を話しているのか
    難しかった笑笑
    そこを考えるので
    また脳ミソつかうのがしんどかったかなぁ。

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    2025年05月10日
  • 鈍色幻視行

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    『夜果つるところ』を読み終えたけれど
    どちらも恩田作品にしては読み進めるのに時間がかかった

    メタフィクションのアイデアはおもしろいけど、
    どちらもコンセプトやプロットに縛られすぎてる気が

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    2025年05月06日
  • 夜果つるところ

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    執筆15年
    作家がずっと書いてみたかったというメタフィクションの小説
    飯合梓という作家の最初で最後の作品

    この小説にまつわる事件や仮説を描いたのが『鈍色幻視行』
    んん…コンセプトやプロットに縛られすぎてる気がした

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    2025年05月06日
  • 訪問者

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    ネタバレ

    恩田氏の作品は、この五年程、結構読んできました。

    当初は『夜のピクニック』の印象が強く、YA系の方だと思いましたが、次第に感じたのは非常に器用な人ということ。

    モダンホラー的作品、舞台脚本のような密室推理モノ、或いは両者が入り混じったような作品も。というか、とにかく、多産。毎年一作以上作品を発表されている気がします。

    で、今回は2009年発表の作品となります。

    ・・・
    とある地方の名士である朝霞家を訪ねてきたのは、映画監督故峠昌彦の親友井上。井上は、峠の遺言を預かっている弁護士であるが、それを隠して雑誌記者として峠監督の幼少期を伺う、という設定で朝霞家を訪問する。

    朝霞家に集うのは、

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    2025年05月06日
  • 麦の海に沈む果実

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    「三月は深き紅の淵を」の続編。主人公14歳少女 理瀬の目線で語られるが、最後の肝心のところは伏せていた。まるでポアロの「アクロイド殺し」のようだが、そこまであからさまに隠していない。最後の数ページというところ。この話は不可思議と謎が入って単純に面白い。ただ、終わり方、謎落ちがちょっと好みではないが、全てが納得できる落ち着き方なので、これはこれですごいと思う。私はこれまであまり主人公が美少女という設定の小説を読んだことがなかったせいか、読みながら、もしこの小説を映画化するならどの女優さんを起用するだろう、と度々予想してしまった。笑

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    2025年05月06日
  • ドミノin上海

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    ネタバレ

    かなり昔に読んだ「ドミノ」が好きだったため、続編も楽しみだった。今回は上海が舞台で、人だけでなくパンダも出てきてドタドタの群像劇。登場人物が多いので、何度か最初にまとめられている登場人物一覧を見ながら読み進めた。最後に怒涛にそれぞれのストーリーが混ざり合うのが面白かった。パンダ視点のストーリーは、斬新で面白みもありつつ、かなりファンタジーだと思った。最後、えり子がマギーに対して行った行為とかけた声の意味は…まさか…?と面白かった。

    前作の内容を忘れていたが、前作の登場人物が多く出ていたらしいので、読み直してから読むとより面白そう。

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    2025年05月06日