恩田陸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
まずは、バレエに無学な私にも、この壮大で甘美な世界を開いてもらえたことに大感謝。その世界を堪能出来たのは、恩田さんが書いてくださったからに違いない!と感じる。一つのバレエを構成するための多様な要素が個性の異なる登場人物の視点で描かれている。その視点を通じて作品が出来上がっていくプロセスを自然と追っていけるので、おこがましくも自分が以前からバレエが好きだったかのように途中から勘違いをし始め、もう近々バレエを観劇しに行くんだ、それが当然なんだ、くらいの感覚でバレエに親しみ始めている不思議。
という、存分にこの小説を堪能させていただいた前提はありつつ、ここからは個人的な好みの話。「蜜蜂と遠雷」も -
Posted by ブクログ
作品紹介・あらすじ
1話5分でわくわくできる、本にまつわる18のストーリー。
森を飛びかう絵本をつかまえる狩人、ほしい本をすぐにそろえてくれる不思議な本屋、祖父がゆっくり本を読む理由、書店のバックヤードに隠された秘密……。
青春、恋愛、時代小説から、ミステリにファンタジーまで、「本」と「本屋」をテーマに豪華執筆陣18名が集結! 本の世界の奥深さが短いお話の中にたっぷり詰まっています。1話5分でわくわくできてどこから読んでも面白い、本にまつわるショートショート・アンソロジー。
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本にまつわるショートショート18編を集めた短編集。
僕は梨木果歩さんの作品目当てで購入。
ホロリとさ -
Posted by ブクログ
丁寧に読めて…いない?
常野の魅力を味わえなかったのは、現代社会に溺れてしまっているからなのかなあ。
『二つの茶碗』や『達磨山への道』の雰囲気は好きだった。日常と常野が混ざり合っていて、絶妙な余韻が残るのがいい。『夜のピクニック』と『六番目の小夜子』のいいとこどりって感じだった。
しかし、『オセロ・ゲーム』以降、話に乗り切れないまま進んでしまった気がする。続きが気になるカロリー高めの話なんだけど、盛り上がったところで、次エピソード続きが描かれない。現代の余裕のない大人はつんのめっちゃう感じがしたなあ。静かな部屋でコーヒーを飲みながらゆったり読んでれば常野の空気を胸いっぱいに吸い込んで楽し -
Posted by ブクログ
バレエを愛し、バレエに愛され、バレエの神の贄となる人物、萬春(よろず はる)の姿を文字に留めた作品。彼の生を彩る3人の視点で書かれる章と、春が語り手となるラスト1章があり、全4章構成。
構想・執筆10年の大作を相変わらず斜め読みしてごめんなさい。カタカナが多いから仕方がない。バレエ用語も勿論分からない。パ・ド・ドゥって何だよクックドゥか何かか。クラシックもいちいち調べながら読む程余裕はないから流していく。
その中で一度、楽曲に板ささらを使うというシーンがあった。個人的に体験したことがあったからか、その時だけ「ジャッ」という音が脳内に響き、瞬間世界がクリアになって、ばちっと繋がったような感覚 -