恩田陸のレビュー一覧
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冒頭───
狭かった。学生時代は狭かった。
広いところに出たはずなのに、なんだかとても窮屈だった。
馬鹿だった。学生時代のあたしは本当に馬鹿だった。
おカネもなかったし、ついでに言うと色気もなかった。
二度とあんな時代には戻りたくはない。
周りの女友達も、もう学生なんてまっぴらだ、という子がほとんどだ。
けれど、男の子たちは違うらしい。
恩田陸の私的エッセイ風(一部のみ)連作短編集。
学生時代の回想をもとに三人の視点で書かれている。
第一部「あいつと私」は自分。
第二部「青い花」はジャズ研の戸崎。
第三部「陽の当たる場所」はシネマ研究会の箱崎。
男は学生時代を懐かしそうに振り返る。
「ああ -
Posted by ブクログ
旅のエッセイ集。
で、むしろ某ピアニストが探偵のミステリーがおいおいな理由がよくわかった。
よーするに、エッセイと旅行本の違いなのだ。
某ミステリーは、るるぶ、かよって感じに音楽を書いてる。
ちがうだろう。まず震えるのは、心だ。感じるのは、空気なはずだ。
そのへんのストレスを一気に霧散していただきましたm(__)m
うんうん。
こうあるべきだよな。
どこか別の地にいって、そこになにがあってどうのっていう説明なんてどうでもいい。そこで、筆者は何を感じたかが大事なのだ。でもって、その感じたことを通して、筆者自身を感じる。
なんで、恩田陸はまるでビー玉のようだと思った。
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Posted by ブクログ
恩田陸は恐ろしい作家だ。読み始めると止まらなくなってしまう。抜き差しならない用事がある時はいいが、これと言ってすることがない時は、どっぷりはまってしまう。しかも読み終わったあと2度も3度もページをめくって読み返してしまう。
本書は比較的早い段階で真犯人がわかり、大どんでん返しはなかった。にもかかわらず何度も読み返してしまう。やっぱり凄いぞ恩田陸!
今回殺された女流画家は美人で才能もあるのに気性が激しく自分勝手。他の女は見下し母としての役目はまったく果たさない絵に描いたような嫌な女。でもそんな女になってみたいと誰しも心の奥底で思っていたりする。
今回登場した大学教授とその秘書のコンビ、また