恩田陸のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
廃墟マニアのあいだで有名なある島で、餓死死体、墜落死体、感電死体の3人の死体が発見され、二人の検事がその謎を追うという話です。
最初に羅列される、なんの脈絡もなさそうないくつもの記事や、3人の不可解な死体発見など、これから何が始まり、どう展開していくんだろうと、ぐいぐい引き込まれます。
一体この島で何があったのかと、先へ先へとページをめくる手が止まらないところなど、とてもワクワクしながら読みました。
それだけに、最後の解決編のような部分が、ちょっと拍子抜けで、真相が披露されて、「お、おぅ…」という感じで、面白かったんですけど、ちょっとあ、そういう感じなんだ…と。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ解説者小田島雄志氏。の青と赤のボールペンと黒の鉛筆で色分け、の気持ちはよく分かる。
全貌を理解できた気はとてもしないが、他の方の言うとおり癖になる作品。
登場人物の感情表現やこういった手法も凄いのだが
自分ではとても文章におこせない感覚を、さらりと的確に表現していて毎回メモりたくなる。
レストラン従業員の
『経験の長い、気の合う仲間とそうして泳ぎ回っていると、みんなで気持ちのいいダンスを踊っているような満足感を覚える。だから、たまに、誰かが休んで代わりの者が入ると、なんとなくリズムやテンポが狂って、みんなの動きがぎくしゃくしてしまう。』
戸外で本を読むときの
『外ではいつも時間が流れ、風景が変化している。…そんなところでじっと活字を追っていると、まるで川の流れに棒切れを挿したように、自分だけが流れに逆らい、踏みとどまっているような錯覚を感じるのだ。時間を止めているような、それでいて意識が世界に溶け出して一体化しているような。』
『不思議なもので、自宅でよりも、電車や待ち時間の読書の方が、理解力が増すような気がすることがある。周囲の人間のエネルギーに無意識のうちに反応しているのかもしれないし、それらに負けまいとして普段よりも集中力を発揮しているのかもしれない。』 -
Posted by ブクログ
恩田陸の『恐怖の報酬』日記を読みました。
酩酊混乱紀行 イギリス★アイルランド★日本〈ほぼ縦断〉とサブタイトルがついています。
恩田陸がビールを求めてイギリス、アイルランド、生麦(キリンビール)、札幌(サッポロビール)、沖縄(オリオンビール)と旅行してひたすらビールを味わうという旅行記でした。
さらに、恩田陸は強度の飛行機恐怖症とのことで、その恐怖についてもしつこく書かれています。
とは言え、アイルランドのどこまでも続く丘を見ているだけで、手紙を書く青年、手紙を読む少女、空を飛んでいく帆船たち、それを見上げている少年、といったイメージが浮かんできて1篇の物語が書けそうだ、というところが恩田陸の小説家たる所以なんだろうな、と思いました。
まあ、それ以外は飛行機恐怖症でビール好きの飲んだくれのお姉さんだというギャップもいい感じなのですが。 -
Posted by ブクログ
「悪夢ちゃん」のドラマを見てから気になっていて、ようやく読みました。面白かったです! ファンタジーのカテゴリに入れましたが、SF、ミステリー、ラブストーリーの要素もあります。夢と現実の境界があいまいになる話は色々ありますが、この作品では夢の内容を映像化することができ、その映像を見てカウンセリングを行う「夢判断」という仕事が存在しています。さらに、境界があいまいになっていく人ではなく、その人を取り巻く周囲の視点で書かれているので、言いようのない不安を抱え、真相を突き止めようとする登場人物たちに感情移入しながら読みました。
物語の終章は現実世界で起きたことのようにも思えますが、夢の世界、意識の中の出来事にも思えます。個人的な願望を言えば、主人公の青年と古藤結衣子の二人には現実世界で生きてほしいのですが、たとえ意識の中に留まることを選んだとしても、二人を責めることはできないと思いました。