朱野帰子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
子育てしているか否かに関わらず、仕事に忙殺されている人にも刺さる本だと思う(私にはぶっ刺さった)。
私には今のところ子供がいない。子供を持とうと思えば持てる環境にはある。母になりたいと強く思ったことは小さい頃からあまりなかった。大人になり慣れない会社員として毎日あくせく働く中で、出勤中にママチャリに子供を乗せて忙しそうに走り去るワーキングマザーを道で見ては、私には無理だな〜と思っていた。
でも本来そんなことは子供を持つことの抑止力として働くべきではない。子供を育てることは大変だ。国の宝を育てている人が大変な思いをしないよう、もっと国は手厚い支援をするべき。
あと、今職場ですんげー大変な状況に -
Posted by ブクログ
訪れた人生の転機に伴い、周りから課せられる軋轢や抑圧。主に女性に起こるそのことは、よくあることと言ってしまえばそれまでだけれど、溜め込んだ鬱屈はどこへ行くべきなのか。現実に即しているのに、読むうちに現世と幽世の境目があやふやになってしまうような、独特の読み口の怪談短編集です。
一番印象的なのは「花嫁衣裳」でした。ここでで描かれるのは、結婚。本来は誰にでも祝福されるようなことだし喜ぶべきことなのに、この不安と不快感は何なのでしょう。新生活というのが新しい自分として生きることなら、古い自分は死んだということのか。押しつぶされすり減っていく主人公の前に現れた怪異は恐ろしいのだけれど、どこかしら優しさ -
Posted by ブクログ
ネタバレ礼子の子供2人が立て続けに水疱瘡にかかり、
詩穂に子供の世話を2度も頼むシーン。
職場と育児の狭間で激しく葛藤する心情が
痛いほど伝わってきて読むのが苦しかった。
詩穂が礼子の子供の世話を引き受ける度、
礼子は"よかった。これでイマイに仕事を
押し付けなくて済む"と考えるのだけれど、
イマイに押し付けずに済んだだけで
結局詩穂に押し付けてるじゃん…てなった。
まだ詩穂のことを専業主婦だからと結局見下しているが故の言動で、最低だけど妙にリアルだなあと思った。
ワーママは、育児という不可抗力の中で
あと少しでゲームオーバーになるかならないか
というギリギリの状態で
なんと -
Posted by ブクログ
ネタバレ良すぎた!!!!
青山美智子さんと小川糸さんのお話を読みたくて買ったけど、それ以外の初めて出会った作家さんたちのお話があまりにも良すぎて、1話1話余韻に浸ってたら読むのに時間がかかってしまった…。
どのお話もすごく素敵なお店(喫茶店)が舞台で、ああこんなところに行きたいなあ…と思いながら物語に吸い込まれていった。
元々お目当てだったお二人の短編ももちろん良かったけど、個人的に斎藤千輪さんと竹岡葉月さんのお話が刺さった。
特に竹内さんのお話、いいお話だ〜と思ってたら「!?!」な展開になって、そしてさらに「???」となって…。
こんなほっこり話で一転二転することあるのかとびっくり。
ここで出会