朱野帰子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレドラマチックなお仕事小説!
タイトルに惹かれて古書店で購入。
わたしも定時で帰りたいひとなので、タイトルには共感していた。仕事のために私生活を犠牲にすることはしない。そう思い始めたのは、子供が生まれてからだろうか。それまでの私は、夫との旅行すら、仕事優先でリスケにしてしまうような仕事人間だった。仕事中毒になっていた。
タイトル通りの内容だった。仕事中毒のひとには、その理由がある。定時帰宅が正義というのは、正しいのかもしれないが、かなしいかな、多様な人がいる前ではひとつの価値観でしかない。
孤独だから職場に居場所を見出すというのが、腑に落ちた。働くのは自分の人生を豊かにするため。家族、友達、 -
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Posted by ブクログ
もやもやするーー!!そして、わかるーー!!
って感じ。
オムニバス形式で8話からなる短編集。
ポップで可愛い表紙からは想像できない、ちょっとゾゾっとしてしまうようなお話ばかり。
どんな怖さっていうかというと、強いものに虐げられて踏みにじられてしまう女性たちの本音が、淡々としてて、だけど静かな炎のように熱く揺らめく感じ。
諦めとか、でも堪え切れない憤りとか、愛情とか。
ある種の怨念?みたいなものを感じるんだよねー。
しかも、男性側は悪意がないと思ってるところがまた...。
あたしが印象的だったのは「花嫁衣装」
結婚したら当たり前のように夫の姓を与えられて、嫁にもらわれたとの名目のもと、まるで「モ -
購入済み
お仕事小説
たまに利用する東京駅をこういう視点から見れるのは面白い。私自身あまり鉄道に詳しくないので知らない言葉も多々あったけど、お仕事系小説としてしっかり楽しめた。
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「比較優位と月をさす指」
フォローしている読書家さんの本棚に面白そうな本を見つけて早速購入。こういう出会いがあるのも屹度SNSの醍醐味なのでしょう。
主人公の紙屋くんは仕事ができない。
唯一の特技、文章を書くことも中学の読書感想文コンクールで佳作を取った程度である。しかし他に何もできないが故に言葉を紡ぐことに一切の妥協がない。
だから面接の想定問答でも嘘をつくことができなかったし、安易な代筆もしない。
真摯に書くことに向き合っている。
周りの人とか、組織とか、社会とかを変えるのはそういう人間なのかもしれない。
紙屋くんの優秀な兄は、優秀であるが故に却ってこれだけはという取り柄を磨き上げる -
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ネタバレすごい面白かった〜!!でも読んでる間は胃がぐるぐるしました。パワハラもセクハラもほんと勘弁してほしい。
限られた時間で策を考えて相手を説得できるゆいちゃんはほんとえらい。フォースも風間も本当に気持ち悪い。傷ついたり逃げたりしながら立ち向かっていけるゆいちゃんにすごくパワーがもらえる一冊でした。あと王丹ほんと何者。
でも定時に帰る管理職ってほんと今の社会風当たり強そうで負けないでほしい。この辺り変えないと管理者になりたいって人が減るよね…
ラストの種田さんの思い切りの良さはめちゃわらいました、幸せになってほしい笑
3巻も楽しみです! -
Posted by ブクログ
タイトル通りのお話だけど、イメージしていた展開とは違った
想像した展開としては、理系が最初は職場の無理解に苦戦しつつ、最終的には似非科学信者をぶっ倒す物語だと思っていたけどね
とりあえず、以下は公式のあらすじ
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「マイナスイオンドライヤーなどの美容家電製品は、廃止すべきです」
大手電器メーカーに勤める科学マニア、羽嶋賢児は、
自社の非科学的な商品にダメ出しをしたばかりに、
最も行きたくなかった商品企画部に島流しに…。
空気を読まずに正論を言う。そんな賢児はやがて部の
鼻つまみ者扱いになってしまう。
賢児のまっすぐすぎる科学愛 -
Posted by ブクログ
海に降る
潜水調査船のパイトットを目指す女性と、亡き父が目撃したという未確認深海生物を発見したいと思っている男のお話
以下公式のあらすじ
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JAMSTEC(海洋研究開発機構)に勤務し、女性として初めて、有人潜水調査船〈しんかい6500〉のパイロットを目指す天谷深雪は、〈しんかい6500〉の建造に携わった父への不信から閉所恐怖症を発症し、船に乗ることができなくなってしまう。そんな時、広報部に中途採用の新人・高峰浩二がやってきた。高峰は、深海生物学者だった亡き父が18年前に日本海溝の海底で目撃したという未確認深海生物〈白い糸〉を自ら発見したいと公言す -
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作家、朱野帰子さんの作品でドラマにもなった「わたし、定時で帰ります」3部作は、IT企業働く労働者の辛労辛苦を、インパール作戦、忠臣蔵、女工哀史を対比しながら現在のクリエイティブなIT企業の光と闇を小気味よい展開綴り、会社組織で働く女性の活躍を描いた。
本作は、帯のキャッチコピーによると総務部の男性ダメリーマンと開発部の人気ブロガーOLの会話を中心に、杓子定規の総務部上司、営業のハラスメント課長、器の小さい3代目社長、などを交えた会社あるあるの作品である。自称冴えないダメリーマンが、出来る兄の助けで企業に就職したものの入社即戦力外通告を突きつけられ、総務部でのコピーやスキャンすらままならな -
Posted by ブクログ
ネタバレ普通の仕事はまったくできないが唯一得意な「書くこと」「読むこと」で次第に会社で自分のやるべきこと、居場所を見つけていく紙屋くん。
一方、仕事はできるのに会社の旧態依然とした社風や古参社員への不満をブログであげつらっては閲覧数を稼ぐことで承認欲求を満たす榮倉さんとの対比が面白い。
ともに同じ「会社を綴る人」でありながら方向性がちがうのだ。特に榮倉さんは紙屋くんのことをなかなか認めることができない。自分がやりたくてもできなかったこと=文章の力で会社の人を動かすことを、見下していたはずの紙屋くんがやっているからだ。
終盤、榮倉さんは紙屋くんへの嫉妬心に気づく。そして彼を認め、これまでの自分を後悔する