朱野帰子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
仕事のできない男が、唯一の取り柄である「文章を書く」事で会社に居場所を作ろうとする話
朱野帰子さんは、相変わらず現実感の乏しいファンタジーお仕事小説を書く人だなぁという印象
優秀な人達の一家の中で、何をやらせても失敗ばかりのダメ男の紙屋(仮名)
派遣先をクビになり、再就職を試みていたところ
面接前に会社の社史を取り寄せて読み、その歴史に感動した事を履歴書に書き、面接も何故か受かってしまう
いざ総務の仕事を任されると、やはり失敗ばかり
そんな中、総務の責任は果たしたとばかりに「予防接種の案内」を定型文で社員に知らせてほしいという上司からの依頼を受ける
そこで紙屋は定型文ではなく「心のこもった文章」でメールを送ると、何人かが接種してくれた
「どんなつまんない取り柄でも一つあれば、会社でやっていけるもんだ」という、敬愛する兄の言葉を信じ、「文章を書くこと」で、少しずつ自分の居場所を見出していく物語
主人公の紙屋(仮名)の記録という形の文章になっている
そのため、登場人物や社名がほぼ仮名になっている
舞台は最上製粉
紙屋
榮倉:商品開発の女性。ブログで社内の愚痴を面白おかしく文章を書いていて、注目を集めたいと思っているが、中々ビューやコメントが来ない
栗丸:紙屋の仕事デキ上司
渡邉:営業のおじさん。昭和なノリのセクハラ満載
輝一郎:三代目社長
玄野常務:会社の歴史を重んじる保守的な役員
紙屋が手掛けた文章
予防接種の案内メール、営業部の作るプレゼン資料、工場に飾る安全標語、申請書、社内報コラムのお手伝い、売上げグラフ、会議の議事録、そして……
社史「最上製粉 感謝のあゆみ六十五年」
紙屋が感銘を受ける程に素晴らしい歴史ってどんなだろうね?
まぁ、都合の悪い出来事は書かれないだろうし、社史だけを読むといい会社のように見えるというのは作中でも言及されている
この物語は(おわり)の後がよい
むしろ、これのための物語とも言える
ただ、紙屋の出来なさ具合が呆れる
今まで勤めてきた職場でも似たような失敗をしてたと思うのだけど、よくやってこられたな
最上製粉もよくこんな社員を雇ってくれたし、こんなお荷物も辞めさせるような動きがないように見える
ただ、紙屋のやった事はコンプライアンス的にかなりヤバい
廃棄しなければいけない書類を自宅に持って帰るのはドン引き
こんな事ができてしまう会社の体制がとても心配
まぁ、所詮はフィクションですしね
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何をやってもうまくできない紙屋が家族のコネを使って就職したのは老舗の製粉会社。
唯一の特技・文を書くこと(ただし中学生の時にコンクールで佳作をとった程度)と
面接用に読んだ社史に感動し、社長に伝えた熱意によって入社が決まったと思っていたが――
配属された総務部では、仕事のできなさに何もしないでくれと言われる始末。
ブロガーの同僚・榮倉さんにネットで悪口を書かれながらも、紙屋は自分にできることを探し始める。
一方、会社は転換期を迎え……?会社で扱う文書にまつわる事件を、
仕事もコミュニケーションも苦手なアラサー男子が解決!?
人の心を動かすのは、熱意、能力、それとも……?
いまを生きる社会人に贈るお仕事小説。
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Posted by ブクログ
ネタバレおなじみの一行目一緒ショートショートのシリーズ。今回は初読みの作家さんが多かった気がする。特に最初の方、ロボットとかAIとかが続いて、大丈夫かいな、と思ったけど、真梨幸子さんや東川篤哉さんはちゃんと違うテイストで来ててさすがと思った。殺人が罪ではないという世界から、死刑等の罪になるという法律ができた、という大沼紀子「もう、ディストピアじゃん」は皮肉が効いてて特に印象的。面白かった。五十嵐律人「革命夜話」も違う切り口でとても良かった。敗戦後の混乱の中、食うにも困っている頃に、理想を夢見て日本国憲法を作った人がいたんだ、ということに改めて気付かされたわ。ありがたいことだ。
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Posted by ブクログ
ネタバレ朱野帰子さんの「対岸の家事」を読みました。ドラマの原作。通読してみて、ドラマは細部はもちろん違うけど、割と原作に忠実に作られている印象を持った。あとがきに「私は働く女性」を書いてきたという朱野さんの言葉。家事、特に小さな子供子育ては立派な労働であるということがこの本の主張。家事をやったことが無い人は、家事は誰でもできることと思ってその大変さを見くびっている。そして、専業主婦は今やマイノリティ、絶滅危惧種であるにも関わらず、社会が専業主婦を前提に設計されている。そういう矛盾を彼女は描きたかったということなのかな。ドラマは賛否両論らしい。おそらく、家事を顧みない輩は、このドラマを見て、とても居心地の悪さを感じているに違いない。自分もそう。最初は多部未華子さんに魅かれてみていたドラマだけど、とても刺激があり面白い作品でした。そして、そのドラマの原作なりえたこの作品が素晴らしいなと思いました。
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Posted by ブクログ
対岸【たいがん】川、海、湖などを隔てた向こう側の岸、または反対側の岸を指す言葉
(例)対岸の火事 自分には無関係で苦痛を感じない状況
タイトルの通り、人それぞれの家事。
14際の時に母をなくし家事を一切しない父に青春時代を潰され高校卒業と共に家出。現在27歳。居酒屋店長の旦那と3歳の娘をもつ専業主婦の【詩穂】
35歳、4歳と生後半年の子どもを抱えほぼワンオペのワーママ【礼子】
30歳、バリキャリの妻と入れ替わるように2年の育児休暇をとった交通省に勤めるエリートイケダン【中谷】
専業主婦と兼業主婦のどっちが大変か論争は飽きることなくSNS等で討論されてるけど、隣の芝は青く見えるように無い物ねだり。
家事、育児、仕事にバタバタでゆっくりできる専業主婦を羨む兼業主婦。
1日中、子どもと過ごし下手すれば話し相手は旦那だけ…自分の価値がわからない、仲間が欲しく生き生きと仕事をしている兼業主婦を羨む専業主婦。
そこまでだったら普通のはなしだったかもしれないけど、エリートパパさん中谷(笑)言い味だしてる(*ノ∀`)ノ゙))いやーーいいキャラ(笑)そして奥さんがまた素敵。
本当、人それぞれ。家庭それぞれだからね…
目には見えない隣人の痛み…
辛いときには辛いって助けを求めていいし、休んだっていいんだな。って改めて感じたな。