朱野帰子のレビュー一覧
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八つの短編集
思ったよりホラーでした
そして“くらやみガールズトーク”
納得のタイトルです
さてさてさんのレビューを読ませて頂き、気になっていた一冊で、初読みの作家さんです
二【花嫁衣装】
「結婚前の私はもういなくてね
いまの私はたぶん別のなにかなの」
「だから死んだと思うようにしてる」
こんなセリフが出てくる。
これを読んで
あぁ、私はこれまで何回も死んだのかもしれない。
と思った。
本当の私って、どこへ行ったのだろう?
でも「死んだ」と思ったら何だかラクになった気がする。
五【獣の夜】
六【子育て幽霊】
この二編は、子育て経験のある人には刺さるかもしれない。
小さな子供の温かさと息 -
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さて、突然ですが、あなたはある夫婦のこんな会話を聞いてどんな思いを抱きますか?
妻: 『妊娠できるかどうかのチェックって、二人で行くんだよね』
夫: 『君一人で行くんでしょう?』
妻: 『不妊の原因って半分くらいは男にあるらしいから… あなたも検査してほしい』
夫: 『いやだよ… 俺に悪いところがあったら… 立ち直れないよ、しかも君の両親に結果を報告するなんて、よくそんな残酷なこと思いつくな』
妻: 『じゃあ私は…』
さて、どうでしょうか?このレビューを読んでくださっている方の性別、年齢はマチマチです。未婚、既婚、出産経験の有無等々、さまざ -
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東京駅で働く新人駅員さんのお話。
登場人物のキャラが濃い。濃すぎる。
そして新人さんの扱いってほんとにこんな感じなの?いまだったら確実にパワハラで訴えられるよな…?
というような内容ではあった。
前半はそんな感じで、あんまり入っていけなかったかな。
直と同期の犬塚が仲良くなったあたりからは、だいぶ読みやすかった。
スピード感はありつつ、駅の利用者と駅員さんひとりひとりにスポットをしっかりあてて描かれていておもしろかった。
駅員さんの苦悩は、現実でも沢山あると思う。でも、そういうことを今まで考えたことってなかった。
この作品を読むと、駅員さんのことを見る目は間違いなく変わる。駅員さんも私たちと -
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シリーズ2作目
今回は前時代的な価値観を押し付けてくるクライアントからの受注コンペのお話
結衣も管理職になり、「定時で帰る管理職」という存在で会社のイメージを打ち出したい社長と、裁量労働制に戻したい他の役員との相違
定時で帰る管理職で尚且つ数値目標も達成するという実績を作るため、新たな案件の受注は必須
急成長しているスポーツ用品メーカーのフォースはジェンダーやハラスメントに塗れたCMで炎上し、それまでWebマーケティングを委託していたベイシックとの契約を解除し、新たな委託先を探していた
体育会系のブラック企業であるフォースは、前時代的なパワハラやセクハラが横行しているが、そんな会社からの受注 -
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「わたし、定時で帰ります」の著者というのは、
本を購入してから知りました。
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入社即戦力外通告されたダメリーマン
「文章の力でこの会社でやっていこうと思います」
社内の愚痴を密かに綴る開発部のブロガーOL
「…読書感想文で佳作だった程度で?」
これは、あなたの会社の物語―働く人必読の超リアル仕事小説!
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ポンコツアラサー男子の紙屋の奮闘記(?)です。
何をやってもダメダメで、周りからも呆れられますが、
なんとか文章(社内通知やプレゼン資料等)で
会社で存在感を発揮していこうとします。
私自 -
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ネタバレ母を亡くし、残された父と娘は2人で助け合って生活し強い絆で結ばれて、娘が嫁ぐ時に美談となる話が多いと思ったけれど実際は詩穂ちゃんケースも少なくない気がした。中学生というのが不幸だったような気もする。家事はやれない歳ではない。そして詩穂ちゃんは器用にこなしていったんだと思う。そして家事が嫌いではないから結婚した後も専業主婦として頑張っている。そんな絶滅危惧種でもある専業主婦の詩穂さんもパパ友中谷さんや礼子さん、坂上さんとの出会いは色んな意味で刺激はあっただろう。父親は後悔しても遅かった。出産後に少しはマシになったかと思ったけれど変わってはいなかったようだ。ここでも父親はチャンスを逃したのだ。詩穂
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ネタバレ科学を動かしているのは金だ。途方もない金額を誰が稼ぐんだろう。科学者は研究で忙しい。天から降ってくるわけじゃないことはたしかだ。あの作文から消し去った科学者という職業のかわりに、なにを書き入れたらいいか、賢児はもうずっと前から思いあたっていた。商人。ドラゴンクエストにも出てくる職業。たいした呪文も使えないし、力も弱い。子供たちからは役に立たないし、かっこわすいとさえ思われている職業。でも実社会ではそうではない。金の力が科学を支えている。金を稼ぐことができれば、科学の光をつくる道筋に参加することができる。
目先の損失を恐れて、現場は都合の悪いことを隠蔽し、上層部は問題を過小評価する。それが事故