朱野帰子のレビュー一覧
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ある日、大学生の真壁りんは、祖父の死を知らされる。急いで葬儀会場へ向かい、真壁家の一族が集まったところで、一人の青年が現れる。彼が「隠し子」と名乗ったことがきっかけで、一族は揉めに揉めることに。
一人一人はいい人なのに、相続の話し合いで一族は崩壊寸前にまで陥る。
真壁家一族で笑い合える日々を取り戻す為、りんが解決に奔走する!
ドロドロの遺産相続のお話でした。
ほんの少しの財産しかなくても、お金を前にすると豹変する親族たち。
少し引いてしまうところもあったが、これが現実なのかな!?という気もした(^^;;
やや冗長と感じたので★は3つで。 -
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朱野さんの小説は二冊目。1冊目に読んだ「駅物語」が面白かったため、今回も「乗り物系」の作品を選んでみた。
主人公・深雪は深海潜水探査船のパイロットを志す若き女性。広報の仕事内容なども物語を通して知ることができる。
普段覗くことのない業界だけあって、新鮮で面白かった。
私は、自分が体験することができないような業界の仕事内容をリアルに知ることができる、ノンフィクション風の小説が結構好きなんだど思う。
謎の生物を追いかける、という一つの大きな目的が物語を彩る。同僚や上司たち、また、深雪の腹違いの弟・陽生。魅力的なキャラクターが多い。
深雪と恋仲になる高峰は、もっと掘り下げていった欲しかったな、と思う。続編書いても良さそうだな。 -
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8人の語り手による短編集。
本を通して見た世界はこんなにも多く、こんなにも刺激的。
広がる世界の面白さを、あなたに。
『メアリー・スーを殺して』
メアリー・スーとは聞きなれない言葉だった。
一体それは誰?
この人物は、二次創作における、書き手の願望を一身に背負った自己愛の塊というべき人物。
つまり、イタいキャラクターであり、ご都合主義的な登場人物ということらしい。
ありがちな設定だ。
プロの作家なら、それらを上手く操れるのだろうが、残念ながら多くの書き手はそうではない。
自分の妄想とありがちな設定と底の浅さが露見する、書いている本人だけが満足できるという代物。
このことに気づいた主人公、如月ルカは彼女を徹底的に排除すべく努力を開始する。
それが彼女の扉を開けた瞬間だった。
好きなことをもっと上手くなりたいと熱望し、自らを客観的に眺め、己と戦った。
そして彼女はメアリー・スーと再会する。
その再会は、きっと彼女にとって、大切な瞬間だったことだろう。
『校閲ガール』
出版社の校閲部に配属された悦子は、この仕事が好きではなかった。
好きではなかったが、雑誌編集部に行くために彼女は真面目に、完璧に仕事をしていた。
今や、素人が好き勝手に情報を配信できる時代。
しかもその垂れ流す情報の多くはたった一人で書き、他人の目を通さぬまま世界中に発信される。
だから、変換ミスもおおいし、誤用も多い。
私も自分の文章を読み直しているかと問われたら、毎回はやっていない、というか、ざっと目を通すだけできっちり訂正をかけてはいない。
だが、出版物はそうはいかない。
一応、他人の目が入っているはずなのだ。
さて、嫌だけど、嫌だから、悦子はきっちり仕事をこなす。
言葉遣いはなってない、かもしれないが、意味もなく人を批判してくるわけではない。
ゆとりと言われようが、商売女っぽいと言われようが、その相手にあるだろう思い込みを壊す感じが好きだ。
実際にこんな人が後輩にいたら面倒だろうが、それはそれで面白いかもしれない。
ただ、私のような大雑把な人間に校閲が務まるかはかなり怪しげなところだが。 -
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10人による、怖い話。
題名通り、夢で見たり、白昼夢だったり。
うっかり思い出してしまわないためにも
日が高いうちに読んだ方がいいかもしれません。
いや、思い出すような読み方をしなければ大丈夫?
ぎょっとする終わりなのは、そらみみ。
これが現実なのか、あちらが現実なのか、と
思わせるような最後の一言。
非常に混乱させられます。
目的だった、辻村さんは…子供のせいか
やたら無邪気に怖い。
世の中、知らない方が…気がつかない方が
幸せ、という選択もあると思われます!
言ったら相手に移る夢、かと思っていたのは、琥珀。
さすがにそれはない内容でしたが
とり憑かれたと表現するのがぴったりな感じでした。
どれもこれも、読んだのを忘れた方がよい話。 -
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色々な作家さんの実話系。
実話『系』なのは、本当なのか違うのか…。
香月さんの話は、これによってあの話ができた? と
ものすごく分かりましたが。
実話…実話だったら恐ろしいですが
現実は小説や漫画よりも恐ろしい…。
1月に死ぬと7人連れて行く、は言い伝えだと思ったら
結構最近の話だったのにびっくりです。
目的だった辻村さんは、占い師。
不確かな言い方をしたりして、当てはまる事を
占われる人間自身に探させる。
とはいえ、本当にそう言われてしまったら
驚きを通り越してぞっとします。
それ以外の話は特に…というよりも
お話のような感じで、実話っぽくなかったです。
漫画はすごく分かりやすかったですが。 -
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タイトル通り、本にまつわる短編のアンソロジー。
中田永一の作品が読みたかったのと、他の作家が著作を読んだことのない名前ばかりだったので、新規開拓のため読みました。
表紙のイラストを見るに若い読者がターゲットかと思いましたが、話のキーとなる本は二次創作の同人誌から戦争に関わるものや官能小説まであり、全体として不思議な一冊。
お目当ての中田永一「メアリー・スーを殺して」に関しては、メアリースーという言葉は知っていましたので、オタク趣味で中高生の時分そういった部活に所属こそしなかったものの周囲に部員の友人がたくさんいた自分としては、なんかもう胃が痛かったです。創作活動は簡単なことじゃないぞという内容を十代でデビューした著者が書いたんだから、なんだかな、という感じ。あと乙一の描く女子は何故「実は美人」ばかりなんだろう。わざとやっているんだろうけど、メアリースーそのもの。男子は等身大に見えるキャラクターが多いのに。まさか、女の子は誰だって本当は可愛いのよ、という考えの持ち主なのか?男子の実態は女である私には想像するしかない部分も大きいので、等身大と感じるのが間違いなだけなのかもしれない。
他の作品に関しては、言葉選びや運びが面白かった小手鞠るい「ページの角の折れた本」、言い回しは好みではないが頭の中にはっきり風景の浮かぶ描写とストーリーが良かった小路幸也「ラバーズブック」、キャラクターが立っていて爽快な宮木あや子「校閲ガール」が気に入りました。それぞれ他の著作も読んでみようと思う。「校閲ガール」は連作短編集になる予定とあるので既に出ているのかな。 -
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本をテーマとしたアンソロジー。
それぞれ「本」「読書」に対するアプローチが様々なので、飽きずに楽しんで読みました。
中田永一「メアリー・スーを殺して」は、オタク趣味の少女が二次創作小説を書くようになるが、いわゆる『メアリー・スー』(ファンが二次創作の中に登場させた自己投影したキャラクターのこと)に悩まされ・・・という話。
小説を書くことで現実と向き合った結果、小説から離れてしまった少女が、世界を広げていったその先でまた小説と出会うという、本好きにはたまらない素敵なお話でした。
小路幸也「ラバーズ・ブック」はノスタルジックな雰囲気が印象的。
この世界観でもっと続きを読んでみたい。
宮下奈都「旅立ちの日に」は短いけれど好感の持てる話だったし、
原田マハ「砂に埋れたル・コルビュジェ」も整理されていない感情を
うまく表現している、センスが感じられるお話でした。
他の作品を読んでみたい作家が増えてしまうので、アンソロジーは困ります。