朱野帰子のレビュー一覧

  • 本をめぐる物語 一冊の扉

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    ネタバレ

    田中栄一の作品「メアリー・スーを殺して」。

    所謂オタク女子という人物が小説を書いていて、ある人の言葉を切欠に現実と関わる。
    関わる先は大きくなっていく一方、メアリー・スーは?
    そう、メアリー・スー=中二病となっているが自らが生み出したキャラだ。
    作中のメインヒロインを理想の女性として置き、それに自分を投影していく。
    彼女の作品の中に必ず出てくる彼女の理想が、メアリー・スー。
    没頭していた時代に同じくそれらに没頭していた友人が、少し離れた時間に現れて「あなたの作品が読みたい」と。
    久々に訪れた母校、そこで転寝をした彼女の前に現れたメアリー・スー。

    キーボードを動かし始める動作で物語は終わる。

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    2021年09月11日
  • わたし、定時で帰ります。2―打倒!パワハラ企業編―(新潮文庫)

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    取引先の人の名前は出てくるけど、自社の人事は
    「人事の女性」「人事の男性」のまま。
    フロントで働く人にとってバックオフィスって
    やはりそんなもんか...。

    0
    2021年08月10日
  • 真壁家の相続

    匿名

    購入済み

    相続物でお約束のドロ沼化する骨肉争い。
    話が進むに連れ失踪した父の秘密や母の過去が明らかにされていく。
    今まで仲の良かった”家族”が揉めていくさまは哀しい。
    香澄の親はどこまでも娘に甘いなと思ったが、
    風子伯母にとっても波子伯母にとってもこの”家族”にとっても
    そんなゆるい可愛い存在に救われておるのかもしれない。
    最後の最後に容子さんにしてやられた。
    植田大介はそこまで魅力的な人でなく残念だった。

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    2022年12月28日
  • 真壁家の相続

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    内容としてはよくある相続の家族揉めだけれど、ピンとこない他人事に捉えてる人が読むと読後は自分のところはどうだろう、と考えてしまうだろう。介護した人が家族に認めてもらえないという状況は辛いけれど、実際には介護する立場にならないと理解できないというのが現実。介護疲れ、老々介護など社会問題となりニュースになることも多く、財産がある人は後に残された者の為に準備をしておく必要がある、と感じた。

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    2021年06月19日
  • 科学オタがマイナスイオンの部署に異動しました

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    科学オタクというからには、さぞかし偏屈な人物が出てくるんだろう。
    そういう期待を、本書は決して裏切らない。

    羽嶋健児は、一流私大卒の大手メーカー勤務。
    イケメンなので、一見高スペック男子。
    が、似非科学を許せない科学オタク。

    科学を信じるあまり、自社の主力商品を完全否定して干される。

    父の末期がん闘病時、不安から怪しげな自然食材に大枚を費やして家に借金を増やした母親とは決裂。
    姉の美空は、助産師やネット情報から、母乳神話や自然分娩神話に絡めとられていく。
    こうした家族を、健児は、「未開人」と呼んで憚らない。

    どこか『私、定時で帰ります』のヒロインを思わせるざらつき加減。
    こういう空気を

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    2021年05月16日
  • 駅物語

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    手軽に読めて心温まる1冊でした。

    駅で起きる奇跡って、ただのお涙頂戴的な内容の詰め合わせかと思って読み始めたけれど、
    いい意味で私にはそこまで奇跡に思えなかったというか、もっと人間味溢れていて読みやすかったです。

    駅員に本当にこんな派手だったりヤンキー気質の人いるのか?という疑問はあるものの、
    若菜の周りの人達がいいキャラしていて、スピンオフも読みたくなる。

    若菜の成長していく様がよかった分、最後の方がちょっとあっさりしすぎた気もしました。
    もっと悩んでもがいて成長していくところも見てみたかった。

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    2021年01月22日
  • 本をめぐる物語 一冊の扉

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    中田永一(乙一)の作品が収録されていること、そして本にまつわる話のアンソロジーということで購入。
    しかし、朱野帰子「初めて本をつくるあなたがすべきこと」と沢木まひろ「時田風音の受難」以外はすべて『ダ・ヴィンチ』に掲載されたものだった。
    『ダ・ヴィンチ』に掲載される作品は結構クセがあるので苦手だ。
    案の定、この短編集も特徴的というか・・・。


    中田永一「メアリー・スーを殺して」
    おもしろかった。しかし、終盤にかけておもしろさが加速していくような他の乙一の作品と比べると、ややしりすぼみしている。
    あと、主人公の内面の話だと思ってたら外に向き始めたことにもやや違和感があった。
    「メアリー・スー」と

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    2020年10月07日
  • マタタビ潔子の猫魂

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    各話冒頭の、天道辛彦に乗せられた潔子の自虐ネタっぽい行為は笑える。『吾輩は猫である』を連想した。やられたぶんをやり返すみたいな感じがして、あまり仕返し劇にスカッとする気持ちは持てなかった。表紙のイラストは、もう少し、可愛い方向か頼りなさそうな方向によっていたほうがイメージと近かった。

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    2020年09月13日
  • 超聴覚者 七川小春 真実への潜入

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    年金・国債・少子高齢化等の問題について近未来の薬を中心に展開していくストーリーで、今後の日本で「あるかもしれない」未来は少し怖い。

    世代によって変わる「普通の幸せ」について主人公の家庭を通して考えさせられた。母親と対比的におばあちゃんが芯のある人物で好感が持てた。

    0
    2020年07月18日
  • 海に降る

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    宇宙より近くにあるのに未だ人類が到達できていない深海と、そこにたどり着くための潜水調査船がテーマ
    深海生物についての会話シーンも多く、その独自の進化や生態について興味が湧く
    なぜ無人潜水船ではなく有人潜水船に乗るのか。深雪の苦悩を通して答えが見えてくると同時に、今もリアルで潜水調査船に乗って海へ潜って行く人たちがいると考えると、不思議な気持ちになる

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    2020年07月05日
  • 駅物語

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    「わたし、定時で帰ります。」の著者が描く駅を舞台としたお仕事小説。
    駅での出会いを描いた作品かと思いきや、若菜直と言う女性の駅員の成長の物語。
    東京駅に配属になった若菜直は、1年前に東京駅で倒れた時に助けてくれた5人の人を探す為に、内定の決まっていた大手企業から東本鉄への入社を決めた。
    最初は駅員の仕事にそれほど興味のなかった直だったが、鉄オタを隠して駅員になった同期の犬塚、見た目は派手だけど、実は努力家の同い年の由香子、ぶっきらぼうで少し乱暴な先輩・藤原たちと接するうちに、駅員としての自覚が生まれて来る。
    後半の駅員の人格を無視したSNSへの誹謗中傷などに傷つく様子などは、ここ数週間話題にな

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    2020年06月07日
  • 本をめぐる物語 一冊の扉

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    朱野帰子「初めて本をつくるあなたがすべきこと」、沢木まひろ「時田風音の受難」、宮木あや子「校閲ガール」が好き。「初めて本を~」は一番身近な感じがした。「校閲ガール」は単行本の第一話なのかな。キャラのポテンシャルが収まりきっていない印象(良い意味で)。

    0
    2020年06月01日
  • 真壁家の相続

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    祖父・麟太郎の突然の死から話は始まる。麟太郎の孫で法学部の大学生・りんは、親族たちが集まった席で祖父の遺産の相続手続きを成り行きから引き受けてしまう。遺産といっても古い家とわずかな貯金しかないんだからと高を括っていたりんだが、麟太郎の隠し子だという青年・植田大介が現れると次第に話は紛糾し、仲良しだと思っていた真壁家の人々の相続をめぐる醜い争いが始まる・・・

    「駅物語」から注目していた朱野帰子さん、今回もなかなか抉ってくれました。
    小説家の植田大介の実体験に基づく小説を作中に入れ込みながら、相続というものの恐ろしさ、親族であるが故のこじれたときの修復の難しさをひしひしと感じながら読みました。

    0
    2020年03月29日
  • 科学オタがマイナスイオンの部署に異動しました

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    すごく面白かった。似非科学を嫌悪する主人公と、流されやすい家族。
    私だったらイオンが出るらしいドライヤーより早く乾いて静かな方が断然いいなぁ。

    この作品すごく面白かったのに残念だったことがひとつ。
    結構よく見かけるけど、文庫化する際に改題された本だと言うところ。色々事情があるとは思う、けれど『間違って新作だと思って買ってくれる人がいたらいいな』っていう思惑が何となく透けて見える。
    別に悪いことでは無い。私個人的に、もう作家で追うのはやめようかなという思いがよぎって心から楽しめなくなるだけだ。
    作中とリンクしたのだ。

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    2020年03月23日
  • 駅物語

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    ネタバレ

    栞ひもがついてなかったので。
    もらった栞大活躍で。
    それで、想い出の本にも。

    思いがけないところで泣いてしまった。

    奇跡…
    ニックネームについていけなかった。

    作者
    かえるこさんなんだぁ。

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    2020年02月11日
  • 科学オタがマイナスイオンの部署に異動しました

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    ネタバレ

    昨年話題になった「わたし定時で帰ります」の著者による本ということで手に取った一冊。科学をとことん信じ、似非科学を嫌う主人公が電器メーカーで働くお仕事小説。
    主人公の賢児はどうしようもないくらい不器用な人間で、読んでておいおい、とツッコミたくなる箇所がありましたが、物語の設定としてはそのほうが感情移入しやすかったです。
    STAP細胞にまつわるエピソードも盛り込まれており、単行本として刊行された当時からみればタイムリーなネタです。また「博士」に関する国の施策とその問題点もそれとなく登場していて、主人公の幼なじみの譲みたいなケースは現実にも多くあるのだろうなと思うと、科学者になって科学を極めるのも楽

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    2020年01月09日
  • 駅物語

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    弟の死を経て、鉄道勤務を志した直。駅という特殊な勤務場所で出会う数えきれないたくさんの出会いと経験に感化されて自分自身を成長させていく。
    粘り強くトライするということ、自分の哲学で仕事をしている直はかっこいいと思った。

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    2019年12月15日
  • 駅物語

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    思ったより面白かったです。
    駅員の見方が変わりました。
    でも、鉄道ファンにはなろうと思わないですね。

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    2019年12月12日
  • 真壁家の相続

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    <勝手に、現代の作家・作品を発見ツアー中>
    朱野帰子さん初めまして、です。ですけどかえるこさんなんて面白いペンネームですね。

    ありがちな内容ですが、面白かったです。ぐいぐい読ませます。ミステリー風なプロットも、題材(ひとのうちの相続の争族は興味津々)も当たりです。わかりやすい文章なのに行間も感じられて親しみを感じました。

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    2019年12月03日
  • 真壁家の相続

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    ある日、大学生の真壁りんは、祖父の死を知らされる。急いで葬儀会場へ向かい、真壁家の一族が集まったところで、一人の青年が現れる。彼が「隠し子」と名乗ったことがきっかけで、一族は揉めに揉めることに。

    一人一人はいい人なのに、相続の話し合いで一族は崩壊寸前にまで陥る。

    真壁家一族で笑い合える日々を取り戻す為、りんが解決に奔走する!


    ドロドロの遺産相続のお話でした。

    ほんの少しの財産しかなくても、お金を前にすると豹変する親族たち。

    少し引いてしまうところもあったが、これが現実なのかな!?という気もした(^^;;

    やや冗長と感じたので★は3つで。

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    2019年12月01日