朱野帰子のレビュー一覧

  • 駅物語

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    新人駅員の若菜直が、働く目的としていた5人の人物にあうことで、それぞれの人生の分岐点を作ったり、直の成長に繋がったりするお話。

    きちんとした駅員さんが、物語の中では、砕けたやり取りをして、個性の強い人間性でぶつかり合って、感情を優先した行動をして、と人間が行う仕事だからこそのドラマが面白い。

    特に首都圏の主要駅の駅員さんの何が大変かということが詰まっていて、普段利用している電車が正確に発着し、何気なく利用できる有難みを改めて感じた。

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    2023年12月09日
  • 会社を綴る人

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    アサラー男子で何も出来ない紙屋。
    正社員の働き口を探している最中に派遣先を首になり、なんとか内定をもらったのは製粉会社だった。
    家族は父母共に有名所で、兄も海外で活躍している。
    自分だけが仕事も出来ず、周りに迷惑を掛けてばかり。
    就職出来た製粉会社でも、ミスばかりで後始末に手間を掛けさせてばかりで、何もしないでくれと言われる始末。
    ただ、紙屋は文章を書くのを得意としており、それには自信があった。
    それを評価され、少しずつ自信がついてくる。
    そして、紙屋の長所は正直過ぎるところ。
    自分の出来るところで、自分の居場所を見つけていく。

    2023.12.3

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    2023年12月03日
  • くらやみガールズトーク

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    ライフステージが変わる度に、元の自分は死んでいく……結婚、出産、子育て、介護。
    経験してることは殆ど無い(失恋のみ)なのに心に刺さるので、経験者だともっと心にくるんだろうと思います。
    「鏡の男」と「花嫁衣装」の描写がキツくて読むのを諦めそうになりましたが、「獣の夜」「子育て幽霊」が圧巻でした。あんまり大きく出るのは好きじゃないけど、老若男女読んで欲しいこれ。。。ここの4篇だけでも。
    ラストの「帰り道」もしみじみ良かった。良い話だ…と思ったらラストそうきたか…。びっくりだけれど彼女は強く生きていくだろうな。
    思ってたより怪談話でした。しんといけれど面白かった。

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    2023年10月16日
  • 本をめぐる物語 一冊の扉

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    本がテーマのアンソロジー。
    私は原田マハの「砂に埋もれたル・コルビュジエ」が断然良かった。
    作者のあとがきにこの話が柳宗理さんの体験談を聞いて書いたということが記されていてなおのこと心に沁みました。
    自分の命が危ないというそんな中で、私なら何をするかなと考えてしまった。
    この本だけでも助かって欲しいと思えるほどの本と出会えるなんて素晴らしいなと思った。

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    2023年09月21日
  • くらやみガールズトーク

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    女性を主人公にした8つの短編集。
    どこにでもあるような女性にまつわる話だが、視点を変えると背筋がゾクっとなる怖い話になる。
    自分ではあまり気にならないことが、気になる人には気になるし、譲れないところでもあるんだなと思った。
    女性って、我慢する生き物なんだろうな。

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    2023年08月22日
  • 本をめぐる物語 一冊の扉

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    ▶「メアリー・スー」という言葉を初めて知りました。でも、どんな作品にもメアリー・スーは影を見せてると思うし彼女がいなければその作品は面白くなくなるのでは? とも思ったり。▶小路幸也さんの「ラバーズブック」はスッキリとしていて気に入りました。▶宮城あや子さんの「校閲ガール」は主人公のキャラが楽しかったです。▶表紙カバー絵は片山若子さん。この方の絵は好きです。SF作品の『たったひとつの冴えたやり方』や、米澤穂信さんの『小市民シリーズ』なんかで気になっていました。カバー絵買いの対象の一人です。

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    2023年06月02日
  • 科学オタがマイナスイオンの部署に異動しました

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    非科学的な圧力、宗教的な圧力で人生が曲がった
    主人公の非常識な生き方を納得させる目的の小説
    読者には冒頭から解答を示す方が面白い(´・ω・`)

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    2023年03月13日
  • 真壁家の相続

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    法律を専攻する女子大生のりんが主人公。
    父親が出て行った家庭で母親がパートをしながら祖父の介護をしていた。その祖父が亡くなり、祖父の遺産相続をめぐって仲の良かった親族が揉め始める。
    介護や遺産相続といった誰もが直面する問題。
    どろどろしたところもあるストーリーだったが、結末のバタバタとコミカルな感じは好印象だった。

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    2023年03月06日
  • 会社を綴る人

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    文章を書く以外に能のない紙屋くん(仮名)が、なんの因果か入社できてしまった製粉会社で、文字の力により問題をやんわりと解決していくお話。
    話事態は悪くないのだが、想像以上に地味な展開に耐え難い。

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    2023年02月10日
  • 会社を綴る人

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    劇的に面白い訳ではないのだが、実際は星4あげたいぐらい良い話。

    自信をなくしてる人にオススメ!

    通常業務が何もできない主人公が、人生の中で唯一誇れる事。それは、中学時代に取った佳作の読書感想文。
    そんな主人公が、奇跡的に会社に入社し自分のたった一つの才能を活かし会社の中を変えていく話。

    相手がどんな風にすれば読んでくれるのか、自分よがりではなく相手に伝えるためにはどの様な文章を作るのか、整えるのか。 

    そこが上手く描かれているのが、この本の魅力の一つだと思います。

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    2023年01月27日
  • 本をめぐる物語 一冊の扉

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    ネタバレ

    タイトル通り、一冊の本、もっと言うと、主人公たちにとっての大事な「一冊目の本」との出会い、一冊の本で繋がる人間関係、なんかが軸にあるアンソロジー。さすがは「ダ・ヴィンチ編集」といった感じ。すでに知ってる話もあったが、原田マハ「砂に埋もれたル・コルビュジエ」・小路幸也「ラバーズブック」がお気に入り。その本に出会った時に置かれている自分の状況によってその本に抱く感情は当然変わってくるが、自分にとって運命の一冊とはなんだろうか?

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    2023年01月14日
  • 会社を綴る人

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    ブク友様のレビューから気になって手に取った1冊。
    来年は"言葉"にすごく縁のあることをする予定で、文章も言葉の力を発揮できる1つだと思い読んでみた。
    なるほど勉強にもなったし、作中の紙屋と榮倉さんのその先とかも気になって楽しく読めた。
    紙屋のような同僚と接する機会が多い私にはさほど違和感なくスっと本に入れたけど、イライラしてしまう人もいるのかなと思った。
    仕事がバリバリ出来たり、どんなとこでも順応して働けることも才能だけど、文章だけで人の気持ちを動かせる才能も素晴らしいし羨ましい。
    やっぱり"言葉の力"ってすごいな。
    単なる社内メールだとしても、人の心を

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    2022年12月28日
  • 会社を綴る人

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    文を書くことは、
    思いを伝えること。
    どうしても定型になるのは
    仕方ないんやけど、
    気をつけようと思う。

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    2022年12月17日
  • 会社を綴る人

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    「私、定時で帰ります」の作者のお仕事もの。
    30過ぎても、仕事が出来なさ過ぎて、派遣の仕事もすぐにクビになってしまう主人公の紙屋(仮名)。
    そんな紙屋が、昔読書感想文コンクールで佳作を取ったことだけを取り得に、転職エージェントの協力を得て、製粉会社の総務部の仕事に決まる。
    しかし、コピーもちゃんと出来ない、頼まれた仕事も1日がかり・・・そんな彼に与えられた使命は「仕事をしないこと」
    普通に働いている人からすれば、転職の動機も仕事の出来なさもイラっと来ること100%。
    しかし、紙屋は開発部で働く榮倉さんのブログに触発されて、定例の文書で済むメールも「どのような文章ならば、みんな協力してくれるだろ

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    2022年12月12日
  • 会社を綴る人

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    本屋の平積みで面白そうで購入。
    終盤が少し残念な感じがした。もっと皆んながどうなったか知りたい。
    社史を載せるのは新しいけど、あの情報を載せるなら、他の人の未来を綴って欲しいなと。
    でも、文章の進め方とかは、好きな文章運びで、また今度読んでみよう、っと。

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    2022年10月22日
  • 駅物語

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    東京駅で働く駅員の話。鉄分はそれなりにあるのだが、謎解き、ミステリー要素が多い。目的の5人を探しだしても、イマイチスッキリしないのは何故だろう?

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    2022年06月29日
  • 科学オタがマイナスイオンの部署に異動しました

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    ネタバレ

    *大手電器メーカーに勤める科学マニアの賢児は、非科学的な商品を「廃止すべきです」と言ったばかりに、商品企画部に島流しになる。「マイナスイオンなんて存在しません」。正論を主張する彼は、やがて部の鼻つまみ者扱いに!?自分の信念を曲げられずに日々会社で戦っている、すべての働く人に贈るお仕事小説*

    「わたし、定時で帰ります」の時も思いましたが、表紙のイラスト&書名と内容が一致していない所が意表を突くと言うか、残念と言うか。意外性はありますが、個人的には「賢者の石、売ります」のままで良かったな。

    内容的には、かなりずっしり来ます。似非科学を頑なに拒む主人公と、そんなにも頑なにならざる得なかった過去の

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    2022年06月06日
  • わたし、定時で帰ります。2―打倒!パワハラ企業編―(新潮文庫)

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    シリーズ2作目。
    読みやすいので2日で読破。
    ストーリー自体は変化球がなく、
    進んでいくけど読み応えはあったかな。
    3作目も読んでみよう。

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    2022年04月19日
  • くらやみガールズトーク

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    婚約中の私にまたもや母が貸してくれた1冊。
    なんでですか??
    私が、「結婚し、黙ってたら自分の名字のままでいける風潮の男はずるい」と言ったからですか??
    ……ちなみにそれに対する直接的なアンサーは書かれておりません。
    ホラーテイストの短編もあって、ホラー小説が嫌いじゃない私にはそこそこに楽しめた1冊。
    でも一番怖かったのは(おそらく幽霊の話ではない)、「鏡の男」。なんでしょう、ラストのその先に幸せの欠片も見えないんですけど。

    全体通して、どうしてなかなか、結婚生活に明るさを見いだしにくい内容なのですが、なんというかこう負けないぞという気持ちにもさせられました。
    あと、結婚後にもしこんなこと言

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    2022年04月05日
  • 海に降る

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    面白くてスラスラ読んだ。
    昔からリュウグウノツカイが好きで深海に興味を持っていた事もあり、昔のワクワクしていた気持ちを思い出せた。

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    2021年10月03日