朱野帰子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
アサラー男子で何も出来ない紙屋。
正社員の働き口を探している最中に派遣先を首になり、なんとか内定をもらったのは製粉会社だった。
家族は父母共に有名所で、兄も海外で活躍している。
自分だけが仕事も出来ず、周りに迷惑を掛けてばかり。
就職出来た製粉会社でも、ミスばかりで後始末に手間を掛けさせてばかりで、何もしないでくれと言われる始末。
ただ、紙屋は文章を書くのを得意としており、それには自信があった。
それを評価され、少しずつ自信がついてくる。
そして、紙屋の長所は正直過ぎるところ。
自分の出来るところで、自分の居場所を見つけていく。
2023.12.3 -
Posted by ブクログ
ライフステージが変わる度に、元の自分は死んでいく……結婚、出産、子育て、介護。
経験してることは殆ど無い(失恋のみ)なのに心に刺さるので、経験者だともっと心にくるんだろうと思います。
「鏡の男」と「花嫁衣装」の描写がキツくて読むのを諦めそうになりましたが、「獣の夜」「子育て幽霊」が圧巻でした。あんまり大きく出るのは好きじゃないけど、老若男女読んで欲しいこれ。。。ここの4篇だけでも。
ラストの「帰り道」もしみじみ良かった。良い話だ…と思ったらラストそうきたか…。びっくりだけれど彼女は強く生きていくだろうな。
思ってたより怪談話でした。しんといけれど面白かった。 -
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Posted by ブクログ
ブク友様のレビューから気になって手に取った1冊。
来年は"言葉"にすごく縁のあることをする予定で、文章も言葉の力を発揮できる1つだと思い読んでみた。
なるほど勉強にもなったし、作中の紙屋と榮倉さんのその先とかも気になって楽しく読めた。
紙屋のような同僚と接する機会が多い私にはさほど違和感なくスっと本に入れたけど、イライラしてしまう人もいるのかなと思った。
仕事がバリバリ出来たり、どんなとこでも順応して働けることも才能だけど、文章だけで人の気持ちを動かせる才能も素晴らしいし羨ましい。
やっぱり"言葉の力"ってすごいな。
単なる社内メールだとしても、人の心を -
Posted by ブクログ
「私、定時で帰ります」の作者のお仕事もの。
30過ぎても、仕事が出来なさ過ぎて、派遣の仕事もすぐにクビになってしまう主人公の紙屋(仮名)。
そんな紙屋が、昔読書感想文コンクールで佳作を取ったことだけを取り得に、転職エージェントの協力を得て、製粉会社の総務部の仕事に決まる。
しかし、コピーもちゃんと出来ない、頼まれた仕事も1日がかり・・・そんな彼に与えられた使命は「仕事をしないこと」
普通に働いている人からすれば、転職の動機も仕事の出来なさもイラっと来ること100%。
しかし、紙屋は開発部で働く榮倉さんのブログに触発されて、定例の文書で済むメールも「どのような文章ならば、みんな協力してくれるだろ -
Posted by ブクログ
ネタバレ*大手電器メーカーに勤める科学マニアの賢児は、非科学的な商品を「廃止すべきです」と言ったばかりに、商品企画部に島流しになる。「マイナスイオンなんて存在しません」。正論を主張する彼は、やがて部の鼻つまみ者扱いに!?自分の信念を曲げられずに日々会社で戦っている、すべての働く人に贈るお仕事小説*
「わたし、定時で帰ります」の時も思いましたが、表紙のイラスト&書名と内容が一致していない所が意表を突くと言うか、残念と言うか。意外性はありますが、個人的には「賢者の石、売ります」のままで良かったな。
内容的には、かなりずっしり来ます。似非科学を頑なに拒む主人公と、そんなにも頑なにならざる得なかった過去の -
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婚約中の私にまたもや母が貸してくれた1冊。
なんでですか??
私が、「結婚し、黙ってたら自分の名字のままでいける風潮の男はずるい」と言ったからですか??
……ちなみにそれに対する直接的なアンサーは書かれておりません。
ホラーテイストの短編もあって、ホラー小説が嫌いじゃない私にはそこそこに楽しめた1冊。
でも一番怖かったのは(おそらく幽霊の話ではない)、「鏡の男」。なんでしょう、ラストのその先に幸せの欠片も見えないんですけど。
全体通して、どうしてなかなか、結婚生活に明るさを見いだしにくい内容なのですが、なんというかこう負けないぞという気持ちにもさせられました。
あと、結婚後にもしこんなこと言