朱野帰子のレビュー一覧

  • 駅物語

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    東京駅で働く駅員の話。鉄分はそれなりにあるのだが、謎解き、ミステリー要素が多い。目的の5人を探しだしても、イマイチスッキリしないのは何故だろう?

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    2022年06月29日
  • 科学オタがマイナスイオンの部署に異動しました

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    ネタバレ

    *大手電器メーカーに勤める科学マニアの賢児は、非科学的な商品を「廃止すべきです」と言ったばかりに、商品企画部に島流しになる。「マイナスイオンなんて存在しません」。正論を主張する彼は、やがて部の鼻つまみ者扱いに!?自分の信念を曲げられずに日々会社で戦っている、すべての働く人に贈るお仕事小説*

    「わたし、定時で帰ります」の時も思いましたが、表紙のイラスト&書名と内容が一致していない所が意表を突くと言うか、残念と言うか。意外性はありますが、個人的には「賢者の石、売ります」のままで良かったな。

    内容的には、かなりずっしり来ます。似非科学を頑なに拒む主人公と、そんなにも頑なにならざる得なかった過去の回想が悲しい。
    「似非科学を撲滅して君は何がしたいの?」もわかるし、「幸せな感覚でしかないものに寄り添う」もわかるし、「正しいことを正しいと突き詰める」もわかる。何が正解なのか、答えはないと思うけど…なかなかに考えさせられるお話でした。

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    2022年06月06日
  • わたし、定時で帰ります。2―打倒!パワハラ企業編―(新潮文庫)

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    シリーズ2作目。
    読みやすいので2日で読破。
    ストーリー自体は変化球がなく、
    進んでいくけど読み応えはあったかな。
    3作目も読んでみよう。

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    2022年04月19日
  • くらやみガールズトーク

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    婚約中の私にまたもや母が貸してくれた1冊。
    なんでですか??
    私が、「結婚し、黙ってたら自分の名字のままでいける風潮の男はずるい」と言ったからですか??
    ……ちなみにそれに対する直接的なアンサーは書かれておりません。
    ホラーテイストの短編もあって、ホラー小説が嫌いじゃない私にはそこそこに楽しめた1冊。
    でも一番怖かったのは(おそらく幽霊の話ではない)、「鏡の男」。なんでしょう、ラストのその先に幸せの欠片も見えないんですけど。

    全体通して、どうしてなかなか、結婚生活に明るさを見いだしにくい内容なのですが、なんというかこう負けないぞという気持ちにもさせられました。
    あと、結婚後にもしこんなこと言われたらどうしてやろう?ってシミュレーションもできました笑

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    2022年04月05日
  • 海に降る

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    面白くてスラスラ読んだ。
    昔からリュウグウノツカイが好きで深海に興味を持っていた事もあり、昔のワクワクしていた気持ちを思い出せた。

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    2021年10月03日
  • 本をめぐる物語 一冊の扉

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    ネタバレ

    田中栄一の作品「メアリー・スーを殺して」。

    所謂オタク女子という人物が小説を書いていて、ある人の言葉を切欠に現実と関わる。
    関わる先は大きくなっていく一方、メアリー・スーは?
    そう、メアリー・スー=中二病となっているが自らが生み出したキャラだ。
    作中のメインヒロインを理想の女性として置き、それに自分を投影していく。
    彼女の作品の中に必ず出てくる彼女の理想が、メアリー・スー。
    没頭していた時代に同じくそれらに没頭していた友人が、少し離れた時間に現れて「あなたの作品が読みたい」と。
    久々に訪れた母校、そこで転寝をした彼女の前に現れたメアリー・スー。

    キーボードを動かし始める動作で物語は終わる。


    田中栄一氏の作品でこれだけ短編は初めて読んだ。
    うん・・・
    やっぱこの人の作品好きだわ。

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    2021年09月11日
  • 真壁家の相続

    匿名

    購入済み

    相続物でお約束のドロ沼化する骨肉争い。
    話が進むに連れ失踪した父の秘密や母の過去が明らかにされていく。
    今まで仲の良かった”家族”が揉めていくさまは哀しい。
    香澄の親はどこまでも娘に甘いなと思ったが、
    風子伯母にとっても波子伯母にとってもこの”家族”にとっても
    そんなゆるい可愛い存在に救われておるのかもしれない。
    最後の最後に容子さんにしてやられた。
    植田大介はそこまで魅力的な人でなく残念だった。

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    2022年12月28日
  • 真壁家の相続

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    内容としてはよくある相続の家族揉めだけれど、ピンとこない他人事に捉えてる人が読むと読後は自分のところはどうだろう、と考えてしまうだろう。介護した人が家族に認めてもらえないという状況は辛いけれど、実際には介護する立場にならないと理解できないというのが現実。介護疲れ、老々介護など社会問題となりニュースになることも多く、財産がある人は後に残された者の為に準備をしておく必要がある、と感じた。

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    2021年06月19日
  • 科学オタがマイナスイオンの部署に異動しました

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    科学オタクというからには、さぞかし偏屈な人物が出てくるんだろう。
    そういう期待を、本書は決して裏切らない。

    羽嶋健児は、一流私大卒の大手メーカー勤務。
    イケメンなので、一見高スペック男子。
    が、似非科学を許せない科学オタク。

    科学を信じるあまり、自社の主力商品を完全否定して干される。

    父の末期がん闘病時、不安から怪しげな自然食材に大枚を費やして家に借金を増やした母親とは決裂。
    姉の美空は、助産師やネット情報から、母乳神話や自然分娩神話に絡めとられていく。
    こうした家族を、健児は、「未開人」と呼んで憚らない。

    どこか『私、定時で帰ります』のヒロインを思わせるざらつき加減。
    こういう空気を読まない人物を描かせたら、朱野さんは天下一品だ。

    健児の唯一の希望は、幼馴染の譲だ。
    優秀で家庭的にも恵まれていた譲は、小学生の頃の夢をかなえ、若手の地球科学研究者になっている。
    けれど、彼も、大学在学中に父がリストラされ、奨学金という名の借金を負う身となっていた。
    ポスドク職を渡り歩き、資金獲得に疲弊している。

    物語では、健児が、似非科学にはまる人が、ただ無知であることによるのではないと悟っていく。
    それが彼の仕事の上での行き詰まりを解決に導く。
    そして健児だけでなく、美空、譲のそれぞれが、決して順風満帆ではないが新しい一歩を踏み出して終わる。

    似非科学嫌いの人を主役に据えたところの着眼点がユニークで面白い作品だった。
    たぶんシリーズ化は難しいんではないかと思うが。

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    2021年05月16日
  • 駅物語

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    手軽に読めて心温まる1冊でした。

    駅で起きる奇跡って、ただのお涙頂戴的な内容の詰め合わせかと思って読み始めたけれど、
    いい意味で私にはそこまで奇跡に思えなかったというか、もっと人間味溢れていて読みやすかったです。

    駅員に本当にこんな派手だったりヤンキー気質の人いるのか?という疑問はあるものの、
    若菜の周りの人達がいいキャラしていて、スピンオフも読みたくなる。

    若菜の成長していく様がよかった分、最後の方がちょっとあっさりしすぎた気もしました。
    もっと悩んでもがいて成長していくところも見てみたかった。

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    2021年01月22日
  • 本をめぐる物語 一冊の扉

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    中田永一(乙一)の作品が収録されていること、そして本にまつわる話のアンソロジーということで購入。
    しかし、朱野帰子「初めて本をつくるあなたがすべきこと」と沢木まひろ「時田風音の受難」以外はすべて『ダ・ヴィンチ』に掲載されたものだった。
    『ダ・ヴィンチ』に掲載される作品は結構クセがあるので苦手だ。
    案の定、この短編集も特徴的というか・・・。


    中田永一「メアリー・スーを殺して」
    おもしろかった。しかし、終盤にかけておもしろさが加速していくような他の乙一の作品と比べると、ややしりすぼみしている。
    あと、主人公の内面の話だと思ってたら外に向き始めたことにもやや違和感があった。
    「メアリー・スー」という理想像は、完全になくしてもいけないのだろうな。

    宮下奈都「旅立ちの日に」
    手紙に書かれた物語と、父からの本当のメッセージの間に飛躍を感じる。

    原田マハ「砂に埋もれたル・コルビュジエ」
    実話が元になっているようだが、小説としての見せ方が中途半端だ。
    ノンフィクションとして書くか、もっと飾り付けるかすればいい。

    小手鞠るい「ページの角の折れた本」
    どうして「あなた」という語りかけ口調なのか。
    ストーリーもなんだかよくわからなかったが、読み返す気にもならない。
    主人公みたいな女の人がとにかく苦手。

    朱野帰子「初めて本をつくるあなたがすべきこと」
    夫が情けないのは確かだとは思うが、主人公がすべて正しいような描き方が気に食わない。
    ラストの主人公にキレ方はスカッとしてよかった。

    沢木まひろ「時田風音の受難」
    おもしろい。
    官能小説は読んだことがないが、こういう感じの文章なのだろうか。
    主人公が女性編集者の百山に翻弄されるのと同じように、私も翻弄されていた。
    なおかつ、そうやって振り回されるのが心地良いのもよくわかる。

    小路幸也「ラバーズブック」
    素敵な話だと思う。
    しかし、アメリカっぽさを出しすぎで、押し付けがましい感じがする。

    宮木あや子「校閲ガール」
    校閲ってそんなところまで見てるのか、と勉強になった。
    ただ、やはり苦手な女の人が出てくる。


    全体的に、小説を読むというより、世間話を聞かされるような作品が多い。
    なので、あまり心に残らない。

    強い女の人ばかり出てくるのもひとつの特徴だと思う。
    『ダ・ヴィンチ』が女性向けだからだろう。
    掲載される作品は芸術ではなく商品であり、読んだ女性が快感を得られるようになっている。
    芸能界や海外といったキラキラ感も重要視している。
    そういう作品をうまく集めてくるのは、編集部が優秀でコンセプトが定まっているからだと思う。
    ただ、やはり男性にはうけないだろう。
    私が嫌悪感を抱いてしまうのも、器か小さいということ以上に、仕方ない面が大きいと思う。

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    2020年10月07日
  • マタタビ潔子の猫魂

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    各話冒頭の、天道辛彦に乗せられた潔子の自虐ネタっぽい行為は笑える。『吾輩は猫である』を連想した。やられたぶんをやり返すみたいな感じがして、あまり仕返し劇にスカッとする気持ちは持てなかった。表紙のイラストは、もう少し、可愛い方向か頼りなさそうな方向によっていたほうがイメージと近かった。

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    2020年09月13日
  • 超聴覚者 七川小春 真実への潜入

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    年金・国債・少子高齢化等の問題について近未来の薬を中心に展開していくストーリーで、今後の日本で「あるかもしれない」未来は少し怖い。

    世代によって変わる「普通の幸せ」について主人公の家庭を通して考えさせられた。母親と対比的におばあちゃんが芯のある人物で好感が持てた。

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    2020年07月18日
  • 海に降る

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    宇宙より近くにあるのに未だ人類が到達できていない深海と、そこにたどり着くための潜水調査船がテーマ
    深海生物についての会話シーンも多く、その独自の進化や生態について興味が湧く
    なぜ無人潜水船ではなく有人潜水船に乗るのか。深雪の苦悩を通して答えが見えてくると同時に、今もリアルで潜水調査船に乗って海へ潜って行く人たちがいると考えると、不思議な気持ちになる

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    2020年07月05日
  • 駅物語

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    「わたし、定時で帰ります。」の著者が描く駅を舞台としたお仕事小説。
    駅での出会いを描いた作品かと思いきや、若菜直と言う女性の駅員の成長の物語。
    東京駅に配属になった若菜直は、1年前に東京駅で倒れた時に助けてくれた5人の人を探す為に、内定の決まっていた大手企業から東本鉄への入社を決めた。
    最初は駅員の仕事にそれほど興味のなかった直だったが、鉄オタを隠して駅員になった同期の犬塚、見た目は派手だけど、実は努力家の同い年の由香子、ぶっきらぼうで少し乱暴な先輩・藤原たちと接するうちに、駅員としての自覚が生まれて来る。
    後半の駅員の人格を無視したSNSへの誹謗中傷などに傷つく様子などは、ここ数週間話題になっている自殺した女性へのSNSへの書き込みを思い浮かべずにはいられなかった。
    確かに毎日駅を利用していても、駅員さんの人格などを意識したことなど、今まで一度もないかもしれない。
    1人1人の駅員さんの努力で、日本の、特に首都圏の緻密なダイヤでの運行が守られていることを考えさせられた一冊。

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    2020年06月07日
  • 本をめぐる物語 一冊の扉

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    朱野帰子「初めて本をつくるあなたがすべきこと」、沢木まひろ「時田風音の受難」、宮木あや子「校閲ガール」が好き。「初めて本を~」は一番身近な感じがした。「校閲ガール」は単行本の第一話なのかな。キャラのポテンシャルが収まりきっていない印象(良い意味で)。

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    2020年06月01日
  • 真壁家の相続

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    祖父・麟太郎の突然の死から話は始まる。麟太郎の孫で法学部の大学生・りんは、親族たちが集まった席で祖父の遺産の相続手続きを成り行きから引き受けてしまう。遺産といっても古い家とわずかな貯金しかないんだからと高を括っていたりんだが、麟太郎の隠し子だという青年・植田大介が現れると次第に話は紛糾し、仲良しだと思っていた真壁家の人々の相続をめぐる醜い争いが始まる・・・

    「駅物語」から注目していた朱野帰子さん、今回もなかなか抉ってくれました。
    小説家の植田大介の実体験に基づく小説を作中に入れ込みながら、相続というものの恐ろしさ、親族であるが故のこじれたときの修復の難しさをひしひしと感じながら読みました。
    うちは遺産なんでないから大丈夫と安心しきっている人にこそ、読んでもらいたい作品です。骨肉の争いにならないためにも、温かい思い出を醜い諍いで汚してしまわないためにも、それぞれがあとあとのことをしっかり考えて、できれば生前に冷静に話しておくことが大事なのかな・・・という感想。

    ラストは小説だからこそで、実際はもっとドロドロするのかもしれないけど、フィクションではこのくらいで勘弁してほしい。そう来たか!の爽快感は小説ならでは。
    家って、家族って何だろう?というごく当たり前なことをしみじみと考えるきっかけになりました。

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    2020年03月29日
  • 科学オタがマイナスイオンの部署に異動しました

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    すごく面白かった。似非科学を嫌悪する主人公と、流されやすい家族。
    私だったらイオンが出るらしいドライヤーより早く乾いて静かな方が断然いいなぁ。

    この作品すごく面白かったのに残念だったことがひとつ。
    結構よく見かけるけど、文庫化する際に改題された本だと言うところ。色々事情があるとは思う、けれど『間違って新作だと思って買ってくれる人がいたらいいな』っていう思惑が何となく透けて見える。
    別に悪いことでは無い。私個人的に、もう作家で追うのはやめようかなという思いがよぎって心から楽しめなくなるだけだ。
    作中とリンクしたのだ。

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    2020年03月23日
  • 駅物語

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    ネタバレ

    栞ひもがついてなかったので。
    もらった栞大活躍で。
    それで、想い出の本にも。

    思いがけないところで泣いてしまった。

    奇跡…
    ニックネームについていけなかった。

    作者
    かえるこさんなんだぁ。

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    2020年02月11日
  • 科学オタがマイナスイオンの部署に異動しました

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    ネタバレ

    昨年話題になった「わたし定時で帰ります」の著者による本ということで手に取った一冊。科学をとことん信じ、似非科学を嫌う主人公が電器メーカーで働くお仕事小説。
    主人公の賢児はどうしようもないくらい不器用な人間で、読んでておいおい、とツッコミたくなる箇所がありましたが、物語の設定としてはそのほうが感情移入しやすかったです。
    STAP細胞にまつわるエピソードも盛り込まれており、単行本として刊行された当時からみればタイムリーなネタです。また「博士」に関する国の施策とその問題点もそれとなく登場していて、主人公の幼なじみの譲みたいなケースは現実にも多くあるのだろうなと思うと、科学者になって科学を極めるのも楽じゃないだろうねと思わずにはいられません。
    賢児はというと科学を信じるがゆえのその言動や性格により、プライベートでは彼女と別れ、家族とのコミュニケーションもうまくいかない、職場でもいまひとつといった境遇。物語の終盤では科学者である譲でさえ現実的な方向を見据え自分のなかで折り合いをつける姿を見せつけられ、仕事でも自分が信じていた科学が他人から見れば怪しいものと認識されていたことを知るなど、これまでの人生で拠りどころとしていたものの儚さを感じる展開、読みながら「この人、相当ショックだろうな…」などと感じ入ってしまいました。
    でも最後は姉のちょっとした変化に救われ、仕事では自らの企画、それもやっぱり科学を軸に据えたものがなんとか上司に認められ、自分を取り戻す結果が待っており、明るい希望が見える状態で物語は完結となります。紆余曲折あったけれども賢児としてはちょっぴり成長したのかな、と思われてくれる内容でした。

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    2020年01月09日