朱野帰子のレビュー一覧
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「わたし、定時で帰ります。」の著者が描く駅を舞台としたお仕事小説。
駅での出会いを描いた作品かと思いきや、若菜直と言う女性の駅員の成長の物語。
東京駅に配属になった若菜直は、1年前に東京駅で倒れた時に助けてくれた5人の人を探す為に、内定の決まっていた大手企業から東本鉄への入社を決めた。
最初は駅員の仕事にそれほど興味のなかった直だったが、鉄オタを隠して駅員になった同期の犬塚、見た目は派手だけど、実は努力家の同い年の由香子、ぶっきらぼうで少し乱暴な先輩・藤原たちと接するうちに、駅員としての自覚が生まれて来る。
後半の駅員の人格を無視したSNSへの誹謗中傷などに傷つく様子などは、ここ数週間話題にな -
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祖父・麟太郎の突然の死から話は始まる。麟太郎の孫で法学部の大学生・りんは、親族たちが集まった席で祖父の遺産の相続手続きを成り行きから引き受けてしまう。遺産といっても古い家とわずかな貯金しかないんだからと高を括っていたりんだが、麟太郎の隠し子だという青年・植田大介が現れると次第に話は紛糾し、仲良しだと思っていた真壁家の人々の相続をめぐる醜い争いが始まる・・・
「駅物語」から注目していた朱野帰子さん、今回もなかなか抉ってくれました。
小説家の植田大介の実体験に基づく小説を作中に入れ込みながら、相続というものの恐ろしさ、親族であるが故のこじれたときの修復の難しさをひしひしと感じながら読みました。
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ネタバレ昨年話題になった「わたし定時で帰ります」の著者による本ということで手に取った一冊。科学をとことん信じ、似非科学を嫌う主人公が電器メーカーで働くお仕事小説。
主人公の賢児はどうしようもないくらい不器用な人間で、読んでておいおい、とツッコミたくなる箇所がありましたが、物語の設定としてはそのほうが感情移入しやすかったです。
STAP細胞にまつわるエピソードも盛り込まれており、単行本として刊行された当時からみればタイムリーなネタです。また「博士」に関する国の施策とその問題点もそれとなく登場していて、主人公の幼なじみの譲みたいなケースは現実にも多くあるのだろうなと思うと、科学者になって科学を極めるのも楽 -
Posted by ブクログ
ある日、大学生の真壁りんは、祖父の死を知らされる。急いで葬儀会場へ向かい、真壁家の一族が集まったところで、一人の青年が現れる。彼が「隠し子」と名乗ったことがきっかけで、一族は揉めに揉めることに。
一人一人はいい人なのに、相続の話し合いで一族は崩壊寸前にまで陥る。
真壁家一族で笑い合える日々を取り戻す為、りんが解決に奔走する!
ドロドロの遺産相続のお話でした。
ほんの少しの財産しかなくても、お金を前にすると豹変する親族たち。
少し引いてしまうところもあったが、これが現実なのかな!?という気もした(^^;;
やや冗長と感じたので★は3つで。 -
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朱野さんの小説は二冊目。1冊目に読んだ「駅物語」が面白かったため、今回も「乗り物系」の作品を選んでみた。
主人公・深雪は深海潜水探査船のパイロットを志す若き女性。広報の仕事内容なども物語を通して知ることができる。
普段覗くことのない業界だけあって、新鮮で面白かった。
私は、自分が体験することができないような業界の仕事内容をリアルに知ることができる、ノンフィクション風の小説が結構好きなんだど思う。
謎の生物を追いかける、という一つの大きな目的が物語を彩る。同僚や上司たち、また、深雪の腹違いの弟・陽生。魅力的なキャラクターが多い。
深雪と恋仲になる高峰は、もっと掘り下げていった欲しかったな、と思う -
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8人の語り手による短編集。
本を通して見た世界はこんなにも多く、こんなにも刺激的。
広がる世界の面白さを、あなたに。
『メアリー・スーを殺して』
メアリー・スーとは聞きなれない言葉だった。
一体それは誰?
この人物は、二次創作における、書き手の願望を一身に背負った自己愛の塊というべき人物。
つまり、イタいキャラクターであり、ご都合主義的な登場人物ということらしい。
ありがちな設定だ。
プロの作家なら、それらを上手く操れるのだろうが、残念ながら多くの書き手はそうではない。
自分の妄想とありがちな設定と底の浅さが露見する、書いている本人だけが満足できるという代物。
このことに気づいた主人公、如月