朱野帰子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
良いと思ったところとして、様々なシーンが映像としてありありと浮かぶ。わかりやすいドラマとして頭の中で描きやすい。組織の一員として行動したことがある人なら、思い通りにならない歯痒さや、考え方の対立で、共に行動することの難しさに悩むなど、なにかしらで共感を抱くところがある。
無茶な会社のあり方を、インパール作成など軍の行動になぞらえるのも面白いと思った。
残念と思ったところは、読んでいて苛立ちを覚える割合が多い割には、解決が妙にあっさりしているように感じた。主要キャラとそれぞれ対立するが、「え、それで納得するの?負けを認めるの早くない?」と争ってた割にはサクッと終わるな、という印象。苛立ちのストレスに対して解決したときのスッキリ感のバランスが取れてない、と言えばいいか。
あと、タイトルの割に結局、残業してぶっ倒れるのも少し期待外れだった。 -
Posted by ブクログ
喫茶店にまつわる6編の短編集です。
泣きたい午後ってどういうことかな?と思いましたが、答えは出ていないものの、
なんとなく、午後のちょっと悲しい時とか、寂しい時とか、そんな時に読んでみると、少し心が和らぐ、そんな小説だったのかな?と。
ワタシが喫茶店を利用する時は、
・自分の心身を癒したい時
・本を読みたい時
・時間潰し
かな。
どの作家さんも心残るものでしたが、その中でも矢野帰子さん、斎藤千輪さんの話はまた読みたいと思いました。
この文庫本を持って久々にルノアールに行きたい!!!と思ったし、
喫茶店のホットケーキが食べたい!!と思った。
-
Posted by ブクログ
『わたし、定時で帰ります。』で働く女性たちの日常をリアルに描いた朱野帰子さんが、本作では一転して女子たちの“くらやみ”を描く。
『幽』などに掲載された八編を収録。とはいえ、いずれも単なる怪談ではない。
仕事や人間関係の中で揺れる女性たちを、あまりにも現実的に描くがゆえにホラーとなるもの、逆に少しファンタジーの気配を帯びたものと、作品ごとに設定を変えながら“女子たちのくらやみ”を読ませてくれる。
ホラー風味の物語の底には、職場の温度、家族や親族関係の中に潜む言葉にしづらい違和感を潜ませています。
中でも「花嫁衣装」に描かれた、昭和には確かに存在した“嫁ホラー”の気配が印象的でした。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ【収録作品】
「ルパちゃん」 金子玲介
「推し活制限法」 日野瑛太郎
「日本国民に英語の勉強を義務づけへ」 朱野帰子
「つるべを取られて」 阿部智里
「こんにちは、チャッテー」 真下みこと
「虚法」 須藤古都離
「国家殲滅フットボール法」 嶋戸悠祐
「復讐者は振り向かない」 多崎礼
「コロシヤとユキオンナ」 風森章羽
「 Touch law if you can」 名倉編
「ある死刑囚の回顧録」 真梨幸子
「『ラ禁法』ディストピア」 東川篤哉
「忘却加害」 霜月流
「密室の獣」 矢樹純
「御首塚の風」 高田崇史
「ネーミング」 潮谷験
「試み」 献鹿狸太朗
「魔法罪」 高田大介
「もう、ディストピア」 大沼紀子
「自転車武装条例」 矢部嵩
「ありがとう、虎太郎」 柾木政宗
「 ショートケーキの夜」 くどうれいん
「ぜんぶミステリのせい」 白井智之
「帰り道の行先は」 赤川次郎
「革命夜話」 五十嵐律人
「新しい法律ができた」という1行から始まる物語。
法律が題材だから、どうにも不気味な読後感。
「もう、ディストピア」は皮肉が効いている。
最後の「革命夜話」が重い。
この重さが失われつつある今、どんな悪法ができても驚かなくなりつつあるのが怖い。
現実的に生活は大切だけれども、それを守るためには大局を見なければいけない。理想がなければ堕ちるだけだ。