朱野帰子のレビュー一覧
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特にこれといった劇的な展開が待っているわけではないけど、自分なりの正義を貫く紙屋さんの姿は個人的に好き。現実の世界で出来なさそう、みたいなことも思いつつ、ただそれって自分の偏見だよなーとも感じた。
ライバル女性の卑屈な面は、何でそうなってしまうんだろう、という疑問と、現代はそうなっているのかもしれない、という懸念の二つを抱いた。もしかしたら著者から読者へ、もっと自分に自信を持って良い、という愛の溢れたメッセージなのかもしれない。
わたなべさんみたいなおじさんは、印象としては意地悪でパワハラとかしてきそうなのに、よく飲みに連れて行ってなんだかんだで面倒見が良いところが一番好きかもしれない。 -
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ネタバレ青山美智子さん、朱野帰子さん、一穂ミチさん、奥田亜希子さん、西條奈加さんによる、お酒をテーマにしたアンソロジー。
青山美智子さんの、きのこルクテルを読みたくて。
どの作品もとてもおもしろくて好きだった。
青山美智子さんのきのこルクテル
下戸のライターと取材先のバーの店員とのお話。
最初の一文にすごく惹かれた。
どう展開していくんだろうとわくわくした。
言葉の力ってすごいなと思った。こういう風に言葉の力を使っていきたい。
そしてラストの文。そうきたか!と思った。
最初と対になってるのがいい。
きのこの栽培、楽しそう。
朱野帰子さんの オイスター・ウォーズ
なにやら秘密を抱えている -
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ネタバレ*差別的CMでネット炎上したスポーツウェアメーカー「フォース」。ウェブ運用を勝ち取るコンペに参加した東山結衣だが、彼らは定時で帰ることをモットーとする結衣に怠け者の烙印を押し、「下請けだから」と時代錯誤な横暴を繰り返すパワハラ企業だった。対等に仕事しようと奔走する結衣だったが、トラブルメーカーばかりの新 人教育も請け負うことになってしまい……。大人気シリーズ第二弾*
前作同様読みやすいし面白いけど、同じくらい、いやそれ以上にイライラするし、状況がわかり過ぎて心が削られます。
が、前作と続けて読むと、その痛みが少しマシになる気がします。
なぜなら、結衣と晃太郎のラブラブエピソードがきゅんきゅ -
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いきなりですが、次の二つの質問にお答えください。
問1) あなたは、『定時』に帰ったことがありますか?
どんな会社でも始業時刻と終業時刻は定められています。あなたの賃金は所定労働時間に働いた分を補償するものです。終業時刻が過ぎたらその場に一分たりとも止まる必要はないはずです。であれば、この質問にYes以外の答えはないはずです。
さて、この一ヶ月間を振り返ってみて、あなたは『定時』に会社を後にしたでしょうか?
では、次にまいります。
問2) あなたは、『下請けは頭下げてなんぼだ』と思いますか?
どのような業種であっても『元請け』と『下請け』という関係性は必ず存在します。 -
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表紙の東京駅のイラストが素敵すぎて、
さらに著者が朱野さん、
帯のコメントが良き!
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駅に行き交う人々が起こす温かな奇跡。
通勤通学がもっと楽しく好きになる!
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東本鉄に新卒入社した若菜直(わかな なお)は、
東京駅に配属される。
改札やホームで駅員さんとして勤務する。
個性豊かな面々と四苦八苦しながら研修で経験を積んでいるが、若菜が東本鉄に入社したのは訳があって…
毎日大勢の人たちが行き交う駅で、
事故のないように列車の到着を受け入れ、
数分の誤差もないように列車を送り出す。
目的地に急 -
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ネタバレ以前食を題材にした小説を読んだが、本当にあるのか調べたりしたので
本作は有難い。
それこそ温泉、とか喫茶店、とか細かくジャンル分けしても作家さんそれぞれのオススメがあるはずなので
シリーズ化しないかなぁ。。
雰囲気や、ピンポイントの品物目当て、また何を食べても美味しくて通う、と色々なエピソード。
また個人店の儚さと切なさも。。
三浦しをん 京王線千歳鳥山 『Ho 100%drunker』 ベルギービール煮込み
→たかぎなおこ氏のバクダン納豆といい、京王線沿いには魅力的なお店が。。
西加奈子 渋谷 『虎子食堂』スパイス系
→渋谷も新宿も駅近ですますので、開拓したい。。
中江有里 三軒茶 -
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つい最近の話題で、あちこちの地域の長の方々がカメラの前で釈明会見をして職を辞する姿を見ました。ハラスメントへの認識の甘さと警戒感を改めて意識させられるご時世だと感じさせられます。
前作ではどちらかというと身内の立場の問題でしたが、今回はカスタマー側の封建的な構造が話題の中心でした。野球は、古くから国技にも匹敵するほど国民が好きなスポーツであるからか、グラウンドでの実力が人の格差を生み年功序列を創り出す。何故か下級の自意識があると、従う以外の選択肢を失ってしまう。過去の悪しき構造を今の世代に教えてくれたシリーズがこの作品でしょうか。
新人の隠れたポテンシャルをも描いてくれていて、時代がもつ