歴史・時代作品一覧

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  • 凩の時
    -
    「冬の時代」を告げる凩(こがらし)が吹きすさぶ。大逆事件が迫る。――日露戦争後の明治41年、東京赤坂の陸軍歩兵第一連隊から兵卒37名が脱営した事件を軸に、軍国化の足を速めた大日本帝国と苦難の時を迎える社会主義運動の姿を、豊富な資料をもとに再構成する。史伝体と物語体の巧みな併用によって今日によみがえらせた歴史長編。1985年、第12回大仏次郎賞受賞作。
  • たすけ鍼 天神参り
    3.8
    染谷の一人娘のいまりは、辰巳芸者をやめて父の稼業を継ぐ決意を固める。染谷の下で日々きびしい修業に明け暮れるいまりだが……。一方、いまりの兄・勘四郎は己の生きる目的を探しあぐねていた。季節ごとの江戸情緒も巧みに織り込まれた、好評シリーズ第3弾。
  • 卑弥呼とよばれた少女
    3.0
    王家の血を継ぐ15歳の少女、翡翠命は卑弥呼となることを決意する。「唯一を望む者(御真木)」と「唯一を望まねばならぬ者(翡翠命)」、そして「唯一である者(曹叡)」の欲望と信念が交差し、新たな時代の幕開けを描く。
  • 光秀の選択
    3.6
    「本能寺の変」の10年前――織田か、足利か。自由か、安定か。 戦国武将の命運を分ける人生の岐路で光秀はどう動き、何を守ろうとしたのか。 足利義昭上洛(1868)から槇島城の戦い(1573)へ。 信長の迷走と決断。老練・光秀の執念を描き切った傑作戦国小説!
  • 島津四神伝 戦国屈強兄弟の九州統一軍記
    4.0
    時は戦国末期――。日本六十余州最南端に屈強を誇る大名がいた。鎌倉時代より薩摩・大隅・日向の三州を治めてきた島津家である。その志は四人の兄弟たちに受け継がれた。当主である長男・義久の下に、次男・義弘の采配、三男・歳久の知略、四男・家久の勇武、そして家臣団の奮戦をもって大友氏や竜造寺氏などを撃破し九州全土を席巻するまでに至り、天下人・豊臣秀吉と対峙することとなった――。最新資料を基に、戦国最強の島津四兄弟を描きぬく書き下ろし長編時代小説。
  • 決戦!広島城 天下大乱の火種を消すべし
    -
    大坂夏の陣で豊臣家が滅亡してから4年後の元和5(1619)年、福島正則が無断で居城・広島城を修築したというしらせを聞き、二代将軍徳川秀忠は激怒する。秀忠は江戸にいた正則を幽閉、福島家の改易を決断した。 「天下大乱の火種を消すべし!」。福島家謀反の影響が他藩に及ぶことを恐れた秀忠の大号令により、8千余におよぶ城請取の軍勢が広島に向かう。やがて城の守りを固める福島家中の強者たちと一触即発となるが――。いまだ戦国の残り火がくすぶりつづける徳川幕府黎明期に起こった福島家改易の真実に迫る、書き下ろし長編時代小説。
  • 奥州藤原四代記
    -
    わたくしたちが十二世紀において東北の僻陬の地に平泉政権をもったのは、歴史的事実にしても不思議な気がしてならない。政権の新都平泉の都は忽然と北上川の畔に出現した、絢爛たる、目もくらむばかりの寺院群を中心とした市であった。それは、京都ともちがう、考えられもしない異風の“蝦夷の人間と精神”の匂いのするむしろ大陸的な都市だった。どうして、このような都市が出現したのであろうか。(「あとがき」より) 暗躍する朝廷、源氏との確執、そして悲劇の末路……。奥州に燦然たる平泉文化を築いた父祖四代の本格的歴史小説。
  • 千石屋お奈津犬連れ日帖
    5.0
    お江戸の町に、かわいい大型犬を連れたニューヒロイン誕生! 日本橋本石町の米問屋「千石屋」の一人娘お奈津は17歳。武州一帯の米を扱う大店で、将来は婿をもらい跡取りになる身だ。しかし好奇心と行動力にあふれ、かどわかし事件を探って危険な目にあったりと周囲をハラハラさせる。そんなお奈津の頼もしい相棒が、愛犬の綺羅々(きらら)。大陸から来た大型犬と狼の混血という変わった血統の綺羅々だが、お奈津とは以心伝心。かしこくて力持ちの綺羅々は、ときに悪漢をこらしめ、あるときはお奈津の心をなぐさめたりと大活躍だ。よき理解者である唐物屋の藤五郎、旗本の子息・有馬龍之助など、脇役のキャラクターも印象的。長く脚本家としてアニメ『タッチ』などの番組を手がけ、映像の世界で磨かれた著者の描写力、ストーリー展開の巧みさは、時代小説初挑戦とは思えない。連作4篇で構成されたニュースタイルの「青春」時代小説。装画:杉井ギサブロー。

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  • 奥羽関ケ原 政宗の謀・兼続の知・義光の勇
    3.5
    慶長五(一六〇〇)年夏──。“東北の関ケ原”とも呼ぶべき大合戦の時が近づいていた……。伊達政宗、直江兼続、最上義光という奥羽を代表する3人の武将の視点で、関ケ原合戦とほぼ同時におきていた奥羽の争乱をダイナミックに描く書き下ろし長編歴史小説。
  • 風のかたみ
    3.6
    安見藩の女医である桑山伊都子は、藩主に叛旗を翻した佐野家一族の女たちを“生かす”よう命ぜられる。男たちはことごとく上意討ちとなっていた。どうやらお世継ぎ問題とも関わりがあるようだ。やがて女たちの屋敷に天狗の面を被った曲者が忍びこむが……。
  • 慶応三年の水練侍
    3.8
    時は慶応、津・藤堂家砲術師範市川清之助、水術試合を要求される! 相手はかつて事故死した親友の息子で勤皇思想に傾倒、完全なる逆恨み。いつしか勝負は佐幕派対勤皇派の様相に。水練が苦手な清之助は伊賀者に水術指導を受ける! さて、秘技・諸手抜諸蹴とは?
  • 大坂誕生
    4.0
    慶長20年、灰燼と化した大坂を再興すべく大御所・徳川家康から大命を受けた松平忠明は、大坂人との確執を知略と胆力で乗り越え、反徳川包囲網の中で次々と大胆な復興計画を練っていく──。第6回朝日時代小説大賞優秀作。
  • 世界最強だった日本陸軍 スターリンを震え上がらせた軍隊
    4.0
    日米戦争における日本の最大の悲劇は、日本が戦争に負けたことではなく、アメリカから一方的にやられっぱなしの、あのようなぶざまな負け方をした、戦闘内容のレベルの低さだった。これがいまだに日本人の潜在意識の底に尾を引いている。──本書「序文」より旧ソ連の秘密文書公開によって、ノモンハン事件がじつは日本陸軍がソ連軍を圧倒した勝ち戦だった事実が明らかになった今日、昭和史は大幅に書き換えられなければならない。……スターリンは恐怖に震え上がった。じつはソ連はすでに日本に停戦を申し入れていたのだが、日本から回答がないのを見て、焦慮のあまりついにドイツに泣きついたのである。日本が「恐ソ病」にかかっていたのは事実であるが、ソ連はそれ以上に「恐日病」にかかっていた。──本書「第一章 ノモンハン」より当時世界最強だった日本陸軍が、なぜ太平洋戦争に敗れたのか。その答えにこそ「昭和史の謎」を解く鍵がある。

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  • 真説 徳川慶喜
    3.0
    幕府内外の危機的状況を打開する期待の将軍であった徳川慶喜はなぜ、自ら武家政権に終止符を打ったのだろうか? 中根長十郎・平岡円四郎・原市之進……。三人もの慶喜の黒幕が次々と暗殺されていったのはなぜか? 幕末の混乱の渦中に斃れていった彼らの声を拾いながら、最後の将軍の実像に迫る、異色の長篇歴史小説。

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  • 忍び外伝
    3.6
    第2回朝日時代小説大賞を選考委員満場一致で受賞。伝奇色豊かな正統的忍者小説でありながら、主人公の文吾とその妹分・お鈴の成長物語&青春小説としても秀逸。和田竜など若手時代小説作家に匹敵する筆力あり。

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  • シギラの月
    -
    南海の楽園で展開する壮大な歴史ロマン。太陽の島が知っている――「真に蜜牙古島(みやこじま)の安穏を考えるのであれば、琉球と事を荒立ててはなりません。誇りのために、蜜牙古島を滅ぼしてしまうかもしれないからです」……不思議な自然現象によって海の女神が現れるという伝説を軸に展開する、若者たちの愛と戦いの物語。ベストセラー『宇宙皇子』の著者が放つ、壮大な歴史ロマン大作。
  • 呉漢(合本)
    -
    貧家に生まれ、土を耕して一生を終えると思っていた呉漢は、思わぬ出来事から、生まれ故郷を逃亡することになる。王莽の圧政に叛旗をひるがえす武将が覇を競う群雄割拠の時代、漢王朝復活のため挙兵した劉秀との出会いが、呉漢の運命を大きく変転させてゆく……。『草原の風』で描かれた光武帝・劉秀が最も信頼した武将・呉漢の生涯を描く波瀾万丈の物語。
  • 三国志演義 1
    4.5
    劉備、関羽、張飛の三豪傑が乱世を正すべく義兄弟の契りを結び立ち上がる--。NHK人形劇で人気を博した 立間祥介訳で蘇る壮大なロマン! 2019年夏、東京国立博物館で大規模な三国志展も開催。
  • 戦場に散った野球人たち
    -
    東京ドームの脇に「鎮魂の碑」という名の石碑が建っていることをご存知だろうか。 昭和五十六年(一九八一年)、後楽園球場の時代に造られ、東京ドームの完成に伴って今の場所に移築されたこの碑は、先の大戦で戦死したプロ野球(職業野球)の選手たちの御霊を鎮めることを目的として建立されたものである。「建立の趣旨」として、次のような言葉が刻まれている。 〈第二次世界大戦に出陣し、プロ野球の未来に永遠の夢を託しつつ、戦塵に散華した選手諸君の霊を慰めるため、われら有志あいはかりてこれを建つ〉 この碑には、計六十九名の選手が祀られている。名前の列記の中には、沢村栄治のように一般的に知られている著名な選手の名前もあれば、殆ど無名の方もいる。本書では、この碑に名前の刻まれている野球人たちの中から六名を選び、その生涯を紹介する。 更に、一口に「戦場に散った野球人」と言っても、それはプロ野球の選手だけではなく、学生野球で活躍した者たちも少なくなかったことを踏まえ、「伝説の大投手」こと嶋清一についての章を加えており、計七名の生涯の記録ということになる。この石碑に内包されている血と涙の記憶とは、どのようなものだったのか。時代の不条理とは常に単層構造ではありえず、その実相を描くには百万言あっても足りないが、僅かなりとも鎮魂の一助とすることを目的に著者が精魂こめて書き下ろしたノンフィクションである。
  • 姥玉みっつ
    3.8
    江戸を舞台に、個性豊かな三人の婆たちの日常と その周りで起こる悲喜劇をコミカルに描く 「女性の老後」をテーマにした長編小説。 名手宅の祐筆(文書や記録を取り扱う職)を得て静かな余生を 過ごしたいお麓(ろく)は、おはぎ長屋という長屋に住んでいた。 これで老後の安泰は約束されたと思い込んでいたが、 その平穏な暮らしはわずか一年で終わりを迎えた。 お菅(すげ)が越してくると、さらに半年後には お修(しゅう)がやってきたのだ。 二人の幼馴染はお麓の長屋を毎日欠かさず訪ねてきては、 心底どうでもいい話をしゃべり散らす。 お麓はこの先、二人とうまくやっていけるのか。 安穏に暮らすはずの余生はどうなってしまうのか。 さらには、いろいろな事件に巻き込まれていき……。
  • 吉野朝残党伝
    4.0
    吉野の山野で馬借に仕えていた少年・多聞は、野盗による襲撃から辛くも逃れる。 行先のない多聞の前に、二人の武者が―。二人は、後醍醐帝の後胤・玉川宮敦子、後鳥羽帝の後裔・鳥羽尊秀、と名乗る。 「そなたには見どころがある。どうだ、我らの同志にならんか?」 弱き民草を虐げ、我が世の春を謳歌するすべての武士、公家、寺社、有徳人どもを倒し、あるべき世を作り上げる。 吉野朝(南朝)の隠密部隊「菊童子」として訓練を受けることになった多聞は、京の将軍・足利義教の打倒と南朝の再興へ向けて尽力していく。 暗殺、奇襲、破壊工作――その道は過酷を極めた。 状況の打開へ、敦子と尊秀は、将軍義教の弟・義昭との接触や、鎌倉公方の籠絡、同志の拡大などを画策する。 一方で、南朝の正統性、そして信念と志に、有力大名や国衆をはじめ「つわもの」たちが集い来る。 ついに義教は吉野へ大軍を差し向ける。その裏には幕府方、吉野朝方、それぞれの武将たちの思惑が交錯する。 しかし、誰も気づかぬところで、さらなる謀略が張りめぐらされており――! 中山義秀賞をはじめ、数々の賞を受賞した歴史小説の気鋭が、 歴史に埋もれた国家の行く末を懸けた史上最大の「ゲリラ戦」を迫力の筆致で描き出す会心作
  • 天涯の海 酢屋三代の物語
    4.0
    世界に誇る「江戸前寿司」はなぜ誕生したのか―― 「粕酢」に挑んだ三人の又左衛門と、彼らを支えた女たち。 江戸の鮨文化を一変させた変革と挑戦! 江戸後期。知多郡半田村で酒造業を営む五代・中野半左衛門の急死により、 婿養子に迎えられた半六は、酒造りの傍ら酒粕を使った粕酢造りを思いつく。 後に分家を許された三六は、又左衛門家を興す。 初代から二代、三代へと、粕酢造りは受け継がれていくが、彼らの行く手には 幾多の苦難が待ち構えていた。 三人の又左衛門は、いかにして粕酢を江戸中に広めたのか――。 いまや世界で愛される日本の「寿司-SUSHI-」。 その流行の淵源となった「粕酢」に生涯をかけた人々の歴史長編小説。
  • 穴太の血脈 上 穴太頭四兄弟
    -
    1~2巻1,650円 (税込)
    金沢城、熊本城、江戸城……。 日本の名だたる名城の石垣を築き、 時の天下人に重用された穴太衆(あのうしゅう)。 彼ら、彼女らはどのようにして、 激動の時代を生き抜いたのか。 穴太衆の子孫が語る、穴太衆の真実の姿。 目次 第1部 穴太頭4兄弟 第1章 戸波善正の死 第2章 家康と穴太衆 穴太頭と隠密穴太衆の誕生 大阪夏の陣の普請 褒美の宇田国宗 後ろ盾の喪失 第3章 堀金出雲との決着 北川新兵衛の切腹 百姓たちのもめ事 堀金家の改易
  • 深重の橋
    -
    本作品は著者名を澤田ふじ子から定家治生に変更いたしました。 京を焦土と化す応仁・文明の大乱の足音が刻々と迫るなか、15歳の少年〈牛〉が人買い商人の手で湯屋(風呂屋)へと売り飛ばされた。 狡猾な主が課す苛酷な労働に耐え、牛は逞しい男へと成長する。 そして一緒に人買い市から売られてきた女と心を寄せ合うのだった。 やがてその才を見込まれ牛は、武具屋に引き取られる。 激化する守護大名家の勢力争い、度重なる凶作と飢饉、頻発する土一揆。そして、日本の文化を誕生させたといっても過言ではない、足利義政の為政――。 牛は応仁・文明の大乱の渦中へ身を投じるが、そこには悲劇の邂逅が待ち受けていた……。 巻末に短編小説「はぐれの茶碗」を収録。
  • サイレント・コア ガイドブック 兵器篇
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 大石英司〈サイレント・コア〉シリーズを徹底解析する ガイドブック、待望の〈兵器篇〉登場! ※シリーズ既刊カバーイラストを、なんと60点も特別収録した『サイレント・コア ガイドブック 兵器篇 【電子限定特典付】』も同時配信中! 陸海空の兵器や隊員の個人装備など、 安田忠幸によるイラスト400点をオールカラーで完全収録。 精密なイラストと詳細なデータ満載で、ファン必携の一冊。 〈サイレント・コア〉メンバーが登場する書き下ろし短篇 「オメガと呼ばれた男」も必読です! 【目次】 〈サイレント・コア〉隊員装備&隊舎ガイド 陸上装備一覧 海上装備一覧 航空装備一覧 個人装備一覧 大石英司書き下ろし小説「オメガと呼ばれた男」 『台湾侵攻』&『アメリカ陥落』作品地図
  • 牧谿の猿―善人長屋―
    3.5
    表向きは善人ばかり、実は悪党揃いの善人長屋に、大事な根付を失くして憔悴するお内儀が訪ねてきた。加助の人助け癖がまた出たと嘆息する一同だったが、その根付がかつて江戸を騒がせた盗賊・白狐の持ち物とわかり――。「白狐」「三枚の絵文」など六話を収録。粋な情けと謎解きで大向こうを唸らせる大人気シリーズ最新刊!
  • どうする家康 一
    4.0
    松本潤主演の大河ドラマを完全小説化!ストーリーをいち早く楽しみたいファン必携の書 松本潤主演で大注目の大河ドラマ「どうする家康」。誰もが知る歴史上の有名人・徳川家康の活躍を新たな視点で描くのは、「リーガル・ハイ」や「コンフィデンスマンJP」の脚本を手掛けた希代のストーリーテラー・古沢良太。そんな古沢良太が描く徳川家康はどんな人物なのか。そして演じる松本潤はどんな家康に命を吹き込むのか。本書は、ドラマの脚本を基に、ストーリーやセリフを小説として楽しめるようにしたノベライズ第一巻。歴史・大河ドラマファンをはじめ、時代小説ファン、出演者のファンなど、各人それぞれの角度で楽しめる。2023年1月の放送開始に先んじて、ストーリーをいち早くお届けする。 ●物語 小国・三河の岡崎城主・松平広忠の子として生まれた松平元康(のちの家康)は戦乱で父を失い、母とも離れ、駿河の大国・今川家のもとで人質として暮らしていた。今川義元に見込まれた元康は不自由ない生活を保障され、十分な教育を受け、やがて今川家重臣・関口氏純の娘・瀬名と恋に落ちる。今川家に染まる元康を、三河の者たちは苦々しく思っていた。そんな折、父に仕えていた旧臣たちと再会した元康は、彼らが今川家に不満を抱き、松平家再興への思いがくすぶっていることを知る。 1560年(永禄3年)、今川義元は織田領である尾張へ進撃。元康は妻子たちに別れを告げ、織田軍の攻撃を受ける大高城に、兵糧を送り込む任務に就いた。敵方の猛攻をくぐり抜け、大高城にようやくたどりつき、喜んだのもつかの間、桶狭間から衝撃の知らせが届く。大高城に押し寄せるのは、あの織田信長であった。織田軍に包囲される中、家族が待つ駿河に戻るか、故郷の三河へ進むか、それとも籠城か。元康は決断をせまられるのだった。
  • 奥州狼狩奉行始末
    3.6
    第15回角川春樹小説賞受賞作 「狼との闘いの描出に秀でたものがある」北方謙三 「一種の『チームもの』『バディもの』としてもよく出来ている」今野敏 「時代小説の持つべき要諦を完璧に押さえている」今村翔吾 「『狼狩奉行』という役職に着目した点が鋭く、ミステリータッチの部分も効果的」角川春樹 選考委員、満場一致!静謐なるデビュー作。時代小説の本流を継ぐ、新人誕生。 江戸時代、馬産が盛んな地域にとって、狼害は由々しき問題だった。そのため、奥州には狼を狩る役――狼狩奉行が存在した。狼狩奉行に就くよう藩から申し渡された、岩泉亮介。父が三年前に非業の死を遂げ、家督を継いだ兄も病で臥せっている。家のため、命を受けた亮介だったが、今、狼の群れは「黒絞り」という見たこともない大きな頭目に率いられ、かつてないほどの狼害を引き起こしていた。だが「黒絞り」を追う内に、父の死の真相、藩の不正問題にまで繋がり……。狼狩を通じて描かれる、自然と人。時代小説に新風を吹き込む静謐な世界。
  • 名将宮崎繁三郎 ビルマ戦線伝説の不敗指揮官 新装解説版
    -
    名将の資質とはなにか--功名を排し、己れの本分に徹して人心掌握につとめ、寡少の兵力に甘んじつつも、百戦不敗の名を轟かせた名指揮官の生涯を綴る陸軍人物伝。万骨枯るインパールで、英軍司令官をして賞賛の辞をおしまない戦闘を展開した日本陸軍きっての戦略・戦術家の生きざまを活写する感動の戦記文学。
  • 大海軍を想う
    -
    日本海軍の誇り高き威容。大いに興るものへの憧憬と哀惜、再び帰ることなき死者への鎮魂を清冽なる感動と共に伝える名著。 (※本書は1981-01-01に発売された書籍を電子化したものです)
  • 清六の戦争 ある従軍記者の軌跡
    4.7
    75年前、日米激戦のさなか、フィリピンの前線の洞窟で日本語の新聞が作り続けられていた。 死と隣り合わせの兵士たちがむさぼるように読んだ「神州毎日」。 その時、新聞は何を伝え、何を伝えなかったのか。自らも新聞記者となったその子孫が、 その足跡をたどる旅に出る―― ※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください
  • ファニー 13歳の指揮官
    3.7
    しっかりしなきゃ.わたしが泣いたら,だれが小さい子たちをなぐさめるの?――第二次世界大戦時,ナチスドイツ支配下のフランスから,子どもたちだけでスイスの国境をめざした,ユダヤ人少女の驚くべき実体験.命がけの逃避行と,手をさしのべてくれた人たちの記憶を鮮明に物語る.映画『少女ファニーと運命の旅』の原作本.

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  • 龍馬を斬った男 今井信郎伝
    3.0
    暗殺者のレッテルを覆す、その知られざる生き様!! 気鋭の歴史学者が描く、初のノンフィクションノベル!! 幕末の英雄・坂本龍馬を斬った男、今井信郎。見廻組に属して龍馬を斬ったことのみが注目されてきたが、この男の本領は、龍馬暗殺以後にあった。鳥羽伏見から五稜郭までの激烈な戊辰戦争を戦い抜き、維新後は、西郷隆盛に加勢し西南戦争に従軍しようとした。牧之原開墾にも従事、ついには初倉村(現・静岡県島田市)の村長にまでなり、後半生を地域振興に捧げる。官軍史観では見えてこない敗れし男の美学と生き様を描ききる! 明治維新150 年記念出版!!
  • 広島の二人 人間愛を無慈悲に打ち砕く原爆の悲劇
    5.0
    ★広島県知事・湯崎英彦氏推薦 一瞬にして多くの生命と暮らしを奪った原爆投下。 しかし、その広島から時代や国籍を超えた 人間愛の物語を生み出す 『作家の想像力に心が震えた』 ■広島の二人 友情を無慈悲に打ち砕く戦争と原爆の悲劇 脚本家・菊島隆三から未発表脚本「広島の二人」を託された保坂延彦が、 脚本の後日談となる「ミツ子の物語」も加えて小説化。 「8.6」を心に刻み、 受け継ぐ人々の姿を、時に切なく、時に逞しく描く。 1945年8月広島。 捕虜となった米国兵アーサーは、持ち前の反骨心により藤田軍曹と常日頃から対立していた。 一方の藤田は、捕虜生活の中でも誇りを失わないアーサーに対し、内心では秘かな敬意を抱いていた。 だが、藤田の内心を知らないアーサーは、かねてから画策していた脱走計画を実行する アーサーの身を案じ、単身で追跡する藤田。 二人の奇妙な旅路はやがて奇妙な友情を生む。 しかし、そんな二人の頭上から、敵味方を問わない無慈悲な黒い雨が降る。 そして数十年後「広島の二人」の物語が再び始まる。 ■著者 保坂延彦(ほさか のぶひこ) 映画監督・脚本家・小説家 1945年山梨県身延町生まれ。 明治大学文学部卒 「アフリカ物語」 80で監督補、総編集を経て監督デビュー。 斬新な映像感覚は80年代のヌーベルヴァーグとも評された。 (主な作品)「父と子」「愛しき日々よ」「国士無双」「そうかもしれない」「潜伏」の脚本・監督。 その他、ドキュメンタリー、アニメーション作品等を多数創作し独自の世界観に評価が高い。 ■原案 脚本家 菊島隆三(1914~1989)(後にシナリオ作家協会により菊島隆三賞創設) 黒澤映画にも多数脚本を執筆し、日本映画遺産となる代表作品を生み出し海外からも高く評価されている。 菊島隆三作品は、時代や国境を超える普遍性を持っており、 国内外の映画やドラマのリメイク作品として多数製作されている。 ■原案 脚本 安藤日出男
  • ドローンの世紀 空撮・宅配から武装無人機まで
    3.0
    手軽に空撮ができる、無人宅配のツールになる、災害現場の調査に使えると、人気のドローンだが、一方で軍事用の無人機(UAV)も進化を続け、テロ掃討作戦などに用いられている。新しいビジネスを生み出す「空の産業革命」か? 恐ろしい「無人暗殺兵器」か? その全貌を明らかにする
  • 福沢諭吉の事件簿 I
    -
    歴史読本の知的興奮、理屈だけではなく剣豪小説のスリリングな展開、探偵小説の謎解き、伝奇小説の自在さを併せ持った、知的エンターテインメント歴史小説誕生! 司馬遼太郎、池波正太郎、隆慶一郎、山田風太郎ほかの達成をアウフヘーベン。哲学者・鷲田小彌太が満を持して書き下ろす本格歴史大河小説。これまで見たことのない幕末明治の歴史風景が広がる。 薩長でも佐幕でもない諭吉という視点から眺めると、「尊王攘夷」「開国」「長州征伐」「大政奉還」「文明開化」「西洋事情」「慶應義塾」……が、まったく違った物語に見えてくる。 「竜馬暗殺」については、驚きの新説を展開!
  • 婉という女・正妻
    5.0
    土佐藩執政、父・野中兼山(良継)の失脚後、4歳にして一族とともに幽囚の身となった婉。男子の係累が死に絶えた40年後、赦免が訪れ、自由となったものの、そこで見たのは、再び政争の中で滅びてゆく愛する男の姿であった……。無慙な政治の中を哀しくも勁く生きた女を描き、野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞した名作「婉という女」に、関連作「正妻」「日陰の姉妹」の2篇を付し、完本とする。
  • 歴史作家の城めぐり――戦国の覇権を競った武将たちの夢のあと<特典付電子版>
    4.0
    【電子書籍特典11城追加版】 第一級の歴史作家が読み解く、関東甲信の隠れた名城46のガイド お城ブームを反映して、城に関する書籍が多数出版されている。安土桃山期以降の豪華絢爛な天守閣を擁する城を中心に取り上げた書籍もあれば、戦国期の軍事色が強い古城を扱った書籍まで百花繚乱である。 本書は、気鋭の歴史作家として注目される伊東潤氏が、これまでの多くの作品で舞台としてきた関東甲信の名城を紹介するもの。多くはこの地域の覇権を競った北条氏、武田氏、真田氏、徳川氏にまつわる城である。 単なる名城ガイドや探訪記ではなく、歴史作家である伊東氏が綴る各城にまつわる物語や縄張り(城の基本設計)の解説が本書の特徴。読めば必ず現地を訪れたくなるし、一度行った城でもまた行きたくなる。 特典付電子版は紙の書籍ではお伝えしきれなかった11城を新たに加えました。 この本は、ディープな城ファンや伊東潤ファンはもちろん、これから関東甲信の城めぐりを始めたい方々にもおすすめです。 【目次より】*特典付電子版のみ 序章 城の基礎知識 第1章 東京都(滝山城、石神井城、江戸城、*浄福寺城) 第2章 神奈川県(小田原城、玉縄城、津久井城、三崎城、*石垣山城、*小机城) 第3章 埼玉県(武州松山城、菅谷城、杉山城、*忍城、*岩付城) 第4章 千葉県(国府台城、佐倉城、臼井城、本佐倉城、*関宿城) 第5章 群馬県(岩櫃城、太田金山城、松井田城、沼田城) 第6章 栃木県(唐沢山城、祇園城、宇都宮城、*足利氏館) 第7章 茨城県(逆井城、額田城、小幡城、*石神城) 第8章 山梨県(新府城、躑躅ヶ崎館、岩殿城、*若神子城) 第9章 長野県(高遠城、上田城、大島城、旭山城、*戸石城) 第10章 静岡県(諏訪原城、下田城、興国寺城、丸子城、*田中城)
  • シナン(上下合本版)
    -
    一六世紀、壮麗王スレイマン大帝のもとで繁栄を誇るオスマントルコ帝国に、工兵から宮廷建築家へと昇りつめた男がいた……。「石の巨人」と呼ばれ、史上最大のモスクに挑んだ天才建築家シナン。百年の生涯で四七七もの建造物を手がけ、かたちなきイスラムの神を空間に描こうとした男の物語――。悠久の都イスタンブールに刻まれたその軌跡を辿り、薫り高きイスラム文化に迫る渾身の歴史長篇。〈解説〉角野史比古
  • 画狂其一
    4.3
    現代美術にも通ずる大胆な空間構成が高く評価され、欧米の美術界で江戸琳派の旗手として広く知られる鈴木其一。酒井抱一の内弟子として画業をスタートした其一は、師の死後、どのようにして「夏秋渓流図」「朝顔図屏風」のような奇想の絵を描いたのか!? 絵師としての苦悩、波瀾に満ちたその生涯を描く歴史小説。
  • 妖曲羅生門~御堂関白陰陽記~
    4.0
    平安の都の南、宇治の里に鉄輪をかぶる凄まじい鬼女が現れた。しかし追い詰めると更に奇怪なことに――(「妖曲鉄輪」)。平安王朝華やかにして、魑魅魍魎の跋扈する京の都。若き貴公子の兄弟・藤原道綱と道長が、源頼光率いる坂田公時、渡辺綱らと、妖しき謎の数々を追う。歴史・時代小説と本格ミステリーを見事にエンターテインメントに織り上げる、才気溢れる著者の傑作。
  • 千の証言 あの戦争を人々はどう生きたのか
    4.0
    筆舌に尽くしがたい戦禍と長い苦難の道のり。日本人はあの戦争(第二次世界大戦)をどう捉え、どんな思いで生きてきたのか?2014年から毎日新聞とTBSテレビの共同で戦争の悲惨さと平和の尊さを次の世代に伝えていく大型プロジェクト「千の証言」が2015年、話題になった。本書はその「千の証言」として毎日新聞に寄せられた数々の体験を編んだ記録的価値のある1冊。戦後70年を過ぎ、戦争体験者の高齢化につれ、戦争の記憶がどんどん風化していく今、戦争にまつわる証言をあらためて発信し、これまで口をつぐんできた多くの体験者から得た体験を伝える。戦争にまつわる「一枚の写真」「思い出の品」「心に残る風景」「忘れられない言葉」......。戦争を経験したご本人のみならず、家族、遺族からの声も掲載。
  • 四十郎化け物始末 3冊合本版
    3.0
    元は江戸屋敷勤番の侍だった月村四十郎。この男、からすにつきまとわれているため“からす四十郎”と綽名されている。病気の妻を抱え、用心棒稼業で糊口をしのいでいたが、借金は増えるばかり。易者に「死相が出ている」と言われ自棄になった彼は、礼金は高いが用心棒仲間も嫌がる化け物退治を引き受ける。油問屋の巨大な人魂、そば屋の閻魔、医院の骸骨。次々に依頼が舞い込むが、その正体は……。化け物騒動の裏に見え隠れするのは、あやうい人の心の闇。「心に闇、人が化け物――」今日も四十郎は、そう呟くのだった。人気著者が放つ、「四十郎化け物始末」シリーズ3冊合本版!
  • 覇王の家(上下) 合本版
    4.0
    徳川三百年――戦国時代の騒乱を平らげ、長期政権(覇王の家)の礎を隷属忍従と徹底した模倣のうちに築き上げた徳川家康。三河松平家の後継ぎとして生まれながら、隣国今川家の人質となって幼少時を送り、当主になってからは甲斐、相模の脅威に晒されつつ、卓抜した政治力で地歩を固めて行く。おりしも同盟関係にあった信長は、本能寺の変で急逝。秀吉が天下を取ろうとしていた……。 ※当電子版は『覇王の家』(上)(下)の全二巻をまとめた合本版です。
  • 滔々と紅 (本のサナギ賞受賞作)
    3.7
    全国の書店員が「世に出したい」新作を選ぶ、エンタメ小説新人賞 第 1 回 本のサナギ賞大賞作品が文庫版で登場! 「読み終えたときは胸が震えた。完成度の高さで群を抜き、これほど読ませる作品を書く作者が、いままで無名であることが信じられなかった」 さわや書店・松本大介 <あらすじ> 天保八年、飢饉の村から 9歳の少女、駒乃(こまの)が人買いによって江戸吉原の大遊郭、扇屋へと口入れされる。駒乃は、吉原のしきたりに抗いながらも、手練手管を駆使する人気花魁、艶粧(たおやぎ)へと成長する。 忘れられぬ客との出会い、突如訪れる悲劇。苦界、吉原を生き抜いた彼女が最後に下す決断とは…。 「ここは吉原じゃ。世間からは苦界とか地獄とか呼ばれておる。お前にもそのうちわかる。ここから生きて出たければ強い心を持たんといかん。それができないものは死んでいく。馴染むものには極楽じゃ、嫌う者には地獄じゃ。まあ、これはどこも同じじゃがな…… 地獄か極楽かはお前さん次第じゃ」 本書は2017年に小社より刊行された著作を文庫化したものです。
  • パラオの恋 芸者久松の玉砕
    -
    太平洋戦争末期、パラオ・ペリュリュー島の激戦で死んで行った兵士の中にひとりの美しい女性がいた―彼女はその後ひそかに『ペリュリューのジャンヌダルク』と呼ばれ、人々の記憶の中に生き続けていた。五年に及ぶ取材を経て、この伝説の女性の実像をみごとに描き切った著者渾身の作!!
  • 新・平家物語 一~六巻セット【紅蓮の巻】
    -
    1~2巻1,650円 (税込)
    晩年の吉川栄治が執筆に7年もの歳月を費やした超大作が遂に電子化! 平家の栄枯盛衰を描いた本作品。 全十二巻のうち前半6作品をセットにしました。 【各巻あらすじ】 一巻 20歳の清盛は、父が誰なのか、思い悩みながらも、家を出た母(祇園女御=泰子)とも確執が生じる。 二巻 保元の乱が遂に勃発。時代が抱えていた膿みが一気に出てくる。さまざまな思惑、利権が複雑に絡み合い、保元の乱後も世は禍根を残す。 三巻 後白河上皇の信認を得て、太政大臣にまで上り詰める平清盛。娘の徳子を入内させ、平一門の栄華を極めていく。しかし、仁安3年(1168年)、清盛は病に倒れる。 四巻 伊豆では配流されている頼朝と北条時政の娘・政子が出会う。他方、都では、反平家の機運が徐々に高まり、いわゆる鹿ケ谷事件が起こる。 五巻 後白河法皇と平清盛との抗争が激化する中、ついに頼朝が以人王(もちひとおう)からの令旨を拝し、挙兵する。 六巻 挙兵した頼朝は、鎌倉を拠点に定める。そして黄瀬川の陣で、頼朝はついに末弟義経と初の対面を果たす。
  • 黎明の笛
    完結
    3.2
    陸上自衛隊特殊作戦群が 竹島“奪還”!? そのとき航空自衛隊司令部は―?そして日本と韓国の運命は……。大好評だった『黎明の笛 KDP版』(アマゾンKindle)の単行本化にともない、大幅に改稿・パワーアップして贈る同時発売の新・電子版!航空総隊司令部を舞台に、元空自幹部の著者が放つ、緊迫感あふれる異色エンターテインメント堂々の発進!
  • 父の陣中日記
    -
    貴重ないのちへのいとほしさにあふれた、戦争の時代の証言集。
  • 飛鳥残映 ―聖徳太子異聞―
    NEW
    -
    新たな切り口で聖徳太子の実像に迫る! 聖徳太子に関わった人物たちが、それぞれの立場から太子の偉大さを回顧し、飛鳥時代の終焉を見つめる―― 歴史の転換点を描く壮大な群像劇。

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  • 耄狂耄語
    -
    あなたに“読む資格”は存在するのか 現代社会の「正しさ」を疑い、 物事の本質を見抜く生きた哲学書。 ――正解を求めるな。最適解を探せ 「正解」は時代の変容に耐えられない。答えは常に、その瞬間の「最適解」でなくてはならない。 ――賢くなるより、愚直であれ 努力なき「賢さ」は「小賢しさ」に堕ちる。「愚直」に徹して生きれば、真理への道が観える。 ――明るい道より、暗い道を選べ 分かれ道では、自分が損する道を選べ。その犠牲が相手の心を動かし、巡り巡って自分に返ってくる。 凡庸を嫌い、愚直を愛し、一所懸命に生き抜く76の教え

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  • 信長様と猿 小牧城から天下布武への思い出
    -
    織田信長との邂逅が運命を動かした——。 桶狭間の戦いや美濃攻略、そして信長の死。二人の運命が交錯する歴史の裏側には、どんな思いが隠されていたのか?「猿」と呼ばれた秀吉が激動の戦国を駆け抜けた、知られざる波乱と栄光の物語。

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  • 克己
    -
    守られた権益か、勝ち取る未来か 今や、海外から日本人のメンタリティーと誤解されている、切腹や、戦前の価値観では美徳とされた『死を持って失敗の責を償い』それを命じた権威。その考えや行為、その存在の愚かさを彼は、この時代に既に喝破し、故に、参集してきた若者に説きたかったのだろう。(本文「克己」より)

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  • 晋作に銭を持たすな
    -
    動乱の世に現れた長州の風雲児には、"天狗の目"があった 鎖国時代、外の世界に目を向けた師匠・吉田松陰に惹かれ、彼の遺志を継いだ松下村塾門下生たち。異端児・晋作もその例に漏れず、上海視察を通じて世界の現状とその真理に到達し、日本の未来を案じて開国を目指した。同時に故郷長州藩のために自らが発起して「奇兵隊」を創設。時代を見抜く力を持った青年がもたらした日本の夜明けを描く。 生まれ持った鋭い洞察力と激しい行動力で周囲を驚かせ、やがてはその求心力で藩の救世主となった高杉晋作。 破天荒な彼の嵐のような生き様と、その裏で紡がれた愛の物語。

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  • 義満と世阿弥
    -
    その出逢いは、宿命。 室町時代を舞台に緻密で重厚な筆致で描かれる、傑作歴史小説。 死んでも覚えているのは何なのだろう。 詩歌か、音曲か、それとも涙か―― 片や、己の欲するがまま、この世の全てを掌中に収めた男。 片や、深い悲しみと屈辱を糧に己の全てを芸術に捧げた男。 運命的に交差する二人の、三十四年に亘る物語。

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  • タケル―空白の四世紀、日本を統一した青年の物語―
    -
    倭は国のまほろば たたなづく 青垣 山籠れる 倭し麗し 彼の夢は今もこの地にあふれ、強く温かく見守っている―― 比類なき英雄、ヤマトタケルの姿を新しい解釈で描いたファンタジーノベル。 1700年前、世界の涯(みぎわ)のとある国に大きな夢と志を持った皇子がいた。 その名はヤマトタケル。若き彼は大王に命じられ、西国征伐の旅に出た―― 運命を背負い立ち上がった青年は何を思い、この地を駆け抜けたのか。 この国の始まりに思いを馳せる、ロマンあふれる壮大な神話物語。

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  • 合本版 夢幻(上・下)
    -
    本能寺で織田信長が討たれた。わずかな供と堺にいた盟友の徳川家康は、明智光秀の追っ手から逃れるため切腹せんとするも、本多忠勝ら重臣に止められる。ここで死ねば、三河と駿河・遠江の家臣がそれぞれ幼少の息子たちを担ぎ、家が「割れる」というのだ。家康は、今は亡き長男信康の不在を嘆くが……。二人の英傑とその後継者の相克を描いた、二部構成の骨太な戦国ドラマ。 【目次】 第一部「夢の天下」 徳川家康  序 章  第一章 夢の始まり  第二章 苦難の舟出  第三章 動くべきとき  第四章 当主として  第五章 危難の日々  第六章 夢の果て  終 章 第二部「幻の天下」 織田信長  序 章  第一章 夢の始まり  第二章 混迷する西  第三章 ひとときの休息  第四章 継承の始まり  第五章 坂の途中  第六章 見えた頂  終 章   解 説  細谷正充
  • ぴりりと可楽!
    4.3
    お笑い興行が禁止されて100年。旦那衆の道楽となった「お笑い」を、庶民の娯楽へと飛躍させた江戸落とし噺の元祖・三笑亭可楽のまっしぐら人生! 三宅裕司さん、春風亭昇太さん、大絶賛! 櫛職人の又五郎は「お笑い」好きの粋な旦那衆が揃う〈噺の会〉の下っ端ながら、大坂からやって来たお笑い芸人を向こうに回し、ここでやらなきゃ江戸っ子の名折れとしゃしゃり出る。が、急ごしらえの寄席はたった五日で店仕舞い。自分のあまりの不甲斐なさに江戸の街を飛び出した又五郎、百戦錬磨の芸人たちが集う街道沿いの宿場町、越ヶ谷・松戸で揉まれて丸二年。修行の末にようやく掴んだ前代未聞の即席芸〈三題噺〉で一世一代の大勝負に打って出る! 又五郎「確かにおいら、頭の軽い江戸っ子よ。いつも思い付きでおっちょこちょいをやっちゃあ、周りに迷惑をかけてきた。難しいことを考えるのは苦手だし、もとが無学な職人だ。だがなあ、この三題噺ってやつは、ただの思い付きじゃァねえ。今度は違うんだ。――おいらだけの創意工夫だよ」 於奈津「あたしを嫁にしたいだろう? じゃァ、いくらでも待ってやるから、かならずイイ男になって迎えに来て!」 源兵衛親方「いいか、又五郎。生きるってえのは、そりゃァ苦しいもんだ。若え頃に、心の中にある『言い訳』ってえ阿片に毒された半端モンはな、いつか必ず、生きる苦しさに負けて、あれやこれやと言い訳をしては楽に逃げこむ。女房子供を育てるてえ、お天道様との当たり前の約束から、言い訳まみれで逃げ出そうとしやがる。そういう半端なクソ男のせいで不幸になった女子供を、この町でたくさん見て来たんだ。於奈津だけは、そんな男にゃァ触れさせねえ」 小鉄「アニキは顔がよくって背が高い。粋でイナセな江戸職人で、何をやらせてもうまくやる。おいらを見ろ、奉公先ではバカ扱い、〈噺の会〉では下手扱い。女にゃモテず、顔も悪けりゃ屁も臭い。そんなおいらがガキの頃から一緒のアニキのためになんかやろうと思って何が悪いんだ!」 左団次「貴殿は拙者にとって師匠でござる。下谷稲荷での勧進のおり、酔客の狼藉に動揺した拙者をかばって舞台に飛び出し、師匠はおっしゃった。『あるもん全部さらして生きるしかねえんだよ。汚かろうが下手だろうが、面白かろうがツマらなかろうが、これが左団次だ』と。恥ずかしながら拙者そのものでござる。拙者、このような言葉をいただいたのは、生まれてはじめてに候。この感激、命を賭すに値すべきもの」 大田南畝「新しきものはバカが創ってきた。手前のような小賢しい年寄りは、なにかとうじゃうじゃ文句を付けて、新しきものをつぶしてしまう。今日登壇する奴らはわずかに二十代。正真正銘のバカであるゆえ、安穏に新しい事ができるのでございます」
  • ジョン・マン 6 順風編
    4.1
    2~3巻1,672円 (税込)
    シリーズ第六弾は、二等航海士としてフランクリン号に乗り込む万次郎の冒険と成長を描く。凪や嵐に悩まされながら的確な判断で船長を支え、成長するジョン・マン。郷土の先達、中浜万次郎ことジョン・マンの奇跡の生涯。鎖国日本から漂流し、初めてアメリカの地で生活を送り、初めて地球を一周し、自力で帰国した誇るべき日本人の物語!
  • 決戦!設楽原 武田軍vs.織田・徳川軍
    3.5
    累計18万部を突破し、ますます進化を続ける「決戦!」シリーズ。今回の舞台は鉄砲が雌雄を決した「設楽原(長篠)の戦い」。武田軍と織田・徳川軍、両軍はいかに戦ったのか。徳川信康、武田頼勝、朝比奈泰勝、真田昌輝ら七人の武将の戦いに、七名の作家が挑む。
  • 悪党の戦
    3.5
    後醍醐帝に請われ正成は倒幕の兵を挙げた。悪党の戦を世に示し力を結集するために。真言の真理を社会に実現するには、「悪党の世」を築かねばならぬのだ。――希代の英雄を描く本格長編歴史小説。
  • 建礼門院徳子
    3.7
    平清盛の娘、許されぬ愛の遊戯。「あなたがいたから、死ねなかったのです」。清盛の娘・徳子が、平家でただ一人生き残ったのは偶然ではなかった。禁忌を恐れず、憎むべき相手を愛してしまった女の懊悩とは――。後白河法皇の強さに惹かれた女の生涯。長編歴史ロマンス。
  • 義仲これにあり
    4.5
    平家を討ち破りし先兵となるも、京洛を追われた悪逆の徒、木曾冠者・源義仲――。勝者の歴史に刻まれた彼の姿は、はたして正しいものなのか? 父を身内に殺され、孤独の身で木曾に追いやられた不肖の“源氏の子”。己の血に抗い、立ち向かい、新しい国のありようを求めて戦い抜く男は、やがて天下に手をかける。人の幸せとは何か? 義仲が胸に抱きつづけたテーマを軸に、誰もみたことのない「源平合戦」の幕が上がる!
  • ジョーの夢 新島襄と徳富蘇峰、そして八重
    4.0
    ジョーには夢があった。日本初の私立大学設立という、大きな夢が。明治初頭、日本の青春期に誕生した偉大なる教育者。鎖国最中にアメリカに渡り、後に同志社大学を設立する新島襄の姿を、その愛弟子にして日本初のジャーナリスト・徳富蘇峰は見守り続ける。ライバルは、慶應義塾大学設立を目指す福澤諭吉。ハンサムな妻・八重(2013年大河ドラマ「八重の桜」主人公)に支えられ、襄の夢は明治を駆け抜ける。
  • 砕かれざるもの
    3.5
    関ヶ原で敗れ、流人のまま朽ち果てる運命にあった備前宰相・宇喜多秀家とその一族。加賀百万石の取り潰しに将軍家が動き出したとき、彼らは絶海の孤島から立ち上がる! 戦いに参ずるのは、若き剣士・宇喜多秀景、柳生十兵衛率いる柳生一族。さらには伊藤一刀斎、宮本武蔵らの剣豪たちも入り乱れる。運命に抗う者たちの、命を賭した戦いの結末は――。荒山流“純粋剣豪小説”、ここに誕生!
  • 純忠 日本で最初にキリシタン大名になった男
    完結
    3.5
    当時、異彩をはなっていたであろう大名・大村純忠について、清涼院流水氏が7年の取材をもとに記した渾身の歴史エンタテイメント。 「人は、俺を人外と呼ぶかもしれぬ。だが、それが何であろう。」 歴史の闇に葬られたキリシタン大名の全貌が、今、蘇る! 信長より1年早く生まれ、戦国時代を生き抜き日本で初めて洗礼を受けた大名「大村純忠」(おおむら すみただ) ザビエル来日の前年に18歳で当主となり、数々の合戦を戦い抜き、長崎港を開き、領内の寺社を焼き払い、天正遣欧少年使節をローマに派遣した稀代の戦国武将、大村純忠の波乱万丈の生涯。
  • 帝国妖人伝
    3.6
    犯人は誰? 探偵こそ誰? 時は明治、那珂川二坊は文学で名をなさんとす。尾崎紅葉に師事すれど執筆がかなうのは小説どころか三文記事ばかり。この日も簡易食堂に足を運び、ネタを探して与太話に耳を傾けた。 どうやら昨晩、かの徳川公爵邸に盗人が入ったらしい。蓋を開ければ徳川公にも家人にもこれと云った被害はなく、盗人は逃走途中に塀から落ちて死んだという不思議な顛末。酔客らは推論を重ねるが、「そりゃ違いますやろ」という声の主、福田房次郎が語り始めたのは、あっと驚く“真相”だった(「長くなだらかな坂」)。 京都・奈良をつなぐ法螺吹峠、ナチス勃興前夜のポツダム、魔都・上海ほか、那珂川の赴く地に事件あり、妖人あり! “歴史・時代ミステリの星”伊吹亜門が放つ全5話の連作短編集―― 絢爛たる謎解き秘話を通して、 〈あの人〉たちの妖人ぶりにあらためて瞠目した ――有栖川有栖(作家) 著者の本領発揮作と呼ぶに相応しい完成度 ――千街晶之(ミステリ評論家)
  • 平家物語
    4.0
    一章完結形式の新感覚の歴史大作! 日本古典文学史上の名作を、作家林真理子氏が換骨奪胎。「鹿谷の謀議」「一の谷の合戦」「壇ノ浦の戦い」「大原御幸」など、誰もが興味を惹かれる著名な場面、現代人の心に響く部分だけを抽出して鮮やかに再構築しました。スピード感あふれる展開! 美しい情景描写! さらに、平安時代末期の平家源氏皇室を取り巻く、ドロドロとした抗争に翻弄される人々の内面を、丹念に、リアルに描き出した部分は圧巻!  治部卿局、平清盛、平維盛、平敦盛、建礼門院徳子、二位尼時子、後白河法皇、源義経、阿波内侍と、人物ごとに全九章で構成される本作は、一章完結形式なので、前から順番に読んでも、どこから読み始めても楽しめる仕掛け。これまで「平家物語」には興味はあるけれど、前から長々続く展開に“途中で挫折した”という読者も、本作ではグイグイと引き込まれていくことでしょう。歴史ファン、古典文学ファンのみならず、現代小説のような感覚で楽しめる“令和の平家物語”になっています。 “滅びゆくもの皆美しく…。「平家物語」には日本美のすべてが凝縮している” と語る、林真理子氏、渾身の歴史大作、ここに誕生です!
  • 和算忠臣蔵
    -
    吉良、浅野を操る黒幕は…。忠臣蔵の真相! 暦作りを巡る秘法・利木に対立する朝廷と幕閣。両者の綱引きの手駒として利用された吉良・浅野。実力者の思惑に引き裂かれる和算への情熱、武士の意地、恋の行方……。華麗な元禄を駆け抜ける青春群像。
  • 石田三成の青春
    4.0
    戦国の知将・石田三成の若き日々。のちの天下人・豊臣秀吉や親友・大谷吉継との出会い、軍師・竹中半兵衛との関わり、本能寺の変の裏側、忍城水攻めの真相、三成襲撃事件に隠れた友情、吉継との関ヶ原への誓い、そして――。三成の家族や恋人、妻子も登場させ、悩み、傷つき、笑い、親友・吉継と未来を開こうとする等身大の人間・三成の姿を描く。歴史・アニメ・ゲームファンなど待望の戦国青春ノベルで、また歴史学者・笠谷和比古氏(『関ヶ原合戦と大坂の陣』著者・帝塚山大学教授)にも注目されている。
  • 雪辱 真説・井伊直弼
    -
    井伊直弼は本当に暴虐な政治家だったのか。史料を丹念にたどることで薩長史観を正し、井伊直弼の人生を浮き彫りにする。また、今まで知られていなかった史料から、彦根藩士・小西貞義が仇敵・徳川斉昭を討つまでを活写した幕末小説。
  • 誰に似たのか 筆墨問屋白井屋の人々
    3.8
    隠居した老母の恋に振り回される兄妹、跡取り息子の教育に悩む大店の主人、実家の隠し子騒動に苛立つ嫁……。女の幸せは、男次第、金次第なのか? 江戸の商家を舞台に、一筋縄ではいかぬ家族の絆と情愛を描いた痛快時代小説。
  • 英龍伝
    3.3
    開国か戦争か。いち早く「黒船来航」を予見、未曽有の国難に立ち向かった伊豆韮山代官・江川太郎左衛門英龍。誰よりも早く、誰よりも遠くまで時代を見据え、近代日本の礎となった希有の名代官の一代記。明治維新から180年。新たな幕末小説の誕生。『武揚伝』『くろふね』に続く、幕臣三部作、堂々完結! ※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください
  • 伊達の企て
    4.5
    独眼龍の野望。東北魂を見ろ! 陸奥・出羽(東北)連合軍を仕立て、日本全国を切り取ってやる! 一度目〈天正十八年(一五九〇)〉の夏は時間が足りなかった。二度目〈天正十八年(一五九〇)〉の冬に行った謀は失敗した。三度目〈慶長五年(一六〇〇)〉の正直。四度目〈慶長二十年(一六一五)〉の再挑戦は……。秀吉死後、関ヶ原前夜、政宗は家康に呼応し、山形の最上義光とともに会津の上杉謙信を攻め、上杉領の白石城を攻め落とした。しかし中央での東軍と西軍の争いは長期化するとみて、上杉と講和し、南の相馬、北の南部を攻める機会をうかがっていた。しかし、政宗の予想ははずれ、関ヶ原の戦いは一日で決してしまう。石田・徳川の思惑、上杉・最上との複雑な外交戦。秀吉、家康、時の政権を翻弄しながら、戦国の世をしたたかに生き抜いた伊達政宗の新たな人物像を巧緻な筆致で描く。書き下ろし歴史小説。 ※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください
  • 信長は西へ行く
    -
    美濃の国を手に入れたことで、信長の天下統一の野望は膨らむ。そして西へ行くのである。京都へ向かうだけではなかったのが、時代の寵児、奇才といわれた所以である。南蛮文化を学び、取り入れ、西洋の為政者たちの例に新しい治世を夢見ていたのかもしれない。ローマの皇帝シーザー、暴君ネロの声を聴き、さらにキリストの磔刑像も。信長は彼らを「南蛮人」と揶揄するのではなく、日本の堕落した仏教徒の姿と比較にならない高邁な志を、宣教師たちとの交流に感じ取っていた。信長の夢は世界を駆け巡り、際限なく拡がって行く。西洋と信長という新たな視点で描く歴史物語。 ●第一章:信長元服す ●第二章:信秀、美濃との戦い ●第三章:一族の相剋と桶狭間合戦 ●第四章:天下布武への野望 ●第五章:ルイス・フロイスとの邂逅 ●第六章:殉教と一揆 ●第七章:形勢は目まぐるしく ●第八章:安土城築城の夢 ●第九章:風雲急を告げる 「天下布武への野望」……美濃から京へと西へ向かった信長は、その先に南蛮を見る。西洋と信長という新たな視点で描く歴史物語。岐阜築城450年記念出版された本の電子版。
  • 児玉源太郎 日露戦争における陸軍の頭脳
    -
    領土拡大の野心をみなぎらせ、南下を続けるロシア。戦って、勝たなければ、日本もいずれ植民地化されることはまぬがれない。日露戦争とは、そういう戦争だった。絶対に負けられないギリギリの状況の中で、その陸戦の総指揮をとったのが、本書の主人公・児玉源太郎である。自らの使命に無私の精神で臨むとき、人間はどんな存在になれるか? 私欲のみを追求する今だからこそ顧みるべき、明治人の心を読む。
  • ぼくせん 幕末相撲異聞
    3.3
    時は幕末、勧進相撲で禁じ手を使い角界追放となった三峰山岩蔵。進退窮まった彼は元行司の式守庄吉らとともに「観客に見せる」格闘技を立ち上げる。名付けてぼくせん──第8回朝日時代小説大賞受賞の著者による鮮烈な最新「格闘」時代小説。
  • 島津の陣風 義久の深謀、義弘の胆力
    3.3
    慶長5年9月15日、関ケ原──。家康本陣めがけて、島津義弘率いる1500の軍勢が駆け抜けた! やがて改易を狙う徳川方と本領安堵を図る島津との虚々実々の駆け引きが始まる。義久・義弘ら島津家と家康・本多正信・黒田官兵衛など徳川方との知略を尽くした戦いが始まる。
  • 明治維新を創った男 山縣大貳伝
    -
    吉田松陰が「心の師」と仰いだ男がいた! 松陰は百年前の思想家・山縣大貳の書を読んだとき初めて、それまでの思想を変え、「倒幕」を意識したのだ……。享保十年(1725)、甲斐国に生まれた山縣大貳は、さまざまな学問を身に着け、頭角を現していくが、ある不幸な事件により、甲府勤番与力の職を解かれてしまう。江戸に移り住んだ大貳は、時の権力者・大岡忠光に見込まれて仕えた後、学校を開き、その知識と人柄からたくさんの生徒を集めるようになっていった。しかし、著書『柳子新論』において、四民平等を訴え、「王政復古」「天皇親政」が理想の政治形態だと説き、やがて幕府からその思想を危険視されるようになり……。松陰より百年も前に革命の精神を説き、明治維新の隠れた火付け役となった気骨の思想家の生涯をさわやかに描く、感動の歴史長編。

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  • 戦旗 大坂の陣 最後の二日間
    3.7
    真田幸村は死中に活を求めて家康本陣めがけて攻め込んだ! 猛将・後藤又兵衛、大坂方最後の砦・毛利勝永らと、対する徳川方の独眼竜・伊達政宗、戦の寵児・水野勝成、家康の外孫・松平忠明──戦国最後の大合戦を活写する群像時代活劇。
  • とまどい本能寺の変
    3.0
    天正十年(一五八二)六月、本能寺の変勃発! 天下にあと一歩まで迫っていた織田信長死す! これはピンチか、はたまたチャンスか!? この驚天動地の事態に、息子・織田信孝は誰につこうか右往左往し(「最後の忠臣」)、家臣・滝川一益はかつて褒美として関東の領地より茶道具を選んでおかなかった決断を後悔し(「関東か小なすびか」)、敵将・安国寺恵瓊は秀吉と和睦を結んだ後で真相を知って歯ぎしりし(「南の山に雲が起これば」)、側室・おなべは誰も安土城を守ろうとする者がいない中、懸命に声を張り上げた(「信長を送る」)。 思わぬ事態に接した時ほど、人間の本性は出てしまうもの。あなたに似た人物もどこかに出てくるかも。信長の死によって運命を変えられ、大きな岐路を前にとまどう男たち、女たちを温かく(?)描いた、共感たっぷりの連作短編集。

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  • 日米開戦の悲劇 ジョセフ・グルーと軍国日本
    3.0
    日米開戦70年を経たいま、このような視点の書物が出されたことを心から歓迎し、かつ一日本人として感謝したい。──渡部昇一氏「推薦のことば」より本書は五・一五事件の直後1932年から、太平洋戦争開戦後の1942年まで、10年という異例の長さで駐日大使をつとめたアメリカ人外交官ジョセフ・グルーの目を通して、軍国日本の真実を描く異色作。国際連盟脱退、二・二六事件、日中戦争、日独伊三国同盟、仏印進駐、日米交渉、そして真珠湾攻撃につながる激動の10年を「日本の真の友」(牧野伸顕)グルーは、どのように見、どのようにワシントンに報告したのか。そこに浮かび上がるのは、戦後の常識をくつがえす日本の政治プロセスの破綻だった。本書はグルーについてのいわゆる評伝ではない。アメリカ人外交官の本音と視座を踏まえながら、日米開戦に至る昭和前史に新たな視点から切り込もうとした試みである。

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  • 鬼と三日月
    3.0
    尼子家再興を目指す山中鹿之介らの前に、奇怪な忍法を操る蜂屋党が出現する。窮地を救ってくれた風魔の女忍びは、蜂屋党の恐るべき目的を語り始めるが……。超絶の忍法合戦と時空を超えた展開。
  • 龍馬のピストル
    3.0
    幕末きっての英雄・坂本龍馬が、北辰一刀流の剣豪ながら短銃を愛用し、寺田屋事件では包囲する幕吏に発砲して難を逃れた話はよく知られている。「スミス&ウェッソン第II型」、通称アーミー・モデル、中折れ式の回転式連発銃(リボルバー)である。スミス&ウェッソン社は、1852年に設立されたアメリカ合衆国最大の銃器メーカー。映画「ダーティー・ハリー」でキャラハン刑事が愛用する「44マグナム」などを開発している。創業まもない同社のピストルを、幕末のヒーロー・坂本龍馬が愛用していたことは、それだけでロマンを掻き立てられる。本作品は、寺田屋事件に始まり、龍馬とお龍の薩摩へのハネムーン、その後の薩長連合・大政奉還での活躍を経て、近江屋での暗殺に至る龍馬の疾風のごとき生涯を、「龍馬のピストル」の数奇な“運命”とともに描いた長篇小説である。龍馬の死後、彼の手を離れて流転するピストルの後日譚も印象的な傑作となっている。

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  • 忍び秘伝
    4.0
    永禄4(1561)年、川中島――。甲越双方6割の兵が命を落とす地獄の戦を左右した兇神「御左口神」。その力を利用すれば、天下もたやすく手に入るとされる兇神をめぐり、武田・上杉両軍、謎の忍者・加藤段蔵、若き日の真田昌幸、そして山本勘助が暗躍する書き下ろし長編時代エンターテインメント!

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  • 黒猫 沖田総司の死線
    3.9
    沖田総司は天然理心流の天才的達人で、新選組の面々とともに喧嘩三昧の日々を過ごす。総司と同じ結核で最愛の女ミズ、池田屋騒動、残党狩り、禁門の変、坂本龍馬……。自分はなにを斬っているのだろうか? 痛快新選組青春グラフィティ!

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  • 白鷺立つ
    4.3
    第32回松本清張賞受賞作 異形の歴史小説 玉照院の師弟は“やんごとなき秘密”を抱えていた―― 天明飢饉の傷痕いまだ癒えぬ比叡山延暦寺に、失敗すれば死といわれる〈千日回峰行〉を成し遂げようとする二人の仏僧がいた。 歴史に名を残すための闘いは、やがて業火となり叡山を飲み込んでいく。
  • 初瀬屋の客 狸穴屋お始末日記
    3.2
    断ち切れぬ相手への想い。繋がる縁もわかれ縁も―― 人情時代小説の名手が描く江戸の離婚模様 〈離婚調停のスペシャリスト〉たちが営む公事宿、狸穴屋。 自らも亭主に三下り半を突きつけた絵乃が立ち向かう次なる難題は――? ◎収録作品 祭りぎらい…浅草三社祭りが離縁の種に!? 三見の三義人…200年前、質に入れられたのは「海」だった 身代わり…訴えられたのはなんと、評定所のお偉方 夏椿…離縁を承知しない夫に嗅がせた妙薬とは? 初瀬屋の客…公事師の娘の頼みは、「客の後をつける」こと 証しの騙し絵…30年前に別れた夫が町へ戻ってきたらしい。狙いは?
  • 秘仏の扉
    4.2
    直木賞作家が描く、明治開国の仏を巡る群像 200年の間、固く閉ざされていた扉。 それはフェノロサと岡倉天心の手によって開かれた―― 飛鳥時代に聖徳太子の姿を模して造られたと言われる、 法隆寺夢殿・救世観音像。 その厨子は鎌倉時代以降、固く閉ざされ、 扉を開けば直ちに仏罰が下ると信じられていた。 「金のために秘仏を見せるというのか」 「支援がなければ、法隆寺はもう保てません」 国内では廃仏毀釈の嵐が吹き荒れ、 しかし、欧米では東洋美術が評価され始めている。 近代化と伝統の狭間で揺れる明治時代に、 秘仏開帳に関わったものたち、それぞれの思いとは。 直木賞作家が描き出す歴史群像劇の傑作。
  • 合本 義経【文春e-Books】
    4.0
    【上下巻合本版】 みなもとのよしつね――その名はつねに悲劇的な響きで語られる。源氏の棟梁の子に生まれながら、鞍馬山に預けられ、その後、関東奥羽を転々とした暗い少年時代……幾多の輝かしい武功をたて、突如英雄の座に駆け昇りはしたものの兄の頼朝に逐われて非業の最期を迎えてしまう。数奇なその生涯を生々と描き出した傑作長篇小説。
  • 記録 ミッドウェー海戦
    5.0
    1942年6月のミッドウェー海戦は、日本がアメリカに大敗を喫し、太平洋戦争の転換点となった海戦である。この海戦の取材は著者の予想を越えて、約7年に及ぶ壮大なプロジェクトとなった。日米双方の戦死者を調査し、戦闘経過を史料から跡付け、敗戦原因の定説であった「運命の5分間」に異を唱えることとなったのだ。本書は、ときにミッドウェー島へ赴き、日本側3056名、アメリカ側362名の戦死者の生年、所属階級、家族構成などをあらゆる手をつくして突き止め、手紙やインタビュー等を通じて戦死者とその家族の声を拾い上げた圧巻の記録である。「彼らかく生き、かく戦えり」。全名簿と統計を付した第一級の資料。
  • 中国の歴史シリーズ 近・現代篇 全2冊合本版
    -
    列強の蚕食に苦しむ清国では、甲午の役(日清戦争)の敗戦で不満が爆発。保皇派の康有為は公車上書を著し、立憲君主制を提唱する。義和団事変で8ヵ国連合軍が紫禁城に乱入し、権勢を誇った西太后も光緒帝(こうしょてい)と西安に逃れた。王朝打倒を目指す孫文ら若き革命家たちは集結を始める。 『中国の歴史シリーズ 近・現代篇(一)』『中国の歴史シリーズ 近・現代篇(二)』 全2冊合本版
  • 流人道中記(合本)
    3.0
    累計50万部突破! 『一路』『壬生義士伝』の浅田次郎が贈る、新たなる国民的時代小説。 万延元年(1860年)。姦通の罪を犯したという旗本・青山玄蕃に、奉行所は青山家の所領安堵と引き替えに切腹を言い渡す。だがこの男の答えは一つ。 「痛えからいやだ」 玄蕃には蝦夷松前藩への流罪判決が下り、押送人に選ばれた一九歳の見習与力・石川乙次郎とともに、奥州街道を北へと歩む。口も態度も悪い玄蕃だが、道中で行き会う抜き差しならぬ事情を抱えた人々を、決して見捨てぬ心意気があった。この男、仏か、罪人か?
  • 桎梏の雪
    3.0
    【第15回小説現代新人奨励賞受賞作】 家元の誇りを賭け、青春を捧げ、戦う若き棋士たち。江戸の将棋家の興亡を鮮やかに活写する傑作時代小説。 「江戸時代の棋聖たちが鮮やかに甦る感動の将棋小説。今、若手がしのぎを削る棋士たちの源流がここにある!」―加藤一二三九段 「将棋に関する描写の的確さには感心した。定跡とか詰将棋とか、一行一行が深い知識に裏付けられていなければ、物語はたった一行で瓦解する。しかし作者の将棋への圧倒的な知識に、読み進めていくうちに安堵感に包まれていった。江戸期の将棋界。そこにこんなにも壮大なロマンが広がっていたことに、胸がときめく」―大崎善生(『聖の青春』著者) 「ミステリーの要素も加わり、読者の興味を離さない。真相の描き方も新人離れしている。とんでもない力量の持ち主なのだ。さらに個々のキャラクターも魅力的である」―細谷正充(文芸評論家) あらすじ) 文化六年(1809年)、江戸将棋界の重鎮・九世名人大橋宗英が惜しまれつつ世を去る。しかし、将棋三家、大橋家・伊藤家・大橋家の分家(宗与家)の間での名人後継ぎ選定は家元間の政争激しく、伊藤家の宗看が十世名人を襲名するまでには16年もの歳月を要してしまう。大橋分家七代目当主・宗与は、その間に生じた将棋家の衰退を憂いていた。自身は父宗英から棋才を継ぐことができなかったものの、鬼才・英俊を養子に迎え将棋家再興のため尽力する。養子ゆえの気後れを見せつつも、英俊は名人宗看に次ぐ実力者へと成長していった。妹で初段棋士の弦女も宗与家に活気を与える存在であった。まだ幼い宗与の嫡子・鐐英も、大橋家の弟子・留次郎(後の天野宗歩)と友情を分かち合いながら日々研鑽を積んでいく。しかし、それとは裏腹に本家と分家の間には確執が生じていた……
  • 落梅の賦
    3.0
    「俺は、武田を食うぞ」戦国最強を誇った甲斐武田家の落日。家を滅ぼす二人の裏切り者が出る。一人は、武田信玄の腹違いの弟、武田六郎信友。そして、一族衆筆頭、穴山梅雪。「武田の海」を任された二人は、なぜ悲劇の引き金を引いたのか――。歴史小説界で、いま最も注目される「ヒストリーテラー」武川佑の第二作長編。
  • 孟徳と本初 三國志官渡決戦録
    4.0
    「友よ、お前は強い。だが、俺はどうしても勝たねばならぬ」帝を擁する奸雄・曹操孟徳と名門袁家の王者・袁紹本初。中原の覇者となり天下を望むには、かつての友が最大の障壁となった。劉備、関羽、筍イク、筍攸、許緒、田豊、郭図、文醜、顔良、英雄たちが、荒ぶり謀る三國志前半の大決戦「官渡の戦い」を描いた長編歴史小説。
  • 「最後の特攻隊」の真相 消された偵察機「彩雲」
    4.0
    昭和二十年終戦当日、宇垣纏中将の最後の特攻を目撃した偵察機搭乗の中尉が残した謎の手記が存在した。偵察機搭乗員が明かした宇垣特攻の真実とは?なぜ、この手記が一顧だにされないのか。戦後置き去りにされてきた終戦時最大のミステリーに挑む!

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  • 京屋の女房
    4.0
    山東京伝とふたりの妻、そして江戸出版の黎明期を 賑わせた重鎮たちが躍動する! 2025年大河ドラマの主役で話題の 蔦重が見出した江戸時代のマルチクリエイター 山東京伝が主人公の長編小説! 山東京伝には前妻と後妻、二人の妻がいた。 後妻のゆりは少々浮世離れした夫との暮らしに戸惑い、 「出来た前妻」の影に嫉妬を覚えながらも、 完璧な妻を目指して奮闘していく。 京伝と二人の妻にまつわる感動的な場面や、 スカッとして笑える悪者退治の騒動など、 読み応え満載の物語。
  • 家康、江戸を建てる
    4.1
    天正十八年、家康は関白・秀吉から関東二百四十万石への国替えを要求された。そこは、水びたしの低湿地が多い広大な土地。家臣団の猛反対をよそに「関東には、のぞみがある」と受け入れた家康。貧村・江戸を本拠と定め、街づくりに着手。利根川東遷、神田上水、江戸城築城……日本史上最大、驚天動地のプロジェクトが始まった! ピンチをチャンスに変えた究極の天下人の、面目躍如の挑戦を描く快作誕生!
  • 真書太閤記
    -
    転職十数回の末につかんだ武家奉公に嬉々とはげむ若き藤吉郎――のちの太閤秀吉。潔癖にすぎる主君・信長の折檻、柴田勝家ら上役の嫉み、同僚の蔑み……数多の困難を奇貨として、陽気に叱られ、上役をやりこめ、頭角を現す快男児の胸おどる成功譚。著者急逝で未完に終わった、安吾日本史の最後をかざる快作。

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