歴史・時代作品一覧

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  • 異伝最上義光 立志編
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    1994年に学研の第1回歴史群像大賞を「うつけ信長」で受賞し、その後はノンフィクションで活躍していた著者が、満を持して世に問う歴史小説の再デビュー作品。 尾張の織田信長が頭脳的な作戦を駆使して大軍の今川義元を破り、その名を天下に知らしめた後、甲斐の武田信玄が密かに入京の機会をうかがっていた永禄年間の後期。 表面上は静かに見えた東北地方でも、水面下では覇権争いの動きが加速化しつつあった。羽前山形の最上宗家。開祖が斯波兼頼という由緒ある家柄でありながら、いまは米沢の伊達家に首根っこを押さえられ屈辱を味わっている立場。10代当主義守はお家存続が大事とばかりに伊達家の顔色をうかがっているが、嫡男義光はそんな父の態度に我慢ならず自主独立の炎を内に燃やしていた。義光の攻撃的な気性に不安を覚えた義守は家督を次男の義時に譲り、伊達家との友好関係を保持しようとする。伊達家の当主は輝宗。後に勇名を馳せる梵天丸(政宗)はまだ2歳そこそこの幼子だった。 火花がはじける。父義守と次男義時が、義光抹殺へと動き始めたそのとき、機が熟したとばかりに義光が起つ。城から闇夜にまぎれて脱出した義光のもとに、最上家の権威復活を待ち望んで密かに連帯していた者たちが一気に結集する。義光の幼馴染みで山寺立石寺にて修行中の身だった光源坊(氏家守棟)、義光脱出を手引きした山家兄弟(義治、知治)、最上家と縁の深い五光山宝幢寺の尊海和尚……。そして、義光決起の時を陰で仕組んでいた黒幕は意外にも……。 歴史的評価が「好」「悪」に二分されて、未だ人物像が定まっていない戦国武将最上義光。その最上義光の生涯を独自の歴史観と鑑識眼で活写し、新鮮な人物像を描き出す『異伝最上義光』の第1巻「立志編」。 冒頭から主要人物たちが生き生きと躍動する、歴史小説ファン必読の一書。 〈目次〉 一 冬眠から醒めた熊 二 百丈岩の誓い 三 出直しの小僧丸 四 上方風の町づくり 五 船出の朝 六 熊ときつねの戦い 七 新時代を開く

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  • 伊東一刀斎 上之巻
    -
    武田、上杉、織田らが天下をうかがう戦国の世、比叡山を望む琵琶湖畔の一向門徒の許に育った夜叉丸(のちの一刀斎)少年は、旅の途中にあった剣聖・塚原卜伝に出会う。剣の奥義に触れた夜叉丸は兵法者を志し、亡父の縁を頼って独り北国加賀の地を目指すが……。行く手を阻む幾多の難敵と対峙し、美しき女性に翻弄されながらも逞しく成長していく剣豪の青春の日々。
  • 伊藤博文
    -
    明治の最高指導者として内閣制度の創設、憲法の制定など、わが国を西欧列強に伍する近代国家に育て上げた初代内閣総理大臣・伊藤博文。松下村塾に学び国事に奔走した若き日々。明治の世になってからは、新政府を築いた大久保、岩倉等の後を継ぎ、「周旋の才」を活かして権力の階段を昇りつめていく。国の想い、天皇の厚い信頼を得て、日本の舵取りを行った偉大なる政治家の生涯。

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  • 糸切れ凧 決定版~研ぎ師人情始末(二)~
    5.0
    八王子千人同心の家に生まれたが、研ぎ師となった荒金菊之助(あらがねきくのすけ)はある日、常陸(ひたち)屋に押し込むという男と女の話を耳にする。はたして常陸屋の主が殺され、五百両が盗まれた。下手人はその男女なのか、それとも失踪した養子の貞助(さだすけ)なのか……。人情にもろく、お節介な菊之助の直心影流(じきしんかげりゅう)の剣が冴える。人気時代作家・稲葉稔の原点シリーズが、決定版として新たに登場。
  • 糸車
    3.9
    深川の長屋で独り暮らしのお絹。三年前までは、松前藩家老の妻だったが、夫を殺され息子勇馬は行方不明。小間物の行商をして、勇馬を探し続けている。商いを通じて、同心の持田、茶酌娘などと親交を深めるうち、様々な事件に巻き込まれ、それぞれの悩みに共感し奔走するが……。船宿の不良娘と質屋のどら息子の逃避行、茶酌娘の縁談、そしてお絹に芽生えた静かな愛。下町の人情が胸に染みる時代小説。
  • 糸針屋見立帖 韋駄天おんな
    4.0
    切り盛りしている糸針屋を江戸一の店にするのが夢である千早のもとに転がり込んできた天真爛漫な娘・夏。好奇心が高じて、岡っ引きの手伝いを始めた夏は、ある日、人の手首をくわえた犬がいるとの噂を耳にする。手首の主は同じ長屋の住人。彼はなぜ殺されたのか。事件の真相を追う二人は、知らぬ間に絶体絶命の窮地に立たされていた――。
  • 糸針屋見立帖 逃げる女
    4.0
    「わたし……売られてきたんです」。糸針屋ふじ屋の前で倒れていた若い女・お夕は泣きながら、逃げてきたことを告げた。聞けば、親の借金返済のため吉原に売り飛ばされたのだという。しかも、故郷には将来を誓った男が。千早と夏は、浪人・小川金三郎と共に彼女を救うことを決意。だが、お夕を探す女衒の執念がどこまでも一行を追いつめる――。
  • 糸針屋見立帖 宵闇の女
    5.0
    ある晩、酢醤油問屋で二人の脱藩浪士が殺された。偶然近くの舟着場で、頬に血のついた怪しい男を目撃していた自由奔放なお転婆娘・夏は、居候先の糸針屋女店主・千早と共に事件の真相解明に乗り出す。ところが解決の糸口を探るうちに、一人、また一人と周りの人間が殺されていく。気がつくと、不気味な男の影は夏のすぐ近くまで迫っていた――。
  • 糸満アンマー―海人の妻たちの労働と生活―
    -
    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第3弾。 2012年5月15日は沖縄県本土復帰40年の節目の年を迎える。 沖縄をめぐるテーマにこだわり、多彩な執筆者を得て沖縄本としては最も大きな森を形成してきたおきなわ文庫シリーズ。 本書の著者は法政大学沖縄文化研究所国内研究員として活躍中。本シリーズでは貴重な女性執筆者の一人である。タイトルにある“アンマー”とは沖縄の方言でお母さんの事。22年の時を経て著者本人による電子版あとがきを追記した電子復刻版。 「著者は東京生まれである。本書は徹底したフィールドワークの勝利の記録である。追込網漁法で南方まで雄飛した糸満漁民と共にしたたかに生き抜いてきた糸満アンマーたちの生活と祭祀空間とりわけ『門(ジョー)』の存在を追って、著者の足跡は本島はもとより宮古・八重山さらには周辺離島にまで及ぶ。「カミアチネー(魚の行商)」「ワタクサー(私財)」はもとより「イチマンウイ(沖縄県にかつて存在していた年季奉公制度)」の実態も精密な聞き取りと厳密な資料検証により、その本質が浮かび上がってくる。日本の昭和史を沖縄の地より逆照射したといえる本書によって、我々はまた百年の知己を得た。(1990年初版発行時の作品紹介文より)」
  • 稲妻を斬る 剣客旗本奮闘記
    3.5
    剣は滅法強いが、金と女にちと弱い。そんな目付影働き・青井市之介が、最強の敵に決闘を挑む!! 神田川沿いの樹蔭で、八丁堀同心の亡骸が見つかった。左腿と首が無残に斬り裂かれている。殺された同心は、行徳河岸にある廻船問屋・本田屋の強請の件を調べていた。その裏には、御目付も恐れる巨悪の影が――。市之介は、朋友・糸川俊太郎、糸川の配下・佐々野彦次郎と探索に乗り出す。下手人は、必殺の剣「草薙の太刀」を操る強者だった。非役の旗本・市之介が巨悪に迫る。著者の鳥羽亮氏は「正義の剣と家族や友とのふれあいを楽しんで下さい」と語る。『残照の辻』『茜色の橋』『蒼天の坂』『遠雷の夕』『怨み河岸』に続く、大人気シリーズ「剣客旗本奮闘記」第六弾!
  • 古の女王
    -
    「ようこそ、古びた歴史図書館へ」 その台詞から始まる彼方とアベルの物語。 まず彼はスペイン王国の誕生の切っ掛けのレコンキスタから語っていく。 そして、徐々に明らかになっていく事実。 そして、アベルは今世でイメージされているものを消そうとフアナの事を語っていく。 語り終えた時、彼はどうなるのか?
  • 彼岸花の女~乾蔵人 隠密秘録(一)~
    3.0
    小石川養生所で渡世人が労咳(ろうがい)で亡くなった。南町奉行所の隠密廻り同心・乾蔵人が、その身許(みもと)を確かめるべく探索を始めると、二十年前に盗賊に押し込まれた茶道具屋玉泉堂(ぎょくせんどう)に関わりのある男だと判明した。数多(あまた)の大名旗本の御用達となっている玉泉堂の過去に大きな疑惑が持ち上がる。表題作「彼岸花の女」ほか、胸のすく作品を収録した、人気作家待望の新シリーズ第一弾。
  • 戌亥の追風
    3.7
    嘉永6年、黒船来航に揺れる江戸。木更津の薪炭問屋の娘おきょうは、深川の材木商との談判のため単身江戸へ向かうが、警戒を強める船番所に留置されてしまう。彼女の危機を救おうと、密かに想いを寄せる仙之助をはじめ、男たちが動き出す。騒動に乗じて悪事を企む者たちも現れ、事態が複雑化する中、若き二人の運命やいかに。川面をはしる風のように、心に爽やかな印象をはこぶ傑作時代小説。
  • 犬侍の嫁 居眠り同心影御用4
    -
    北町奉行所同心の蔵間源之助は桜の名所飛鳥山で、かつて道場で竜虎と謳われた剣友が花見客の弁当をあさる姿に驚愕。訊けば、二十年務めた弘前藩を出奔し、妻を離縁して江戸に来たという。三百石の御馬廻りにまで出世した男がなぜ野良犬侍と蔑まれるのか。同じ頃、弘前藩御納戸頭の斬殺体が柳森稲荷で発見された。
  • 犬を飼う武士 十時半睡事件帖
    4.0
    松林に捨てられた子犬が縁で、めぐり合った若い侍と武家の娘。犬好きの二人は、やがてほのかな愛を互いに抱くのだが、現実には二人とも意に添わない縁談に縛られ、苦悩していた。やがて二人は、武家社会の掟破りに挑む。福岡・黒田藩の総目付・十時半睡が、泰平の世に起きる武家社会の難問を裁く、シリーズの第4集。NHKでドラマ化もされた名シリーズ!
  • 居眠り同心影御用 源之助 人助け帖
    4.3
    その名を聞いただけで江戸中の悪党どもが震え上がる、北町奉行所筆頭同心の蔵間源之助は、さる事件探索の余波で、居眠り番と蔑まれる閑職に左遷された。暇で暇で死にそうな源之助に、ある大名家の江戸留守居から極秘の影御用が舞い込んだ。盗まれた神君家康公拝領の大名物を捜し出してほしいというのだ。
  • 井上真改(しんかい)~御刀番 左京之介(九)~
    4.0
    駿河国汐崎藩の国許で一揆の噂がたった。汐崎藩の御刀番頭・左京之介は、噂の真偽を確かめるため、さっそく国許へ向かう。汐崎藩領内へ入った左京之介を待っていたのは、汐崎藩を混乱させんとする一派。そして、敵の手には、名剣「井上真改」が。はたして、左京之介は、一揆を防ぐことができるのか。手に汗握る策謀の応酬と迫力の剣戟満載のシリーズ第九弾。
  • 伊能忠敬
    4.0
    緯度一度の正確な長さを知りたい。五十五歳、すでに家督を譲った隠居後に、奥州・蝦夷地への測量の旅に向かう。艱難辛苦にも屈せず、初めて日本の正確な地図を作成した晩熟の男の生涯を描く歴史小説。
  • 異能の絵師爛水 : 1 花鎮めの里
    3.0
    ある春の日、櫛流村にやってきた爛水という名の不思議な絵師。花鎮めの祭の最中に起きた騒動を解決し、次第に村人の信用を得ていく。奇跡のような出来事を次々と披露する爛水だったが、その正体はいったい!? 強力新人による書き下ろし時代小説。
  • 亥子ころころ
    値引きあり
    4.0
    “思い”のこもった諸国の菓子が、強張った心を解きほぐす――。 親子三代で営む菓子舗を舞台に、人の温もりを紡いだ傑作時代小説! 武家出身の職人・治兵衛を主に、出戻り娘のお永、孫娘のお君と三人で営む「南星屋」。 全国各地の銘菓を作り、味は絶品、値は手ごろと大繁盛だったが、治兵衛が手を痛め、 粉を捏ねるのもままならぬ事態に。不安と苛立ちが募る中、店の前に雲平という男が行き倒れていた。 聞けば京より来たらしいが、何か問題を抱えているようで――。
  • 居残り兵庫事件帖 甘露梅の契り
    -
    吉原の元締の妓楼に「吉原の難事、大小問わず引受申し仕り候」と看板を掲げる一人の居残りが居た。男の名は楯兵庫。大名でさえ帯刀を許されない吉原で、唯一二尺四寸の太刀を差す凄腕の居残りだ。「廓の探偵」を自認する彼が引き受けた依頼は、遊女たちの間で流行り始めた危険な“毒煙草”の出所を探ること。すでに客にも被害が出始め、一刻の猶予もない。そして探索を始めた兵庫を待ち受ける悪とは!? 長篇時代小説。 ●片倉出雲(かたくら・いずも) 別名義で100冊以上の著作を持つ覆面作家。伝奇作家・朝松健の変名との噂もある。
  • 命賭け候 浮世絵宗次日月抄
    値引きあり
    4.0
    気品あふれる妖し絵を描かせれば江戸一番、後家たちが先を争ってその裸身を描いてほしいと願い出る。 相場は一両。女たちの秋波をよそに着流し姿で江戸市中を闊歩する浮世絵師宗次、実はさる貴顕の御曹司。 訳あって絵師に身をやつしているが、世の不条理には容赦せぬ。 今宵も怒りの揚真流が悪を討つ。 着流し剣客、ここに登場。傑作時代小説。
  • いのち買うてくれ
    値引きあり
    -
    宝暦十一年(一七六一)、主君を誑(たぶら)かす不届き者・丸屋を闇討ちせよとの密命が遠山弥吉郎に下る。弥吉郎は正義のため、そして家禄の引き上げのためにこれを受諾。しかし謀略に巻き込まれ、妻子とともに江戸へ逃げることになってしまう。並ならぬ貧苦により、武士とは何か、命とは何であるかを見つめなおす弥吉郎とその家族。そして彼らはひとつの真理に辿りつくが……。魂震える時代小説。
  • いのちなりけり
    3.8
    あのとき桜の下で出会った少年は一体誰だったのか──家同士の因縁がひと組の夫婦を数奇な運命へと導く。“天地に仕える”と次期藩主に衒(てら)いもなく言う好漢・蔵人と“水戸に名花あり”と謳(うた)われた咲弥。二人は夫婦となりながら結ばれぬまま、たった一首の和歌をめぐり、命をかけて再会を期すのだが──。水戸光圀公と将軍綱吉の関係が緊張してゆく時代、思いがけず政争の具となりながら、懸命にそして清々しく生きる武士の姿を描いた力作長篇。
  • 命の値段 生命保険を創った男たち
    4.0
    貴殿の命は百円なり。生命保険という名の命の絆に賭けた男たちの熱き志を描く! 明治の初め、質屋を営んでいた角田小太郎は、友人の巡査の死や新興商人・安田善次郎との出会いを機に、庶民のための「人命保険」結社を立ち上げた。しかし、「宵越しの金は持たない」江戸っ子たちに生命保険の精神を浸透させるには、多くの災厄と困難に立ち向かわねばならなかった――福沢諭吉が日本に初めて紹介した生命保険の黎明期を描く感動の歴史ドラマ。
  • 命の版木
    -
    仙台で無禄厄介の林(はやし)子(し)平(へい)は、江戸・蝦夷・長崎を訪れ見聞を広め、海防の必要性を著すが、老中・松平定信から本・版木の回収を命じられる。子平は、版木の彫師お槇(まき)と二人で『海国兵談』の完成を目指すが、幕府の監視は日に日に強まり、二人は命をかけて版木を彫ることになる……。第15回中山義秀文学賞受賞作『彫残二人』改題。
  • いのちの螢 高瀬川女船歌二
    -
    公金横領の冤罪が晴れた元尾張藩士の宗因は、国元へ帰らず京都・高瀬川で居酒屋「尾張屋」を開き、無愛想だが旨くて安いと評判になっていた。一方、娘のお鶴は旅籠「柏屋」に嫁ぎ、忙しくも幸せな日々を過ごしている。ある夜、仰々しい振り袖姿に裸足で歩く面妖な若い女が尾張屋に現れ、客の鯵にかじりつき、じっと宗因を見つめた……。

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  • 命もいらず名もいらず 上 幕末篇
    3.8
    1~2巻1,466~1,571円 (税込)
    幕府旗本の家に生まれた山岡鉄舟は、幼い頃から剣、禅、書の修行に励み、おのれを鍛えた。徳川慶喜の意向を受け、西郷隆盛と談判。和議をまとめ、江戸無血開城への道をつくった。朝敵であったにもかかわらず明治天皇の教育係にも任じられる。名誉、官位、金銭に執着することなく、生涯、清貧をつらぬいた。志高く、他人を思いやり、それでいて図太く堂々たる山岡鉄舟の人生は、日本人としての生き方とは何かを問いかける。

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  • いのち燃ゆ
    3.0
    関ヶ原の前哨戦、安濃津城の戦いで、ひとりの美しい武者がいた。富田信高の妻、苳姫の戦場での活躍を描いた表題作に加え、女性の切ない生き方を描いた作品を多数収録。北原亞以子、幻の時代小説を集めた短編集。
  • 命燃ゆ 養珠院お万の方と家康公
    4.0
    戦国末期、美しい満月の夜だった。上総勝浦城主正木家の姫君お万は城を追われ、母と共に断崖絶壁から逃げ延びた。伊豆の小さな里に落ち着き、娘盛りを迎えたお万は淡い恋に心躍らせていた。ちょうどそのころ、お万は伊豆三島の家康の本陣に呼び出される。それはお万の人生の大転換であった。家康の側室となったお万は、関ヶ原の戦い、豊臣家の滅亡、そして、大津波や大地震と多くの惨劇を経験する。家康を支え弱き人々のためにも、東奔西走するお万を突き動かしたのは、母から受け継いだ深く篤い信仰心であった――。力強くしなやかに歩む一人の女性が開く、新しき時代の黎明を描いた歴史小説。

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  • 伊庭八郎 凍土に奔る
    値引きあり
    5.0
    【『口入屋兇次』『MUJIN -無尽-』で人気の崗田屋愉一によるカラー口絵つき!】 心形刀流宗家に生まれ、「小天狗」と呼ばれた伊庭八郎。遊撃隊の一員として鳥羽・伏見の戦いに参加するが、近代兵器を駆使する新政府軍を前に唇を噛(か)む。箱根山崎の戦いで左腕を失いながらも、八郎は盟友・土方歳三の待つ北へと向かう。幕末から維新、激動の時代に最後まで幕臣として生きることを望み、蝦夷箱館の地に散った若き剣士の苛烈な生涯を鮮やかな筆致で描く。
  • ifの幕末
    3.6
    十九世紀半ば、ゴールド・ラッシュに沸くアメリカに、周囲の男たちから浮いた優雅な身なりの青年が。金鉱を見物に来たフランス人のシオンは、帰国する船賃稼ぎ中のジョン万次郎と出会い、日本への興味を深める。数年後、シオンはオランダ人と偽って開国目前の長崎へ。美しい顔立ちと行動力を武器に、幕府の大物たちに接近し、ついには――。歴史の隙間に“もしも”を巧みにちりばめた傑作長編。
  • 異聞 おくのほそ道
    3.0
    「西行法師の歌枕を訪ねたい」と告げ、弟子の曾良とみちのくへと旅立った松尾芭蕉。その旅には二人の同行者がいた!? 徳川光圀の家臣介三郎と、将軍綱吉の側用人柳沢吉保の密偵すまだ。光圀と吉保は共に芭蕉が相手方の密命を受けていると勘ぐっていた。そして、芭蕉にも、歌枕を訪ねる以外にある目的があった…。「おくのほそ道」をベースに、斬新な発想で描く時代長編。
  • 異聞 太平洋戦記
    3.7
    太平洋戦争は今なお謎に満ちている! 東京大空襲にも真珠湾攻撃にも、史実ならざる「真相」があった。『下山事件 最後の証言』の著者にして大藪春彦賞受賞作家が長年の取材に基づき「あの戦争の闇」を照射する、驚愕のノンフィクションノベル。(講談社文庫)
  • 伊平屋島民俗散歩
    -
    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第7弾。 伊平屋村は、沖縄本島北端の辺戸岬から北西へ33kmの位置にあり、伊平屋島と野甫島の2つの島からなり、田名、前泊、我喜屋、島尻、野甫の五字にわかれている。昭和14年には伊是名村を分ち、現在に至る。 著者は現在でも伊平屋島に足繁く通う名桜大名誉教授で久米島博物館名誉館長と務める上江洲均氏。本書は伊平屋島の衣食住にはじまり、行事や風習、そしてそこに住む人びとの一生まで、まさに伊平屋島がまるごと収まった1冊である。 初版から20余年の時をへた伊平屋島もまた新たな変化を見せている。「近年、伊平屋島は活気に満ちている。圃場整備を終えた水田には稲作、畑にはサトウキビが以前のように栽培され、古くからの風景を見せてくれる。漁港が整備され、漁業が盛んに行われるようになった。ムラの公民館が近代的な建物に新築され、集落と集落を繋ぐ道路が美しく整備された。そこへ島の自然環境や歴史的遺産を保護し活用しようという考え方ができて、「景観保護条例」をつくることになり、私も専門家や島の人びとと共に会議に加わったのである。野甫島に空港建設の話も持ち上がっている。実現すれば島人の期待することがらの一つが実現されることになる。自然と神々の居ます伊平屋島の新たな時代となることであろう。―2012年電子版あとがきよりー」「本書は伊平屋島に限りない思いを寄せる著者が、過去十年余にわたる調査をもとに書きおろしたものである。著者のあたたかい人柄と民俗学者としての眼が達意の文章と相俟って、行間ににじみ出る島の営みは読む者を魅了してやまない。(1986年当時のあとがきより)。」
  • 異変街道(上)
    3.0
    幕府直轄の要衝、甲府勤番に役替されたばかりの鈴木栄吾が死んだ。死んだはずの栄吾に会ったという向両国水茶屋の主人が何者かに殺された。栄吾は生きている――、親友、銀之介は真相究明のため甲州街道を西へ馳る。そのあとを女が、そして岡っ引が、謎の影が追いかける。街道に異変がおきている――。
  • <今川義元と戦国時代>今川家の屋台骨 太原雪斎と岡部元信
    -
    義元の時代に今川家の隆盛に貢献した、太原雪斎と岡部元信を紹介! 智謀神の如しと畏れられた雪斎は、武田・北条家との三国同盟締結に尽力。猛将・岡部元信は小豆坂・桶狭間合戦で勇名を馳せた! 屋台骨として今川家を支えた両名の活躍を解説する。
  • 今ひとたびの、和泉式部
    3.7
    平安朝、大江家の娘式部は、宮中で太后に仕え、美貌と歌の才を高く評価される。和泉守と結ばれ幸せな日々に、太后危篤の報が届く。急ぎ京へ戻った式部を親王が待っていた。高貴な腕に抱きすくめられ、運命は式部を翻弄していく。愛する人たちを失いながらも、歌に想いを綴っていくが…。浮かれ女と噂を立てられながらも、生涯の愛を探し続けた式部。冥き道をゆく謎多き女性を大胆に描く親鸞賞受賞作。
  • いも殿さま
    4.0
    幕府勘定方に勤める旗本、井戸平左衛門は引退を迎え、隠居生活を楽しみにしていた。だが、隠居届けを出そうとしたその日、異動を命じられることに。向かった先は、飢饉にあえぐ悲惨な土地だった──。
  • 伊四〇〇と晴嵐 全記録 改訂増補版
    4.0
    『源田の剣』と並ぶ戦記の“幻の名著”『伊400と春嵐 全記録』が、その後の調査による大幅な加筆訂正を加え、約10年の歳月を経て「改訂増補版」として判型も新たに蘇る。3DCGによる伊四〇〇の口絵付き。
  • 西表島に生きる―おばあちゃんの自然生活誌―
    -
    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第7弾。 本書は編集者である安渓遊地(京都大学理学博士)、貴子(広島大学理学博士)夫妻が1974年から18年かけて、問わず語りの形で聞くことができた山田雪子さんという、西表島のひとりの女性の暮しの記録である。 雪子さんは1999年1月25日老衰のため死去。92歳であった。雪子さんの語りには、大自然の中で暮してきた人たちのシマへの愛着と、子孫の代のことを考えながら生きていくという教えがこめられている。地域に根を降ろして生きてきた人のなにげない語りに、私たちは未来につなげるべき多くのことを学ぶことができる。 本書は明治の末に網取村に生まれた山田雪子さんの生い立ち、そして西表島での暮しの智恵と生活の技術の記録で構成されている。イリオモテヤマネコで有名になった西表島は、どの季節に訪れても緑あふれる島。その自然に注目して「最後の秘境・原始の島」ともてはやされることも多い。しかしそこには、独自の文化と言語をはぐくんできた人々の暮しがあり、山の幸・海の幸・川の幸を活かし、その自然のめぐみに生かされてきた島びとの長い歴史がある。その歴史の中から、神がみにささげる歌と踊りをもつ多くの祭りが生まれ、何度も通うほどに、人と自然と神がみの共存が実感されてくる不思議な魅力をもった島である。  南の島の自然のただ中に生きてきた人々の暮しはどんなものか。西表島の西南部の網取(あみとり)村での、自然にとけこんだ生活の中からうみだされた暮しの智恵と生活の技術を、山田雪子さんが語る。自然のめぐみを大切にする生活の教科書となる1冊が電子書籍として復刻。 「四季を通して緑あふれる西表島に生きる人びとは、昔からその豊かな大自然と共に生きて行く暮らしの知恵を伝えてきました。つつましい祈りに満ちたその世界を、一人の女が食と料理を中心に語りつくします。生き物の暮らしと人間の暮らしに魅せられた編者夫妻の『わが故郷』シリーズ第3弾。「いま自然と共に生きるため」の知恵と技術を満載した手引書(1992年当時の作品紹介文より)。」
  • 西表炭坑概史
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    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第6弾。 日本西南端にある西表島は,西表国立公園,マングロ-ブ林,珊瑚礁,イリオモテヤマネコといった豊かな自然のイメージがある。そんな西表島の西部には明治から昭和にかけていくつかの炭鉱があった。その西表炭坑が姿を消してから、半世紀が過ぎた。名を知っている人でも実態をしる人は少ない。炭坑の歴史はどんなものだったのか、それは忘却の彼方に押しやってもよいのだろうか。 本書の著者は琉球新報入社後、東京支社報道部の記者として沖縄返還交渉などの取材に携わり、同社締役編集局長、取締役副社長、ラジオ沖縄取締役会長を歴任し、現在はジャーナリストとして活躍している三木健氏。 西表島には良質の石炭を産し、明治18年には鹿児島の商人、林太助が炭脈を調査し、三井物産会社と西表島の元成屋などで試掘が行なわれ、明治中期から戦前期まで採掘がさかんに行なわれていた。はじめは囚人が労働者としてあてられたが、やがては広く全国から募集した。暖かくて暮らしやすい南の島へという誘いの言葉に乗ってやってきた人々を待っていたのは、タコ部屋労働であった。地獄さながらの強制労働のほか、焦熱のマラリアの発生などで、採炭事業は困難を極めた。 西表島には今でも炭鉱の跡(丸三炭鉱宇多良鉱業所)が残っている。豊かな自然というイメージとはかけ離れるが,足を運んでみると確かに豊かな自然の中にその跡を見つけることができる。そこには行かなければわからない深い味わいがある。30年の時を経て今回は我部政男氏(山梨学院大学名誉教授)の解説を加え新たにあとがきを改定した電子復刻本。
  • 西表炭鉱夫物語
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    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第8弾。 「拷問による強制労働と命懸けの逃亡―。明治半ばから去る大戦まで西表島の山奥深く展開されてきた炭坑労働の歴史。やがて密林に呑み込まれんとする歴史を、元坑夫たちが生々しく語る。それは炭坑の犠牲者たちが生存者の口を借りて語ったものであろうか。元坑夫たちの生きざまを通して描く西表炭坑の社会。沖縄近代史の恥部であり、暗部である西表島炭坑に再びスポットを当てる。(1990年当時のあとがきより)。」 本書は本シリーズ『西表炭鉱概史』の姉妹編である。当時炭坑に働いていた坑夫たちからできるだけ話を聞き、それを書き留めることにつとめてきたが、本書もそうした取材の過程でめぐり会った坑夫たちの話をまとめたものである。そしてこれらの人たちの生きざまを通して、西表炭坑の世界を描いたつもりである。 9人の体験談で構成されている。 ・炭坑ピンギムヌ譚─西表炭坑の笑い話 ・モルヒネが鉄の鎖だった─元坑夫を基隆に訪ねて ・帰化を拒んだ台湾人元坑夫─陳蒼明の日本告発 ・筑豊から西表へ─坑夫・村田満の生涯 ・昭和の生き地獄をゆく─元少年坑夫の逃亡と巡礼 ・西表炭坑夫の足尾帰郷─流れ坑夫・大井兼雄の軌跡 ・下駄と手ぬぐい残して─坑夫・藤原茂太の独白 ・与論島から来た坑夫たち─女坑夫と農夫の体験 ・炭坑の私立学校で─女教師・安座間幸子の回想 本書を通して血の通った歴史を感じ取っていただければ、それに過ぐる喜びはない。 初版から22年の時を経た電子復刻版。
  • 入り婿侍商い帖 外伝 青葉の季節
    5.0
    善太郎の従兄弟が巻き込まれた“婿入り試合”騒動、お転婆娘のお波津が果敢に立ち向かう祖母孫の危機、札差の女主人として成長するお稲が出会った貧しい武家の兄姉……。人気シリーズ、瑞々しい短編集!
  • 入り婿侍商い帖 凶作年の騒乱(一)
    3.5
    米商いの幅を広げる角次郎。だが凶作の年、信頼関係を築いてきた村名主から取引先の変更を告げられる。さらに村名主は行方不明となり……。世の不穏な空気と、大黒屋に迫る影。角次郎は店と家族を守れるか?
  • イルカ殺し - 大化改新(改)~窯変、乙巳の変の巻~
    -
    イルカ(蘇我入鹿)は、なぜ殺されなければならなかったのか? ウマカシの丘の屋敷で、イルカがナカチコ(中臣鎌足)に明かした秘密とは? 権謀術数が渦巻く古代…。 大国・唐と向き合わざる得ないなか、若きリーダーたちは青春をかけ、列島の生き残りを図る。 東国との軍事同盟、学問堂主でありイルカたちを導いてきたはずのミン法師の二千人計画。 異能の少女・カガミのヒメギミ(鏡王君)との出会いは、なにを意味していたのか。 時代のうねりは、心優しき皇子ナカノオオエ(中大兄皇子)も巻き込んでいく。 いくつもの謎と、ちりばめられた伏線。それぞれの思惑が絡み合い織りなす、壮大な歴史ファンタジーが今、幕を開ける――。 流転する魂が400年間の古代史の秘密を描く伝奇ノベル。 【著者プロフィール】 尾崎 克之 (おざき かつゆき) 埼玉県東松山市生まれ。慶應義塾大学文学部フランス文学科卒業。ゲームブック作品に『学園妖怪バスターズ』『魔幻牛王伝』(双葉社)など。ゲームタイトルノベライズ作品に『エフゼロ』『ワルキューレの冒険』『ゼルダの伝説』『ファイアーエムブレム外伝(上下)』(双葉社)など。2012年、第八回銀華文学賞歴史小説賞奨励賞を受賞。近年は歴史関係書籍・ムックにも部分執筆・編集協力多数。
  • 色懺悔 鼠小僧盗み草紙
    -
    お江戸八百八町といえども夜の闇は深い。闇に忍んで夜の町を跳梁跋扈する怪盗・鼠小僧。岡っ引きの目を掠め、あちらこちらの武家屋敷に出没しては黄金色のお宝をまんまと頂戴する悪党だ。ある日、岡っ引きの又五郎は、大名屋敷の塀から逃げる男をあっけなくお縄にしたものの、その正体は気が良さそうな優男で、魚屋の主人・源次郎だという。噂の鼠小僧かと思ったが、どうやら人違いらしい。これを機に捕物の手伝いをすることになった源次郎だったが……。連作短篇時代小説。 第一話 岡っ引又五郎の失敗 第二話 大工兼七の危難 第三話 義賊蝶吉の改心 第四話 浪人百之助の目算 第五話 奥方寿々の好色 第六話 座頭九郎市の心眼 ●多岐川恭(たきがわ・きょう) 1920年福岡県生まれ。東大経済学部卒。戦後、横浜正金銀行をへて毎日新聞西部本社に勤務。1953年『みかん山』で作家デビュー。『濡れた心』で第4回江戸川乱歩賞を、翌年には短編集『落ちる』で第40回直木賞を受賞。以降、推理小説と共に時代小説も旺盛に執筆した。
  • 色仕掛 深川あぶな絵地獄
    -
    江戸は深川で、平凡な絵草紙屋を営みながら、裏ではご禁制のあぶな絵を売り捌く巽屋孫兵衛、お京の夫婦。男女の淫らな絡みを描いた秘画と、妖しい色香を滲ませるお京めあてに、今日も色欲に狂った男どもがやってくる。孫兵衛、お京と配下の悪党たちが、剣と悪知恵にモノを言わせ、鮮やかな手口で彼らを欺き、身代残らずまきあげる……。痛快無比の8編を収めた連作短篇時代小説「色仕掛」シリーズ、第2弾。 第一話 箱入娘はお目の毒 第二話 女が回る水車 第三話 死んだ夜鷹が福の神 第四話 夢路の果ては地獄の図 第五話 行き暮れて雀のお宿 第六話 心の闇に狂い花 第七話 極楽浄土を逆落し 第八話 怨みの的は生人形 ●多岐川恭(たきがわ・きょう) 1920年福岡県生まれ。東大経済学部卒。戦後、横浜正金銀行をへて毎日新聞西部本社に勤務。1953年『みかん山』で作家デビュー。『濡れた心』で第4回江戸川乱歩賞を、翌年には短編集『落ちる』で第40回直木賞を受賞。以降、推理小説と共に時代小説も旺盛に執筆した。
  • 色仕掛 闇の絵草紙
    -
    表向きは平凡な草紙屋、その実、謀事に抜かりなく、剣の腕も確かな悪党・巽屋孫兵衛。彼が率いるのは、墓守の卯平、女髪結いのお徳、遊女のお新、元浪人の妻・お京といった、ひと癖もふた癖もある面々。色と欲にボケた亡者どもを、あの手この手で引っ掛け、騙し、有り金残らず巻き上げる……。江戸は深川界隅を舞台に繰り広げられる痛快なダーティー・トリック・ストーリー10編。連作短篇時代小説「色仕掛」シリーズ、第1弾。 第一話 あぶな絵の女 第二話 筋書は狂った 第三話 心中者比べ 第四話 カモが来た 第五話 絵絹は玉の肌 第六話 女按摩お京 第七話 塩から仁兵衛 第八話 蜜の滴り 第九話 若衆人形は雪の肌 第十話 責め絵草紙 ●多岐川恭(たきがわ・きょう) 1920年福岡県生まれ。東大経済学部卒。戦後、横浜正金銀行をへて毎日新聞西部本社に勤務。1953年『みかん山』で作家デビュー。『濡れた心』で第4回江戸川乱歩賞を、翌年には短編集『落ちる』で第40回直木賞を受賞。以降、推理小説と共に時代小説も旺盛に執筆した。
  • 色に狂えば
    -
    奈津は不義密通が重罪だと知ってはいたが、小者の小市郎に惹かれ、からだを許した。以来、若い二人は燃え狂う。が、密会は露顕し、夫の茂右衛門は有無も言わせず小市郎を斬った。次の刃は当然、自分へ……と奈津は覚悟したのに、茂右衛門は太刀を納めた。なぜ? どんな仕置が奈津を襲うのか!(『芙蓉』)。直木賞作家が、武家社会の掟に抗う女性を描いた珠玉小説集。
  • 色の道教えます(電子復刻版)
    -
    老中の書面を携えて無刻飛脚が勢州薦野藩へ走った。東海道五十三次を六十時間で繋ぐという無刻。その二人組の一人が江戸娘お衿(きん)、晒木綿で胸を締め上げ男装したお侠(きゃん)の姿を一目見ようと評判を呼んだ。だが薦野へ飛んだお衿らを刺客が追った。書面は、藩主弱年のため世子なく、そのための閨房の秘策を伝授したものであったという。裏長屋の先生月瀬右馬允も一件に絡んでいるらしい……。痛快時代小説。

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  • 色闇
    3.2
    貴くも怪しい色香を持つ美貌の男娼・月弥。盗賊の二代目、犬神の早太郎としてかつて江戸を騒がせていたが、闇の司法官を務めている牙神尚照に正体を見破られてしまう。捕らわれ、犯されたあげくに、密偵となることを強要された月弥は、牙神によって火盗改方・中郷主膳の許に送り込まれる。月弥は中郷に抱かれるようになり、牙神への憎しみを募らせるが――。官能の美を描く、至極の愛の物語。
  • いろの罠(電子復刻版)
    4.0
    小田原城下。悪徳商人吉兵衛の奸計によって犯された若妻おさきは夫と心中。だが、偶然通りかかった蘭医・大村玄庵の手で瀕死の胎内からお柳が生を受けた。十七年後、美しく成長したお柳だが、彼女もまた恋人の友之助と仲間のやくざに凌辱された。お柳は、母を奪い自分を犯した男たちへの復讐を誓い、色道修行を志した。大江戸を舞台に、手練手管で“いろの罠”を仕掛けるお柳の凄艶な闘いを描く官能時代長編。

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  • いろは双六屋 明烏
    値引きあり
    4.0
    時は文政時代――。 主人公は本所で口入屋を営む双六屋の若旦那。 仕事を探して訪れる人々に、新たな勤め先を紹介している。 しかし、若旦那が受け持つ客は、大店の元主、手癖の悪い男、身持ちの悪い女、博打好きな男などなど、「わけあり」の者ばかり。 勤め先を紹介してやったものの、騒ぎが絶えないのが常。父親にはいつも怒られているが、柳に風と気にする風もない。 人生は双六のようなもの。何度でもやり直せる。たとえ失敗しても、「いろは」からまた始めればいい。 これが若旦那の口癖。双六屋の奉公人たちも、ご多分に漏れず「わけあり」な男揃いだが、みな若旦那を慕っている。 困った客が引き起こす騒ぎに翻弄されながらも、懸命にそれを解決しようとする若旦那を、影から支えているのだった。
  • 色は匂へど散りぬるを
    -
    14歳の紀代子は一家で朝鮮へと移住したが、間もなく父親が病死してしまう。父亡き後、困窮した家族を救うために、ハルビンへ働きに出ることを決めた紀代子が連れて行かれたのは、遊廓・千歳屋であった。定められた運命を受け入れた彼女であったが、その先には過酷な出来事が待っていた。 異国の地で、戦争という時代の流れに翻弄されながらも、娘を守り懸命に生きたひとりの女の物語。

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  • 色仏
    4.5
    江戸末期の京都。僧になるため上京した烏(からす)は、ある女に出会い仏の道を捨て、観音像を彫り始める……著者初の時代小説。 解説・雨宮由希夫 ※この電子書籍は2017年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 岩倉具視 言葉の皮を剥きながら
    3.3
    明治維新の立役者の一人、岩倉具視。下級公家に生まれ、クーデターの画策などで幾度となく追放されながら、いかにして彼は権力の中枢までのぼりつめたのか。本作の構想を長年温めてきた著者が、卓越した分析力と溢れる好奇心で史料と対峙。「尊王攘夷」や「佐幕」といった言葉を剥きながら、新たな岩倉具視像を立ち上げることに成功した永井文学の集大成!
  • 隠居おてだま
    3.5
    老舗糸問屋・嶋屋元当主の徳兵衛は、還暦を機に隠居暮らしを始めた。 風雅な余生を送るはずが、巣鴨の隠居家は孫の千代太が連れてきた子供たちで大にぎわい。 子供たちとその親の面倒にまで首を突っ込むうち、新たに組紐商いも始めることとなった。 商いに夢中の徳兵衛は、自分の家族に芽吹いた悶着の種に気が付かない。 やがて訪れた親子と夫婦の危機に、嶋屋一家はどう向き合う? 笑いあり涙ありの人情時代小説『隠居すごろく』、待望の続編!
  • 隠居すごろく
    4.5
    ※本書は、角川書店単行本『隠居すごろく』を文庫化した作品となります。重複購入にご注意ください。 巣鴨で六代続く糸問屋の主人を務めた徳兵衛。還暦を機に引退し、悠々自適な隠居生活を楽しもうとしていたが、孫の千代太が訪れたことで人生第二のすごろくが動き始めた……。心温まる人情時代小説!
  • くたばれ宿敵 隠居大名始末剣
    値引きあり
    -
    十年前、九代将軍徳川家重の御側御用取次役・田ノ倉恒行の謀略によって、丹波から陸奥の僻地へ国替えを命ぜられた井川但馬守友介。老中首座をも目前にする田ノ倉の権勢を貶めるべく、その機会を虎視眈々と狙う井川友介は藩主の座を甥の友永に譲り、朧月寒山と名を変えて市井に下っていた。寒山が目をつけたのは、田ノ倉と商家との賄賂の流れ。無限新影流の遣い手・花村右京ノ介ら四人の側衆とともに商家の裏を探る寒山だが、町家のなかにも金に目のくらんだ悪党どもが蠢いていることを知り……。世間知らずのご隠居大名が、剣客・お庭番・御典医・くの一を引き連れ、世直し始末に挑む!書下ろし長編時代小説。
  • 隠居大名世直し綴り 木遣り未練
    値引きあり
    -
    老中職を辞し、今では隠居している元川越藩主の秋元凉朝(すけとも)は、政敵田沼意次を引きずり落とし、賄(まいない)が横行する世の中を正そうと、機を窺う毎日を過ごしている。そんなある日、贔屓にしている辰巳芸者から、深川で川並鳶(とび)をしている弟が行方知れずになっていると相談を受けた。材木問屋も腐敗しているのか?凉朝の世話をする御侠(おきゃん)なお香奈と、元剣術指南役の楠木又兵衛を引き連れ、世直しする!
  • インテリジェンス1941 日米開戦への道 知られざる国際情報戦
    4.4
    後戻りできなかったのは、なぜか 1941年12月8日、真珠湾攻撃――日米開戦は不可避だったのか。近年新たに公開された史料を元に、日・米・英・独・ソなど各国が行っていた諜報活動=「情報戦」の実態と、数多の人物たちの思惑と欲望が複雑に絡み合いながら、真珠湾攻撃にもつれ込んでいくまでの様を生々しく描く。昨年12月8日に放送され好評を得たNHKスペシャルの書籍化。 ■目次 プロローグ 開戦前夜 第1章 謎のスパイ・ニイカワ 第2章 スパイ・マスターの誤算 第3章 チャーチルの影 第4章 コード・ブレイカー 第5章 独ソ戦錯綜する情報 第6章 ダブル・エージェント 第7章 ポイント・オブ・ノーリターン 第8章 真珠湾潜入 第9章 ワシリエフ文書 第10章 N工作 エピローグ スパイたちのその後

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  • 戦死 インパール牽制作戦
    5.0
    昭和21年2月9日、元陸軍大佐棚橋真作はGHQからの出頭命令に接して、古式通りの割腹自殺をとげた――著者は、その死に疑問をいだき、間近に迫っていたインパール作戦の陽動作戦として実施された「ハ号作戦」に参加した第55師団の生き残りの人々の証言や日録を克明に調べていくうちに花谷正師団長の部下への自決強要の問題が浮かび上がってくる。軍隊という巨大な組織の冷酷無残な非人間性を描いた戦記文学の傑作。著者のインパール五部作の一冊。
  • インパール作戦 日本陸軍・最後の大決戦
    -
    英軍の援蒋ルートを、インドのアッサム地方攻略によって遮断する。これが、インパール作戦の目的であった。昭和18年における、日本軍の後退ムードを断ち切るためには、絶好のカンフル剤となる作戦ではあったが、度重なる図演の上でも、成功の確率は皆無であった。しかし、陸軍は、第十五軍司令官・牟田口廉也中将を核として、昭和19年初頭、その決行に踏み切る。それこそは、日本陸軍の指揮・命令系統の崩壊の始まりであった。旧陸軍出身の著者が、経験に基づいた分析を加えながら、日本陸軍最悪の作戦の様相を描く、書き下ろし戦史。
  • 淫法くノ一返し
    値引きあり
    -
    筑波丈助は二十歳の皆川藩郷士。このたび藩邸の奥向き番という大役を仰せつかり、江戸に出てきたばかりだった。通常、奥向き番は屈強な藩士の役割だが、丈助は色白で小柄、剣術も苦手。そんな丈助が、藩主皆川義明の命により特別に抜擢されたのは、彼が素破の里の出だったからだった。丈助の役目は、皆川藩の鉱山を目当てに、十八歳の佐枝姫との縁をもとうと跳梁する諸大名から姫を守ること。だが、丈助を陥れようと、彼のまわりにはさまざまな美女や間者がうごめきだす。丈助は男女和合の閨房術をもちいて敵と渡り合うのだが……。「くノ一猫目付」と二本立て、オリジナル傑作時代小説。
  • イージス戦艦大和2007(1)艨艟、覚醒す!
    -
    連合艦隊の雄、戦艦『大和』と、海上自衛隊のイージス護衛艦『こんごう』が、時空軸のうねりに巻きこまれて、それぞれ60年あまりをへだてた別世界にタイムスリップしてしまった。我々の知っている世界史とは、まったく異なるシチュエーションのもとで展開する20世紀なかばの太平洋戦争と、予想だにしなかった事態から始まる21世紀初頭の第二次太平洋戦争。時代を超越した人間と人間のつながりを背景に、イージス・システムとミサイルを装備した戦艦『大和』は、第二次太平洋戦争のグアムへ向かう。海上自衛隊戦闘機Su‐37Jが、水平飛行から垂直に立ち上がるコブラ機動によって米最新鋭戦闘機F‐16を撃破し、戦艦『大和』の46センチ砲が吼える。そして、もうひとつの世界ではイージス護衛艦『こんごう』が60年前のトラック諸島へと出撃してゆく。ともに戦う相手は、新旧の違いはあっても同じくアメリカ太平洋艦隊―。今、もっとも期待されている気鋭作家が、膨大な資料と広範な知識を駆使して描き出す新感覚のスーパーリアル・シミュレーション戦記、満を持してここに登場。
  • 初陣物語
    3.0
    大坂の陣後、駿河から紀州へ移封された徳川頼宣の陪臣・贄掃部は、名将といわれる武将たちが初陣でいかに戦ったかを、若き侍たちに語りはじめた。やがて掃部の合戦噺を聞くために人が続々と集まって――織田信長、徳川家康、長宗我部元親、蒲生氏郷ら戦国の名将から、名前のみしか伝わらないほどの小兵まで、戦国時代の人々の戦いを、史実をもとに活写する歴史短編集。
  • ウェスト・サンライジング
    値引きあり
    -
    1853年、浦賀に黒船が来寇した。しかし、それはペリーの艦隊ではなく仏艦隊だった。日本列島はいつの間にか英が位置するはずの北大西洋に転移していた!仏の統治下におかれてから約80年後の1939年、欧州大戦が勃発!日本を待ち受ける運命とは!?

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  • はみだし将軍 上様は用心棒1
    3.0
    あの三代将軍の家光が城を抜け出て大暴れ! 悪党どもをぶった斬る! 目黒の秋刀魚でおなじみの江戸忍び歩き大好き将軍が花川戸の口入れ屋に居候。彦左や一心太助、旗本奴や町奴、剣豪らと悪党退治! 思わず胸がスカッとする、新シリーズ第1弾! おじじさまの天海大僧正、おおばさまの春日局、老中松平伊豆守を前にして、徳川三代将軍家光は「天下人たる余は世間を知らなすぎた。見聞を広めるべく江戸の町に出ることにした」と宣言。浅草花川戸の口入れ屋〈放駒〉の家に用心棒として居候することに。はてさて、家光とその脇役たち、いかなる展開に……。
  • 餓死した英霊たち
    4.7
    アジア太平洋戦争において死没した日本兵の大半は、いわゆる「名誉の戦死」ではなく、餓死や栄養失調に起因する病死であった──。戦死者よりも戦病死者のほうが多いこと、しかもそれが戦場全体にわたって発生していたことが日本軍の特質だと著者は指摘する。インパール作戦、ガダルカナル島の戦い、ポートモレスビー攻略戦、大陸打通作戦……、戦地に赴いた日本兵の多くは、無計画・無謀きわまりない作戦や兵站的な視点の根本的欠落によって食糧難にあえぎ、次々と斃れていった。緻密な考証に基づき、「英霊」たちのあまりにも悲惨な最期を明らかにするとともに、彼らを死へと追いやった責任を鋭く問う、告発の書。
  • ウエスギカゲカツ―上杉景勝―
    -
    「皆、殿のことを心配して……帰りを待っているのです。どうか、この兼続の願い、お聞き届けを……」軍神・上杉謙信死去。謙信の二人の養子、景虎・景勝のどちらが跡を継ぐのか…家中騒然となる中、その当事者・景勝は、国境いの農村にいた!?直江兼続の必死の懇願にも駄々をこね、重い使命から逃げ出そうとする“ヘタレ男”上杉景勝、だがそんな彼にも腹をくくらねばならない瞬間が訪れようとしていた…。

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  • <上杉景勝と戦国時代>サバイバル大名上杉景勝
    -
    幕末まで続く米沢藩上杉家の礎を築いた、上杉景勝のサバイバル戦術を大検証! 養父謙信の後継問題、秀吉への臣従とその後の躍進、そして家康との対立――幾多の困難に対し、景勝の下した決断とは? 頑固一徹、武門の意地を貫いた景勝の生涯の軌跡を追う!
  • <上杉景勝と戦国時代>貫くは武門の意地 軍神の後継者上杉景勝
    -
    軍神・上杉謙信の跡を継いだ景勝は、次々と襲ってくる上杉家存続の危機に、忠臣・直江兼続とともに立ち向かい、その武威を天下に示す。戦国乱世の織豊時代から泰平の江戸時代までを生き抜き、戦国随一の武門の血脈を守った景勝の生涯に迫る!
  • <上杉景勝と戦国時代>天下人の真意とは? 上杉景勝と二度の転封
    -
    近世武家社会の確立過程で頻繁に行われた転封(国替え)。特に、上杉景勝は関ヶ原合戦を挟んだわずか三年の間に豊臣秀吉、徳川家康両名から転封を命じられた珍しい武将である。二度の転封に秘められた天下人たちの狙いとは? 当時の政治情勢と合わせて解説!
  • <上杉景勝と戦国時代>比較大将論 景勝vs家康
    -
    戦国後期を代表する名将、上杉景勝と徳川家康を徹底比較! 弱きを助け、悪しきは討つ――養父である軍神謙信の遺訓に従う上杉景勝と、天下への欲をむき出しにした徳川家康。両者はどのような経緯で対立し、武力衝突にまでいたったのか?
  • 上杉かぶき衆
    4.0
    直江兼続の下に集まったかぶき者たちの豪快な生き様! 知将・直江兼続に請われ、上杉家に仕えることとなった、天下御免のかぶき者・前田慶次郎、兄・兼続への憧れを終生抱きつつ、最後に叛旗を翻した大国実頼、謙信に直々に戦を学んだ正真正銘のいくさ人・水原親憲……兼続の下に集まり、上杉景勝を盛り立てた「もののふ」たちの壮絶なる生きざまを見事に描き切った、「天地人」外伝!

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  • <上杉家と江戸時代>頭痛のタネは吉良家 色部又四郎と上杉家懐事情
    -
    米沢藩主上杉綱憲の実父、吉良上野介への財政援助は藩の経済を大きく傾けた。米沢藩江戸家老の色部又四郎にとって気の休まらない日々が続くなか、上杉家を揺るがす大事件が発生する! 元禄赤穂事件の舞台裏を解説!
  • 上杉謙信 至誠を貫いた希代の勇将
    3.0
    上杉謙信と聞いてまず思い浮かぶのは、どのようなイメージだろうか。あの信長軍団を破った戦国最強の武将、毘沙門天を崇拝する敬虔なる仏教徒、生涯女人を近づけなかった変わり者、大酒飲み、武田信玄の永遠のライバル……。これらの事からわかるのは、まず戦国時代には類を見ない異色の人物だということである。事実、謙信の場合、領土欲から合戦を仕かけるということはなかった。すべての戦いが正義という大義名分のもとになされたのである。著者は取材を重ね、史料に当たるうち、謙信の重大な欠点に気づいたという。それは実に短慮な性格であったということ。気に入らない部下を大勢の前で叱責する、思い通りにならない部下に嫌気がさし責任を途中放棄してしまうなど、明らかにリーダーとしては不適格な一面がある。著者はそこに謙信の武将としての限界を見た。信長と最も異なるのがその点だという。これまでの天才・謙信像を覆し、その内面を赤裸々に描く。

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  • 上杉謙信
    3.3
    時は永禄4年正月、上州厩橋の城内で小田原攻略の大策の途中である。そこへ、積年の宿敵、武田信玄の軍が北へ移動しているとの情報が入る。思わぬ裏切りに憤った謙信は、川中島へと足を向けた。
  • 上杉謙信
    -
    好敵手、武田信玄との川中島の戦いをメインに描く。ストイックな謙信、深謀遠慮な信玄との駆け引き。戦国最強の武田軍団に挑む。「上杉謙信」他「鼻かみ浪人」を収録。野放図な不破数右衛門は野太い野生児。度重なる失敗にも関わらず、それを許し続けたのは浅野内匠頭だった。赤穂浪士の一人、不破数右衛門。
  • 上杉謙信
    -
    生まれながらの戦巧者にして天才的な武将上杉景虎(後の謙信)。戦塵の中に生き、合戦の勝利と、家名の再興以外には何も考えたことのない青年武将。彼は、父亡き後、柔弱な兄晴景に代わり、義侠の武人としての誇りを貫いていた! そんな景虎の人生に、ただ一点明るくともる灯……それは、ある清純な乙女との出会いだった。「不犯(ふぼん)の聖将」の半生をえがく!
  • 上杉謙信
    4.5
    越後侵略を目論む宿敵・武田信玄との川中島合戦、関東管領・上杉家の名に懸けた関東制覇と北条氏康との戦い、そして新興勢力・織田信長の撃破と、その神懸り的な戦術で越後の虎と恐れられた上杉謙信の、常に「義」を規範として戦った清廉なる生涯を描く。

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  • 上杉謙信 天の巻
    -
    戦国の動乱を乗り切る武将の経略には現代社会の経営に共通するイズムがある。熾烈を極める戦争と弱肉強食の苛酷な世界を彼らはどう生き抜いたか? では、著者が初の歴史小説として渾身の力で描く、時代の寵児上杉謙信の、真摯・激烈な生涯をのぞいてみよう。時は天文五年(一五三六)の暮れ……。〈全三冊〉
  • 上杉謙信
    3.8
    謙信を語るとき、好敵手信玄を無視することはできない。精悍孤高の謙信と千軍万馬の手だれの信玄。川中島の決戦で、戦国最強の甲軍と龍攘虎搏の激闘を演じ得る越軍も、いささかもこれに劣るものではない。その統率者謙信と彼の行動半径は? 英雄の心事は英雄のみが知る。作者が得意とする小説体の武将列伝の一つであり、その清冽な響きは、千曲・犀川の川音にも似ている。
  • 上杉謙信・景勝・直江兼続 軍神の系譜
    値引きあり
    4.5
    「聖将」を演じる孤高の上杉謙信。家中での自分の存在意義に悩む景虎。養父の力を認めつつもそれを否定する景勝。そして景勝を後継に据えるべく奔走する直江兼続。手取川の戦いから御舘の乱まで、それぞれの思いと葛藤が交錯する上杉家激動の2年間を描く。

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  • <上杉謙信と戦国時代>関東管領を欲した真の理由
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    北条氏康が勢力を拡大するにつれ、名目ばかりとなった「関東公方―関東管領」体制。しかし、いまや古くなった支配体制を再構築しようとするものが現れる。上杉謙信である。もはや何の実権ももたない管領職を、謙信はなぜ欲したのか?
  • <上杉謙信と戦国時代>関東侵攻をめぐる本音と建前
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    前関東管領・上杉憲政の失地回復を名目に、関東への侵攻を開始した謙信。しかし、その真の目的は別に存在した!? 上杉謙信・北条氏康・武田信玄らが覇を競った関東戦乱と、その裏で繰り広げられた駆け引きを分析。武将たちの本音と建前を探る!
  • <上杉謙信と戦国時代>謙信上洛の秘密
    4.0
    地に落ちた“京の権威”と、守護代長尾家を相続し、波に乗る上杉謙信。対照的な二つの権力が、互いを引き寄せた。戦国まっただ中、本国を空にしてまで、上洛する必要がどこにあったのか。主役が目まぐるしく入れ替わる時代、謙信二度の上洛を位置づける。
  • <上杉謙信と戦国時代>歴史シミュレーション謙信健在 悲願の上洛戦
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    上杉謙信が死なず上洛戦を開始していたら――歴史の「もしも」をシミュレーション! 毛利・本願寺ら反信長勢力を糾合し、足利幕府再興を目指す中世の守護者・謙信と近世への改革者・信長との最終決戦の行方は? 謙信の義戦を詳細に予測!
  • 上杉謙信の生涯「1越後統一・2関東管領・3川中島、対織田」
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    信仰に厚く穏やかな生活を望みながらも、戦場においては鬼神の如し。相反する資質をもった上杉謙信。その生涯は合戦に東奔西走する日々だった。たび重なる内紛や関東出陣、そして武田信玄。果てることのない合戦を、義のために戦い続けた、上杉謙信全記録。
  • 上杉謙信は女だった
    4.0
    上杉謙信の女性説を唱えた小説。川中島の戦いで名高い上杉謙信と武田信玄の、生いたちから合戦に至るまでの事情を描きつつ、謙信が女武者であったことを史料を踏まえて検証した小説。 「川中島合戦の真相」をはっきりさせたものとしては、これが空前絶後の労作ということになろう<中略>「真実とは何か、それはどうしたらつかめるのか」といった命題のもとに苦労して調べ上げ書かれたもので、なにしろ読んで面白すぎる欠点からして、その本質まで可笑しがって頂いては、困るし悲しい・・・。(あとがきより)

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  • 上杉三代記 為景・謙信・景勝、北国の覇者の系譜
    3.0
    永正四年(一五〇七)、十九歳の越後国守護代・長尾為景は守護・上杉房能を討ち、下剋上の激流に身を投じた。越後一国支配を目指す戦いは軌道に乗るかに見えたが、自らが据えた守護・上杉定実や国人・土豪の叛乱によって一進一退の状況に陥り、為景は志半ばで没する。しかし、兄の晴景から長尾家を譲り受けた景虎(謙信)が、「軍神」とも称される卓越した戦を展開して越後の掌握を成し遂げる。さらには、武田信玄、北条氏康に追われた信濃や関東の諸将を助けて出兵を繰り返すと共に、関東管領・上杉家を相続して「天下のための戦い」に邁進した。後継者を決めずに急死した謙信の跡目争い(御館の乱)に勝った景勝は、織田信長の攻勢を受けて滅亡寸前まで追い込まれたが、本能寺の変で窮地を脱する。その後、関白・豊臣秀吉に臣従し、秀吉が死ぬと、天下取りに動き出した徳川家康に迎合せず、「義」の戦いに臨む……。越後が生んだ名将三代を描いた力作長編小説。
  • 上杉太平記
    -
    森平右衛門は軽輩の出ながら、奢侈に耽る九代米沢藩主・上杉重定に取入り、租税を一手に押さえ、併せて人事も掌中にした。凶作・水害が打ち続き、藩の経営が危殆に瀕している中で、独り栄耀を極める平右衛門に、漸く非難の声が挙った。その中心にいたのは、竹ノ股当綱ら、後に名君鷹山に仕えて藩政改革に着手する賢臣の一群であった。藩主の寵臣をいかに誅すべきか。名門・上杉家の内訌を描く長篇歴史小説。 (※本書は1987/1/1に発売し、2022/4/13に電子化をいたしました)
  • 上杉鷹山 財政危機を打開した名君の生涯
    3.5
    江戸期のもっとも優れた改革者・上杉鷹山の仕法と生き方を描いた、書き下ろし長編小説である。江戸開幕から百数十年、米沢藩十五万石は、幕府への領地返上も考えざるを得ないほど、財政窮乏の極みにあった。そんな状況のもとで、日向高鍋藩から養子に入った治憲(鷹山)は、十七歳で上杉家の家督を継ぎ、さっそく藩政改革に着手する。名門であるがゆえに家臣の抵抗は強く、まず自らが襟を正すとともに、思い切った人材の登用で、藩士の意識改革に努める。その上で、倹約の奨励、漆・桑・楮の植立てや縮布製造など殖産興業を推進し、財政基盤を整えていくのである。本書では、改革に取り組む治憲を、剣の奥義を極めることを目指す若き武芸者の生きざまと対比しながら描くことにより、治憲のこころの内を見事に引き出していく。作家と会社社長の二足のわらじをはく著者だけに、ひと味違った新鮮な味付けがなされた鷹山像が描かれている。
  • 上杉鷹山と細井平洲 人心をつかむリーダーの条件
    -
    見事に復興となった米沢の地で平洲と鷹山は再会をはたした。二人とも無言で頭を下げ、目には涙があふれている。もはや師弟の間に言葉はいらなかった。崩壊寸前の米沢藩をたてなおした藩主・上杉鷹山。その苦しい藩政改革を陰で支えたのは師・細井平洲の教えだった。かの吉田松陰や西郷隆盛を感動させたという細井平洲の思想とは?師弟の温かいふれあいを通してその真髄にせまる。

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  • 上杉鷹山の師 細井平洲
    3.7
    借財、なんと十数万両。破綻間際の米沢藩に迎えられた若き藩主、上杉鷹山は、倹約を徹底し財政改革に取り組む。しかし因習にまみれた藩の改革は並大抵のことではない。鷹山を支えたのは「治者は民の父母であれ」という、師の細井平洲の教えであった。「恕――大切なのはやさしさと思いやり」等、日本人の美しい心を愛した“へいしゅうせんせえ”の言葉の数々。困難なときにこそ読みたい感動の一冊。
  • 上野池之端 鱗や繁盛記
    4.0
    騙されて江戸に来た13歳の少女・お末の奉公先「鱗や」は、料理茶屋とは名ばかりの三流店だった。無気力な周囲をよそに、客を喜ばせたい一心で働くお末。名店と呼ばれた昔を取り戻すため、志を同じくする若旦那と奮闘が始まる。粋なもてなしが通人の噂になる頃、店の秘事が明るみに。混乱の中、八年に一度だけ咲く桜が、すべての想いを受け止め花開く――。美味絶佳の人情時代小説。
  • 魚河岸奉行 : 1 初鰹
    3.5
    1~2巻506~528円 (税込)
    文化十四年初夏、江戸に待望の初鰹が到来した。「御用魚」の幟をはためかせ、大名行列も蹴散らして御城へと激走する荷車には鯔背な男が一人――将軍家の食す魚を目利きする幕府賄方魚納屋役所頭取――人呼んで魚河岸奉行、大池由良ノ介である。一見遊び人風の由良ノ介だが、実は江戸の台所、魚河岸と民の安寧を守るという密命を帯びていた。由良ノ介は豊富な魚の知識と荒波が育てた剛剣、凄腕の手下を武器に鮮やかに難事件を捌いていく。期待の新シリーズ!
  • 魚釣島奪還作戦
    4.0
    日中台の係争地・尖閣諸島の魚釣島が過激な中国系武装集団に占拠された。海上保安庁や中国大使館による説得も徒労に終わり、陸上自衛隊の特殊部隊「サイレント・コア」が派遣される。岩礁とジャングルに覆われた無人島で、両者の決死の戦闘が始まった!
  • 浮かれ鳶の事件帖
    -
    剣が冴え気ままな兄と、知恵者で冷静沈着な弟。 一途で真っ直ぐな兄弟捕物帖! すこぶる男前で気ままな町場暮らし。「浮かれ鳶」と綽名される本多控次郎は貧乏旗本の次男坊である。 弟七五三之介が奉行所与力に婿入りし、事件探索に手を貸すことに。真面目すぎる弟を相棒に、小石川養生所を襲う連続不審死の真相を探る。 やがて、謎の密売人が控次郎の家族にまで牙を剥く。 曲がった事を許さない控次郎の正義の剣が、世に蔓延る悪を討つ!

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