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アジア太平洋戦争において死没した日本兵の大半は、いわゆる「名誉の戦死」ではなく、餓死や栄養失調に起因する病死であった──。戦死者よりも戦病死者のほうが多いこと、しかもそれが戦場全体にわたって発生していたことが日本軍の特質だと著者は指摘する。インパール作戦、ガダルカナル島の戦い、ポートモレスビー攻略戦、大陸打通作戦……、戦地に赴いた日本兵の多くは、無計画・無謀きわまりない作戦や兵站的な視点の根本的欠落によって食糧難にあえぎ、次々と斃れていった。緻密な考証に基づき、「英霊」たちのあまりにも悲惨な最期を明らかにするとともに、彼らを死へと追いやった責任を鋭く問う、告発の書。
...続きを読むPosted by ブクログ 2019年09月18日
日本軍の組織としての特質と日本軍隊に通底する「思想」を追尋した古典的名著。日本にとってのアジア太平洋戦争における「死」の実相に迫る。
冒頭に「戦場・戦地での悲惨という他にない「餓え」が、日本軍中央の責任によるものであることを「告発」することが目的とあるように、数字を列挙する淡々とした記述の中に...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年02月09日
アジア太平洋戦争における日本の戦没軍人の過半数は餓死によるものであった ーこれを一次資料の分析から例証していくのみならず、そもそもこのようになった原因は何であったか、実際の飢餓の苦しみがどんなものであったかといった点も丁寧に分析・描写される。
根本には(とりわけ日露戦争での「成功」体験により押し進...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年08月20日
タイトルは「餓死」と書いて「うえじに」と読ませる。そのまま
「がし」と読むよりインパクトがある。
先の大戦で亡くなった日本兵うち、大半が餓死及び栄養失調からの
戦病死である。「飢島」とも呼ばれるガダルカナル島や無謀な作戦
であったインパールなどに限ったことではない。
ほぼすべての戦場で...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年10月21日
日中戦争からアジア太平洋戦争における日本人の死者は、約320万人で、そのうち軍人は230万人と推定されています。但し、玉砕地域などは記録もなく、終戦間際に戦犯訴追を恐れて組織ぐるみの書類の大量破棄が行われた為、そもそも正確な数字を弾き出す方が困難な状況です。
そんな中にあって、研究者たちの地道な...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年02月04日
日本陸軍の作戦重視で兵站軽視によって多くの前線で悲劇を生んでしまったことを、落ち着いた筆致で迫る。実証的な本。ガダルカナル島に始まり、おおくの無謀な作戦により失われた命が分かる。おおむね、辻政信に厳しい。あと、インパール(ひよどりごえ)の牟田口。田中新一。
・日本軍が最大の戦死者を出したのはフィリ...続きを読む
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