歴史・時代小説 - KADOKAWA作品一覧

  • 通りゃんせ
    3.6
    25歳のサラリーマン・大森連は小仏峠の滝で気を失い、天明6年の武蔵国青畑村にタイムスリップ。驚きつつも懸命に生き抜こうとする連と村人たちを飢饉が襲い……時代を超えた感動の歴史長編!
  • 徳川家康 新装版
    4.3
    天文11年、三河国岡崎。周囲を強敵に囲まれた小さな大名家に、ひとりの男の子が誕生した。竹千代と名付けられた少年は、家を守るために幼い頃から人質生活を余儀なくされる。元服を機に故郷への帰還を果たした竹千代だったが、すぐに強敵・織田信長との決戦に巻き込まれて……。天下を併呑し、歴史にその名を刻んだ傑物・徳川家康の波乱と超克に満ちた、獅子のごとき生涯。大作家・松本清張が描く、最も分かりやすい家康伝。
  • 徳川家臣団の謎
    3.7
    忠節の鑑とされてきた徳川家臣団。しかし、家康以前の徳川(松平)家は激しい派閥争いが存在していた。徳川(松平)家の系譜を辿り、家康が率いた家臣団がどのように変貌したのか豊富な史料を用いつつ検証。
  • 徳川御三卿 (上)
    3.0
    長男家重を将軍につけた吉宗は、万一の場合にそなえ、御三卿を新設。田安・一橋・清水、登場す! 尾張・水戸の両家は京都で猛威をふるう竹内式部の尊皇思想に呼応、御三卿と全面対決。本格歴史巨編。
  • 徳川四天王(上)
    3.8
    四天王に守られた帝釈天の幻を見たお大の方は、無事、竹千代を出産する。「家康に過ぎたる者」といわれた本多平八郎忠勝を中心に、弱小大名・松平家と徳川家康を支えた三河武士「四天王」の活躍を描く長編歴史小説。
  • トロイメライ
    3.3
    19世紀、琉球王朝末期の那覇の街。正義に燃える新米岡っ引きの武太は、つぎつぎと巻き起こる事件にまっすぐ向き合いながら、少しずつ大人への階段を上っていく――。琉球版・千夜一夜物語!
  • トロイメライ 唄う都は雨のち晴れ
    -
    那覇の下町で巻き起こる6つの事件に、新米岡っ引きの武太が立ち向かう。失敗を重ねながらも成長してゆく武太と、琉球に暮らす市井の人々を生き生きと描いた心躍る物語。『テンペスト』外伝、捕物帖シリーズ!
  • とわの文様
    3.7
    江戸は西河岸町の呉服屋・常葉屋は、「ここにしかない品がある」と着物に五月蠅い江戸っ子たちにも評判お店。 箱入り娘のとわは、失踪した母の代わりに店を盛り立てようと日々奮闘している。 芝居を愛する兄で若旦那の利一は、面倒事を背負い込む名人。 犬猫を拾う気軽さで、ヤクザ者に追われる女性を連れて帰ってくるが、それにより大騒動が巻き起こり……。
  • 道三堀のさくら
    3.5
    道三堀から深川へ、暮らしに欠かせない飲み水を届ける水売りたちは、皆自分の仕事に誇りをもって働いている。そんな水売りの一人、龍太郎には、蕎麦屋の娘・おあきという許嫁がいる。日本橋の大店が蕎麦屋を出すとの報せに、「美味い水」が必要だと思い知らされ、協力して美味い水造りを始めるが、いつしか二人の間に微妙な隙間風が吹き始めて…。人の気持ちに翻弄されつつも、せつなく凜々しい、江戸の「志」を描く長編時代小説。
  • 見習い同心捕物帳 深紅の影
    5.0
    父の後を継ぐため、同心の見習いとなった野呂丈一郎は、奇妙な殺人事件の探索を任されることになった。戸惑いを見せる彼の前に現れたのは、風変わりな例繰方の香川景蔵だった。異色のコンビが事件を解く!
  • 毒牙 義昭と光秀
    4.3
    織田信長から助力を得て、上洛を果たした足利義昭は、兵力もない形ばかりの将軍となった。だが、才気溢れる明智光秀との出会いが、彼の心を大きく揺るがしていく──。新たな視点で描かれる本能寺の真実とは。
  • 独眼龍政宗 上
    3.0
    戦国の世、群雄割拠する奥州で、名家・伊達家に生を受けた政宗。知謀と剛胆さを発揮し、天下を狙う若武者へと育つ。乱世の覇王を夢見、山河を駆け巡る猛将の前に、豊臣秀吉、徳川家康が立ちはだかる。政宗の前途は?
  • 流想十郎蝴蝶剣
    完結
    3.8
    江戸・本湊町の料亭に用心棒として住み込む流想十郎は、花見の帰り、品川宿近くで武士団に襲われた小藩の姫君一行を助ける。気が進まない中、姫の護衛を引き受けた想十郎は、熾烈な抗争に巻き込まれる…。権力者・水野忠邦を父に持ちながら、その愛情を知らず、また剣術の師との密通の末に、ともに上意討ちで果てた母への情も捨てた孤高の剣士は、無敵の蝴蝶剣を誰がために振るうのか? シリーズ第1弾!
  • 流想十郎蝴蝶剣 全7冊合本版
    4.0
    江戸・本湊町の料亭に用心棒として住み込む流想十郎は、花見の帰り、品川宿近くで武士団に襲われた小藩の姫君一行を助ける。気が進まない中、姫の護衛を引き受けた想十郎は、熾烈な抗争に巻き込まれる…。権力者・水野忠邦を父に持ちながら、その愛情を知らず、また剣術の師との密通の末に、ともに上意討ちで果てた母への情も捨てた孤高の剣士は、無敵の蝴蝶剣を誰がために振るうのか? 「流想十郎蝴蝶剣」シリーズ、全7冊合本版。
  • なにわ万華鏡 堂島商人控え書
    -
    大坂の米問屋、栄屋の手代・佐助は美代と夫婦になり番頭に取り立てられる。独立を目指して励む佐助だが、大鳥圭介や清水次郎長の子分・石松らと知遇を得て……。商人の矜持を胸に時代の転換点を見つめた男の物語。
  • 成り上がり弐吉札差帖
    3.0
    武家社会の中で江戸の裏長屋暮らしだった少年・弐吉は、直参の侍の狼藉がもとで両親を亡くし、札差・笠倉屋で小僧奉公をすることに。逃げ場のない俊吉は、家族を奪った武家への強い恨みを心の底に持ちつつも日々夢中で働いていた。弐吉の一生懸命な働きぶりと持ち前の優しさが伝わり、周囲には少しずつ味方が増えていく。また、札差の仕事を通じて、傲慢で威張ってばかりいるようにしか見えなかった直参御家人のお金事情やそれぞれの家の問題点が見えてくる。「これは、おもしろい」弐吉は、この稼業に一生をかけようと決めた。 その矢先、笠倉屋からの貸金がある札旦那が、辻斬りの嫌疑をかけられて御家断絶の危機に。そうなると貸金は一文の回収もできなくなる。主人から「冤罪を晴らせ」と命じられた弐吉は札旦那の身辺を探り始め……。著者渾身の新シリーズ始動!
  • 業政駈ける
    3.4
    西上野の地侍達から盟主と仰がれた箕輪城主・長野業政。河越夜戦で逝った息子への誓いと上州侍の誇りを胸に、義の戦いへおのれの最後を賭す。度重なる武田軍の侵攻に敢然と立ち向かった気骨の生涯を描く!
  • 南国回天記
    -
    黒船来航以降、時代への焦慮がみなぎる南国の雄藩薩摩。藩主島津斉彬を慕う樺山小一郎は、西郷隆盛や大久保利通らと奸臣誅殺を企てひとり江戸へ向かう。しかし、計画は失敗に終わり小一郎は消息を絶った。小一郎の琵琶歌に魅せられ恋心を抱く大阪芸者のお葭は、彼の汚名をそそぐため江戸へ。藩主斉彬の命で同じく小一郎の行方を追う西郷らとともに、捜索をするが……? 維新前夜の激流を生き抜いた、若者たちの青春群像劇!
  • 南国太平記 上
    5.0
    明治の夜明けも近い幕末、薩摩藩主島津斉興の世子斉彬と、わが子久光を藩主の座につけたいと願う斉興の愛妾お由羅の方との間に激しい抗争が巻き起こる。薩摩の御家騒動を描く、著者の代表作。
  • 仁王の本願
    完結
    4.0
    北陸加賀に「百姓ノ持チタル国」が建てられて八十年。誰の支配も受けず、民衆が自ら治める一向衆の政は、内外の戦に明け暮れるうちいつしか腐敗し、堕落していた。織田信長や上杉謙信、朝倉義景ら強大な外敵に囲まれ、窮地に陥った加賀に現れたのは、「仁王」と呼ばれる本願寺最強の坊官・杉浦玄任。加賀から越前、さらには日本全土に「民の国」を築くため、玄任は救いなき乱世で戦い続ける――。
  • 日蝕の断層
    -
    浦島重工業の社員・木原高志は“工員”の子として差別され続けてきた。世間に対する復讐と出世を誓う木原は、重大な“性の欠陥”を承知で副社長の娘婿という出世のパスポートを手に入れ、同時に社内外の情報を得るため、女子社員恵理とも関係を結ぶが……。会社合併問題に絡む殺人事件。謎の脅迫電話。そして第二の殺人―。若き野望に満ちた木原の大いなる賭けの行手には? 長編ピカレスク・ロマン。
  • にっぽん怪盗伝 新装版
    4.3
    ふた月前の夜、池ノ端仲町の日野屋に賊が押し入り、金を奪って逃げた。あるじ久次郎は奉行所に届け出たが、恋女房のおきぬが犯されたことは隠していた。もう忘れようと夫婦が互いにいたわりあっていた矢先、再び同じ賊が日野屋に押し入る…。火付盗賊改方の頭に就任した長谷川平蔵は、神出鬼没の盗賊団捕縛を命じられ、正念場を迎える。「江戸怪盗記」をはじめ、人の世の哀感を滲ませる、「鬼平」の原点ともいうべき傑作捕物帳。
  • 日本改暦事情
    3.0
    徳川四代将軍家綱の治世、ある「プロジェクト」が立ちあがる。即ち、日本独自の暦を作り上げること。当時使われていた暦・宣明暦は正確さを失い、ずれが生じ始めていた。改暦の実行者として選ばれたのは渋川春海。碁打ちの名門に生まれた春海は己の境遇に飽き、算術に生き甲斐を見出していた。彼と「天」との壮絶な勝負が今、幕開く――。 本屋大賞受賞作『天地明察』の原型となった短篇小説、電子オリジナルで配信!
  • 日本史の叛逆者 私説・壬申の乱
    3.8
    父を異にする二人の皇子、中大兄皇子と大海人皇子。両者の間の確執は、やがて、古代史上最大の争乱といわれる壬申の乱となって火を吹き上げた――。二人は何故そこまで憎み合わなければならなかったのか? 大海人皇子の妻・額田王はどうして中大兄皇子に娶られなければならなかったのか? 大海人皇子の実父はいったい何者であったのか? 数多くの謎を秘めた壬申の乱。その歴史の真相と、交錯する人間模様を、著者独自の視点から探り、リアルな筆致で描いた、新本格歴史小説!
  • 人形佐七捕物帳傑作選
    -
    神田・お玉が池に住む岡っ引きの人形佐七が江戸でおきたあらゆる事件を解き明かす! 横溝正史の傑作捕物帳全作品から厳選。冴えた謎解き、泣ける人情話……初めての読者にも読みやすい7編を集めました。
  • 忍者黒白草紙
    -
    天井から垂れ下がった糸をつたって、乳色の液体がしたたり落ち、眠っている美女の唇に吸い込まれていった。すると信じられないような現象が起きた。女の美しい顔が、みるみるうちに皺だらけの老婆の顔に変貌したのだ! 乱れ切った世の中を糺そうとする気鋭の江戸町奉行鳥居耀蔵のもとで、市中を取締まる若き伊賀忍者箒天四郎は、ブラックリストの人物を得意の忍法で容赦なく懲らしめていった。だが一方には、彼の仕事を邪魔するヒューマニストの忍者塵ノ辻空也の存在が……。世直しで対立する二人の若い忍者の闘いを描いた力作忍法帖。
  • 忍者丹波大介
    4.5
    秀吉の死去により、世はふたたび戦乱の暗雲に覆われる。丹波大介は、信義を失い、生き残るため、かつての主にすら刃を向ける甲賀忍者に見切りをつけ、己の信ずる者のためだけに闘うことを心に誓う。伊賀のみならず、甲賀すらも敵にまわす孤独な闘いの日々。時あたかも関ケ原の決戦前夜。大介は石田三成、真田昌幸・幸村父子に己の命運を賭けて家康暗殺を決意するが……。“忍者の戦国史”として永く読み継がれる傑作時代長編。
  • 忍者月影抄
    -
    幕府による世を上げての節倹の時代に、堂々と遊蕩に耽る大名がいた。尾張藩当主の宗春である。豪放な気性で、現将軍吉宗とは全く反りが合わない。宗春の乱行は次第に激化していった。そして遂に、両者の関係は最悪の事態を迎えたのである。尾張藩は甲賀忍者と尾張柳生の剣士を使い、将軍吉宗の淫蕩な過去を暴こうとし、将軍家はお庭番の伊賀忍者と江戸柳生を用いてこれを阻止しようとした。やがて、秘術を尽す壮絶な陰の闘いが始まった……。波乱に富む忍法帖屈指の傑作!
  • 忍者六道銭
    -
    城の奥庭に、小童しか入れない二個の鎧櫃が置かれた。二人の忍者は、両足を揃えてそれぞれ中に立つと、するすると櫃の中へ沈んでいき、ふたをしめた。やがて再びふたがあき、二人の忍者が立ちあがった時、一座の人々は悲鳴に近い叫びをあげた。二人が入れ替っていたのである! 気に染まぬ三つの縁談に悩む美しい姫君から密命を受けた二人の筑摩組忍者は、秘伝の忍法を駆使すべく、勇躍して出かけたのだが……。著者自らが忍者の決闘を主題にした短編を選んだ忍法帖
  • 人情出世長屋 てんやわんやの恩返し
    3.0
    神田明神下にある「出世長屋」は、その名前とは異なり、出世からほど遠い面々が、貧しくも明るく暮らしている。ある日、駕籠かきの桂太は、賭博場で知り合った米問屋の旦那から、奇妙な頼み事をされる──。
  • 忍法陽炎抄
    -
    慶長十八年、江戸の町には無数の盗賊が跋扈していた。その中で、町奉行も手をこまねく強かな一団があった。大御所家康の直命を受けた伊賀の服部半蔵は、一党を率いてこの盗賊の掃討に立ち上がり、首謀格の二人を捕えた。この二人は北条家再興の軍資金調達のため盗賊をはたらいたと自供したが、彼らを操るもう一人の男がいたのだ。その名を向坂甚内。蜘蛛の糸で口も眼も縫い閉じてしまう恐るべき忍法“紅蜘蛛縫い”を駆使する風摩忍者だ……。復讐をテーマに選んだ傑作忍法帖。
  • 忍法行雲抄
    -
    蟹の鋏はもがれてもまた生えてくる。だが、人間の首が切り落された後に生え替るなど考えられるだろうか? それも全く別人の首に! 越前の国に風采の上がらぬ浪人が訪れ、仕官することになった。名を明智十兵衛、美濃国明智庄城主の一子で、落城後、忍法の修行を積んだ変り者である。まもなく、彼は朝倉家の寄人沙羅という娘に一目惚れしたが、彼女には想いを寄せる美男の従者がいた。恋に苦しむ十兵衛は、従者に甲賀忍法「人蟹」を使ったとてつもない申し入れをするのだが……。
  • 忍法鞘飛脚
    -
    私はインテリ忍者だ。忍法など信じないし、全然知らない。本業は医者である。にもかかわらず、忍者と自称するのは、迷惑なことに私が忍者の一族に籍を置く人間だからだ。ある日、一族の長老に呼ばれた私は、とんでもない命令を受けた。公儀隠密として志摩まで行けというのだ。忍者の掟は厳しい。嫌々私は命令に従った。だが、私の不吉な予感は当たり、私は眼と耳と舌と四肢を失う羽目になったのである……。忍者とは名ばかりの男が辿る皮肉な運命をコミカルに描いた傑作忍法帖。
  • 忍法女郎屋戦争
    -
    「祖先は八千石、江戸城に半蔵門の名を残したほどの服部家のあるじが、女郎の親玉とは!」吐き捨てるように言い放つ妻に、婿養子の伊賀組頭領服部億蔵は、身を縮めた。権勢を誇る老中田沼意次の馬鹿息子で若年寄の田沼意知は、侍専用の遊廓女郎屋、いわば公務員レクリエーション設備として国営のを作ることを発案した。父の許可を得た意知は、市場調査とその設営を伊賀組に命じた。だが、出世と引き換えにこの命令を受けて帰った頭領の億蔵は……。忍者の掟をテーマに描く傑作忍法帖。
  • 忍法双頭の鷲
    3.3
    延宝八年、徳川四代将軍家綱の死去と同時に、後継者をめぐって劇的な政変が起きた。新将軍には、若年寄堀田筑前守が擁立する綱吉が就任、それまで権勢を誇っていた大老酒井雅楽頭(うたのかみ)は失脚した。そして、それに伴い、公儀隠密の要職にあった伊賀組が解任され、替って根来(ねごろ)衆が登用されたのである。主命を受けた若き二人の根来忍者、秦漣四郎と吹矢城助は、隠密として初仕事に勇躍、江戸を後にした。だが、彼らの行く手には、復讐の怨念に燃える伊賀忍者たちの執拗な妨害が……。
  • 忍法忠臣蔵
    -
    しずしずと御寝所に入ってきた白無垢衣装の処女。だが次の瞬間、好色な将軍綱吉の顔が恐怖に歪んだ。なまめかしい女体が血しぶきを上げて引き裂かれ、たちまち肉塊と化したのだ! 自分を裏切り、大奥へ上がった女を惨殺した伊賀忍者無明綱太郎は、江戸から米沢へ逃げた。上杉家城代家老千坂兵部にかくまわれた彼は、身の安全と引き換えに密命を受けた。想像を絶したその任務とは……? 赤穂浪士討入りの蔭に暗躍する伊賀忍者と能登忍者の熾烈な戦いを描く、山田風太郎の傑作忍法帖。
  • 忍法八犬伝 山田風太郎ベストコレクション
    4.2
    八犬士の活躍150年後の世界。里見家に代々伝わる八顆の珠がすり替えられた! 珠を追う八犬士の子孫たちに立ちはだかるは服部半蔵指揮下の伊賀女忍者。果たして彼らは珠を取り戻し、村雨姫を守れるのか!?
  • 忍法破倭兵状
    -
    日本では不世出の英雄太閤秀吉も、朝鮮の人民にとっては悪虐極まる大魔王である。己の権力示威のため数十万の兵を動員して朝鮮に攻め入り、多くの人々を虐殺し、その美しい山河を荒廃させたのだから……。だが、秀吉の野望を打ち砕く救国の士が現われた。朝鮮の伝説的英雄李舜臣将軍である。部下を鼓舞して勇猛に戦い、圧倒的な物量を誇る日本水軍を潰滅させた。だがその直後、彼は亀甲船に忍び込んだ日本忍者の吹き針に倒れてしまった! 異人、唐人ものを集めた異色の忍法帖。
  • 忍法封印いま破る
    -
    徳川幕府の切れ者中の切れ者、旗本八万騎にまさるその存在は家康にさえ脅威であった傑物、大久保長安。その長安が山窩の娘に生ませた野性の子おげ丸は、今や、幕府忍び組きっての伊賀忍者に成長していた。彼は父長安から、長安の純血を後世に伝える子を身籠った娘の護衛をする密命を受けていた。だが、父の死後、任務についたおげ丸と娘に、服部半蔵が指揮する甲賀五人衆の魔手が伸びた……。伊賀か甲賀か? 痛快無類、奇想天外な発想が躍動する忍法帖シリーズの傑作!
  • 忍法落花抄
    -
    失踪していた妻が眼前に引き出され、上司〈吹雪〉に犯されそうになったのを見て、幕府隠密〈薄雪〉はついに叛意した。松平伊豆守に一服盛ることを約束したのだ。すると吹雪は壁の方に歩いていき、土壁のくぼみに顔を押しつけた。数分後、ふり返った男の顔は、吹雪とは似ても似つかぬ別の男だった……。「島原の乱」から由比正雪を経て、「伊達騒動」に至る謀叛の系譜を確立しようとする怪人森宗意軒と、顔面取り替えの忍者を描いた「忍者仁木禅正」ほか、7編を収めた痛快忍者列伝!
  • 忍法流水抄
    -
    刈羽の眼が再び開かれて、次第に夜光虫のような光を放ち出した。お霧は刈羽の胸にしがみつき、右腕を帯の間の懐剣のつかにかける。とその時、お霧は眼のあたりにちくりと痛みを感じた。そして「おれの陰毛じゃ」という刈羽の声と共に激痛が走り、お霧の両眼は縫い閉じられていた……。羽柴、徳川、毛利、明智の忍者たちが卍巴になって繰り広げる、奇想天外な忍法合戦! 叛の忍法帖/おちゃちゃ忍法腹/近衛忍法暦/羅妖の秀康/慶長大食漢/彦左衛門忍法盥を収録した傑作忍法帖。
  • 忍法笑い陰陽師
    -
    太平の世に忍術など何の役にも立たない。今は大道易者を続ける果心堂。だが、その独特の占いには絶大な効力が……。ある日、武士の客が来た。絶世の美女を賭けた試合の勝敗を占って欲しいと言う。相手は美男の剣客。それに比べこの男のひどい顔はどうだ。これじゃ試合に勝っても女が祝言に応じるはずがない。同情した果心堂は、この男に勝たせようと思った。そして「おん根相拝見」と言うや否や、男の股間に手を伸ばした! 奇抜な発想と強烈なユーモアで描く抱腹絶倒の連作忍法帖。
  • 信義の雪 沼里藩留守居役忠勤控
    3.7
    駿州沼里の江戸留守居役・深貝文太郎は、相役の高足惣左衛門が殺人事件の下手人として捕えられたことに疑問を抱いていた。奴は人を殺すような男ではない。惣左衛門の無実を証明するため、文太郎は奮闘する。
  • 猫鳴小路のおそろし屋 全3冊合本版
    4.5
    江戸は新両替町にひっそりと佇む骨董商<おそろし屋>。光圀公の杖は四両二分……店主・お縁が売る古い品には、歴史の裏の驚愕の事件譚や、ぞっとする話がついてくる。そしてこの店自体にもある秘密があって……? *本書は『猫鳴小路のおそろし屋』、『猫鳴小路のおそろし屋 2 酒呑童子の盃』、『猫鳴小路のおそろし屋 3 江戸城奇譚』の3冊を合わせた合本版です。
  • 鼠、恋路の闇を照らす
    4.3
    恋する男女の駆け込み寺は、江戸を騒がす大泥棒だった!? 昼は遊び人の次郎吉、夜は義賊の“鼠”。懸命に生きる町人の幸せを守るため、今宵も江戸を駆け巡る。活劇と人情に胸震わす、シリーズ第11弾。
  • 鼠、江戸を疾る
    3.8
    「表」の顔は、〈甘酒屋次郎吉〉と呼ばれる遊び人。しかし、その「裏」は、江戸で噂の盗賊・鼠小僧。一介の盗賊に過ぎないが、正義とやらにこだわって、一文にもならない事件に首を突っ込んでしまう。それもみな、江戸が故郷だから。この町で暮らす人々の幸せを見るのが何よりも好きだから――。今日も妹で小太刀の達人・小袖とともに、ひたむきに生きる庶民を助け、力を振りかざす強きをくじく。痛快エンタテインメント時代小説「鼠」シリーズ第1弾!
  • 鼠、剣を磨く
    4.5
    次郎吉の目前で娘が腕を斬られた。娘は峰といい、奉公先の主人と通じ、その妻の恨みをかって襲われたのだった。峰の父は、娘の不貞に激怒するが、浪人暮らしの父を思い手当てをもらっていたことを知り、言葉を失う。そして、一度は断った「ある仕事」を引き受ける決意をした。それは、武士としてのプライドを捨てるものだったが……。次郎吉こと〈鼠〉が八面六臂の活躍をする痛快時代小説シリーズ第5弾。
  • 鼠、影を断つ
    4.3
    なじみの小料理屋で飲み、寝入ってしまった次郎吉。おかしな気配に気がついて目を覚ますと、隣家から火の手が上がっている! 次郎吉の機転で延焼は防げたが、火元の家に住んでいた母と幼い娘が焼け出された。火事の原因は不明。さらに母子の周辺に見え隠れする怪しい人物たち。何かあると感じた矢先、今度は小料理屋が火事に――。人情篤い盗賊・鼠小僧こと次郎吉が悪と闘う痛快時代小説シリーズ。ますます絶好調の第3弾!
  • 鼠、狸囃子に踊る
    4.1
    女医の千草の手伝いで、一人でお使いに出かけたお国。帰り道に耳にしたのは、お囃子の音色。フラフラと音が鳴る方へ覗きに行ったはいいが、人っ子一人、見当たらない。次郎吉も話半分に聞いていたが……。
  • 鼠、闇に跳ぶ
    4.2
    八幡祭りで賑わう夜。大川に架かる永代橋が落ちた! あまりに大勢の人出で、橋が重みに耐えられずに起きた事故だった。だが犠牲者の中にひとり、肩口に大きな刀傷のある女がいた。殺しか――? いわくありげな女の正体と事件の真相を鼠が追う! 昼の顔は〈甘酒屋の次郎吉〉と呼ばれる遊び人。しかし夜になれば江戸の正義を守る盗賊・鼠小僧。庶民の味方〈鼠〉が活躍する痛快時代小説シリーズ第2弾。
  • 鼠、滝に打たれる
    4.0
    「縁談があったの」「お前に?」「違うわよ! 千草さんによ」鼠小僧次郎吉の妹、小袖がもたらした報せは、微妙な関係にある女医・千草と、さる大名の子息との縁談で…。恋、謎、剣劇――胸躍る物語の千両箱が今開く!
  • 鼠、夜に賭ける
    4.3
    〈鼠〉こと次郎吉が酒を飲んでいた店に、抜身を手にした男が入ってきた。どうやら人を斬ってきたらしい。男は「しくじった……やり直しはできん。俺はもう終りだ。けりをつける」と言い残すと、刀で首を斬って自害した。一方、騒ぎに巻き込まれた店で働く娘おようは、自害した男が落としたあるものを懐に忍ばせ、家路を急いでいた――。盗賊・鼠小僧が悪をくじく痛快エンタテインメント時代小説。絶好調のシリーズ第4弾!
  • 鼠、危地に立つ
    4.3
    ちょいとドジを踏んでしまい、捕手に追いかけられてしまった鼠小僧の次郎吉。追っ手を撒くために入った家には、母と娘の死体があった。この親子に何があったのか気になった次郎吉は、調べる事に……。
  • 寝太郎与力 映之進
    -
    町方与力の今井映之進は、かつては仕事熱心だったが、今は刻限が来ると同僚が仕事をしているのを横目に、さっさと家に帰ってしまう。映之進の態度に業を煮やした上司の筆頭与力・盛伊三郎は家に押し掛けるが……。
  • 能楽師の娘
    -
    室町から続く能楽家に生まれた綾は、女ながら能楽師になりたいと志すかたわら女子英学塾にも学び、たぐいまれな審美眼をもつ才媛へと成長する。 そんな折、綾は親友同士である魅力的な2人の学生、重光伊織と高見友則と出会う。 3人での輝くような青春の日々が過ぎ、やがて綾は伊織と友則、どちらかを選ぶ時がくる――。 結婚、渡英、そして1920年代のパリへ。真の上流が繰り広げる、絢爛たるロマンスと人生! 『花精の舞』改題。解説・宮内美樹(観世流シテ方能楽師)
  • 稚児桜 能楽ものがたり
    -
    清水寺の稚児としてたくましく生きる花月。ある日、自分を売り飛ばした父親が突然面会に現れて……(表題作「稚児桜」より)能楽から生まれた珠玉の8篇を収録。直木賞作家が贈る切なく美しい物語。
  • 信長死すべし
    3.9
    天正十年、甲斐の武田氏を滅ぼし天下統一に王手をかけた織田信長は、正親町天皇に大坂遷都を迫った。このまま信長の思うままにさせていれば、いずれ朝廷は滅ぼされる――不安と忍耐が限界に達した帝は、ついに重大な勅令を下す……。本能寺の変まで、残り三十八日。日本史上最大の謎を、明智光秀をはじめ、近江前久、吉田兼和、里村紹巴、徳川家康ら、信長を取り巻く男達の心理戦から炙り出す、著者渾身の歴史巨編。
  • 信長の傭兵
    3.7
    種子島から鉄砲を持ち帰った津田監物(けんもつ)は、鉄砲傭兵集団を組織した。監物率いる紀州・根来衆(ねごろしゅう)は諸国大名から重用され、その名は天下に轟く。永禄5年、新興勢力の最右翼である尾張の織田信長が根来衆に加勢を求めた。以後、監物は信長とともに天下布武の野望に向け、しかしあくまで傭兵として戦場を駆け抜ける。遂に信長最大の敵・本願寺との戦いに挑むが…。戦国の地図を塗り変えた、その波瀾に満ちた生涯。
  • 覇王の海 海将九鬼嘉隆
    -
    永禄8(1565)年7月、波切(なぎり)大王の海城を逐われた23歳の九鬼嘉隆は、まだ明けきらぬ伊勢海に血走った目をぎらつかせていた。敵対する千余の志摩地頭軍に砦を囲まれ、暗夜の海を逃げてきたのだ。だが、ただ逃げ出したのではない。嘉隆は、海をへだてた尾張国の当主、まだ見ぬ織田信長のもとに走り、世に出る機縁をつかもうとしていた。一介の志摩の海賊の身から日本水軍の大将にまで上り詰める九鬼嘉隆の凄絶な海の闘いを描く、海洋時代ロマン。
  • 刃鉄の人
    3.3
    『風の市兵衛』の著者入魂! 書き下ろし時代小説、新シリーズ開幕! 鍛え抜かれた刃鉄のように純粋で強靱な、孤高の刀鍛冶・一戸前国包、見参! 時は元禄。 一戸前国包は京橋南の弓町で刀鍛冶を営み評判を呼んでいた。 家宝の刀に魅せられて以来、武士の身分を捨て刀鍛冶に心血を注いできたが、ある時、本家を通じて老中格・柳沢吉保の配下から密命が下る。 武蔵川越領で村人を斬殺した旗本の子弟を斬ってほしい、と。 「天稟の素質」と言われた神陰流の達人である国包の下した決断は――。 孤高にして矜恃を失わぬ男の熱き生き様が胸を打つ、書き下ろし新シリーズ第一弾! 解説・北上次郎 「もしいま、書店でこの文庫本を手にとって迷っているなら、『ちょっと面白いよ』と、あなたの耳元で囁きたい。ただいま、そんな気分である。」(解説より) ――文芸評論家 北上次郎氏
  • 八卦見豹馬 吉凶の剣(一) 三度、斬る
    -
    旗本の次男・榊原豹馬は、一目置かれる腕前の持ち主である。しかし仕官も養子入りも叶わず、実家に居候する厄介者だった。そんな豹馬に養子話が舞い込むが、偶然出会った妖艶な女八卦見に不吉な卦を告げられ……。
  • おとっつあん 八丁堀赤鬼忠孝譚
    4.0
    因縁をつけられて父親を無為に殺された高井伊八郎は、加護藩からひとり、江戸に仇討ちに出てきていた。憎き仇の名は、竜崎又右衛門。長らく仇を見つけられぬまま、行き倒れた伊八郎が助けられ意識を取り戻すと、そこは多くの恵まれない生い立ちの子どもを引き取って育てている、忠孝園という施設だった。そして、忠孝園を運営する有徳の士・祐源は、話に聞いていた父の敵、又右衛門と面影がそっくりだった――果たして、祐源の正体は善人の面をかぶった極悪人なのか? 自分が祐源を斬ったら、遺された子どもたちはどうなる??様々な黒い噂も耳に入り、伊八郎は真実を突き止めるべく、祐源に近づこうとするのだが―― さまざまな人生模様が交差する人情時代ミステリ!
  • 花戦さ
    4.1
    厚き友情と信頼で結ばれていた、花の名手・池坊専好と茶の名人・千利休。しかし秀吉の怒りを買い利休は非業の死を。専好の秀吉に対する怒りが増していく。そんな専好に秀吉への復讐の機会が訪れる…。
  • はなたちばな亭恋空事
    3.0
    手習い小屋「たちばな堂」を営むお久は、かわいくてかしこくて時々お間抜けな町内一の人気者。思う男は数知れず、だがさっぱり気づかぬ鈍感娘。そこへ狸がやってきて……お江戸あやかしラブコメの決定版!! ※本作は二〇〇九年九月、『はなたちばな亭らぷそでぃ』のタイトルで弊社より単行本として刊行されたものが底本です。
  • はなたちばな亭恋怪談
    -
    始まりは百物語……若旦那連中の道楽は、とんでもない災いを呼び覚ましてしまった。折も折、お久とのすれ違いに悩んだ金ちゃんは出奔し、クマもまた……恋もご町内も大ピンチ、この事態どうするどうなる!?
  • はなたちばな亭恋鞘当
    -
    カタブツ娘のお久ちゃんと純情男子金ちゃんが、ようやくちょっとだけイイ感じに……と思いきや、さらなる大騒動が……お江戸あやかしラブコメ待望の第2弾!
  • はなとゆめ
    3.9
    なぜ彼女は、『枕草子』を書いたのか――。28歳の清少納言は、帝の妃である17歳の中宮定子様に仕え始めた。華やかな宮中の雰囲気になじめずにいたが、定子様に導かれ、その才能を開花させていく。機転をもって知識を披露し、清少納言はやがて、宮中での存在感を強める。しかし幸福なときは長くは続かず、権力を掌握せんとする藤原道長と定子様の政争に巻き込まれて……。清少納言の心ふるわす生涯を描く、珠玉の歴史小説!
  • はなとゆめ 電子ビジュアル版
    4.5
    なぜ彼女は、『枕草子』を書いたのか――。28歳の清少納言は、帝の妃である17歳の中宮定子様に仕え始めた。華やかな宮中の雰囲気になじめずにいたが、定子様に導かれ、その才能を開花させていく。機転をもって知識を披露し、清少納言はやがて、宮中での存在感を強める。しかし幸福なときは長くは続かず、権力を掌握せんとする藤原道長と定子様の政争に巻き込まれて……。清少納言の心ふるわす生涯を描く、珠玉の歴史小説! ○本電子書籍は新聞連載時のカラー挿画(遠田志帆/画)全198点を収録しています。 ○本文内容は、通常版の「はなとゆめ」と同一です。
  • 早替わりで候 音次郎よんどころなき事件帖
    3.0
    家を出て役者になった旗本次男坊の草二郎は「音次郎」の名で舞台にあがり、女形として評判をとっていた。ところがある日、兄の訃報が届く。実家に帰ると兄は暗殺されていたことがわかり、兄嫁から犯人捜しを懇願される。追い打ちをかけるように奢侈禁止令によって芝居小屋が打ち壊されてしまう。下手人捜しと芸能への弾圧――。突然振りかかった「よんどころない」事態。草二郎はどう戦うのか。手に汗握る本格的時代活劇!
  • 疾き雲のごとく
    -
    時代は血なまぐさい戦乱の世に突入した。将軍家に連なる名門・今川家は、家督争いによって二つに分裂する。一方、この内紛に目をつけた隣国の上杉定正は、名将・太田道灌を送り込むことで介入を目論んだ。道中、道灌は宿泊した寺院で、「宗瑞」を名乗る眼光鋭い青年僧と邂逅する。二人の運命的な出会いが、歴史を動かそうとしていた……。周囲の人々の眼を通して戦国の風雲児・北条早雲の生涯を描いた、疾風怒濤の歴史小説。
  • 春いくたび
    4.7
    江戸末期、戦地に赴く信之助を泣きそうな顔で見送る香苗。再会の願いも空しく時は過ぎ、尼僧になった香苗は救護院に流れ着いた老人の姿に息を呑む(「春いくたび」)。貧にして餓死するは武士の本懐なり。亡父の教え通り、最後の一夜を迎える兄妹。しかし、そこに突然激しい剣の音が(「武道宵節句」)。昭和の少年少女のために、山本周五郎が心とことばを尽くした短篇の中から時代小説10篇を収録。
  • 遥かなる大和 上
    3.3
    改革を推進する聖徳太子の期待を背負い、遣隋使に加わった留学生・高向玄理と南淵請安は隋都で大使・小野妹子から密命を受ける。高句麗侵略前夜、失踪した通事の行方を追い、2人は帝国の疲弊した現実を見る。
  • 春遠からじ
    -
    北条氏政の下総国関宿侵攻から八年。悪夢のような焼き討ちを生き延びた、塩商人蔵次の娘・あぐりに、婿取りの話が持ち上がっていた。相手は、父の店を手伝っている仲助。だが父たちの意をよそに、あぐりは、兄のように慕う伍平太に一途な想いを秘めていた。直後、関宿に再び北条氏との戦が忍び寄る。侍となって戦う決意をする伍平太に、あぐりは自らの想いを伝えるが……。戦国の世を力強く生きる女性たちを描いた傑作長篇。
  • 春マタギ
    4.0
    朋輩の喜助と羚羊狩に出かけた半蔵は、突如現れた巨熊に襲われ、喜助は殺され半蔵も傷を負った。「そやつは穴もたずに違えねえ。おめえたちの手に負える相手じゃねえんだ」と言った祖父にも死なれ、天涯孤独となった半蔵は、マタギ仲間からもはずされた。喜助の無念も晴らせぬままに5年の歳月が過ぎたある日、狼撃ちで生計を立てていた半蔵に、南部藩の御野馬別当から熊退治の命が下る。山に入った半蔵の目の前に、あの「穴もたず」が再び姿を見せた…。誇り高きマタギたちの物語。
  • 叛旗兵
    5.0
    上杉勢を率いた直江山城守が関ヶ原の戦いに敗れて10年。大御所家康の近くより難題が持ちこまれた。家康の懐刀、本多佐渡守の次男長五郎を、山城守の養女の婿に、というのである。本多の狙いは直江家乗っとり、上杉家の監視にあるのだろうか。山城守秘蔵の家臣、直江四天王は猛反発を示した。長五郎は本多が仕立てた隠密の噂さえあるのだ。山城守は苦慮の末、上杉、直江両家の安泰を図る一計を案じた。四天王の力を活用した、その一大奇策とは? 豪放大胆な構想で描く傑作長編。
  • 幕末 開陽丸 徳川海軍最後の戦い
    4.0
    新政府軍に追い詰められ、江戸城開城を余儀なくされた徳川幕府。しかし、幕府最強の軍艦・開陽丸は屈することなく、新政府軍と抗戦する奥羽越列藩同盟救援のため北へ向かうが……。直木賞作家の隠れた名作! ※本作品は、平成十四年十二月に講談社文庫より刊行された『開陽丸、北へ 徳川海軍の興亡』を改題したものが底本です。
  • 幕末蒼雲録
    -
    1~2巻704~1,012円 (税込)
    狂瀾怒涛の幕末。京都島原遊郭に育った美少年・椿は、生まれながらにして人を斬る術を心得ていた。ある日、椿は芹澤鴨という男と出会う。南朝の皇子を探す芹澤の存在が、椿の周囲を脅かし――。
  • ばけたま長屋
    4.0
    浅草の裏長屋に仕事場を構えた指物師の弦次。ところが長屋は空き部屋ばかり。住人たちが次々と引っ越したのは、木戸口から数えて四つ目の閉じられた部屋と関わりがあるらしい。入居日の夜、弦次はその部屋でこの世の者とは思えない女を見てしまう。怖がりだが根が真面目な弦次は、不真面目な先輩住人の三五郎、幽霊画を描くのにどうしても本物を見たい町絵師の朔天とともに、原因究明という名のおばけ退治に乗り出すが……!?
  • 化け者心中
    3.7
    ときは文政、ところは江戸。ある夜、中村座の座元と狂言作者、6人の役者が次の芝居の前読みに集まった。その最中、車座になった輪の真ん中に生首が転がり落ちる。しかし役者の数は変わらず、鬼が誰かを喰い殺して成り代わっているのは間違いない。一体誰が鬼なのか。かつて一世を風靡した元女形の魚之助と鳥屋を商う藤九郎は、座元に請われて鬼探しに乗り出す――。第27回中山義秀文学賞をはじめ文学賞三冠の特大デビュー作!
  • 化け者手本
    4.0
    「命を天秤にかけてこそ、示せるものがあるでしょう?」 ときは文政、ところは江戸。 心優しき鳥屋の藤九郎と、稀代の女形だった元役者の魚之助のもとに、中村座の座元から事件の話が持ち込まれた。 舞台の幕が下りたとき、首の骨がぽっきり折られ、両耳から棒が突き出た死体が、客席に転がっていたという。これは何かの見立て殺しか。 演目は「仮名手本忠臣蔵」。死人が出るのはこれで二人目。 真相解明に乗り出したふたりだったが、芸に、恋に、義に、忠に生きる人の姿が、彼らの心を揺さぶって――。 『化け者心中』『おんなの女房』で話題をさらった新鋭が放つ、極上上吉のエンタメ時代小説!
  • パンク侍、斬られて候
    3.8
    江戸時代。ある晴天の日。街道沿いの茶店に腰かけていた牢人は、そこにいた、盲目の娘を連れた巡礼の老人を、抜く手も見せずに太刀を振りかざし、ずばりと斬り捨てた。居合わせた藩士に理由を問われた牢人・掛十之進は、かの老人が「腹ふり党」の一員であり、この土地に恐るべき厄災をもたらすに違いないから事前にそれを防止した、と言うのだった……。圧倒的な才能で描かれる諧謔と風刺に満ち満ちた傑作時代小説!!
  • 秘戯書争奪
    4.0
    13代将軍の家定は“癇性公方”といわれ、すこぶる虚弱体質のうえに凡愚、最低クラスの将軍だったらしい。31歳にもなるのに世嗣ぎがいないのは「子供のつくり方」を知らなかったというのだ。すわっ、徳川家の一大事、将軍様にお世嗣ぎを! そこで城中奥医師の多紀法印は秘策を練った。古来から宮中に伝わる門外不出の奇書『医心方』を入手することだ。これには、陰萎早漏を治す秘術が網羅されているという。稀代の『奇書』をめぐって、甲賀忍法VS伊賀忍法の死闘が始まった。
  • 土方歳三 上
    4.3
    日野の豪農・土方家に生まれた歳三は、すらりと整った見た目に反して、負けず嫌いで一本気な性格だった。江戸での奉公が合わずに店を飛び出した歳三は、後の近藤勇と出逢う。勇によって「強くなって武士になりたい」という想いに火をつけられた歳三は、勇や沖田総司ら試衛館の仲間と剣の腕を磨く日々を送ることになる。だが、京の治安を守る浪士組に加わったことで、運命は大きく動き出し……。熱量溢れる渾身の青春時代長編! ※本書は、二〇一五年三月に小社より刊行された単行本『土方歳三 上』の第二部九節までを文庫化したものが底本です。
  • 秘帖 托鉢剣 一 虚無僧胡空 闇仕置き
    3.5
    虚無僧・胡空は、元越後村石藩の藩士で、剣の達人。藩首脳の汚職を知ってしまい、追われる身となった。胡空の過去を知った廻船問屋の葭屋徳兵衛は、お上が手を出せない悪を始末する闇稼業へと胡空を誘うが……。
  • 秀吉を討て
    -
    根来の若き忍び・林空は、総帥・根来隠形鬼に呼び出され「秀吉を討て」と命じられる。 林空は仲間とともに、家康との合戦のため、甲賀忍者・山中長俊らの鉄壁な守りに固められた秀吉を銃撃しようとするが……。
  • 人斬り半次郎 幕末編
    3.3
    「今に見ちょれ。俺はこの腕一本できっと……」。半次郎の口ぐせだった。姓は中村、鹿児島城下の藩士に〈唐芋〉とさげすまれる貧乏郷士の出ながら剣は示現流の名手、精気溢れる美丈夫で、性剛直である。時は幕末、ふとした機縁で西郷吉之助に見込まれ、国事に奔走するが、卓抜の剣技は血なまぐさい暗殺を重ね、〈人斬り〉の異名は、次第に高まってゆく。激動する時代の中に一快男児熱血の半生を描く、傑作小説の前編。
  • 火の杯
    -
    日本屈指の財閥・御池家の御曹司に生まれた康彦は、出生に関する秘密を抱え、不遇な青春時代を過ごしていた。敗戦後、GHQの財閥解体によって、御池家は存続の危機を迎える。時を同じくして、お抱え運転手の娘・夏子のもとには、怪しげな男が現れるようになっていた。彼女は康彦の亡父が遺した莫大な遺産に関する重要な情報を握っているというが……。没落の際に立つ上流階級たちの欺きあいを描いた、戦後サスペンス。
  • 日本一の商人 茜屋清兵衛奮闘記
    4.3
    日本一の「江戸店持京商人」になろうと並木屋に修行に出ていた清兵衛。だが実家茜屋に呼び戻されたことから、彼の悲劇が始まる。茜屋は火の車だったのだ。倒産寸前の実家と立て直すため、清兵衛が奮闘する!
  • 姫は、三十一
    3.9
    平戸藩の江戸屋敷に住む静湖姫は、微妙なお年頃のお姫さま。大晦日の夜、おかまの店で飲んだくれていると「来年はもの凄いモテ年になる」と占われる。年が明け、三十一歳になるのを機に習い始める三十一文字の和歌の会に参加すると、なんと屋根の上に死体が。謎を解こうと奮闘する姫の前に、素敵な男性が次々と現れて…。恋に事件に、花のお江戸を駆け巡る! 大人気著者が放つ「姫は、三十一」シリーズ第1弾。
  • 姫は、三十一 全7冊合本版
    3.0
    平戸藩の江戸屋敷に住む静湖姫は、微妙なお年頃のお姫さま。 大晦日の夜、おかまの店で飲んだくれていると「来年はもの凄いモテ年になる」と占われる。 年が明け、三十一歳になるのを機に習い始める三十一文字の和歌の会に参加すると、なんと屋根の上に死体が発見された。 この奇妙な謎を解こうと奮闘する姫の前に、素敵な男性が次々と現れて……。恋に事件に、花のお江戸を駆け巡る! 大人気著者が放つ「姫は、三十一」シリーズ、全7冊合本版!
  • 美少女一番乗り
    4.0
    飛騨と信濃の国境、摩耶谷の山中。お弓は、父親を殺した掟破りの敵陣に馬上に薙刀を執って斬り込んだ(「美少女一番乗り」)。主君の遺言書を命がけで守る中小姓・数馬。武家の家督を巡る兄妹の選択(「和蘭人形」)。上杉景勝一万石の重臣・左内は、大変な倹約家。切り詰めすぎる生活に陰口が飛ぶが、その真意が明かされる(「戦国会津唄」)。冒険、活劇、勇気、友情、ロマン、哀歓を人間の成長と共に描く名作短篇集、全10篇。
  • 風塵の剣(一)
    3.3
    浅間山が大噴火した天明3年、ひとりの男児が生まれた。名は小早川彦蔵。幼いころ藩の謀略により両親を目前で殺されて以来、彦蔵は数奇な運命を辿ることとなる。藩への復讐を誓い、剣の腕を磨く彦蔵は、ある事件を契機に江戸へ赴くが、そこには数々の試練が待ち受けていた。宿命というべき自らの人生と真摯に向きあい苦しみ、だが懸命に生き抜く侍の姿を痛快に描く、著者新境地の書き下ろし時代小説、第1弾!
  • 風塵の剣【全7冊 合本版】
    -
    「どえらい新シリーズが始まったものだ」 ――文芸評論家・細谷正充氏 浅間山が大噴火した天明3年、ひとりの男児が生まれた。名は小早川彦蔵。 幼いころ藩の謀略により両親を目前で殺されて以来、彦蔵は数奇な運命を辿ることとなる。 藩への復讐を誓い、剣の腕を磨く彦蔵は、ある事件を契機に江戸へ赴くが、そこには数々の試練が待ち受けていた。 宿命というべき自らの人生と真摯に向きあい苦しみ、だが懸命に生き抜く侍の姿を痛快に描く、著者新境地の書き下ろし時代小説! 全7巻が合本版で登場!
  • 風来忍法帖 山田風太郎ベストコレクション
    3.8
    豊臣秀吉の小田原攻めに対し忍城を守るは美貌の麻也姫。彼女に惚れ込んだ七人の香具師が姫を裏切った風摩党を敵に死闘を挑む。機知と詐術で、圧倒的強敵に打ち勝つことは出来るのか。痛快奇抜な忍法帖!
  • 福音列車
    3.4
    「福音の列車が、やっと日本にも来る。このやかましく、血なまぐさい戦闘の騒音とともに」 国と国の歴史が激突するその瞬間、その時代を活写した5つの物語。 明治維新の後、アメリカの海軍兵学校に留学した佐土原藩主の三男・島津啓次郎。彼はスピリチュアル(黒人霊歌)と出会い、これにぞっこんに。しかし、歌うにはソウルとガッツが必要だと言われる。「ゴスペル・トレイン」 上野戦争で死に損ない、妻と二人で「虹の国」ハワイへ移住して再起を図ろうとした伊奈弥二郎。待っていたのはサトウキビ農場での重労働だった。威圧的な白人農場主たちに、弥二郎とハワイ人労働者のエオノはストライク(労働争議)を決行する。「虹の国の侍」 第一次大戦後、日本が委任を受けて統治していた南洋のパラオにて。海軍大尉・宮里要は諜報目的で潜入した米軍将校・エリスの死体を検分したが、旅券からは肝心の顔写真が剥ぎ取られていた。「南洋の桜」 シベリア出兵にて、どうしても従えない命令を忌避して脱走兵になった、騎兵一等卒・鹿野三蔵。彼はモンゴルで、黒旗団(ハラ・スルデ・ブルク)という馬賊団に参加。生まれや人種を越えて、自らの国(ウルス)を探そうとする。「黒い旗のもとに」 神戸で生まれ育ち、祖国のためにインド国民軍婦人部隊、ラーニー・オブ・ジャンシー聯隊に志願した、少女・ヴィーナ。元サラリーマンの陸軍少尉で、インド独立指導者のチャンドラ・ボースに心酔する青年・蓮見孝太郎。インパール作戦で、近くて遠い二人の人生が交錯する。「進めデリーへ」
  • 梟の裂く闇
    4.0
    十二年前、肥後の村で記憶を喪い、村人に助けられた谷五郎。妻女と子に恵まれ、平穏な一生を送る筈だった。だが、村に兵が押し寄せた時から、彼の運命が、大きく変わりはじめる──。書き下ろし時代長篇。
  • 不思議絵師 蓮十 江戸異聞譚
    3.4
    時は文化文政期の江戸。幕末なんてどこ吹く風の太平楽な町の片隅に、駆け出しの浮世絵師がひとり。女性と見紛うばかりの美貌に、優れた才を持つ。名は石蕗蓮十という。 蓮十の筆には不思議な力が宿っている。描くものに命が吹き込まれるのだ。でも、それは内緒。知っているのはごくわずか。 蓮十の周りはいつも賑やかだ。蓮十の世話を焼きたがる地本問屋のお嬢さん小夜に、悪友の歌川国芳。彼らとともに蓮十は、今日もふしぎな筆の力で町で起こる事件を解決することになり?
  • 藤原定家謎合秘帖 幻の神器
    3.0
    藤原定家はある日、父俊成より三種の御題を出された。これを解いた暁には「古今伝授」を授けるという。公家社会に起こる政治的策謀と事件の謎を追い、背後に潜む古代からの権力の闇に迫る鎌倉和歌ミステリ!
  • 藤原定家謎合秘帖 華やかなる弔歌
    2.8
    後鳥羽上皇から勅撰和歌集の撰者に任命された定家。しかし歌神と名乗る者から和歌所を閉鎖せよと脅迫文が届く。次々舞い込む弔歌と相次ぐ歌人の死に関連はあるのか。定家は長覚の力を借りて謎解きに挑む――
  • ふたつぼし 壱
    -
    18歳の兵ノ介は、ある男を追いかけて諸国を放浪していた。その男を倒せば、父の死の真相が明らかになる……しかし、その口から出た言葉は……お互いの立場や関係に、悩み苦しんだりしていく青年の成長記。

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