検索結果

  • 治療塔惑星
    3.0
    地球のさらなる荒廃『治療塔』に続くSF!地球に帰還した「選ばれた者」の朔ちゃんと、残留し「落ちこぼれ」となった私との間に子供・タイくんが生まれた。しかし、地球環境の悪化はさらに進む。世界宗教、宇宙ミドリ蟹、新しい地球、予戒、地球酸素1/4供給機構、向こう側の知性体――著者初のSFである前作『治療塔』をもしのぐ圧倒的スケールの作品。
  • 強く生きるノート 考え方しだいで世界は変わる
    3.8
    ■常に満員御礼、慶應丸の内シティキャンパスの貴重な講演を出版化!■本田直之、ちきりん、小池龍之介、平田オリザ、竹中平蔵、原田泳幸、村上憲郎が、こんな疑問に答えます。●生き方や働き方が多様化する社会で、自分はどんな選択をしたらいいか●どうしたら不安から自由になれるか?●もっと、相手と通じ合えるコミュニケーション●世界中からスカウトされるスキルの身につけかた
  • 定義集
    3.0
    源氏物語、ドストエフスキー、レヴィ=ストロース、井上ひさし。人生のさまざまな場面で出合った忘れがたい言葉を書き写し、読み直し、自前の定義をする。ノーベル賞作家による評論的エッセイの到達点。【巻末エッセイ・落合恵子】
  • 撤退論
    3.8
    少子化・人口減、気候変動、パンデミック……。国力が衰微し、手持ちの国民資源が目減りしてきている現在において「撤退」は喫緊の論件。にもかかわらず、多くの人々はこれを論じることを忌避している。 名著『失敗の本質』で言われた、適切に撤退することができずに被害を拡大させた旧・日本陸軍と同じ轍をまた踏むことになるのか? 「子どもが生まれず、老人ばかりの国」において、人々がそれなりに豊かで幸福に暮らせるためにどういう制度を設計すべきか、「撤退する日本はどうあるべきか」について衆知を集めて論じるアンソロジー。 目次 まえがき 内田樹 ■1 歴史の分岐点で 撤退は知性の証である──撤退学の試み 堀田新五郎 撤退のための二つのシナリオ 内田樹 撤退戦としてのコミュニズム 斎藤幸平 民主主義からの撤退が不可能だとするならば 白井聡 撤退戦と敗戦処理 中田考 ■2 撤退の諸相 撤退という考え方──ある感染症屋のノート 岩田健太郎 下野の倫理とエンパワメント 青木真兵 音楽の新しさはドレミの外側にだって広がっている 後藤正文 文明の時間から撤退し、自然の時間を生きる 想田和弘 撤退のマーチ 渡邉格 撤退女子奮闘記 渡邉麻里子 ■3 パラダイム転換へ 『桜の園』の国から 平田オリザ ある理系研究者の経験的撤退論 仲野徹 Withdrawalについて──最も根っこのところからの撤退 三砂ちづる 個人の選択肢を増やす「プランB」とは何か 兪炳匡 極私的撤退論 平川克美
  • 天神―TENJIN― 1
    完結
    3.8
    どこまでも繋がって、ただ広く、地上にあるものをちっぽけに感じてしまう別世界――空。 元戦闘機乗りの父と祖父を持つ坂上陸は、自らも空を飛ぶことを望み、パイロットを目指すが…。超本格航空ロマン登場!!
  • 天神―TENJIN― episode:0
    完結
    4.5
    「ジャンプLIVE」で圧倒的大反響! 『トッキュー!』『海猿』原作者・小森陽一×ジャンプの超新鋭で贈る大空の物語、テイク・オフ! かつて事故を起こした父に反発し、パイロットの夢を捨てた少年・坂上陸が出会う景色とは…!?
  • 天神
    3.6
    1~5巻555~715円 (税込)
    絶対にファイター・パイロットになるんだ――。親子三代での戦闘機乗りを目指す航空学生出身の坂上陸(りく)と、防衛大学卒業後、国を守りたいという強い思いから航空自衛隊に入ったエリートの高岡速(はやり)。立場も考え方もまるで違う二人の青年の人生が交差するとき、心揺さぶられる熱いドラマが生まれる! 戦闘機に乗ることに憧れを抱き、夢に向かって突き進む若者たちを描いた壮大な“空”の物語。
  • ともに生きるための演劇
    4.1
    演劇を通して「対話」を学べば、違いを乗り越え、ゆるやかにつながれる 日常的な話し言葉を用いた「静かな演劇」で、日本演劇の潮流を変えた平田オリザ。日本語の特性やコミュニケーションのあり方を徹底的に分析してきた同氏がたどり着いた「他者と世界を理解する」方法としての演劇とは。役割に応じて「演じ分ける」存在である人間にとって、演劇はその起源から実社会におけるコミュニケーションと切り離せないものだった。多様化が加速し、疫病や戦争で人びとの分断も進む社会のなかで、「ともに生きる」ためにはどうすればいいのか。フィクションの設定を借りて自由に台詞を考え演じる「演劇ワークショップ」は、ことばへの意識を高め、異なる価値観を理解し、仲間とともに新しい価値を創り出す充実感を体験する有効な手段のひとつ。教育現場からも熱い注目を浴びている実践例をはじめ、演劇の可能性をさまざまな視点から検証した異色の演劇入門。 *本電子書籍をご購入された方は、本書の「『転校生が来る』台本」をNHK出版サイトからダウンロードできます。詳しくは書籍内の説明ページをご参照ください。
  • 同時代ゲーム
    4.3
    海に向って追放された武士の集団が、川を遡って、四国の山奥に《村=国=家=小宇宙》を創建し、長い〈自由時代〉のあと、大日本帝国と全面戦争に突入した!? 壊す人、アポ爺、ペリ爺、オシコメ、シリメ、「木から降りん人」等々、奇体な人物を操り出しながら、父=神主の息子〈僕〉が双生児の妹に向けて語る、一族の神話と歴史。得意な作家的想像力が構築した、現代文学の収穫1000枚。
  • DOG×POLICE 警視庁警備部警備第二課装備第四係
    3.3
    警備課に所属し、爆発物探知や自然災害での被災者救助など、警備全般を担う犬、警備犬。その訓練を行う装備第四係に配属された新人警察官の勇作は、刑事になる夢とのギャップに不貞腐れるが、個性的な同僚や優秀な犬たちとの出会いが彼の心を変えていく。そんな中、勇作は生まれつき体の弱い警備犬シロとバディを組み、巷を騒がせる爆弾魔事件に出動して……。話題の映画、原案小説書き下ろし。
  • なぜ漱石は終わらないのか
    -
    漱石研究をリードしてきた名コンビが、難解とされる『文学論』を解きほぐすことから始め、『吾輩は猫である』から『明暗』まで14作品を取り上げて、漱石文学の豊潤な可能性を阿吽の呼吸で語りつくす。
  • 懐かしい年への手紙
    4.6
    郷里の村の森を出、都会で作家になった語り手の「僕」。その森に魂のコミューンを築こうとする「ギー兄さん」。2人の"分身"の交流の裡に、「いままで生きてきたこと、書いてきたこと、考えたこと」のおよそ総てを注ぎ込んで"わが人生"の自己検証を試みた壮大なる"自伝"小説。『万延元年のフットボール』『同時代ゲーム』に続きその"祈りと再生"の主題を深め極めた画期的長篇。
  • 夏目漱石、現代を語る 漱石社会評論集
    -
    食い扶持を稼ぐための仕事と、生きるための仕事。国家と個人、異なるアイデンティティへの対応。新しい時代への適応。現代の我々も抱える葛藤と対峙し続けてきた漱石。漱石がぶつかった問題は、いまの私たちが抱える問題である!
  • 難民
    -
    20世紀は難民の世紀であった。そもそも難民とはどのような存在であるのか、どのように発生してきたのか。難民というものを外部にいるのではなく、必然的に私たちの内側に抱え込まれている存在と考えるとき、国民国家の境界線を乗りこえてやってくる者たちに対し友愛や歓待は可能だろうか。グローバル化のなかで考察する。

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  • 喜劇 ほらんばか
    完結
    -
    1967年に秋浜氏自身の作・演出により第1回紀伊國屋演劇賞を受賞した記念作! 東北地方のある寒村。春になるとほらんばか(ほら事語り)になってしまう工藤充年(くどうじゅうねん)が廃屋となった牛舎の前で、白樺の木の間をわきめもふらず、往復している。工藤は、昔、仲間と集団農場を経営していて、不在の間に牛をすべて伝染病で死なせたことで、ほらんばかになってしまった。野間さち、なちの姉妹が、今年の春もほらんばかになっているのか確かめにやって来る。工藤とさちは愛し合っているが、工藤がほらんばかのために結婚できない関係。東北弁で繰り広げられるユーモラスで、はかなくもせつない物語。 【著者】 秋浜悟史 1934年、岩手県生まれ。早稲田大学文学部卒業後、岩波映画製作所を経て、1962年に劇団三十人会代表となる。1967年「ほらんばか」の作・演出で、第1回紀伊國屋演劇賞受賞。1969年「幼児たちの後の祭り」で第14回岸田戯曲賞受賞。元大阪芸術大学大学院教授。前宝塚北高等学校演劇科長。前ピッコロ劇団代表。前ピッコロ演劇学校参与。2005年逝去。
  • 22世紀を見る君たちへ これからを生きるための「練習問題」
    4.1
    これから大切な能力って何? いまの子どもたちの文章読解能力は 本当に「危機的」? 未来の大学入試とは? 英語教育は必要? そもそも日本人の大多数が、 ネイティブと同じ発音をする必要がどこにあるの? ・・・ 祖父母から孫へ、親から子へ――。 世代を超えて伝えたい、教育の「本質」を探る。 ・・・ 教育とは、わからない未来を予想して、 あるいは来るべき未来社会を予想して、 「子どもたちに生きるための能力を授ける」という、 いささか無謀な行為である。 それでも20世紀前半くらいまでは、その予想は、 ある程度可能だったかもしれない。 たとえば自分の息子が、自分のあとを継いで漁師になることが 確実にわかっていれば、その子には、船の動かし方、釣り具や網の整備の仕方、 天候の予測のための知識、万が一の時の泳ぎ方といったことを教えておけばよかった。 しかし、いま私たちが直面し知ているのは、おおよそ以下のような問題である。 ■まず、その子が、どんな職業に就くかまったく予想できない。 ■たとえ親が子どもを漁師にしたいと考えても、そもそも22世紀に漁師という仕事が あるかどうかがわからない。 ■さらに、たとえ漁師という仕事が生き残ったとしても、そこで必要とされる 能力について予想がつかない。 ■それは、漁業ロボットを操作する能力かもしれない。漁から販売までを一元化し、 六次産業化していくコーディネート力かもしれない。あるいは、養殖の技術や 遺伝子組み換えについての研究こそが、漁師の本分となるかもしれない。 ■私が暮らす兵庫県豊岡市の隣町、カニ漁で有名な香美町では、多くのインドネシア人が 漁業実習生として漁に携わっている。もしかすると、これからの漁師に必要な能力は インドネシア語の習得や、イスラムの習慣への習熟かもしれない。 ・・・ 本書の中で、私は「教育」について考えていきたいと思う。 2020年の大学入試改革など、教育の大きな転換期を前に、私のこれまでの考えを、 ひとつにまとめて記しておくのも、本書の狙いの一つである。 ・・・ 巻末に高校・大学の授業や、新入社員研修などにも活用可能な、付録「22世紀ための問題集」つき!
  • 日常生活の冒険
    4.0
    たぐい稀なモラリストにして性の修験者斎木犀吉――彼は十八歳でナセル義勇軍に志願したのを手始めに、このおよそ冒険の可能性なき現代をあくまで冒険的に生き、最後は火星の共和国かと思われるほど遠い見知らぬ場所で、不意の自殺を遂げた。二十世紀後半を生きる青年にとって冒険的であるとは、どういうことなのであろうか? 友人の若い小説家が物語る、パセティックな青春小説。
  • 日本の「私」からの手紙
    5.0
    米誌への寄稿「天皇が人間の声で話した日」,韓国での講演「希望と恐れとともに」,ドイツの作家G.グラスとの往復書簡,フランス核実験に反対する手紙,国連大学での講演など,外国人に向かって,ノーベル賞受賞後の1年間に発表された思索の結果をまとめる1冊.それはまさしく,日本のありかたを自問するいとなみの集積である.

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  • 「反復帰論」を再び読む
    -
    戦後アメリカの施政権下から日本に「復帰」する前の沖縄で1970年に誕生した、「反復帰論」の原点を知る本。日本への復帰運動の奔流の中、「反復帰論」は米軍基地を残したままの「復帰」を見つめ、沖縄が心情的に日本を「祖国」として希求することを拒否し、沖縄の真の自立とは何かを問いかけた。最初に「反復帰論」が登場した雑誌『新沖縄文学』(沖縄タイムス社)から8編の論文を再収録。誕生の背景と現代的意味の解説を2編収録した。筆者は大城立裕、珊瑚太郎(牧港篤三)、新川明、仲宗根勇、大江健三郎、池沢聡(岡本恵徳)、比屋根照夫、谷川健一。解説は小松寛、仲里効。
  • 東アジア歴史認識論争のメタヒストリー 「韓日、連帯21」の試み
    -
    1巻3,080円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「従軍慰安婦」問題や靖国問題、竹島(独島)問題、教科書問題など、東アジア、とりわけて韓日の歴史認識をめぐる対立はますます激化している。この局面を打開して真の和解をめざすために、韓日の有志が4年間、真摯な討論を重ねてきたシンポジウムの成果をまとめる。

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  • ヒロシマ・ノート
    4.3
    広島の悲劇は過去のものではない。一九六三年夏、現地を訪れた著者の見たものは、十数年後のある日突如として死の宣告をうける被爆者たちの“悲惨と威厳”に満ちた姿であり医師たちの献身であった。著者と広島とのかかわりは深まり、その報告は人々の胸を打つ。平和の思想の人間的基盤を明らかにし、現代という時代に対決する告発の書。

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  • ピンチランナー調書
    3.8
    地球の危機を救うべく「宇宙?」から派遣されたピンチランナー二人組! 「ブリキマン」の核ジャックによる民衆の核武装?……。内ゲバ殺人から右翼大物パトロンの暗躍までを、何もかもを笑いのめし、価値を転倒させる道化の手法を用いて描き、読者に再生への希望と大笑いをもたらす。死を押しつけてくる巨大なものに立向い、核時代の《終末》を拒絶する諷刺と哄笑の痛快純文学長編である。※あとがきのカットは当電子版では掲載しておりません。ご了承ください。
  • P+D BOOKS 暗夜遍歴
    -
    1巻880円 (税込)
    母の不遇な半生と実業家一家の愛憎を描く。  柴山芳三が事業に失敗して困窮しているとき、管財人として現れ、救いの手を差しのべた小田村大介は、じつは芳三が没落するきっかけを作った人物だった。  豪腕の実業家であり、気鋭の政治家でもあった小田村は、あるとき芳三の娘・月子を強引にさらい、自分のものにしてしまう。月子は一男一女をもうけ、愛人として空しい日々を送っていたが、短歌に生きる希望を見いだし、小田村の死後もたくましく生きていこうとするのだった――。  作者の父・堤康次郎をモデルとした『父の肖像』と対をなす作品で、歌人でもあった作者の母・青山操とそのきょうだい、そして作者自身と思われる人物が登場する自伝的長編。
  • P+D BOOKS 終わりからの旅 上・下巻 合本版
    -
    1巻1,375円 (税込)
    待望の合本版!! 出征と敗走、捕虜生活を経験した兄と、終戦の年に生まれた異母弟。歩んできた道も、価値観も異なる二人の男の半生を描いた大作の上下合本版。 復員後、大学在学中から商売を始めていた兄・忠一郎は、卒業して商社のアメリカ駐在員となり、そこで出会った日系米国人との出会いから、新しいビジネス――サンドイッチ店のヒントをつかむ。片や新聞社に入った弟・良也は、妻がありながら、かつての恋人・茜への想いが断ちがたく、取材旅行の傍ら茜の痕跡を訪ね歩く……。 実業家でもある著者らしく、戦後の経済成長や、企業間の争いを交えつつ、戦中・戦後派が引きずる戦争の暗い影を描いた名作。
  • ふしぎの国の波平さん 1
    完結
    3.7
    日本最高峰のアミューズメントパーク「東京ドリームランド」で働く夢に破れた新卒女子・波平久瑠美(なみひらくるみ)が雇われたのは、“夢の国”とは程遠いド田舎の遊園地だった。不慣れな土地、経営不振気味の職場、理解出来ない上司たち…。理想と現実のギャップに不満だらけの久瑠美は、ある一大決心をするのだが…!?
  • 文学の淵を渡る(新潮文庫)
    3.7
    聖なるものと優れた小説がともにもつ、明快にして難解な言葉の有り様を語り、鴎外から中上健次まで百年間の名作小説を、実作者の眼で再検証する。また、外国詩を読み、翻訳する喜びを確認し合う傍らで、自らの表現を更新するたび「+(プラス)1」を切望する、創作時の想いを明かす。日本文学の最前線を半世紀を超えて走り続けた小説家が、それぞれの晩年性(レイトネス)から文学の過去と未来を遠望する対談集。
  • 文体としての物語 増補版
    -
    1巻5,500円 (税込)
    明治期の西欧的な文体の導入は日本文学をどのように変化させ、解体し、新しい型を生み出したのか。二葉亭四迷や森鴎外などの小説を題材に、新しい文体と物語が誕生した時代をとらえ、表現することと読むこと、聴くことに目を向けて近代文学の始まりを問う。

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  • 変成する思考 グローバル・ファシズムに抗して
    3.0
    世界を席巻するグローバリゼーションの波が、隠蔽し抹消しようとしているものとは何か。軍事、政治、経済、そして社会の諸制度を一元化しようとする力に抗して、われわれがなしうることとは何なのか。思考の枠組を組み換え、新たな社会空間を創出するために「文化と翻訳」「民主主義と暴力」をめぐって展開される白熱の討論。

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  • 僕が本当に若かった頃
    3.8
    障害をもつわが子と妻との日常、そして夥しい量の読書。少年の日の記憶、生の途上における人との出会い。「文章を書き、書きなおしつつ、かつて見たものをなぞる過程でしだいに独特なものを作ってゆく」という方法意識の作家「僕」が綴る、表題作等9篇の短篇小説。切迫した震える如き感動、特にユーモアと諧謔をたたえて還暦近づき深まる、大江健三郎の精神の多面的風景。
  • 僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう
    4.1
    あんな偉い人でも、なんだ自分と同じじゃないかということを感じとってほしい ――永田和宏「はじめに」より 細胞生物学者にして、歌人としても著名な永田和宏・京都産業大教授から、あこがれの対象を持っていない若い世代へおくるメッセージ。 各界を代表する人物の講演と、永田氏との対談を収録。 「あんなに偉い人でも自分と同じ失敗や挫折を経験してきたのかと、また将来への不安や焦りもあったのかと、その場で驚き、感じとってほしい。それはそのまま、自分の将来にひとつの可能性を開くことになるはずである。ひょっとしたら自分だってと思えるということは、それに向かって努力してみようかと思うことでもあろう。初めから圏外のものとして除外するのではなく、ひょっとしたらと思えることだけでも、その若さに可能性を付与することになるはずである」 ◆目次◆ 第1章 山中伸弥(京都大学iPS細胞研究所所長) 「失敗しても、夢中になれることを追いかけて」 【対談】環境を変える、自分が変わる 第2章 羽生善治(将棋棋士) 「挑戦する勇気」 【対談】“あいまいさ”から生まれるもの 第3章 是枝裕和(映画監督) 「映画を撮りながら考えたこと」 【対談】先入観が崩れるとき、世界を発見する 第4章 山極壽一(京都大学総長、霊長類学者) 「挫折から次のステップが開ける」 【対談】おもろいこと、やろうじゃないか
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ
    3.5
    コロナ・パンデミックによって世界は変わった。グローバル資本主義の神話は崩れ、医療や教育などを「商品」として扱ってはならないことがはっきりし、一握りの超富裕層の一方で命を賭して人々の生活を支える多くのエッセンシャルワーカーが貧困にあえぐ構図が明らかとなった。私たちは今、この矛盾に満ちた世界をどうするかの分岐点にいる。この「歴史的転換点」以後を生きる中高生たちに向けて、5つの世代20名の識者が伝える「生き延びるための知恵」の数々。知的刺激と希望に満ちたメッセージ集。 こんなに誠実な大人たちから、地球を引き継げるワクワクをあなたへ。 ──山邊鈴(長崎県立諫早高校3年/「この割れ切った世界の片隅で」作者) 「ウイルス一つによって、わずか数ヵ月の間に、ほんの昨日までこの世界の「常識」だと思われていたことのいくつかが無効を宣告されました。それがどのような歴史的な意味を持つことになるのか、人々はまだそのことを主題的には考え始めてはいません。日々の生活に追われて、そんな根源的なことを考える暇がありませんから。でも、中高生たちはこの「歴史的転換点」以後の世界を、これから長く生きなければなりません。彼らに「生き延びるために」有益な知見や情報を伝えることは年長者の義務のひとつだと僕は思います」(まえがきより) 【目次】 まえがき 内田樹 ■1 Letters from around 30 ポストコロナにやってくるのは気候危機 斎藤幸平 楽しい生活──僕らのVita Activa 青木真兵 これからの反乱ライフ えらいてんちょう ■2 Letters from over 40 君がノートに書きつけた一編の詩が芸術であること 後藤正文 技術と社会──考えるきっかけとしての新型コロナ危機 白井聡 「タテ、ヨコ、算数」の世界の見方 岩田健太郎 支援の現場から考える、コロナ後の世界 雨宮処凛 「大学の学び」とは何か──「人生すべてがコンテンツ」を越えて 増田聡 ■3 Letters from over 50 コロナで明らかになった日本の最も弱い部分──対話・エンパシー・HOME 平田オリザ コロナ禍と人間──私たちはどう生きるのか 想田和弘 台風とコロナ・パンデミックは同じか? 俞炳匡 図太く、しぶとく、生きてゆけ──誰も正解を知らない問題にどう答えを出すか 山崎雅弘 ■4 Letters from over 60 医療が無料であること 三砂ちづる 人生100年時代、ポストコロナはダブルメジャーで 仲野徹 メメント・モリ──思いがけない出会いに開かれているために 中田考 ディレンマの知性 釈徹宗 ■5 Letters from over 70 ポストコロナ期における雇用について 内田樹 自分に固有の問題を考えること 池田清彦 コロナと価値のものさし 平川克美 マスクについて 鷲田清一
  • ポストコロニアル
    3.8
    1945年の敗戦以降、忘却されていた植民地主義の問題が新たな課題として浮上している。いかにして近代日本の植民地的無意識は形成されたのか。後発近代国家が抱え込まざるをえなかった、欧米列強への過剰な模倣と擬態というその起源に溯り、植民地主義以後の世界を生きる現在の我々が解決すべき課題の所在を明らかにする。

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  • 幕が上がる
    4.2
    ある地方の高校演劇部を指導することになった女性教師が部員らに全国大会の出場を意識させる。高い目標を得た部員たちは恋や勉強よりも演劇ひとすじの日々に。演劇強豪校からの転入生に戸惑い、切磋琢磨して一つの台詞に葛藤する役者と演出家。彼女たちが到達した最終幕はどんな色模様になるのか。2015年2月に映画化する、爽快感を呼ぶ青春小説の決定版!
  • 街場の平成論
    3.8
    どうしてこんな時代になったのか? 「丈夫な頭」を持つ9名の論者による平成30年大総括 平成の30年は、日本の国運が「隆盛」から「衰退」へと切り替わる転換期だった。 なぜ30年前に期待されていた「あのこと」は起こらずに、 起きなくてもよかった「このこと」ばかり現実になったのか? 平成という時代の終わりに向けて、この間に生まれた絶望の面と希望の面を、 政治・社会・宗教・自然科学など9つの観点から回想するアンソロジー。 【目次】 まえがき ――内田樹 戦後史五段階区分説 ――内田樹 紆余曲折の日韓平成史 ――平田オリザ シスターフッドと原初の怒り ――ブレイディみかこ ポスト・ヒストリーとしての平成時代 ――白井聡 「消費者」主権国家まで ――平川克美 個人から「群れ」へと進化した日本人 ――小田嶋隆 生命科学の未来は予測できたか? ――仲野徹 平成期の宗教問題 ――釈徹宗 小さな肯定 ――鷲田清一
  • みずから我が涙をぬぐいたまう日
    3.8
    天皇に殉じて割腹、自死を遂げた作家の死に衝撃を受けた、同じ主題を共有するもう1人の作家が魂の奥底までを支配する〈天皇制〉の枷をうち破って想像力駆使し放つ"狂気を孕む同時代史"の表題作。宇宙船基地より逃走する男が日本の現人神による救済を夢見る「月の男」。──全く異なる2つの文体により、現代人の危機を深刻、ユーモラスに描く中篇小説2篇。
  • 見るまえに跳べ
    4.0
    処女作『奇妙な仕事』から3年後の『下降生活者』まで、時代の旗手としての名声と悪評の洪水の中、充実した歩みを始めた時期の秀作10編。“政治と性”の主題を初めて取り上げ、屈伏感と自己欺瞞の意識に苦悩する同時代の青年の内面を文学に定着させた表題作、政治における挫折の問題に挑んだ『後退青年研究所』ほか、『鳩』『ここより他の場所』『上機嫌』戯曲『動物倉庫』など。
  • 村上春樹論  『海辺のカフカ』を精読する
    3.2
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 日本、アメリカ、中国等で大ヒットした『海辺のカフカ』。カフカ少年とナカタさんのパラレルな物語に"癒し"や"救い"を感じた人も少なくなかった。けれども、本当にそういった内容なのだろうか?丁寧なテクスト分析によって、隠された構造が浮かび上がる。暴力が前面に現れつつある「九・一一」後の世界に、記憶と言葉の大切さを訴える、渾身の村上春樹論。
  • 名著入門 日本近代文学50選
    4.0
    作家と作品名は知っていても「未読」の古典。そんな日本近代文学の名作群を、劇作家・演出家の著者が魅力的に読み解く第一級の指南書。樋口一葉から鷗外、漱石、谷崎、川端、宮沢賢治、三島由紀夫らまで一挙50人に及ぶ名著を紹介。本を愛する読書人必読の書。
  • メディア空間の変容と多文化社会
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 日本の広告とアメリカ化、電子メディアにおける主体、戦後国語教育が隠蔽してきたもの、外国人居住者が提示する問題、メディアと観光の複合化……。多様な切り口から、都市やメディアの発展と文化の異種混交の問題を見通す論考集。

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  • 芽むしり仔撃ち
    3.8
    絶望的な"閉ざされた"状況にあって、疎外された少年たちが築き上げる奇妙な連帯感。知的な抒情と劇的な展開に、監禁された状況下の人間存在という戦後的主題を鮮やかに定着させた長編。ノーベル賞を受賞した大江健三郎の処女長編。
  • 燃えあがる緑の木―第一部 「救い主」が殴られるまで―
    3.8
    1~3巻715円 (税込)
    百年近く生きたお祖母ちゃん(オーバー)の死とともに、その魂を受け継ぎ、「救い主」とみなされた新しいギー兄さんは、森に残る伝承の世界を次々と蘇らせた。だが彼の癒しの業は村人達から偽物と糾弾される。女性へと「転換」した両性具有の私は彼を支え、その一部始終を書き綴っていく……。常に現代文学の最前線を拓く作者が、故郷四国の村を舞台に魂救済の根本問題を描き尽くした長編三部作。
  • 燃えあがる緑の木 全三部合本版(新潮文庫)
    3.0
    百年近く生きたお祖母ちゃん(オーバー)の死とともに、その魂を受け継ぎ、「救い主」とみなされた新しいギー兄さんは、森に残る伝承の世界を次々と蘇らせた。だが彼の癒しの業は村人達から偽物と糾弾される。女性へと「転換」した両性具有の私は彼を支え、その一部始終を書き綴っていく……。常に現代文学の最前線を拓く作者が、故郷四国の村を舞台に魂救済の根本問題を描き尽くした長編。 ※当電子版は新潮文庫版『燃えあがる緑の木』第一部~第三部の全三巻をまとめた合本版です。
  • ゆるやかな絆
    -
    わが子、光へ──真摯な魂の贈り物。 ノーベル賞作家夫妻が綴り、描く家族の共生と命の軌跡 。「この10年間に、こうしたかたちで日々の感想を書き続けた文章が──家内の絵に穏やかに傍証されるようにして──本になって残ったということは、なにより僕自身にとって思いがけないほどありがたい贈り物です(文庫版あとがきより)」
  • 「リアル」だけが生き延びる
    3.6
    大げさな台詞も、スポットを浴びる役者のエクスタシーもない。劇団「青年団」の舞台は日常の言葉が静かに交錯し物語が進行する。いま、このスタイルが新劇や小劇場のイメージを変え、若手劇団に影響をあたえている。演劇はテーマではなく、作家・演出家の世界観で勝負する。演劇に自覚的であればあるほど、過剰な台詞や感情移入はいらない。平田オリザが求めるものは徹底した演劇の『リアル』だ。表現の形こそ違え、『リアル』こそが国や世代や言葉をやすやすと超えていく。「私とあなたとはこんなに違うけど、一つの共同体がつくれますか」。演劇をつくることは、自己と他者を峻別するこの問いから始まると著者はいう。日本のこれからの社会は、壊れかけたシステムを価値観のバラバラな人間たちでつくり直さなければ滅びてしまう、そこで有効なのも『リアル』なのだ。

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  • レイシズム
    -
    現代における人種差別主義とは、何によって定義され、作りあげられているのか。A。メンミ、サイードなどの定義を辿りながら、自他の「差異」「優劣」を捏造するメカニズムを解き明かす。さらに差別意識の発生に「言語システム」が果たす役割を指摘、永井荷風のテクスト分析により実証する。現在の差別と対峙する思考の創出。

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  • 「雨の木」を聴く女たち
    3.7
    危機にある男たちを受け入れ、励ます女たち。若者を性の暴力にむけて挑発しながら、いったん犯罪がおこると、優しい受苦の死をとげて相手をかばう娘。かれらをおおう「雨の木(レイン・ツリー)」のイメージは、荒涼たる人間世界への再生の合図である……。宇宙の木でもあれば、現実の木でもある「雨の木(レイン・ツリー)」のイメージにかさねて、人の生き死にを見つめた、著者会心の連作小説集。読売文学賞受賞作。
  • 歴史像を伝える 「歴史叙述」と「歴史実践」
    4.0
    「歴史総合」の授業では,教室での「私たち」が,教科書をはじめとする,「私たち」を主語にした「歴史叙述」を解釈し,歴史の知識と歴史的思考力をむすびつけ,〈いま〉と過去とを往還する「歴史実践」の対話を行うことが求められる.本巻は,シリーズ第1巻の総論的な『世界史の考え方』に続き,歴史を学ぶ営みに迫る.

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  • わかりあえないことから コミュニケーション能力とは何か
    4.4
    【新書大賞2013第4位】 日本経団連の調査によると、日本企業の人事担当者が新卒採用にあたってもっとも重視している能力は、「語学力」ではなく、「コミュニケーション能力」です。ところが、その「コミュニケーション能力」とは何を指すのか、満足に答えられる人はきわめて稀であるというのが、実態ではないでしょうか。わかりあう、察しあう社会が中途半端に崩れていきつつある今、「コミュニケーション能力」とは何なのか、その答えを探し求めます。(講談社現代新書)
  • 我が名は海師 1
    完結
    3.5
    ▼第1話/晴天の霹靂▼第2話/負の遺産▼第3話/限界深度の壁▼第4話/苦い海▼第5話/忘れられない言葉▼第6話/重なる記憶▼第7話/選べない選択肢▼第8話/過去との邂逅●主な登場人物/難波麟太郎(海上保安庁の新米潜水士。急逝した父から、家業の「難波サルヴェージ」を譲られることに)、沢村武(「難波サルヴェージ」のサルヴェージマスター。報酬第一主義のため麟太郎と対立)●あらすじ/海上保安庁の潜水士として訓練を受けた麟太郎は、初出動直後に父親の急逝を知らされ、地元・門司へ戻ることに。だが、そこで待っていたのは父親が遺した15億円もの借金と、家業の「難波サルヴェージ」を息子に譲るという遺書だった! サルヴェージ業を“人の不幸をエサにするハイエナ”と憎んでいた麟太郎は!?(第1話)●本巻の特徴/サルヴェージ業。それは海難事故を起こした船舶に対し、その場で修復や曳航などを買って出るビジネス。また彼らは、沈没船から積み荷を引き上げて報酬を要求するような仕事もこなす。そんな実家の家業を、山師になぞらえ“海師”と軽蔑する麟太郎は、人命救助に身を捧げる海保の潜水士になるのだが…? 海洋ドラマの大家・小森陽一先生原作による、待望の最新作!!●その他の登場人物/船越源太郎(麟太郎の父親と共に「難波サルヴェージ」を切り盛りしてきたベテランサルヴァー)、有働ヒロ(「難波サルヴェージ」の紅一点。性格は男勝り)
  • 私という小説家の作り方
    4.2
    小説中の「僕」とは誰か? ジャーナリズムや批評家をアテにせず小説を書いていくには? なぜ多くの引用をするのか? 失敗作はどれか? ――『奇妙な仕事』以来40年に及ぶ小説家生活を経て、いまなお前進を続ける著者が、主要作品の創作過程と小説作法を詳細に語り、作家人生を支えてきた根源の力を初めて明かにする。文学を生きる糧とする読者へ贈る「クリエイティヴな自伝」。
  • われらの狂気を生き延びる道を教えよ
    3.8
    外部からおそいかかる時代の狂気、あるいは、自分の内部から暗い過去との血のつながりにおいて、自分ひとりの存在に根ざしてあらわれてくる狂気にとらわれながら、核時代を生き延びる人間の絶望感とそこからの解放の道を、豊かな詩的感覚と想像力で構築する。『万延元年のフットボール』から『洪水はわが魂に及び』への橋わたしをなす、ひとつながりの充実した作品群である。
  • われらの時代
    3.8
    快楽と不能の無限の繰返しから抜け出て、幼年時代の黄金の象徴だった天皇の現在の姿に手榴弾を投げつけ爆破しようとする少年。遍在する自殺の機会に見張られながら、自殺する勇気もなく生きてゆかざるをえない“われらの時代”。いまだ誰も捉えられずにいた戦後世代の欲望をさらけ出し、性を媒介に現代青年の行きづまりを解剖して、著者の新たな文学的冒険の出発となった長編小説。

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