作品一覧

  • 撤退論
    3.8
    1巻1,870円 (税込)
    少子化・人口減、気候変動、パンデミック……。国力が衰微し、手持ちの国民資源が目減りしてきている現在において「撤退」は喫緊の論件。にもかかわらず、多くの人々はこれを論じることを忌避している。 名著『失敗の本質』で言われた、適切に撤退することができずに被害を拡大させた旧・日本陸軍と同じ轍をまた踏むことになるのか? 「子どもが生まれず、老人ばかりの国」において、人々がそれなりに豊かで幸福に暮らせるためにどういう制度を設計すべきか、「撤退する日本はどうあるべきか」について衆知を集めて論じるアンソロジー。 目次 まえがき 内田樹 ■1 歴史の分岐点で 撤退は知性の証である──撤退学の試み 堀田新五郎 撤退のための二つのシナリオ 内田樹 撤退戦としてのコミュニズム 斎藤幸平 民主主義からの撤退が不可能だとするならば 白井聡 撤退戦と敗戦処理 中田考 ■2 撤退の諸相 撤退という考え方──ある感染症屋のノート 岩田健太郎 下野の倫理とエンパワメント 青木真兵 音楽の新しさはドレミの外側にだって広がっている 後藤正文 文明の時間から撤退し、自然の時間を生きる 想田和弘 撤退のマーチ 渡邉格 撤退女子奮闘記 渡邉麻里子 ■3 パラダイム転換へ 『桜の園』の国から 平田オリザ ある理系研究者の経験的撤退論 仲野徹 Withdrawalについて──最も根っこのところからの撤退 三砂ちづる 個人の選択肢を増やす「プランB」とは何か 兪炳匡 極私的撤退論 平川克美
  • 田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」 タルマーリー発、新しい働き方と暮らし
    4.2
    1巻869円 (税込)
    パン屋になって考えた。劣悪な労働環境のおかしさ、腐らないパンのおかしさ。ならば自分は人と違うことをしよう。「菌本位」のパンづくり、そして働いただけ、働く人に還元できるパンづくり。そのために、よりよい場所を求め、岡山県・勝山へ。資本主義の未来は、この本に詰まっている。文庫化に際し、さらにビール造りの場を求めて鳥取・智頭町へ行ったその後の話も掲載。

ユーザーレビュー

  • 田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」 タルマーリー発、新しい働き方と暮らし

    Posted by ブクログ

    労働者、地域、環境に配慮した経済活動

    働く時間や働く日数を増やしたり、原価率を下げたりすることで利潤は生まれる。
    利潤を増やしていくためには、規模を拡大し続けたり、商品を安くしたりしないといけない。

    ファミレスでのバイト
    塩素を使った消毒
    たくさんの食べられるはずの廃棄される食品
    長時間労働で疲弊する社員
    危険な薬品を使った清掃作業

    違和感を持ちながら働いていた記憶が蘇ってきた。
    この本を読んでいて、思ったことは、タルマーリーのやっていることがもっともっとたくさんの人に知れ渡ることで、社会の常識を変える力につながっていくはずだということ。

    未知の挑戦をするタルマーリーはかっこいいし、ワ

    0
    2024年05月07日
  • 田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」 タルマーリー発、新しい働き方と暮らし

    Posted by ブクログ

    【動機】働き方や地域経済に興味があったので

    「食」や「経済」「お金」などに問題意識を感じていれば、とてもおもしろく読めるのではないかと思う。

    働いて利潤を出す「腐らない経済」の話はとてもわかりやすく、問題の一端が見えたような気がした。

    くりかえし読みたくなりそうなので ★5。

    0
    2024年01月16日
  • 撤退論

    Posted by ブクログ

    現在のシステムの潮流でのカタストロフィの生じる前の方向転換を撤退論としている。
    コモンの再生と撤退ということで、斎藤幸平が、『資本主義から撤退して里山に行くだけでは不十分。何故ならそのままでは、資本主義が里山を含めた環境を破壊するから。』と言っていたところに納得。彼はだからこそ資本主義は止めなければならないという。当方はまだ、サステナビリティは社会という形での対応が必要と思っている。戦争、技術進化などに対応する上で、経済を止め切ることはできないと思うため。

    撤退とは、単に行くか戻るかの二者択一を意味しない。そのような二者択一を自分に迫っている世界観とは、全く異なる世界観へのパラダイムシフトを

    0
    2023年05月03日
  • 田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」 タルマーリー発、新しい働き方と暮らし

    Posted by ブクログ

    筆者の人間性や考えが随所に表れており、多くの共感するところがあった。マスプロの一端を担っている今の自分の仕事に疑問を感じつつあったが、その疑問点への解となりそうなエッセンスが感じられたのが収穫。提供者側が信念に基づいて正しくつくり、利用者がそれに正しく対価を支払う。互いに尊重し合う関係性構築がこれからのものづくりには求められているように思うし、それがこれからの生き方にも通じるものなのかなと思えた一冊。

    0
    2023年03月11日
  • 田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」 タルマーリー発、新しい働き方と暮らし

    Posted by ブクログ

    資本主義と商い。著者の実体験による体当たりが、この悩ましきテーマに光をぶっさしてくれる。ほんとうの商いって、心地よくて、喜びに満ちたものなんだって、教えてくれる。
    金本位制ではなく菌本位制の「腐る経済」というキーワード
    も秀逸。学者のマルクス解説とは全く違う、血肉が通った労働者そして経営者の立場から、マルクスを実学として読み解こうとする姿にも奮い立たされる。

    0
    2022年12月13日

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