一穂ミチのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最後まで、ずっと胸が痛くなる気持ちでした。
海難事故に遭った恋人や夫を思う青吾、沙都子はもちろんだけど、登場人物がみんな悲しみを背負っているんですよね。
小さなコミュニティの中での人間関係は難しいとはいえ、こんな利己的にいろんなことが起こらなくても…。
海難事故の真実を突き止めようとする青吾と沙都子ですが、途中から青吾自身の過去までも探っていくミステリー要素強めの話になっていきます。
それが、ちょっと現実では起こらないだろうファンタジーな展開がその謎を解く肝になるのが、ちょっと違和感を感じました。
それ自体は切なくなるような心動かされる場面なんですが、ファンタジーに頼らないと話は進まなかった -
Posted by ブクログ
一穂ミチさんがいつか描きたかったという
「不在」と「喪失」の物語。
『アフター・ユー』
同棲している男女に、ある日訪れた突然の別れ。
男女それぞれに胸に抱えていた秘密が、徐々に明かされるのだが・・・
読み進める程、次第に暗澹と先の見えない迷路に迷い込んだような気持ちになった。
大切な人との突然の別れ・・・
その人の全てを知っている訳ないとは、百も承知だけど、さすがに知らないことが、これだけ数珠つなぎに出てきたら参るなぁ。
自分の信じたものが揺らぐと、自分と相手との関係性も不確かに感じてきて、しだいに自分が自分でなくなるような感覚がする。
この感覚の行き着く先に、一穂さんが仕掛けた緻密なミ -
Posted by ブクログ
一穂ミチさん、3冊目。大阪のテレビ局で働く老若男女のあれこれ。
社内不倫の前科で腫れ物扱いの40代独身女性アナウンサー、同期たちの早期退職に悩む50代の報道デスク、、好きになった人がゲイなのになぜか一緒に暮らしている20代タイムキーパー、非正規の現状が恨めしくても当たって砕けることもできない30代AD。
テレビ局という一見華やかな場所で働く人たちを描きながらキラキラ感はほとんどなく、幽霊やら児童ポルノやら腹話術やら出てくる、ちょっと変化球な筋書き。
大阪府民にとっては、よく知った阪神間の街の描写が楽しめ、実際に見舞われたかつての地震や台風の記憶が甦るのも一興。
地震で電車が止まっても徒歩で -
Posted by ブクログ
この本には、2つの中編小説が入っている。「恋とか愛とかやさしさなら」と、「恋とか愛とかやさしさより」の2つ。一穂ミチの作品らしく「人間の愚かさ、醜さ、欲の深さ」が描かれているが、それでも後の方で「優しさ、前向きさ」を奏でている。この作家の作品は、けっこう好きだ。
題名から分かるように後者の「恋とか愛とかやさしさより」は、「恋とか愛とかやさしさなら」の後日談のようになっている。ただ私的には、この「恋とか愛とかやさしさより」の方が、前者より心にぐぐっとくる。より強く「人間の愚かさや醜さ、欲の深さ」が描かれているように思われるからだ。でも両作品とも最後には「相手に優しく、そしてある意味前向きに開き直