一穂ミチのレビュー一覧
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めちゃくちゃおもしろかった。
身につまされる、というか、ほぼ我が事というか、、。
人間は本当に多面的だと思う。僕が見ているあの人は本当であるけれど、それ以外にもあの人は別の本当の姿も持っている。だれもが、そうだと思う。
それでも僕は、わかりたい。
わかることが、いや、わかろうとすることが、おこがましいけれど、愛だと思うから。
啓久が「出来心」以外に、罪を犯した理由がはっきりとは描かれなかったけれど、それはたぶん、彼自身がわかっていないからだと思う。
そして、現実に、そういう場合が多いのではないかとも思う。
「衝動的に首を絞めてしまった」とか、「気がついたらカバンに入れていた」とか、本心からそ -
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一穂さんは人の機微や失敗を公平な目線で書かれているなと感じた。読んだ後心が温まり、でもちょっとセンチメンタルにもなり、他の登場人物の話も見てみたいなと思う作品だった。
たまたま大阪出張の時に読めたこともあり、地方と仕事について色々考えさせられた。
どの人も完璧ではないところが、親しみを覚えて、それぞれの悩みに自分なりに戦っている姿に活力をもらえる。
〈冬〉眠れぬ夜のあなたの結花の春一に向けた「傷つきやすいくせして無神経」は我が家に向けられた言葉に感じた。人の機微を感じれる人になりたいと思った。
震災や災害の話題も多く、「ほんのちょっと日常のルーティンがずれた時に限ってあんな大地震が起 -
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ネタバレこれおもっっっしろい。
啓久とニカの最後の写真館のシーンの臨場感が特に半端なかった。
文字だけなのにテンポがあって、それだけじゃなくて、勝手に映像が浮かび上がってきて、ドラマチックな音楽とスローモーションが浮かびながら読んでました。
なにこの文才…
ミチ先生は女性なのに、男性の心理をよくとらえておられる。
ニカがわかりたかったことを、啓久が、人との出会いでわかっていく。
複雑な気持ちを紐解いて、人との関わりと出来事で色付けて、一言では言い表せないところを物語で理解できるようにする。ほんとに面白い。傑作。最高。ファンになりました。 -
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1995年の夏、火災から救い出された堂上今日子。低体温治療で30年もの間眠らされてきた彼女が明日子と日々人の家に来ることになる。
そこから、明日子・日々人・父親(やっちゃん)と今日子との不思議な共同生活が始まり…。
30年前の描写は懐かしい。ソックタッチ、MDプレーヤー、ベル…。30年前と現代との言葉(微妙、ドヤる、ウケる…)や文化(スマホやSNS、ネットショッピング)のギャップを明日子や日々人と今日子のやりとりからひしひし感じました。
今日子が家に来るまで凍ってしまったように家族の交流がなかった門司家が少しずつ溶けていき、家族の時間が動き出していく様子が印象的でした
みんなで居間でゲー -
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め〜ちゃめちゃ面白かった…というとかなり語弊があるが。さらりと読めるけど内容は身近で非常に読み応えがある。
結婚間近の恋人が突然盗撮で逮捕される。罪を犯した人とその後も一緒にいられるかという問題、総括すれば葵の言ったように「総合的な判断」でしかない。主人公の両親や相手の義母、周囲のいろんな人の姿にいろんな選択と飲み込みきれない感情が垣間見えて、その匙加減も見事だったなぁ。
これ、男性が普段無自覚に女性に寄せている暴力性の話でもあるので、男性の感想がめちゃくちゃ気になる。それを加害という形で一度表出させてしまうと、家族だろうが恋人だろうがその後一生軽蔑の対象になる。「ちょっとくらい」「有罪に -
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表紙から癒し系短編集なのかと思いきや…!
ゾッとするお話、あっと驚くお話など色々な世界を味わえる素敵な短編集でした。
絶対にまた読み返したい大切な一冊になりました。
「ネオンテトラ」は妊娠を望みながら、夫と表向きは円満な夫婦として暮らす女性のお話。ある日親から怒鳴られている近所の男子中学生と出会い、コンビニで会うようになることで話が進み…。
ラストには度肝を抜かれました!
「魔王の帰還」はある事情で高校を移った弟・鉄二と、ある秘密を抱えて離婚することになったと実家に戻ってきた姉真央のお話。
キラキラした夏の日々が描かれて、前向きになるお話でした。
「ピクニック」は幸せそうな家族のピク -
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コロナ禍で生じた罪を描く短編集。
物語は6つの短編で構成されていて、
繁華街で出会った女が死んだ同級生かもしれないと知りつつ
一夜を共にしてしまう男を描いた『違う羽の鳥』
高圧的な夫と子育てでストレスを抱えた妻の百合が、
偶然目撃したデリバリー配達をしているイケメンと再び会いたいがために
ガチャ感覚でさして頼みたくもない宅配を頼む。何度も。
まさにソシャゲの課金にハマる感覚を描いた『ロマンス☆』
15年前、豪雨の夜に死んだ少女・唯は、
幽霊となりコロナ禍の現世に戻ってきた。
そこで目撃してしまった自分の死の真実を描く『憐光』
長年働いた飲食店から解雇され、無職となった恭一は、
近所に住 -
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傑作。その切なさと痛さに胸が締め付けられた。
1995年の夏、火災から救い出された堂上今日子。
低体温治療で30年もの間眠らされてきた彼女を引き取る。
父親から突如そう告げられた二卵性双生児の高校生、明日子と弟の日々人は猛反発。
それでもやって来た今日子は儚げで、二人は段々と彼女を受け入れる。
やがて明らかになる今日子の秘密。
完全版と銘打っているだけあって、
本編の後に5つのエピローグ的な短編が収録されている。
このエピローグがまた良い。
本編の設定はだいぶ大胆で粗もあるのだが、
そんなことどうでもよくなる人物描写が本当に素晴らしい。
まさに人間の機微が丁寧に、そして深く描かれている。
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気になる作家さんが多く、うまくいかない恋アンソロジーにも惹かれ購入。
んんんー…
分かる…!!とても分かる!!なんだこれは!!
そうなんだよね… うまくいかない色んな恋の結末にそういうのも分かるわ…と思う事も多かったです。
気になっていた、一穂ミチさん、他の作品も読みたくなりました。言い表せない微妙で絶妙な感情を文字にされてて、すごいなぁと惹かれました。
30代の恋愛って事で本当に難しく、感情が動きそうになるもふと立ち止まって冷静に考えてしまったりという所であったり、周りの人間関係の環境がガラッと変わり、自分は自分と思いつつも、変なもやもやと焦りが入り交じったりと、複雑な心境だったり、