一穂ミチのレビュー一覧
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ネタバレ良すぎた。
親子関係にぎこちなさを抱える幼い2人が偶然にも出会い、生まれた環境が全然違うのに妙に惹かれ合うところ。再会を果たすけど、まだ青々しさのある2人が上手くお互い接することができずに、でも少しずつ接点を増やしていくところ。不自由な大人になって二度目の再会をして、お互いの家族を巻き込みながら止まっていた時間が動き出すところ。
ずっと2人の中に、2人の幼い頃の記憶があって、それが2人とその人生を作ってた。そこが丁寧に描かれていていて、心の中を覗けるようだった。そしてこの方の心理描写は、自分自身の苦々しいところがズキっと痛みそうなくらい的確で主人公たちに感情移入しっぱなしだった。
友達じゃ -
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ネタバレ【あらすじ】
大学を中退し、夜の街で客引きのバイトをしている優斗。ある日、バイト中にはなしかけてきた大阪弁の女は、中学時代に死んだはずの同級生の名を名乗った。過去の記憶と目の前の女の話に戸惑う優斗はーー「違う羽の鳥」 調理師の職を失った恭一は家に籠もりがちで、働く妻の態度も心なしか冷たい。ある日、小一の息子・隼が遊びから帰ってくると、聖徳太子の描かれた旧一万円札を持っていた。近隣の一軒家に住む老人からもらったという。隼からそれを奪い、たばこを買うのに使ってしまった恭一は、翌日得意の澄まし汁を作って老人宅を訪れるがーー「特別縁故者」 先の見えない禍にのまれた人生は、思いもよらない場所に辿り着 -
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ネタバレ今、一番好きな作家さん。
文体が好きで、表現が好きで、紡ぎ出される言葉が好きで。
なので、一穂ワールドに存分に浸りながら読んだ。没入して、現実の世界が少しぼやけるような、そんな感覚。
人が誰かを想うとき、その理由や条件は一つじゃない。
私には大切な夫がいるけど、別のベクトルで必要な友人もいる。
その大切と必要は比べられなくて、だから「僕じゃ駄目だった?」と夫に聞かれた結珠が、迷いなく「うん」と頷くところには、私も同意だった。
そして友人の中にも種類(というと失礼かもしれないけど)があって、恋い焦がれるレベルで慕っている相手もいる。
何してるかな?私のこと考えてくれてたりする?と、時にまるで -
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ネタバレ私はすごく本作が好きだ!!と思いました。
恋とか愛とか、ツミデミックももちろん良かったです。しかし本作は終わり方に希望が見えたり、公衆電話にテレホンカードを入れると亡くなったはずの彼女と繋がったりと今までの作品とは少し違うように感じます。
特にテレホンカードのところは、現実的ではないけれどでも物語にとても合っていると思いましたし、お話が柔らかく感じました。
私は少しでも希望がある終わり方が好きであり、本作こそ本屋大賞取れるのでは…!と思います!
また、自分だったら恋人が知らない人と死んだと聞いた時どう思うだろうか。
やはり並々ならぬ関係性を疑ってしまう。
けれど、青吾も沙都子は少し違う。
浮 -
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ネタバレ気になったところからつまみ読み。
三浦透子さんのエッセイ、これは時を置いてまた読みたい。
私も、”自分の倫理観を育てる努力”を見習って実行しよう。
また、三浦さんがいつか振りがざすかもしれない大きな刀とやらを見てみたい、そんな気もしている。
最近、短歌を読み始めた。
千早茜さんのエッセイ中にある日記を読みながら、この感覚短歌になりそう、と思う箇所についつい付箋を貼った。
歌を沢山読みたくなった時、まずは日記を認めてみる、その中からこの感覚忘れたくないと思う場面を短歌にしていく。
旅に出たら、やってみよう。
掌編とはなんぞや、それも知らずに読んだ方丈貴恵さんの「落書き」。
うん、掌編を知ら -
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大好きな一穂ミチさんの新刊!
しかも「光のとこにいてね」以来の長編♪‹‹⸜(*ˊᵕˋ* )⸝›‹⸜( *)⸝›‹⸜( *ˊᵕˋ*)⸝››♪
短編一穂さんも、中編一穂さんも勿論好きだけど、長編一穂さんが一番テンション上がる!
実は私、この作品のWEB掲載が始まった時に、無料で読める箇所だけ読んでいたんです!
続きを読みたかったけれど、サイトの有料会員にならないと読めなくて、月額が結構高かったので諦めたのでした…(。•́•̀。)
なので、刊行のお知らせを見た時は、「続きが読めるー!」と、めちゃくちゃ嬉しかった♪
青吾が仕事を終えて家に帰ると、帰宅しているはずの恋人・多実がいな -
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ネタバレ一穂ミチ先生の新刊!
同棲していた彼女が、男と離島でクルーザー転覆事故の末、行方不明に…。どんな愛憎劇かと思いきや、五島列島での閉鎖的な人間関係と青吾、多実、波留彦に起きた過去と現在の出来事が絡まっていくミステリー風味、キーとなるテレホンカードで多実の会話を聞くことができるというファンタジー要素のあるエンタメ作品でした。重苦しい要素も一穂先生の軽やかなタッチでスイスイ読ませてくれる、さすが。
主人公の青吾が、なんとも言えない、多分イケメンとは言えないどこにでもいるようなフツーの40代男性で、対して沙都子は多分美人で、かなり強めのキャラクター。バディ的な関係の2人のバランスがとても良かった。
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ネタバレ 購入済み
よい!
なにこれ超いいんですけど。何回も読み返しちゃう。飯田さんめっちゃ小峰の事好きじゃん…モノローグないから最初気がつかなかったけど。
そして雨のシーン激萌え!
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ネタバレ家族との確執を抱えた登場人物が目を逸らし続けてきた秘密が他者によって暴かれることにより、そこにある痛みに向き合いながら再生を果たしていくミステリー仕立ての物語。
BLレーベルでの作品から受け継がれ続けてきたお得意のテーマや世界観(オカルト要素が関わってくるあたりはmeet.againとも重なる)はより凄みを増していく。
10年連れ添った恋人である多実と共に失踪した男・波留彦の妻である沙都子のやや突拍子もない行動力に巻き込まれながらも(青吾のラフな関西弁との温度感の違いがおかしみを引き起こすポイント)、五島列島の離島・遠鹿島に降り立った二人は島の人たちが覆い隠してきた秘密に向き合うことになる。 -
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ネタバレ複雑な環境で弱々しく育った2人だからこそ分かり合える、その絆と愛情がとても美しかった。果遠ちゃんが結珠ちゃんのリボン盗んだり、嘘をついて友達から住所を聞き出したり、あげく結珠ママに睡眠薬飲ませたりと、終始ずっと結珠ちゃんへの愛情から犯罪チックな行動をしててサイコパスみを感じてちょっと怖かったところもあるけど‥笑。「光のとこにいてね」っていうのは、「自分は汚れてもいいからあなたは綺麗なままでいて」という意味にも捉えられる気がする。あと結珠ちゃんのお母さんが嫌なヤツすぎた。本を読んでて最初から最後までこんなに嫌なやつ、なかなかお目にかかれない。笑