一穂ミチのレビュー一覧
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「青春って、すごく密なので」
新型コロナ禍で話題となった、仙台育英高校野球部の須江監督の言葉をふと思い出した。
30年の冷凍睡眠から目覚めた今日子と、17歳の双子明日子と日々人の、ひと夏のかけがけのない青春。
大人になっていく希望も子どもではなくなっていく悩みも全てを内包した青春、その大人と子どもの間の貴重な期間を友達や彼氏と過ごすことを今日子は奪われてしまった。大きく流れる時代に取り残された孤独を抱えながらも、明日子と日々人との出会いが、彼女の青春を取り戻していく。
明日子と日々人もまた、青春を生きる中で、今日子によって貴重な青春の日々に光がもたらされていく。
そんな青春の尊さを本書 -
ネタバレ 購入済み
人の感覚は不思議
ずっと目が見えなかった人が、なんらかの事情により見えるようになる。ただただ素晴らしい事だという認識だった。見えるというのはそれほど大切な感覚だと信じていた。それが、まさか苦痛を伴うとはつゆ程も思っていなかった。
先生の着眼点や五感の捉え方に改めて脱帽。 -
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ネタバレ【あらすじ】
昔好きだった男性の息子と、ふたり旅 「感情旅行」一穂ミチ
崇拝していたインフルエンサーが電撃結婚!「独身の女王」麻布競馬場
友人が付き合い始めたのは、元恋人だった「オレンジシャドウの憂鬱」砂村かいり
脛に傷持つふたりの行く末は――「さみしがりやの恐竜たち」こざわたまこ
恋人へのひどい仕打ちを止められない「不機嫌依存症」田中兆子
名前も知らないカフェ店員への想い「出会い」朝比奈あすか
冒険しない三十三歳、それで正解?「振りかぶって、さよなら」千加野あい
友達がほしかったはずなのに――「となりの独り」カツセマサヒコ
とびきり不幸でもないけれど、完璧な幸せでもない。そんな「30代」を -
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芸人さんの話。なぜか「花火」の悲哀な感じが似通っている。芸人さんは確かに最終目的像のわかりにくい職業だ。テレビに出るより舞台で漫才やコントする方が好きな人もいるだろうし、番組持ちたいとか、俳優さんになりたいとかでもアリな気もする。
美雨は29歳で受付嬢。30歳になったら退職しなければならない職場で働いている。誕生日プレゼントにもらった音楽ライブ先で靴擦れになってめちゃめちゃ痛かったのだが、変な男についてくるように言われてついていってしまう。男は手当してくれて、チケットをくれた。お笑いライブだった。
お笑いライブの打ち上げに誘われて、ついて行ってみる。彼らはシェアハウスで住んでいるらしく、ま -
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私のは『角川ホラー文庫30周年記念 最恐の書き下ろしアンソロジー 特装版BOXセット』で、その1冊。文庫サイズだけどハードカバーで、おどろおどろしい表紙が素敵。ボックスのにゃんこはかわいい。
『828-1』は文庫版『身から出た闇』で読んでいたので再読。「死神」の定義が妙に納得できて怖い。そういうものかもなと思うと、ふと頭に繰り返し浮かぶ言葉を訝しんでしまう。
一穂ミチさんは初めましてだったけど、その「体験描写」がとてもリアルで「視える人ってこうかも」と思えるほど。憑かれる理由も抗う様子も生々しくて読んでいて力が入った。
鈴木光司さんのお話はまるでドキュメンタリーを追っているかのよう。モキ -
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とにかくはちゃめちゃに良コスパな文芸雑誌第二弾。今号はテーマを「悪」と定め、悪にまつわる様々な物語が読める。
収録作品の中の上村裕香著「全身政治家」がめちゃくちゃ人を喰った話で面白かった。
とにかく顔がいい若きシゴでき市長から直々に生い立ちについてのインタビュー記事の依頼を受けた主人公。しかし話を掘り下げていくと奇妙な齟齬に気づく。勇気を出して本人に伝えると…。とにかくこの市長のキャラがいい。ビジュ良すぎる顔でシリアスに暗い生い立ちを語ってからのこのオチはもはやコント。しかしこれによって主人公が自分自身の過去と対峙する展開はちょっと感動してしまう。
こういう話大好き。