一穂ミチのレビュー一覧
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一穂ミチさん作品は初めてでした。あまりにも良すぎて震え、一穂さんの作品を読み漁ることになりそうです…。
全部良かったのですが、特に「花うた」と「愛を適量」が好きでした。
普段あまり小説で泣くことはないのですが、久しぶりに読みながら少し込み上げるものがありました。でも感動とか泣けるとか、そういう簡単でありふれた言葉で片付けるのが勿体ないと思う、そんな読書体験でした。
時々想像を裏切られたりする感覚が気持ちよく、グイグイ読めました。
出てくる人達はみんな、人間らしい複雑さや、他人らしい分からなさを持っていて、それがすごく良かったなと思います。心の片隅が救われたようなそんな気持ちになれる小説でした、読んで本当に良かったです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ邑子さんと雪乃ちゃんのシスターフッド、結花ちゃんの木南くんへの片想い、晴一さんと広道さんの人生がふとしたきっかけで交わったこと、人と人が関わって紡がれるその人たちだけの関係性が今回も大好きすぎる。
一穂さんの小説に出てくる人たちは本当に一人一人「ここ」に生きているなあって気持ちにいつもさせられて。今回は連作短編だからより一層、角度を変えれば全員が脇役であり主役であって、例えば誰の目にも温和な上司として映っている人だって、みんな完璧ではなくて常に悩みもがいているなあっていうのがすごく愛おしかった。
全部好きだったけど、「眠れぬ夜のあなた」は特に印象的でタイトルの意味がわかると切ない。晴一さんは結花ちゃんが言うように「傷つきやすいくせして無神経」な人だったけど、彼が砂嵐の中で星屑を拾う瞬間がこのお話だったのかなと思った。あなたの話を届けたいと伝えたこと、あなたをほんの少し知っているよ、と見送ったこと、このシーンがすごく好きで泣いてしまった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ一穂ミチは短編しか読んだことがなかったから長編が自分に合うか不安だったけどめちゃくちゃよかった!
あらすじを読んで勝手に、もっとポップでライトな感じの恋愛小説かと思ってたから良い意味で裏切られた。帯には恋愛小説って書いてあったけど、これ恋愛小説なのか…?
お話全体の雰囲気はふわふわしていて地に足つけてない感じなのに、ところどころ現実を突き付けてはっとさせてくる。まさに、重石をつけて今まさにダイブしようとしている人たちのお話。でもやっぱりどこか空気が軽く感じるのは、主人公を含め登場人物たちが大切な人たちと暮らしているからかなと思った。
未来への明確な不安があるのに「この人たちと一緒にいれば笑っていられる」と思えること、そんな仲間に出会えた美雨がうらやましいなと思った。でも私は美雨にはなれないとも思った。
昇給のない会社で事務職として働いていた三十手前の頃この本に出会っていたら、きっともっと身につまされる思いがしていただろうし、もっともっと美雨に嫉妬していただろう。
美雨と亨と弓彦の不思議で絶妙な関係性がすごく素敵。
あと表紙がかわいい。読んだ後に改めて見ると全部意味が分かってうれしくなる。 -
無料版購入済み
コロナか真っ最中は、これを題材にした漫画や小説は読めませんでした。今やっと読めるようになりました。あの時は辛かったなあという想いでと共に読みました。
三角関係は当たり外れあるのですがこれは好きです。かなり切ないですけどね。原作者の方は初めましてだったのだけど自分に合っていたようです。
続がとても気になる作品です。 -
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ネタバレ【ツミデミック】で一穂ミチさんの短編集に興味を持ち、そこからしばらく経ちましたがついに【スモールワールズ】を手にとりました。
とっっても好きな作品でした
『花うた』の後半あたりは電車の中で読んでいたので気を緩むと涙ぐんでしまって『魔王の帰還』に戻りつつ読み進めました(後日読み直しました)。
また『ネオンテトラ』のラストへの持っていき方。ほっこり結末にもできるはずなのに、、やはり一穂ミチさんならではという感じでやはりこれも好みでした。
『愛を適量』は特に読んでいて情景が浮かびやすい。このお話は鮮明に映像を観ていた気分になりました。
そして『式日』はラストエピソードに相応しいなと。
【スモールワールズ】を読んでいてたくさん保存したい 一文、一ページ がありました。どれも刻んでおきたい。
もちろん思考を後押ししてくれるような台詞もたくさんですが、(私的)番外編でいうと
秋生「びっくりしてばかりです」
鉄二 “腹の足しになるのか謎なサイズの弁当”
先輩「イルミネーションの点灯式みたい」がお気に入り。 -
Posted by ブクログ
一穂ミチさんは何かすごい賞をたくさんとられてる方だとは知っていたので、いつか読みたいなと思いつつ、この本を積読にしてました。
やっと読めて、感動!!
めちゃくちゃ読みやすい…そしておもしろい!
ストーリーが良いです。本の半分ぐらいまで、確実な「ラブ」は出てきません。
少しずつほぐれていく心がGood___
通勤の移動時間に少しずつ読むことが多いので、通常だと1冊読むのに2週間ぐらいのスローペースなのですが、おもしろくて一気に読んでしまいました。
さらに好きなシーンは2〜3回ずつ読みました。
一穂ミチさんの本はこの1冊しか持っていなかったところ、続編を中心に、週末に10冊以上買い込んでしまいました。これから楽しみです。 -
Posted by ブクログ
会話のテンポが心地よくて、くすっと笑ってしまう一冊。
一穂ミチさんの描く人物達は、みんな現実を懸命に生きていて、その懸命さに救われる。
"男女の間だけじゃなく、仕事でも友人関係でも、時には家族の間でさえ、自分の値打ちを絶えず示し続けていなければ酸素を摂取する権利さえ分不相応であるような、世の中の空気が苦手だった。"
"そのいちいちに店員さんは「はい喜んで ー!」と声を張り上げていた。たまに「はい仕方なく ー!」と本音を混ぜても誰も気づかないのに、忠実に繰り返す。"
"「それでも、自分で噓やと思って言うことって人にも届かへんのよ」"
"舞台は生き物だから。音楽でも演劇でもきっとそう。客席とステージ、この空間の誰ひとり何ひとつ欠けてもきょうの空気は生まれていないという熱。"
"そうだ、パラシュートって落下傘。落ちていく傘。帽子の行方を追わず宙に踏み出していった軽やかな一歩。叩きつけられるその瞬間まで上昇を信じるのは愚かだろうか、幸せだろうか。"