あらすじ
お姫様のような母親と一緒に太陽の前に現れた小さな王様――それが、流星だった。外国の血を引く繊細に整った容貌と、誇り高くまっすぐで、嘘やごまかしのない性格。そのせいで周囲から浮く彼をほうっておけず、いつだって側にいた。けれど、部活の合宿先で偶然会った流星は、太陽が知らない顔をしていて……。闇夜に迷う心を照らす、一等星の恋。 その後の二人を描いた書き下ろし「真夜中の虹」も収録。
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きれいな文章
とてもきれいな文章で綴られていました。一穂先生の作品の中でも、特に美しかったと思います。美化されているというわけではなく、傷つけ合ったり自分の嫌な部分に気付いても、それでも互いを思う気持ちがある、素敵な物語でした。
匿名
純愛、幼馴染もの。
オールトの雲、太陽、流星と名づけセンスがまた素晴らしい。
目に見えないものをお互い信じて離れるって宇宙に等しいくらいしんどいもの。
話の流れは静かなのに、静かだからこそやさしさと切なさで胸が締め付けられた。
Posted by ブクログ
帯の志水ゆきせんせーが仰っている通り、BL初心者でもすんなり読める課題図書といった印象。
幼なじみっていいな。と素直に思える、心がほっこり&ラストにじんわりくる良作ではないかと思います。
個人的に成長した二人のその後を見てみたい、という気持ちを込めて☆5つv
幼なじみの純愛かぁ。
流星にとって太陽は、ものごころがつくかつかないかの頃からずっと一緒で、兄弟でもなく、親友よりも近く、初めて心を許した人という感覚。
先生の作品はただただハッピーでは終わらない、余韻や含みを持たせた作品が多い様に感じる。この作品も同じで。これから先、どんな事になるか全くわからない。安易でベタな恋愛小説だったら、流星はハワイに行かなかっただろうし、太陽も必死で引き留めただろう。そして末長く一緒に‥、チープで単調なハピエンだ。
2人のこれからは2人で決めていくだろう。何度も衝突しながら、何度も泣きながら。人の営みはホントはそういうものだから。
きれい
全体を包むきれいな自然。風景。それと相対するような喪失感。そんな世界で少年から大人になる多感な時期に、こんなに深く相手を愛せるなんて。気持ちを伝える方法はまだまだ未熟な二人だけど、きっと誰より深く清らかな愛情を互いに注ぎ続けるのでしょうね。子どもだから、環境に大きく左右されるのは仕方ない…それもわかっているからこそのもどかしさ。乗り越えて、大人になった二人にまた会いたいです。
幼馴染の素敵なcpのお話
前半は、太陽の家族の温かさが身に沁みて
、流星も、愛されて育っているのだけど、二人の人格の対比になっています。
いい人しか出てこないので安心して読めます。鍵がいい味出してます。
後半は、場所もハワイに変わり、恋する二人が可愛くて楽しく読めました。家族愛や形もテーマに入っているので、泣けました~。
Posted by ブクログ
幼馴染と恋に落ちる高校生のBL。
ほんわか切ない青春グラフティが綺麗な文章で綴られています。
オーソドックスで初々しいピュアなストーリー展開なので
初心者さんにも安心してオススメできる一冊!
Posted by ブクログ
丁寧できれいな比喩表現、言葉選びや色や空気の質感や感情がまるで宝物のように描かれている感じ。胸に迫るセリフや押し寄せる感情に泣きました。外で読んでたけど家だったら号泣してた。
Posted by ブクログ
私が初めて読んだBL本(流し読みとかはこれまでもあったけど、最後までしっかり読んだのはという意味)
最初に出会ったのがこの本でよかったって真剣に思うよ。
とにかく文章がきれい。
なんていうのか、淡々としてるのに心に沁み込んでくる。
端折ってしまえば幼馴染が恋人になる、的な話なんだけれど、
その間の二人の心の通わせ方とか
大好きだからこそ選んだつらい決断とか
それでも揺るがない気持ちとか
その辺がものすごく大事に綺麗に書かれている。
宝物みたいな本だ。
Posted by ブクログ
すごく良かった。美しいものがたくさん、きらきら散りばめられているお話。二人が心の奥でお互いを大切に思い合ってるのがじんわり染み込むように伝わる。幼なじみっていいなぁ
Posted by ブクログ
ついに一穂さんの新刊が……!
『雪よ林檎の香のごとく』読んでから他に出ないのかなーとずっと待ってたのですよ。
本編に関しては幼馴染かわいすぎる!家族愛とか人との関わりとかそういうとこもしっかり書いてあるし雰囲気がとてつもなくいいんですよ……!そして流星群とムーンボウが見てみたいです。
とにかくオススメです。BL大丈夫な方は是非。
Posted by ブクログ
【学生×幼なじみ】
イエスノーから読み始めて、一穂先生の作品で初めて学生同士のお話でした。学生だから、幼なじみだから出来ること、分かること。その反面で出来ないこと。それぞれの役回りで生まれる心情や葛藤が垣間見えて最初から最後まで優しい気持ちで読めました。
悪い人なんかいないんですね。この作品の登場人物はみんな聖人君子みたいでちょっと現実離れな気がするほどです。
流星もクールで淡泊すぎて太陽への気持ちがちょっといまいち的に感じられます。
高校生の幼馴染特々の初々しい恋話みずみずしく良かったんですけど、でも、もっと流星の執着とか、嫉妬とか溺愛ぶりとかそんなBLの定番的なのがちょっと足りない感じです。
Posted by ブクログ
一穂さんにはめずらしく、幼馴染みの学生もの。
流星と太陽、まったく違う二人なのに、この二人じゃなきゃだめ、と読み手にも思わせる互いの想いを感じた。
太陽パパの再婚相手が魅力的。
Posted by ブクログ
いまではお仕事もののイメージの強い一穂さんの学生もの。瑞々しくてきらきらして純粋で、一途さと繊細さが端々から溢れていて、書き留めたい言葉がたくさん。
個人的にガツンとインパクトのある一穂作品が好きなのでそこまでのパワーは感じないのですが、柔らかくて優しくてきらきらとまばゆいこの世界は根強い人気なのがわかるなぁという感じ。
ふたりの純粋に思い合う気持ちはもちろん、家族への想いがあたたかで心が優しく包まれました。
Posted by ブクログ
わりと評価の分かれる作品のようでしたが、私は結構好きでした。
表題の『オールトの雲』というのは、冥王星のずっと先、太陽系の果てにある彗星が生まれるところ。
『空には星がたくさん光っているからきれいだろ。真っ暗じゃないんだよ』
幼い頃、暗いところが怖くて夜が苦手だった流星に、アメリカ人の父親が教えてくれた。
それ以来、夜の星空は流星にとって、とても大切なものになった。
対する太陽は、その名の通り、暖かい家庭で家族の愛をたっぷり受けて成長した真っ直ぐな男の子。
離婚して母ひとり子ひとりで育ち、不器用で周りにうまく溶けこめない流星の孤独を明るく照らして暖めてくれる。
ふたりは流星が近所に越してきた5歳の時から、お互いになくてはならない大切な存在になった。
ずっと傍にいたい、離れたくない、この先の未来もずっと隣にいたい。大好きだから。
そうできると信じていたけれど、流星の母親が癌で亡くなってしまったことで事態が急変する。
アメリカから父親が一緒に暮らそうと流星を迎えに来たからだ。
太陽は、父親の誘いを頑強に拒む流星の背中を押す。
『流星を取り上げないで欲しい。ずっと一緒にいたい』と心底願っているのに。
流星がずっとさびしいのも苦しいのもひとりでずっと我慢してきたのも自分だけはわかっていたから。
結果、流星は父親の元で暮らすことになり、ハワイへと旅立ってしまう。
今まですぐ手の届く場所にいたのに、遠く離ればなれになってしまった。
これから幾度、心細い夜を過ごすだろう。流星を行かせてしまったことを後悔する日もくるかもしれない。
でもどうにもできない。自分だけの力では何も変えられない。『好き』だけじゃどうにもできない。まだ大人にはなれないことの、もどかしさ。
時間はどんどん流れていって、変わらない変わりたくないと願っても、きっと少しずつ形を変えていく。
特別な『その時』は過ぎてしまってからでないとわからない。そのほんとうの値打ちが。どんなに特別で、どんなに幸せだったか。
『何かを選ぶっていうのは、何かを選ばないっていうことなのかな』っていう作中の太陽のセリフに泣かされた。
エンディング、ふたりはお互いを想いあいつつも、まだ遠距離のままだけど、きっといつかまた一緒に、ずっと一緒にいられるって思える。
木下けい子さんのイラストもとても雰囲気があって素晴らしかった。
Posted by ブクログ
太陽のほうが攻めだと思ってた。ボートのシーンであれ?て思ったけど。はじめは太陽のほうがリードしてる感じがしたからね。
高校生の成長していく姿がよかった。ただ「好き」から相手を気遣うようになり、自分の心と向き合う姿がいいな。
太陽が流星父に「流星を取り上げないで。ずっと一緒にいたい」と泣くところが好き。一緒にいたいけど、父と行くべきだ、という太陽が子供だけど大人だと思った。
ハワイでは成長してる二人がいて、もっと続き読みたい!!離れたままだから、今後の選択をどうしていくのか、など二人で成長してく姿を見たいわ。
Posted by ブクログ
【あらすじ】
お姫様のような母親と一緒に太陽の前に現れた小さな王様―それが、流星だった。外国の血を引く繊細に整った容貌と、誇り高くまっすぐで、嘘やごまかしのない性格。そのせいで周囲から浮く彼をほうっておけず、いつだって側にいた。けれど、部活の合宿先で偶然会った流星は、太陽が知らない顔をしていて…。闇夜に迷う心を照らす、一等星の恋。その後の二人を描いた書き下ろし「真夜中の虹」も収録。
【感想】
Posted by ブクログ
幼馴染もの。
いろんなサイトで絶賛されていたので読んでみました。
幼馴染という言葉は確かにツボだよなーと思いながら読んでいました。
主人公二人以外の脇役がしっかりしているので安心して読めました。
他の作品も読んでみよう。
幼馴染
もっとその後の2人が見たかったし、応援したかったです。文章はとても綺麗で、尚一層2人をキラキラに見せてくれるのだけど、綺麗過ぎの中には、太陽や、流星の我慢がかたくさん隠れている気がして、読んでて切なくなりました。
Posted by ブクログ
一穂さんの幼馴染もの。少年期の瑞々しさや感情などを丁寧に追っていて、とても好感が持てました。受のさみしさを支えていこうとする攻のまっすぐさも、若さゆえのセンシティブなお話に合っていて良かったです。ただ、再会後のあれこれはHがあったにも関わらず蛇足感が強く、スムーズに行き過ぎて面白味がなかったことは否めません。前半のお話はとても好きです。
Posted by ブクログ
「ムーンライトスマイル」元作品
再読して、あらすじ読んで流し読みで済ませてたのを思い出した。ちゃんと読んだら、面白かった。
幼馴染 流星×太陽
お姫さまのような母と二人のハーフ流星と健全な家庭を持つ太陽。
訳ありの子と絡む幼馴染ものとしては、順当な道を経てハッピーエンド。
で、なにが良かったかって、風景とか、日常の描写とか。
なにげない言葉のチョイスがキュンってなる感じとか。
裏表紙の文章では、この作品の空気が読み取れないよなぁって思う。ただ脈を短くしただけじゃ、良さが伝わらないと思うんだけど。