一穂ミチのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一穂ミチさんの本は初めて読んだが、表現がとても美しい。言葉が柔らかく、優しい感じがするし、その言葉が物語の内容とマッチしていて、読んでいてありありと情景が浮かぶようだった。景色の描写が素敵だと感じた。特に深夜の海辺沿いの電話ボックス。真っ暗闇の中、星が光り、電話ボックスの電話から死んだはずの恋人の声がする…美しいと思った。主人公が亡くなった恋人を回想する場面も何度もあるが、そのどれもが特別な思い出じゃなく、なんとなく一緒に過ごしてきたありふれた毎日。スーパーで、家の中で、電話越しで…その日々が美しく、儚い。恋人の秘密だけでなく、主人公の出生の秘密や、恋人が幼少期過ごした遠鹿島の秘密に迫っていく
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Posted by ブクログ
相変わらずお上手
すごーく先が気になる
そんなお話でした
情報の出し方、タイミングがうまいんよね
さすがの一穂ミチさんですわ
まぁ、情報を出す手段がファンタジーなんだけどね
むしろこの出し方をキープするためのファンタジー設定だったのかな?とも思えました
そしてなんだかよく分からない感情がたくさんもつれ合って、なんだかよく分からない悲劇を生み出している
だけど結局人間の感情なんてましてや他人様の感情なんて結局よく分からんのですよ
よく分からないとことが正常なのです
突然いなくなった人の感情を探すための旅
最後に分かったのは、自分の感情だったのかも
自分の感情がはっきりと分かったことで、 -
Posted by ブクログ
とにかくはちゃめちゃに良コスパな文芸雑誌第二弾。今号はテーマを「悪」と定め、悪にまつわる様々な物語が読める。
収録作品の中の上村裕香著「全身政治家」がめちゃくちゃ人を喰った話で面白かった。
とにかく顔がいい若きシゴでき市長から直々に生い立ちについてのインタビュー記事の依頼を受けた主人公。しかし話を掘り下げていくと奇妙な齟齬に気づく。勇気を出して本人に伝えると…。とにかくこの市長のキャラがいい。ビジュ良すぎる顔でシリアスに暗い生い立ちを語ってからのこのオチはもはやコント。しかしこれによって主人公が自分自身の過去と対峙する展開はちょっと感動してしまう。
こういう話大好き。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ生身の人間の感情と人間関係を描くのが本当に上手すぎるし、登場シーンが数ページのいわゆる脇役の人たちにもなんだか思いを馳せてしまうし、SFの一言で済まされないお話。
沖津くんを見に行ったデパートの屋上で「いっそ何もかも違ってたらいいのに」「私の世界が半端に残ってるのに全然嬉しくない」って今日子が気持ちを吐露するシーン、すごくリアルな感覚だなあと思った。30年ってそう、絶妙だよね。全く違う世界ではないけど決定的に違っていて、大事な人や好きだった人の人生からは当たり前に置き去りにされてて。タイムリープものが大好きで色々な作品に出会ってきたけど、実際にもし自分がそうなったら普通にこういう感覚になるかも -
Posted by ブクログ
別レーベルで出版されていた方をずーっと積読していたのですが、うかうかしているうちに角川から修正加筆版が出版されてしまったので、こちらを読みました
一穂ミチ作品は何冊持ってても無問題ですからね
2冊隣に並べたいと思います
結論から言うと
めちゃくちゃ泣いた
何度も泣いた
最初はキュンキュンしてただけなのに
どんどん深く苦しくなっていって
辛くて泣きながら読みました
何で一穂ミチ作品のBLって
幸せなだけじゃないんだろう
世の中にハッピーで浮かれただけのBLなんて溢れまくっているのに、こんなにも藻掻きながら生きなきゃいけないなんて
でもそんな幸せの形を、こちらが決めることさえ烏滸がまし -
Posted by ブクログ
よかった…まずタイトルがいい。砂嵐は放送が終わったTVである。その向こうに微かに見えるまたたきである。
こんなに言葉を的確に、揺れ動き正体の掴みづらい心を表すことができるのか、と驚きの連続だった。
例えば、「Bコースの答え」。本音と建前、と言うところである。Bコースは本筋から逸れてはいるが、まったくの嘘ではない。いわば、右に行くか左に行くかの違いである。
そういった、言葉で説明するのは野暮になりかねない微妙なところを美しく表現するのだ。
一穂ミチさん初読みでしたが、とっても好きな作家さんになりました。繰り返し読みたい本のため⭐︎5です。