一穂ミチのレビュー一覧

  • ツミデミック

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    『ツミデミック』は、純粋な悪意を展示したものではなく、社会システムが機能不全に陥った際の人間性の病巣を的確に解剖した作品である。

    一穂ミチは、冷徹でありながらも温もりを失わない筆致で、パンデミックの閉塞感による焦燥と孤立を、行き場を失った六つのもがきとして具現化している。本書には絶対的な悪人は存在しない。ただ生存への重圧と極限の孤独に押し潰され、道徳の境界線を越えざるを得なかった平凡な人々がいるだけだ。

    この本は一面の鏡のように、集団的パニックに直面した際の私たちの脆弱さを映し出している。いわゆる「罪」とは、時に一条の光を掴もうとした結果生じた悲劇に過ぎない。これは息苦しくも目をそらすこと

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    2026年07月15日
  • ツミデミック

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    直木賞受賞作! 『スモールワールズ』が大好きなのですが、一穂さんの短編はやっぱり好き!!
    ツミデミックという罪とパンデミックを掛け合わせたタイトルもセンスが良すぎる…。

    読むとコロナ禍で感じていた違和感や理不尽さ、鬱屈とした気持ちが蘇ってきました。

    違う羽の鳥→客引きのバイトをする主人公が中学時代に死んだはずの同級生の名を名乗る女と出会うお話。ラストは解釈が分かれそうでした。ちょっぴりホラーで不思議な読み心地。
    この話の罪だけ、曖昧に感じました。(私だけかな…?)

    ロマンス⭐︎→とあることからミーデリにはまる主婦の話。展開がぶっ飛んでるし、登場人物も胸糞な人が多い!夫よ…、いい加減にして

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    2026年07月14日
  • 光のとこにいてね

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    「光のとこにいてね」
    このフレーズは作中に3回出てくる。それぞれが別離の場面で果遠から結珠に対して発せられる。「(私はそこにいられそうにないけどあなたは)光のとこにいてね」 暖かくしていてね。幸福でいてね。あなたは胸を痛めなくていい。そんな祈りがギュッと詰まっていて胸がいっぱいになる。なんていじらしい言葉なのだろう。

    出会った時は果遠が鼻血を出していたが、物語終盤では結珠が鼻血を出し果遠を必死に追いかけていたりして、これまでの立場を逆転させたような展開が心地よかった。ずっと二人一緒にいてくれや。
    一方、藤野や瀬々みたいに彼女たちのいちばんになれなかった人のことを考えると苦しい。

    「理性的な

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    2026年07月13日
  • 光のとこにいてね

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    お互いを大切に思う2人の関係がとても美しく、不自由に思う。タイトルが色んな意味を含んでいてとても素敵な表現がなされている

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    2026年07月13日
  • 光のとこにいてね

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    団地の一階と五階のベランダで2人の目があった時、それはお互いに一目惚れだったのだと読み進めていくうちに思う。
    一穂ミチさんの作品は初めてだが、情景描写がとても美しい。海に反射する太陽の光も、灯台に向かう道の草いきれも実際にその場にいて私自身が感じているようだった。

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    2026年07月11日
  • スモールワールズ

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    ネタバレ

    【ツミデミック】で一穂ミチさんの短編集に興味を持ち、そこからしばらく経ちましたがついに【スモールワールズ】を手にとりました。
    とっっても好きな作品でした

    『花うた』の後半あたりは電車の中で読んでいたので気を緩むと涙ぐんでしまって『魔王の帰還』に戻りつつ読み進めました(後日読み直しました)。
    また『ネオンテトラ』のラストへの持っていき方。ほっこり結末にもできるはずなのに、、やはり一穂ミチさんならではという感じでやはりこれも好みでした。
    『愛を適量』は特に読んでいて情景が浮かびやすい。このお話は鮮明に映像を観ていた気分になりました。
    そして『式日』はラストエピソードに相応しいなと。

    【スモール

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    2026年07月09日
  • スモールワールズ

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    ネタバレ

    短編集
    緩やかにつながる部分があり期待して探してしまう
    同じようなテイストなんだけど、それぞれの世界観があって一つ一つ濃い
    一作目のホラーな感じから、そのあともホラー要素があるのかと思い恐々読むとただ温かい話だったり、いい感じに裏切られる。特に花うたは、どんな裏があるのかと読み込んでしまった

    (先に読んでたツミデミックと同じような感想なことに書いてから気づいた)

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    2026年07月08日
  • スモールワールズ

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    小さな世界は目の前にあるのに知らない世界、気づかれない世界だ 彼らにとってそれが孤独であろうと営みは続く 狡くても偽ってでも自分の世界を生きていけますように

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    2026年07月07日
  • パラソルでパラシュート

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    ネタバレ

    大好きな作品。好きとか愛してるとか。そういう普通の言葉じゃない部分で、皆が想いを抱えていて、それが読者に伝わる。響いてぐっと来る。雨ちゃんも亨くんも、ネバーくんも弓やんもみんな好き。やっぱり大好き一穂ミチさん。

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    2026年07月07日
  • アフター・ユー

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    続きが気になって、後半は一気に読みました。
    五島列島の描写も美しさが想像できる一方、小さな島のコミュニティの生きづらさの対比が良かったなぁと思います。(お世話になった民宿のご夫婦がいい人で良かった)
    この後の青さんと沙都子さんはどうなるのか。残された人達のそれぞれ人生も気になりました。

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    2026年07月06日
  • 光のとこにいてね

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    ネタバレ

    タイトルがあまりに素敵だったので、一目惚れ。自分たちの力ではどうにもならない、不可抗力によって2度の別れを余儀なくされた2人だが、それでもお互いの存在をお守りにして、想いあって生きてきた半生に、とても心を動かされた。特に、幼少期、たった週に一度、ほんの少しの時間を一緒にすごしただけの結珠の存在を心の支えにして、作中では描写されていないがおそらく血の滲むような努力をして(本人は自覚はなさそうだが)、難関女子校の門をくぐった果遠。それでも大人の都合であっさりと離ればなれになってしまった際、同じ団地に住むチサさんの「捨てるのはいつだって弱い方」という趣旨の言葉に、はっとさせられた。また、その後お互い

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    2026年07月08日
  • 本屋さんのある街で

    購入済み

    面白かった

    全編本屋さんへの愛が溢れた作品でどの作品も楽しく読めました。アンソロジー系で全部楽しく読めたのは久々です

    #癒やされる #ほのぼの

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    2026年07月03日
  • 有栖川有栖に捧げる七つの謎

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    有栖川作品はあまり読み込んでいないが、夕木春夫に惹かれて拝読。どの作品もその作家の作品として面白いオマージュで、有栖川作品のキャラクターのカメオ出演などにもぐっとくるものがある!
    有栖川作品をもっと読みたい!という気持ちで満足感のあるトリビュート企画。有栖川先生の感想も読んでて笑顔になってしまう。

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    2026年06月29日
  • アフター・ユー

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    「不在」と「喪失」から優しい愛にきづかされるという作品。忘れられない作品になりそうです。

    日常が突然失われ、その原因を探るために長崎の遠鹿島へ向かったのは、遭難した多実と暮らしていた川西青吾。そして遭難時、多実と一緒にいた波留彦の妻の沙都子。2人がたどり着いた真実は、過去から手繰り寄せたものでした。

    全てが分かり、悲しみが溢れだしたときの日常の切なさがたまりませんでした。誰が悪かったのかと逡巡する思いに自らも含めていることに、悲しみの大きさを感じました。

    先が気になりどんどん読み進めた後にたどり着いた結果は、「アフターユー」という言葉と同じ、優しさでした。

    一穂ミチさん、心に残る小説を

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    2026年06月24日
  • GOAT Summer 2025

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    GOATの中で今のところ1番好き!
    やっぱり「悪」というあまりポジティブでは無い題材というだけで胸が踊る!
    マイナスなイメージの強い題材で、いったいどんなお話が読めるのかとドキドキしながら毎ページめくった。
    そして毎度のことながら、指心地が最高、これだけでも買う価値がある!

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    2026年06月18日
  • イエスかノーか半分か【電子限定SS付き】

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    一穂ミチさんは何かすごい賞をたくさんとられてる方だとは知っていたので、いつか読みたいなと思いつつ、この本を積読にしてました。

    やっと読めて、感動!!
    めちゃくちゃ読みやすい…そしておもしろい!

    ストーリーが良いです。本の半分ぐらいまで、確実な「ラブ」は出てきません。
    少しずつほぐれていく心がGood___

    通勤の移動時間に少しずつ読むことが多いので、通常だと1冊読むのに2週間ぐらいのスローペースなのですが、おもしろくて一気に読んでしまいました。
    さらに好きなシーンは2〜3回ずつ読みました。
    一穂ミチさんの本はこの1冊しか持っていなかったところ、続編を中心に、週末に10冊以上買い込んでしま

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    2026年06月17日
  • スモールワールズ

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     人と人との交流を描いた短編集。

     主婦と孤独な男子中学生、個性的な姉を持つ弟、犯罪者と被害者家族、母と娘、父と娘、先輩と後輩。
     それぞれの世界観に、強い引力で引きずり込まれるようだった。
     特に「ピクニック」では敬体の文体で書かれているため童話を読んでいるような錯覚に陥るが、後半真綿で首を締め付けられるような息苦しい気持ちになった。

     ほのぼのとしている訳ではなく、むしろぞくっとしてしまう作品なのに、後味が悪くないのが不思議。

     一穂ミチさんの作品は初読みだったので、他の作品もぜひ読んでみたい。

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    2026年06月16日
  • うたかたモザイク

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    どのお話も素敵な描写や表現が散りばめられていて、表紙の装丁のようにきらきら輝いているようでした。
    「神様はそない優しない」が一番好きです。電車内で読んでいたのですが、人目を憚らず泣きそうになってしまいました。「透子」もよかったです。
    とてもおもしろかったです!

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    2026年06月12日
  • うたかたモザイク

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    いろんな世界に入ったと思ったら出ての繰り返し。記憶が朧げで『うたかたモザイク』ってそういうことか、と。「人魚」「sofa&...」「前夜」「ムーンライダー」がお気に入り。spicyに属する3作品のぞわっと感は忘れられない。

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    2026年06月11日
  • パラソルでパラシュート

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    大阪が舞台のお話。主人公には共感できない部分が多かったが、亨のキャラクターがとてもよかったです。何を考えているかわからないようなゆるい性格は、いろいろと考えすぎてしまう自分にとっては少しうらやましかったりします。
    大阪にもお笑いにもあまり詳しくないのですが、描写が丁寧なのでイメージが湧きやすくて楽しめました。
    とてもおもしろかったです!

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    2026年06月09日