あらすじ
八年のイギリス駐在を経て日本に戻って来た達生(たつお)は、帰国したその足でオフィスに向かい、海外赴任中に入社したり異動してきた社員たちと初めて顔を合わせることに。しかし、達生の存在に気づいていないのか、ひとり黙々と仕事を続ける男がいた。その男――和(なぎ)は、渡英直前に旅先で一夜を共にし、置き去りにしてきた相手だった……。大人のためのビタースウィート・ロマンス
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お仕事BLのジャンルですね。
大手商社の上司と部下。8年前、一度だけ身体の関係があった。再会愛。
仕事内容はなかなか難しい話もあったけど、心情が態度や言葉、小物の使い方などでよく表されていて、さすが一穂先生だと感心した。砂糖、マネークリップ、社内メールに携帯、どれもとても効果的だった。
壮大な勘違いをされていた当て馬?役の仁科さんが何も知らなくて気の毒で笑えた。
匿名
めちゃくちゃ泣きました。
めちゃくちゃ泣きました。
攻め視点は苦手なので間違えて買ってしまったのですが、読み進めるにつれ、どんどんストーリーに引き込まれていきました。さすが一穂ミチ先生、天才です。受けは冷たい対応で、最初は感じが悪いと思うのですが、その理由が分かると涙が止まらなくなります。ドラマチックな展開で、とても面白かったです。
離れて、初めて気付く。
ずいぶんと遠回りしてしまったけれど、互いの気持ちが、わかり会えるまでドキドキしました。こういう展開素敵です。
それだけお互いの心に、消えないものを残していたと言うこと。
よかったです
Posted by ブクログ
何がいいって、話の舞台や二人で過ごした時間がいい。ついつい紋別に行ってしまいました(笑)
一穂さんの話はいつも仕事が深く関係していて、とても難しくてうんうん考えながら読むことがあります。どうしてこんな発想できるんだろう、本当に頭の良い方なんだろうなって思っちゃいます。ただの恋愛話にはさせてもらえないのです。登場人物達が一生懸命に働く姿を読むと、私も頑張らないとなーって感想とは別のことを思ってしまいます。仕事に対して一本すっと芯の通った人達が多いと思う。一穂さんのスタンスなのでしょうか。
登場人物ももちろんどちらも魅力的ですが、健気な白石くんがかわいくて仕方ない…。成就して本当に良かったね、と思わせる作品です。あと、紋別に行きたくなる作品です(笑)
ぼんくら攻。
タツオのバカー!読んでいて何回そう叫んだでしょう?心の中で。こういう仕事は出来るけど、臆病な男はちょっとね。色々言い訳は沢山沢山するのよね。一方、雪の女王に囚われたがごとく、冷たくなったナギ。(もっといじめてやればいいのに!)と何度も思いました。でも出来ない。ナギは、ナギは、一途で健気、真っさらな雪のような心の持ち主だから!タツオみたいなおっさんには勿体ない!でも、ナギが幸せならいいかぁ。
Posted by ブクログ
▼あらすじ
八年のイギリス駐在を経て日本に戻って来た達生(たつお)は、帰国したその足でオフィスに向かい、 海外赴任中に入社したり異動してきた社員たちと初めて顔を合わせることに。
しかし、達生の存在に気づいていないのか、ひとり黙々と仕事を続ける男がいた。
その男――和(なぎ)は、渡英直前に旅先で一夜を共にし、置き去りにしてきた相手だった……。
白くて、四角くて――砂糖みたいにとびきり甘いきみ。
大人のためのビタースウィート・ロマンス。
***
途中で何度も目頭が熱くなりました。
BL小説でこんなにも心が揺さぶられ、感動したのは久し振りです。
一度読み始めたら止められなくて、一気にラストまで読んでしまいました。
読み終わった後、口から思わず深い溜め息が。何て素晴らしい作品なんだろう、と。
この方の作品は初めて読んだのですが、最初は、「何だか不思議な文章を書く方だなぁ」と思いました。
不思議といっても悪い意味ではなく、どこか詩的で美しい響きがあるというか。
言葉の選び方だとか表現の仕方が独特で、心にストレートに訴えかけてくるような。
例えば、こんな感じで。
“和は笑った。
ふわりとほどけた口元や頬や目は、いつか飲んだ、湯を注ぐと花のかたちに開く茶を思い出させた。
誰かの中国の土産だった。とても良い香りがした。
解き放たれたように細い葉を広げ、ゆらゆらたゆたう様をいくらでも見ていられるような気がした。”
私はこの美しい表現の仕方に、凄く感動してしまいました。
そして別の場所で「一穂ミチは文学だと思う」と仰ってる方を見て納得しました。
確かにこの方の書く文章には文学に通ずるものがあると思います。
登場人物のリアルで生々しい感情の描写は勿論、とにかく景色の描写が素晴らしい。
まるで自分までもがその場に立って、見て、肌で感じているような。
こんなにも五感を刺激する文章が書ける方はBL界では珍しいかと思います。
キャラクター達も、人間味溢れてて妙にリアルなんですよね。
達生なんて旅先でまだ未成年だった和に手を出してあまつさえ何も言わずに置き去りにしてしまうんですが、酷い人だと思えないのはそれだけ清坂達生というキャラクターが魅力的で、尚且つ心情が理解出来るから。
別れのシーンなんて切なくて本当に泣きそうになりました…。
達生の臆病で卑怯な部分は大人の狡いところでもあり、弱いところでもあり、同じ大人ならば誰もが共感出来る部分なので憎めないんですよね。
それどころか終盤は背中を思いっきり押して応援したくなりました。
ラストが少し駆け足気味だったので、前半のようにもっとページを使って煮詰めてくれると嬉しかったのですが、8年という時を経てようやく想いが通じ合った瞬間はやはり凄く感動しましたし、正直、欠点を上げるのが難しいぐらいかなり面白かったです。
とりあえず、和がラストでちょっと子供っぽいというか、昔みたいな性格に戻ってくれたのが嬉しかったです。
「なして?」って方言といい、彼の可愛さは反則…!(笑)
達生は達生で尻に敷かれそうだし、この続きが読めないのが残念でならない…。
この作品は、まるで一杯の珈琲に角砂糖を一個だけ入れて溶かしたような。
ほろ苦くて、それでいてほろ甘い。そんな素敵なお話です。
Posted by ブクログ
大人ってズルイなぁ。と思ったり。
これは一途さの勝利ですね。
とても好きなお話。
細かいアイテムが要所要所でよく効いている印象。
スピッツベルゲンの話が繋がるとことか、
美しい流れだなぁと感心しました。
Posted by ブクログ
一穂ミチの文章って綺麗。描写の仕方も好き。
商社マンもので、仕事に関する内容もきちんと描かれていてとても好感がもてた。
昔一度だけ寝た相手と再会するというありきたりな設定ではあるけれど、一気に読み終えるくらい面白かった。
Posted by ブクログ
アラフォーの上司(海外帰り)といつの間にか入社してた部下との恋話。最初、なんで部下がこんなに頑ななんかな?と思ってたけど、読み進めると、意外に純水でキュンときました。途中まで上司が受になると思ってたのはナイショですww
匿名
作者のイエスかノーか半分かにハマってこちらも購入。他の作者よりも文の表現が好きで読みやすい。でも、行きずりで…って男女なら分かるけど、急に寝たのがちょっと雑な感じがした。
匿名
不安寂しさ悲しみ怒り嫉妬友情計算弱さ卑屈さ
そんな渦中に出会った行きずりの相手との再会
もっと深堀してどろどろやってほしかったきもしますが、
良かったとおもいます。
イエスノーから一穂先生の作品を読み進めて、最近はもうだいぶ前の作品を手にしていますが、
新しいもののほうがより好みですね。しかたないけれど
大きな葛藤もはらはらする山場もそわそわするクライマックスもないのになんてこんなに夢中になれるんですか?
いつものことだけど、作家さんの吸引力って本当にすごいなとまた感心しました。
Posted by ブクログ
旅先で行きずりのつもりで出会った相手と八年ぶりに帰国した日本で上司と部下として再会するが……粗筋だけ聞いて予想していたのとはいい意味で違う、が第一印象。
モチーフづかいもキーアイテムの登場も「仕事」やこだわりが作品世界を引っ張っていく様も一穂さんならではだなぁと。
ディアプラス文庫ですが、書き下ろしなのでじっくり一冊分の尺で世界に浸れるのもまた良きかな。
Posted by ブクログ
すっごーーーいツボ♪
おじさんの域に達した主人公が私にはすっごく読みやすかった。
それにしても一穂さんの小物使い、うまいなあ。
マネークリップにはやられたあ。
Posted by ブクログ
過去に一度だけ、旅先で出会って寝た相手と職場で再会。そこから始まる恋物語…と、よくある始まりなのに一穂さんの手にかかると単なるリーマンものではない心地よさ。いや、単なるリーマンものも好きですけれども!でも一穂さんらしいお話が読めてとても良かったです。
描写が少ないにも関わらず、攻めに一度置いて行かれてしまった受のその切なさが読み手に伝わってくる不思議。こういうの本当に一穂さんは上手いです。だからこそその切なさに徐々に気づき、押し込めていた恋心が再燃していく攻に、ずるいなあという気持ちを持ちつつも読後はほっとしました。
一途な想いが何年もかけて成就する。とても美しい恋物語でした。好きです。
Posted by ブクログ
小説の舞台も、キャラクターの設定も良かったです。
年下の男の子が、年上の相手を追いかける、その想いにすごくきゅんときてしまいまいた。
もう一度読んで、じっくり内容を味わいたと思える作品でした。
Posted by ブクログ
緻密な構成でいかにも一穂さんらしいと思える作品。読んでいてどんどん世界観に入り込める。
序盤から中盤までじりじりと進んでいた2人の関係が、最後一気に加速する。どきどきした。面白かった。
Posted by ブクログ
商社マン、イギリス帰り課長・清坂達生×異動したての部下・白石和(なぎ)
交わす会話が、独特のリズムで感じがいい。
薀蓄になってしまいそうな砂糖の話が、要所要所で必要なアイテムとなってるのも。
北海道の描写も素敵。
過去と現在が混ざってる構成、多少混乱してしまったが、最初に過去のすべてが書いて無いから、それが明らかになる頁が楽しみって側面もあった。
それにしても、8年は長いと思う。
小椋氏・表紙の達生38歳、老けすぎだよ。40オーバーに見える。
Posted by ブクログ
切ない感じが凄くよかった。
もうちょっと主役キャラクターが掴みやすい性格だったらもっと
読みやすかったのかなと思いました。
脇キャラの方が強いなぁと感じたので。
Posted by ブクログ
再会&年の差もの
正直な感想ですが、初っ端がとても読みにくかったです
再会して、ギクシャクするそういう場面の背景がよくわからなくて…
最初の出会いから別れる場面が2つに別れているし
ただ、終盤は全てがわかって、ぐいぐいと引き込まれたので
計算した配分だったのかな?
読後は、良かったな~って思わせるところが一穂先生の実力なんでしょうね
再読すると、また、違った魅力があるんでしょう
なので、★3つとなりました
Posted by ブクログ
過去、現在が4:6くらいで書かれてた。
ロンドンを8年勤務したあと旅先で出会った人と再開って、もっとドラマチックな話を想像してたら違ってました。一途に想い続けてたんですね。
現在から話を進める場合、過去はさらっと書いて現在を中心に書いて欲しいな。現在の二人の心情がわかりにくかった。
Posted by ブクログ
これまた読み物としては楽しかったです。
紋別に行ってみたくなりました。
BLとしては相変わらずノンケ同士があれよあれよという間に
という展開ですが、これはもう一穂さんの持ち味なんでしょうね。
連続して一穂さんの本を読んでるので、感覚が麻痺してきて
いるのかもしれませんが、以前のような無理無理感はなかったです。
受さんが健気で一途で必死感があり、非常に可愛いツンデレ
さんなんですが、いかんせん攻様がどうしようもない感じで……。
初めて男と寝たのに、10年近く前の話とはいえすっかり忘れてる
とかあり得ないだろ……それも憎からず思ってた相手を。
なんとなぁく、受さんが不憫に思えるお話でした。
Posted by ブクログ
8年越しの秘めた恋。
8年前、ロンドン赴任直前の休暇で気まぐれに訪れた北海道紋別で、偶然出会って意気投合した大学生和(なぎ)と行きずりの一夜を過ごしてしまう商社マンの清坂。純粋な和に心惹かれながらも、何の言葉も約束もなくそのまま置き去りにしてしまう。その頃の清坂は30歳になり仕事的にも人生のターニングポイントを迎え、嫉妬、責任、様々な葛藤を抱えていた。目の前のことこなすことでいっぱいいっぱいだった清坂はいつしか和のことを忘れてしまう。8年後、日本に帰ってきた清坂は自分の部下として商社で働く和と再会する。昔の純朴さが嘘のように、頑なでつれない態度をとる和。かと思いきや突然誘って来たりと、清坂は混乱する。時折垣間見せる昔と変わらない純粋さやひたむきさに、いつしか和から目が離せなくなる。
実は、意地っ張りな和の態度の裏に隠されていたのは臆病な恋心。
8年前、清坂に恋に落ちた和は清坂が忘れて行った社名入りのマネークリップを頼りに会社を調べ、入社し、ひたすら清坂の帰国を待ちわびていた。追いかけてきたなんて知られたら気持ち悪がられるだろうかと内心怯えながら。それでも会いたくて会いたくて待っていた。
『雪の女王』のゲルダがカイに会いたい会いたいという想いだけで、ひたむきに旅を続けたみたいに。
流氷や冬景色の描写が相変わらず美しい一穂さんの筆致で堪能できます。
Posted by ブクログ
きらきらした表現が魅力です。
ただ、初めてこの著者の作品を呼んだ時に感じた人物の印象と
作品が違う登場人物とが同様に感じる表現が残念です。
きらきらとした印象が、もう少し落ち着いてきたら
もっと魅力的になりそうで期待しています。
Posted by ブクログ
表紙のどっちの人が帰国した人なのか戸惑いました。でも面白かったです! 清坂さんて…38才にしては老けている。海外で苦労したのか絵師さんが若いのか。
冬のロンドンで、和のこと 本当に思い出さなかったのかなぁ…。見過ごせない小道具があちこちに散りばめてあります。読み直さなくては!
ぁ 仁科さん、こういう人いますね。「台風」でなくて「ブルドーザー」だと思います。