一穂ミチのレビュー一覧

  • 5分後にお風呂に入りたくなる! 湯けむり文学

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    風呂に入るまでが面倒くさい。

    サッと入ってしまえばすぐに済むのに、毎夜、「あぁ、風呂に入らないとなぁ……」と思いながら、何時間も無駄な時間を過ごしてしまう。

    スマホというやつは本当に良くない。テレビも見られるし、ラジオも聴ける。こうして、風呂に入るまでの時間はいくらでも溶けていく。

    「5分後にお風呂に入りたくなる!」

    そんな謳い文句を見て、縋るような気持ちでこの本を手に取った。

    本書には、入浴にまつわる18篇の小説と4篇のエッセイが収録されている。どれも5分もあれば読み切れるような短い作品ばかりだ。

    しかし、これを読んだら即座に風呂に入れる、という作品は、残念ながら一篇もなかった。

    私とて、正直な話、この本を読んだからといって、簡単に風呂に入れるとは思っていなかった。

    ただ、少しでも早く風呂に入る決心ができるようになるためのヒントがないかと思ったのだ。そのヒントは、結局「風呂に入らない」2篇の中にあった。

    風呂に入らないと決め、痒みや気持ち悪さといった数多の「受難」を乗り越えて、ついには「思い込み」の力で、風呂に入らなくても「入浴の効用」を得られるようになったと主張する青年を描いた、さや香新山作の『プラシーボ!』。

    風呂に入らなくても身体を完璧に洗浄する技術が開発された近未来で、人類が入浴という苦難から解放され、ついには入浴が法律で禁止される世界を描いた、日野瑛太郎の『そして誰も風呂に入らなくなった』。

    人間というのは天邪鬼なもので、他人から「やれ」と言われればやりたくなくなり、「やるな」と言われれば、やりたくなるものだ。

    同じように、風呂に入ることを固く禁じられたなら、私は今すぐ風呂に入りたくて仕方なくなるのかもしれない。

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    2026年09月18日
  • 恋とか愛とかやさしさなら

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    ネタバレ

    どこまでその人を受け入れられるか、愛せるか。他人にどれだけ寛容でいられるかはどれだけ自分を愛せるかに比例すると、私は思う。

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    2026年09月17日
  • 本屋さんのある街で

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    5人の作家一作ずつ5つの本屋を舞台にした短編集。5人それぞれではあるが最後の4編目と5編目は設定が似ている。ちょうど日を改めて読んだこともあり、頭が混乱したい。
    本屋って色々やることがある。田舎の小さな本屋でも相当忙しいというのがよく分かる。さらに取次が好意的に描かれる。手取り足取り開店を助ける取次。大手以外の取次もあるようだ。知っているようで知らない世界。いいなあ。

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    2026年09月16日
  • たぶん、恋しい

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    「わたしたちは平穏」と「すげえ泣くじゃん」が好き。
    前者の温度低めな人間関係のなかに灯る執着の感情がとても熱くてドキリとされられたとろに、後者は主人公と甥、その母と元カノの一見ハートフルな話のようで少しほろ苦さが感じられる所のバランスが絶妙によい。
    あとタイトルにもなっている「すげえ泣くじゃん」のセリフが、えっそれでそうなの、あの場面で言えばそうなるか、との両方納得できて印象に残る名台詞だと思う。

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    2026年09月16日
  • 恋とか愛とかやさしさなら

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    読みやすかった。
    2章に分かれてる。
    盗撮した人の話。盗撮する人の気持ちは分からないけど、そこまで悪いことだって思えない部分もある。
    でも、怖いなって思った。
    莉子の設定は、暗くてあまり好きではなかったけど、最後の啓久の言葉はよかった気がする。

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    2026年09月13日
  • 恋とか愛とかやさしさなら

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    婚約者恋人としての葛藤
    自分だったらと置き換えて読んでいました。
    どの人の視点からによって思いが変わるけど私は許せないの一択。おもしろかった!

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    2026年09月13日
  • 恋とか愛とかやさしさなら

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    誰にも感情移入できなかったけど、すごく身近に感じたしスラスラ読めた
    ひらくは読めなすぎ
    名字が同じでびっくりした

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    2026年09月12日
  • 恋とか愛とかやさしさなら

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    ネタバレ


    タイトル通り
    恋とか愛とか優しさだけではやっていけないこと。

    被害者にも人生はあってその人生間での葛藤等
    思うことはあって、それに向き合う必要を被害者と加害者間で対話しているのがよかった。

    最後の方があんまりスッキリしなかった。
    自分の好きな終わり方(抽象的なのではっきり言えないが)だったら4になってたかなぁ。

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    2026年09月11日
  • ツミデミック

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    読んでないと思って文庫版買ってしまったけど読んでいたので再読という形に。

    一穂さんの作品は言葉の美しさや情景描写が好きなんですが、コロナ禍の先行きが不安で足元が泥に取られているような感覚がうまく表されていてあの頃を思い出しました。

    いつも現実的な話が多い方ではありますが、今回の短編たちは少し経路が違う感じで、世にも奇妙な物語のようなテイストでした。

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    2026年09月11日
  • 恋とか愛とかやさしさなら

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    読み終わって、「あーなるほどね!」とかってなる物語では、なかった。
    私の感性としては、新夏の考え方、行動は、ちょっと理解できなかった。そこで向こうのお母さんに会いに行く?!みたいな。
    啓久のほうは、だんだんと終盤になってくるとちょっと成長がみられて、最後の方は読んでて、まだ救いがあったかなー。
    まあ、自分がそういう立場になったらどうなるだろうと考えさせられる物語だった。

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    2026年09月11日
  • たぶん、恋しい

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    表紙の絶妙な不安定な安定感。
    人間関係も同じ?

    ありそうで、なさそうな、でもあるかもの世界は面白かったです。

    口笛言語はNHKの番組で見た記憶があります
    島ではなくて、中国の山の中で
    山と山の間で交わされる口笛は離れている距離など何の障害でもない、と言わんばかりに伸びやかに響いてました。

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    2026年09月11日
  • 5分後にお風呂に入りたくなる! 湯けむり文学

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    本書は、お風呂にまつわる22篇の短編小説・エッセイ((小説18篇、エッセイ4篇))からなるアンソロジーです。
    タイトルに「5分後に」とあるように、1篇5分ほどで読み終えられます。

    大変恥ずかしながら、わたしは風呂キャンセル界隈のひとりです。
    疲れて帰ってくると、そのまま寝落ちてしまいます。
    ですが、疲れた時こそお風呂に入らなくてはいけないという義務感は持っています。
    なので、お風呂に入るモチベーションが湧かない日に1篇ずつ読んで、これで入浴できれば最高だと思って購入しました。

    が、結論から申し上げますと、本書のおかげでお風呂に入れるようになったということはありませんでした。
    お風呂に入るモチベーションが湧かないくらい疲れている日は、小説にも手が伸びなかったからです。
    わたしが風呂キャンセル勢なのは、モチベーションの問題ではなく、お風呂に入る体力がないからだとわかりました。
    このことを明らかにしてくれたのは本書の功績です。笑

    というわけでわたしは体力のある日にまとめ読みしましたが、たぶん編者のかたは、お風呂に入るモチベーションが湧かない日に1篇ずつ読むことを想定しているのだと思います。

    以下、感想です。

    5分で読める短編小説と言えば星新一作品ですが、本書には星新一作品ほどウィットに富んだ小説は見当たらないかなと思いました。
    宇宙が舞台になっているなど、設定が奇抜な作品はいくつかあったのですが。
    (ちなみに、宇宙が舞台の小説は3篇もあります。宇宙というお風呂に入りづらい環境を描くことで、逆説的にお風呂の素晴らしさを強調する意図でしょうか。)

    どちらかというと、平凡な1日が描かれていて特に衝撃的なオチがあるわけでもない作品のほうが印象に残りました。
    特に日向夏『回復の泉』なんかは、RPG風の軽妙な筆致が良かったですね。

    「5分後にお風呂に入りたくなる!」の謳い文句からは、お風呂の素晴らしさを称賛する作品ばかり並んでいそうな印象を受けますが、お風呂に入らなくてもよくなったと主張する人を描く作品、更には「人類を風呂から解放する」と高らかに宣言する作品まであるのも非常に面白いところです。
    (ネタバレ防止のために、具体的な作品名を挙げるのは避けます。)

    本書が風呂キャンセル界隈の人のモチベに効くかはわかりませんが、お風呂というテーマがここまで多様な作品を生むことに感動できるのは間違いないです。

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    2026年09月10日
  • 恋とか愛とかやさしさなら

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    恋人って難しい。
    愛するとは、許すとは、信じるとは、何なんだろう。
    答えがないからこそ、みんなそれぞれ違う選択をして、悩んでるんだな。

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    2026年09月09日
  • ツミデミック

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    表紙に惹かれ、前々から読みたかった作品。
    そして一穂さんの作品はお初。
    コロナ禍を背景とし、それぞれ引き起こす罪が生々しく描かれ、ダークなものもあれば希望をもてるものもある。
    全体的にバランスがとれていてどの作品も興味深い。
    今度は長編を読んでみたい。

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    2026年09月09日
  • きょうの日はさようなら 完全版

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    書き下ろしは別冊にあったら良かったかも、本編だけでバンっと終わった方がさようならの余韻や切なさが胸にきた。

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    2026年09月07日
  • たぶん、恋しい

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    人との関係なんて常に不安定で安定なんてないのかもしれない。
    見えない存在だったり、何かに頼ったり依存したりして人間心安定を保とうとしているのかもしれない。

    人それぞれの拠り所ってあるよなあと改めて思わされた本でした。

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    2026年09月07日
  • 5分後にお風呂に入りたくなる! 湯けむり文学

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    風呂キャン界隈の話が思いのほか少なかったのは意外だった。やはり創作者は、安易に流行りものは手を出さず、出すなら何かしらの工夫をこらすといったところなのでしょうか。
    風呂はよいもの、気持ちいいものじゃない話として、新山(さや香)さんの「プラシーボ!」は、芸人さんらしい発想と展開、そしてオチが舞台を観ているような楽しさで好き。

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    2026年09月07日
  • たぶん、恋しい

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    一穂ミチさんの作品を初めて読みました。
    6編の短編集です。

    あまり書くとネタバレになるので多くは語れませんが…、
    ミラクルのような?幻覚のような?
    現実に起こり得ないちょっと不思議な現象を交えた作品で、一瞬混乱して(笑)数ページ前から読み直してみたりしたくなる作品でした。

    どんなことがあっても、どんな考えや価値観があっても、誰も否定しないようなやさしい雰囲気のある短編集だと思いました。

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    2026年09月21日
  • 潰える 最恐の書き下ろしアンソロジー

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     『潰える』をテーマに、最恐の執筆陣が書き下ろした短編ホラーアンソロジーです。

     今回の収録作品は、澤村伊智:ココノエ南新町店の真実、阿泉来堂:ニンゲン柱、鈴木光司:魂の飛翔、原浩:828の1、一穂ミチ:にえたかどうだか、小野不由美:風来たりて。それぞれの作者によって全く異なる色合いのホラー小説が展開される。

     アンソロジーということで、未読のホラー作家さんの開拓の意味も含めて読んでみましたが、本来私は大層な偏食家だったことを思い出したという感じでした。全編頑張って読みましたが、鈴木光司さんの『魂の飛翔』は一読ではうまく話が理解できず、今一怖さを感じられませんでした。
     今作品集で怖い!でも好き!と思うのは断然小野不由美さんの『風来たりて』でした。営繕かるかやシリーズの短編ということだったので、最後にはきっとなんとかなるだろうと思っていましたが、短編でありながらも流石のジェットコースター展開でした。小野不由美さんのお話は上って上って落ちるジェットコースターのような展開が非常にスリリングだと常日頃思っています。どこまで上るのかもわからないし、落ち始めたらどこまで落ちるかもわからない。周りの風景が事細かに描写されるからこそ上っている間も落ちている間も怖い。そんなお話でぞわぞわとした恐怖を丁寧にすり込んで下さるのが、怖いのですが大好きです。

     このようなアンソロジーを読んでみるのも、読み口を変えるという意味ではいいかもしれませんが、今回は新規開拓には至りませんでした。またどこかのタイミングでチャレンジしたいと思います。

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    2026年09月06日
  • 恋とか愛とかやさしさなら

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    ネタバレ

    題名に反して、テーマが難しくて考えさせられる話しだった。
    性犯罪を犯す啓久もやっぱりおかしいし、それをすぐに切らない新夏も変だし、お姉さんも犯罪者に対する侮辱の仕方が異常だし、親も示談で喜んでるのもおかしくてどのキャラクターにも共感できない初めての感覚の小説でした、、
    色んな考え方があるんだなと学びになりました。一番罪を犯した啓久に共感できたのかも..。
    自分があんまり体験してないからそういい切れるのかもしれないけど、、。
    恐ろしい、奥深い、、
    私ならすぐに啓久とは別れます。

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    2026年09月05日