内田樹のレビュー一覧

  • 武道論 これからの心身の構え

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    つまり、予定調和的な混乱や破壊が起きてそれに対処できる才能を持つ者よりも、予測できない事態が起きた時にそれからの方向性をきちんと掴むことができ、それを世に示せる才能を見出すことのできるのが、武道ということなんだろうな。こういうことを考えているもしくは考えられる人、そしてそれを実際に使える人がどのくらい世の中にはいるのだろう。
    この自分が、そうなれるかは全然わからないけど、何かしら武道を、この齢五十を過ぎた身体で、心で、始めようと思うのは無謀かもしれないが、今までそんな使い方ができると思っていなかった体の一部が、ある日突然できるようになるというような経験をしてみたい。それはもちろん、仕事も生活も

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    2021年11月03日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    初めて読む方の文章が新鮮で特に印象に残った。山田和樹さん、永井愛さん等。既によく読んでいる方の名前につられて本を手に取り、新しい方のご研究などに興味が広がっていくのがうれしい。
    この本を読んで逆に「自由」という言葉を簡単に定義し使うことが難しくなったが。
    自由を手放したくないし、奪われそうなら戦う!新たな自由をつかみ取りたい!そして次の世代に手渡したい。

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    2021年09月20日
  • 街場の共同体論

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    ネタバレ

    問い
    ・なぜ、共同体論が必要なのか

    答え
    ・消費社会の行き過ぎた進展とともに家族が解体され、格差社会が出来上がった。同時に、学校教育も解体され、われわれの子供の世代の学力は極めて低い状態のまま、われわれは老後という弱者に転落する時代を迎える

    以下、現代の日本社会の特徴
    父親が没落し、母親による家族支配と呪縛がもたらされるようになった。
    ・父と息子の葛藤はドラマにならない
    ・圧倒的な支配力をもつ母親が誕生した
    ・母親の育児戦略は「弱者デフォルト」
    ・母親の「父親兼任」はきつい

    拡大家族論
    ・賢い男は「家族内序列2位」を選ぶ
    ・人を傷つけると全能感が味わえる
    ・ヴァーチャルが実で、リア

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    2021年09月16日
  • 枕草子/方丈記/徒然草

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    「古典は、まず原文に当たるべし」などという原理主義的な考えにとらわれていた自分を恥じた。どんな作品なのかを知ろうと思ったら、「まずは口語訳から当たる」べきである。そうして、興味を惹かれた文章があれば、そのとき初めて原文に当たればよいのだ。もっと早くこのことに気づけばよかった。

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    2021年09月12日
  • 日本戦後史論(朝日文庫)

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    日本戦後史論 内田樹×白井聡

    白井氏の提唱する永続敗戦レジームなどの新しい概念があり、面白かった。日本は、歪な戦後史を辿っているという認識のもと、現代の諸問題を読み解いていく。戦後、アメリカの冷戦対応に伴い、日本は戦前の官僚体制を温存したまま、戦後を迎えた。そして、東条英機をはじめとする戦犯の首を挿げ替えただけで統治機構を温存させたまま戦後レジームが形成される。その際、白井氏が「敗戦の否認」と呼ぶような、敗戦へのごまかしを進めてきた。ごまかしとは何かと言えば、日本は米国に負けたという感覚を少しずつ減らしていくというもの。これはなるほどなとも思ったのであるが、普通、戦争に負ければ臥薪嘗胆として

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    2021年08月29日
  • 修業論

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    手軽に読めるエッセイだけど噛めば噛むほど味がでる書物(あとがき)なのが、内田先生らしい良書です。
    この方、物凄く頭の良い方だと思うので、権威ばって難しく書こうとすればいくらでもできるのでしょうけど、どうやら無知蒙昧なバカな子供(私も含め)を啓蒙することをご自身の天職とお考えのようです。本書のテーマの一つに、「修行や学びは成し遂げた後になって初めて回顧的に理解できるように構造化されている」ということで、本来は、「分かってる人たち」と「分かりようもない人たちたち」に分断されているばずなのですよね。低いレベルに居着いている我らには、文字通り想像もつかない世界があり、そこは本来隔絶されてるのだけど、そ

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    2021年08月08日
  • 街場の平成論

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    内田が、編集した各界の有識者による平成論集。

    日本がアメリカの属国であるということをモチーフに戦後のステージを整理し、かつ平成を総括した内田の洞察には恐れ入った。そして、自分なりの平成論を書いてみたいと思った。

    一通り読み終わり、いろいろな視点があるものだと思う。
    中でも面白いのは、
    日韓平成史
    ポストヒストリー
    消費者主権国家
    個人から群れへ
    といったあたりか

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    2021年07月27日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    まえがきに掲載されている「寄稿のお願い」で書かれている通りに、書かれていることは、一人ひとり違った切り口の「ポストコロナ期を生きるきみたちへ」のメッセージ。

    本当に私が中高生だったら、偶然にでも見つけて手に取って欲しい。手に取れるところに存在して欲しい。

    政治学者、疫学者から宗教学者、そしてアーティスト。

    アジカンの後藤さんの文章は、不意打ちでもあり、なんか涙出た。

    突きつけられつつも、著者たちがある意味突き放してくるからこそ、信頼感があって温かい。

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    2021年07月25日
  • 困難な結婚

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    地に足がついた話。作者の経験など踏まえられ、とても読みやすい。好き嫌い分かれるかもしれないが、読み終わりはスッキリ!ためになる

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    2021年07月23日
  • 嘘みたいな本当の話 [日本版]ナショナル・ストーリー・プロジェクト

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    読みやすさ★★★★★
    学べる★
    紹介したい★★★★
    一気読み★★★★★
    読み返したい★

    日常に起こるささいなこと、でも何か特別なこと。誰もが持っている奇妙で記憶から離れない話。それらを集めた本。

    単純に面白かったし、読書を楽しめました。選者の内田樹さんも仰ってましたが、心が静まります。
    続巻も読みます。

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    2021年07月23日
  • 最終講義 生き延びるための七講

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    内田樹 最終講義 教育、大学、組織、日本が生き延びるための処方箋を語った講義録。良書だと思う


    結論としては、共生原理による社会、直観の重要性とそれを引き出す組織づくり、ブリコラージュ(ありものの使い回しで急場をしのぐ)に生き延びる術を見出している。教育の市場原理を批判し、人文学の意味、教育者が負うリスク、子どもの成熟プロセスなどを論じている


    一番強く否定していたのは 教育投資(教育にかかった費用より、その教育により得た賃金や地位が高ければ、教育は成功とする考え方)。教育を投資と考えるのは、教育の自殺であり、使用禁止用語にすべきという主張。その通りと思うが、親がお金を、子が時間を 投入し

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    2021年06月14日
  • 下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち

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    ネタバレ

    封建制を否定し、地縁共同体を霧散させた近代日本の歪みを解決してくれるのは封建的要素かもしれないのかと考える。それはまた封建制の問題を浮かび上がらせるだけなのだけれど、良い中間は多分ない。
    そういえば、外山滋比古といい内田樹といい、自分の子供時代の教えは良かったとよく言う。人の話は丸呑みせずに考えることも必要だけど、訳もわからず受け取って、後でこういうことだったのか。と気が付くには、現代の生き方は早すぎるかもしれない。

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    2021年06月05日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    ポストコロナ期という題名が気になって読んでみた。
    いろんな著者の考えを知れて興味深い。

    権威にただ従うだけではダメなこと
    自分の頭でよく考えること
    周りの空気に流されなくてもいいこと

    が、いろんな立場の著者から述べられている。

    わかっていても難しいんだけどね、というのが
    大人になってしまった自分の言い訳だけど。

    この先が、少しでもいい未来が待っていますように。

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    2021年05月23日
  • そのうちなんとかなるだろう

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    内田さんの書く文章はスムーズに腑に落ちることが多い
    なぜそうなのかがこの本を読むと少しわかる、縁や直感を大事に生きることを論じた半生記。

    後書きに椎名誠の「哀愁の街に霧が降るのだ」が紹介されてた。20年以上前に読んだ、大好きな本。

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    2021年05月09日
  • 聖地巡礼 ライジング  熊野紀行

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    ネタバレ

    知識人のお二人が、巡礼部(聖地巡礼をするツアーのようなチーム)と共に熊野を訪れた際の紀行とナビゲートをまとめた書物です。

    熊野という地は南方系宗教観に似ていると、たびたび登場する。王子は沖縄ことばの「オウ・チ・キュ」が訛ったのではと民俗学者の五来重さんの説。観音浄土は南。一週間ほどの食糧とともに船に閉じ込めてしまう補陀落渡海と、ポリネシアの信仰に似ている。

    三十三は観音様が三十三回変身するところからの数字。青岸渡寺が廃仏毀釈を免れたのは、日本で最も古い西国三十三所だということがあるのでは。

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    2021年04月28日
  • 下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち

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    ある意味ホラーです。生まれついての消費者は、バザールの商人と同じ,儲かるか損するかが価値基準で有り、その行動原理は、幼き時より深く精神を支配していると師範はときます。

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    2021年04月14日
  • 一神教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教

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    大学時代に中世ヨーロッパ史を専門としていて、キリスト教の考え方や歴史はある程度勉強していた。その中で、現代日本においてイスラームを信仰する人というのはどのような感覚・価値観を持っているのか非常に興味を持っていた。そのため、本書を通してムスリムの考え方の一端を窺い知ることができて良い体験ができたと思う。内田氏中田氏の考え方や主張は極端だなと感じる部分もあったが、中東情勢を西洋的日本価値観で見ていた自分にとって、新たな知見を与えてくれた。中東情勢は非常にややこしく腑に落ちないな〜と言う人は読んでみると理解の助けになるかもしれない。自分がどの考えを選択するかは置いておいて、自分にない知見を得ると言う

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    2021年04月04日
  • 学問の自由が危ない

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    法的に見て明らかに違法な任免拒否。
    国会での議論を行わず、解釈だけでも運用を変更してしまう内閣に底知れない怖さを感じる。
    また、これを見過ごして、何も考えずに自民党に投票してしまう国民が情けない。
    再び戦争を起こす事が無いよう、この本は全ての国民に読んで欲しい。

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    2021年03月16日
  • 先生はえらい

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    内田樹の教育論。と言っても、「学ぶこと」とはどのような状況で起こるのか、ということを平易な言葉で中高生向けに書かれている。学ぶことを学習に限定していないところがとても良い。
    ちょっと回り道が長いので、ついてこれる子どもはどれくらいいるかわからないが、最後までたどり着くと実に面白い例が出ていて、納得する。教員にも読んでほしい本。

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    2021年03月14日
  • 若者よ、マルクスを読もう 20歳代の模索と情熱

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    石川先生のところは引用が多くて難しいけど、時系列に沿ってマルクスの思想の変遷を辿っていくため手厚くガイドしてくれていて助かります。

    一方、内田さんはマルクスのここがいい、ここが聞かせどころというのをすごく楽しそうに語られていて、読んでるだけでマルクスが好きになってきます。

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    2021年03月13日