内田樹のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「人と人の結びつき」をテーマとして、家族、格差社会、教育、コミュニケーション、師弟関係について日本の状況を考察する。著者の身の回りの出来事から、世界の趨勢まで幅広く問題提起し、どうあるべきか自身の考えを提示する。
これまでこのシリーズを何冊も読んできたが、この本はテーマ別によくまとまっていて、とても判りやすかった。例えば近年、日本の社会が経済優先の思想に重点が置かれたため、家族制度が崩壊し、格差社会を生み、教育制度の歪みを生んでいる。特に学校教育については学生が「自身の学力を高めること」ではなく、「少ない努力でいかに学歴を手に入れるか」を競っている状況を指摘する。そしてそれが彼らにとって当たり -
Posted by ブクログ
内田先生の著作は難しいがこれは新聞の連載をまとめたものだったのでいささか読みやすかった。以下付箋貼った箇所。グローバル化世界における「勝者」たち個人の自己利益追求という観点から見ることの二つは全く無矛盾的である。グローバル企業はいかなる国民国家の国益も配慮しない。人件費コストの最も安い国で雇用し、環境税制の最も緩い国で操業し、収益は租税回避地に流し込む。グローバル企業の目的は個人資産の最大化である。「グローバル」と呼ぶが、実質は「無国籍的個人主義」に他ならない。この競走の勝者たちは、自分たちは才能と努力によってその地位に達し、財産を築いたと考えている。だから、努力せず、才能に乏しいものが彼らの
-
-
Posted by ブクログ
20年間、地元の区民プールで泳いでいます。
定点観測すると、ずいぶん変わったなと思います。
施設は、割ときれいに保っています。
管理会社が、区から契約を
切られないために、
サービスレベルをよくし
、低賃金で、従業員を雇い、
膨大な数のチェックリストを作り、業務を行っているからです。
以前は、よくプール内で、知らぬ人と、世間話をしていましたが、
今はなくなりました。
一心不乱に、そう何かにとりつかれたように、
ぐるぐると泳いでいる人が増えました。
きっと「決められたメニュー」があるんだと思います。
そうすると、「カラダに良い」のだと思います。
ただ、以前は、「そのように、考える人」は、あ -
Posted by ブクログ
7/10点。
難しい部分があるので8点はあげられない。
特にフェミニストの言説を引用するなら丁寧に翻訳して。
傷つくという体験を共有し、その傷を被害者という特権的な地位を獲得した根拠にするということはよくわかった。
でもその構図を採用し続ける限り、フェミの方々ひたすら男社会から傷つけられ続けないとフェミの立場を維持できないという構図になっているのは不幸と思う。
俺は、女は、男性の性的な側面を適切にかつ暴力的に消費できるだけの能力を持っていると思う。男なんか、商品にしちまえばいいじゃんと思う。経済的な理由で女がそれをできないのならそうできるような社会を作るべきだと思う。
他方で、誰も対象化さ -
Posted by ブクログ
自分自身となんとなくよく似ている部分というか、
経験したことや、思っていたことが若干
共通感が多少なりとも感じました、
なので、この人の本がすきなのだろうともいました。
大阪の北野高校の周りの雰囲気が、著者が書かれている
日比谷高校にあったものとも同じような気がします。
また、道筋の選びかた。人生の苦悩の選択なんてものは
なくて、なんとなく行きたい方向に行く。どちらかを
選ぶ苦悩があった場合は、その時点ですでに間違った
ということ。というのは非常によくわかる。
人を批判するのではなくほめる。
いいサービスを受けようと思うと、いいものを享受しようと
思うと、その人をほめるのが一倍いいというのは -
Posted by ブクログ
初めて読む内田さんの本が、自叙伝でした。でも、考え方とか感じ方とか、自分と似ている部分があって、自分を少し正当化したりしました。
P97 「武運の勘所」→自分が「天職」に出会うきっかけ
→本当にそう思います。
私も、色々な人とのご縁やお世話になって
本当に有意義な生活を暮らすことができていて
感謝してもしきれないほどです。
ありがたやありがたや、なむなむ。
P149 マインドの切り替え
ルーチンをこなすことができたら、自分に満点を与え、
少しでも時間が余ったら、それは「贈り物」として
ありがたく受け取る。
その「贈り物」の「余暇」に本を読んで
翻訳をして、論文を書く -