内田樹のレビュー一覧

  • 街場の共同体論

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    「人と人の結びつき」をテーマとして、家族、格差社会、教育、コミュニケーション、師弟関係について日本の状況を考察する。著者の身の回りの出来事から、世界の趨勢まで幅広く問題提起し、どうあるべきか自身の考えを提示する。
    これまでこのシリーズを何冊も読んできたが、この本はテーマ別によくまとまっていて、とても判りやすかった。例えば近年、日本の社会が経済優先の思想に重点が置かれたため、家族制度が崩壊し、格差社会を生み、教育制度の歪みを生んでいる。特に学校教育については学生が「自身の学力を高めること」ではなく、「少ない努力でいかに学歴を手に入れるか」を競っている状況を指摘する。そしてそれが彼らにとって当たり

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    2020年01月02日
  • 常識的で何か問題でも? 反文学的時代のマインドセット

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    内田先生の著作は難しいがこれは新聞の連載をまとめたものだったのでいささか読みやすかった。以下付箋貼った箇所。グローバル化世界における「勝者」たち個人の自己利益追求という観点から見ることの二つは全く無矛盾的である。グローバル企業はいかなる国民国家の国益も配慮しない。人件費コストの最も安い国で雇用し、環境税制の最も緩い国で操業し、収益は租税回避地に流し込む。グローバル企業の目的は個人資産の最大化である。「グローバル」と呼ぶが、実質は「無国籍的個人主義」に他ならない。この競走の勝者たちは、自分たちは才能と努力によってその地位に達し、財産を築いたと考えている。だから、努力せず、才能に乏しいものが彼らの

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    2019年12月29日
  • 先生はえらい

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    「先生はえらい」? タイトルが意図するものがわからなかった。はじめにを読んで、要約すると・・・

    『先生はえらい』と題したこの本では、「どういう条件を満たす先生がえらいか」ではなく、「人間が誰かを『えらい』と思うのはどういう場合か?」ということについて論じているらしい。ちょっとこの意図はタイトルでは伝わりにくいは、まあ本のタイトルとしては”つかみ”はOKなのだろう。

    要は学びの主体性ということが重要だと言っている。
    人間は自分が学ぶことのできることしか学ぶことができない、学ぶことを欲望するものしか学べないという自明の事実なのだ。

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    2019年12月27日
  • 善く死ぬための身体論

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    嫌なことや辛いことをちゃんと見つめることで、そのなかに楽しさや良いことを見付けていくという姿勢は参考になった。目をつむっては何も変わらない。限られた人生で何が大切なのかを考えるのに良い本。

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    2019年12月22日
  • そのうちなんとかなるだろう

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    内田さんは軽く柔らかい言葉で語られるけどなかなか深いことを書いてらっしゃるんですよねー。
    こういう考え方、表現の仕方ができたらいいなぁ。

    それにしても内田さん、モテるやろね

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    2019年12月05日
  • アジア辺境論 これが日本の生きる道

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    自由の概念が"機動性"になってきてない?
    ってとこ新しかったです

    自分にとって
    フリーダムはなんなんだろう?
    って

    ちょこっと
    考えたけど
    やめた!



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    2019年12月03日
  • 株式会社化する日本

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    20年間、地元の区民プールで泳いでいます。
    定点観測すると、ずいぶん変わったなと思います。

    施設は、割ときれいに保っています。
    管理会社が、区から契約を
    切られないために、
    サービスレベルをよくし
    、低賃金で、従業員を雇い、
    膨大な数のチェックリストを作り、業務を行っているからです。

    以前は、よくプール内で、知らぬ人と、世間話をしていましたが、
    今はなくなりました。
    一心不乱に、そう何かにとりつかれたように、
    ぐるぐると泳いでいる人が増えました。

    きっと「決められたメニュー」があるんだと思います。
    そうすると、「カラダに良い」のだと思います。
    ただ、以前は、「そのように、考える人」は、あ

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    2019年12月02日
  • 修業論

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    幼児の神のくだりが最高に良かった
    なぜ
    レヴィナスと武道に傾倒したのか
    分かりやすかった

    この本は
    価値あると思う!
    上から目線に聞こえたらごめんなさい

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    2019年11月09日
  • 女は何を欲望するか?

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    7/10点。
    難しい部分があるので8点はあげられない。

    特にフェミニストの言説を引用するなら丁寧に翻訳して。

    傷つくという体験を共有し、その傷を被害者という特権的な地位を獲得した根拠にするということはよくわかった。
    でもその構図を採用し続ける限り、フェミの方々ひたすら男社会から傷つけられ続けないとフェミの立場を維持できないという構図になっているのは不幸と思う。
    俺は、女は、男性の性的な側面を適切にかつ暴力的に消費できるだけの能力を持っていると思う。男なんか、商品にしちまえばいいじゃんと思う。経済的な理由で女がそれをできないのならそうできるような社会を作るべきだと思う。
    他方で、誰も対象化さ

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    2019年10月31日
  • 疲れすぎて眠れぬ夜のために

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    自由が与えられたからといって、自由に、個が生き生きする訳でない。
    横並びになるだけなのわかるわ!
    しっかり、自分と向き合って生き方考えよう!
    時々パラパラして、日常がマンネリ化しないようにしたい本。待ち時間にパラパラするのもいいかな

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    2019年10月04日
  • 株式会社化する日本

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     鳩山由紀夫を批判する連中が湧くと思うが実際本人と直に話してみればそう間違ったことはやってないんだろうと感じるようになってきた。

     それは現政権においても同じことであり右・左がともに共闘する時代が来なければ、グローバル社会というだけで日本にとっての成果はないに等しい物だろう。

     ここがおそらく理解できないのかもしれない。今の世界は自己中心派が増えすぎてしまいどうやるにも国家のためひいては国民のためというレベルにまでj引き上げられないでいる。

     それを打破するための力はおそらく未来永劫出てこないだろう。

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    2019年09月24日
  • 困難な結婚

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    内田樹は育ちのいい人なんだなあと初めて感じました。本当にひねくれたところのない、当たり前のことを当たり前に言える稀有な人。
    結婚について、前向きに考えることができる良い本だと思います。読みやすいし。
    もう結婚してる人にはもちろん、結婚していない人にもおすすめ。していない人だと、実感は伴わないのかもしれないけど。

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    2019年09月23日
  • 街場のメディア論

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    同時に岸田秀・山本七平さんの"日本人と「日本病」について"と、群ようこさんの"ヒヨコの猫またぎ"を美味しいお菓子を少しずつ食べるみたいに、味わってます。
    というか、酒の肴にして、晩酌してます。いずれも、それぞれ、お酒をおいしくしてくれます。

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    2019年09月24日
  • そのうちなんとかなるだろう

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    自分自身となんとなくよく似ている部分というか、
    経験したことや、思っていたことが若干
    共通感が多少なりとも感じました、
    なので、この人の本がすきなのだろうともいました。
    大阪の北野高校の周りの雰囲気が、著者が書かれている
    日比谷高校にあったものとも同じような気がします。
    また、道筋の選びかた。人生の苦悩の選択なんてものは
    なくて、なんとなく行きたい方向に行く。どちらかを
    選ぶ苦悩があった場合は、その時点ですでに間違った
    ということ。というのは非常によくわかる。

    人を批判するのではなくほめる。
    いいサービスを受けようと思うと、いいものを享受しようと
    思うと、その人をほめるのが一倍いいというのは

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    2019年09月16日
  • 枕草子/方丈記/徒然草

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    現在活躍している作家による現代語訳。
    正誤についてはわからないが
    読み物として親近感を持って、大いに楽しめた。
    古典文学を楽しいと感じられたのは初めてで
    貴重な体験になった。

    清少納言はインフルエンサーで
    フォロワーが何万人もいそう
    鴨長明はみうらじゅんみたいだし
    吉田兼好は筑紫哲也のイメージ。
    それぞれの人柄、教養の深さ、観察眼
    考察力が魅力的であり
    その時代の紀行文のような趣もあった。

    冗長な文章は読みづらくもあったが
    訳書感を味わえた。

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    2019年09月05日
  • 内田樹による内田樹

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    つらつら読みこなせるようになった。
    反面、自分の辞書にはまだ載ってない語彙が沢山ある。
    使えないことが、ストレス!
    わかるけど、使えない。
    使ってみたいけど、使う相手がいない?
    この哲学を持って、実践することしかないから、当たり前か!

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    2019年09月03日
  • 生存教室 ディストピアを生き抜くために

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    その武術が成立していた時代の「歴史的な身体」とでも言うべきものに思いを致し、そこからその武術を捉え直そうという光岡先生のアプローチは、近代以降に失われてしまった身体運用の復権のみならず、そのことを契機として、他人の意見やイデオロギーにとらわれない個の自立をもたらすものであった。

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    2019年08月25日
  • そのうちなんとかなるだろう

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    初めて読む内田さんの本が、自叙伝でした。でも、考え方とか感じ方とか、自分と似ている部分があって、自分を少し正当化したりしました。

    P97 「武運の勘所」→自分が「天職」に出会うきっかけ
     →本当にそう思います。
      私も、色々な人とのご縁やお世話になって
      本当に有意義な生活を暮らすことができていて
      感謝してもしきれないほどです。

      ありがたやありがたや、なむなむ。

    P149 マインドの切り替え

    ルーチンをこなすことができたら、自分に満点を与え、
    少しでも時間が余ったら、それは「贈り物」として
    ありがたく受け取る。

    その「贈り物」の「余暇」に本を読んで
    翻訳をして、論文を書く

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    2019年08月18日
  • 街場の平成論

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    ☆☆☆2019年8月レビュー☆☆☆


    内田樹を編者として、稀代の論客が「平成」をテーマに持論を展開する。共感できるところもあれば、できないところもある。

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    2019年08月11日
  • 呪いの時代

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    ちょこっと、今個人的に、ドロップアウトしていて、本を読み漁ってて、出会得てよかった本。
    語彙が豊富なので、よくわかる。
    私的には今抱えてるしこりが
    聴き手の判断力や知性を信頼して、敬意を抱いて語れなくなる呪いにかかってるからということに気付けた。
    自分のこと、"たかだかこんな奴だけど、嫌じゃない"と自分をよしよしして、人に許せる自分を取り戻さなあかん。呪いがかかってないか、日常的にチェックもいるな。

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    2019年08月11日