内田樹のレビュー一覧
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面白かった章は、
「共感」に価値を置くことへの警告
「最終学歴がアメリカ」を誇る、残念な人々
「虚無感」に苛まれている有権者たち
「民主制」の終わり
第二期トランプ大統領誕生の「最悪のシナリオ」
「自民一強」時代の終焉
大学存続の秘策
今、中高生に伝えたいこと
第2部 冷たい国からの脱却
この本を読んでいるときに、「怪しい本」を読んでいると友人から小馬鹿にされた。彼女には、彼女自身の「怪しくない」イデオロギーとはどういうものなのかを聞いてみたい。さすがに内田樹を知らないのは庇えない(知ってて言ってるのかも)。タイトルと装丁は怪しく見えるかもしれないけども。 -
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昨年TVドラマのあるシーンを見て、つい号泣してしまったときのこと。
そのとき、ふと気づいたのです。
自分はこの手の“勇気のパターン”にすこぶる弱いことに。
その謎を紐解きたくなり、手に取ったのが内田樹さんの『勇気論』でした。
往復書簡形式で、内田樹さんらしく知性の高い話をわかりやすく展開してくれます。
ひとつ分かったのは、私が涙する勇気は、その場が抱えている踏み出せていない言動を、誰かが先陣きって発揮してくれたものであるということ。
ただそれだけではここまで涙する理由としては、ちょっと弱い。
私は同時に何か“美”らしきものも感じていた気がするのです。
「勇気と美のつながりとは何か」
こうして新たな問いが芽吹いたのでした。 -
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31歳の若き編集者が、75歳の文学者・武道家に、「老い」を訊ねる。
テーマは身体、親、供養、人生、年下との接し方、親友、天職、結婚、子育て、死
内田さんが徒然なるままに?回答する。
人生に必要なのは
どんな人と結婚しても、そこそこ幸せになれる能力
なるほどねえ。
ずっと続く友は「何を考えているかよくわからない」友
おお思い当たる。すでに他界した、仲の良かった友が2人いたが、
2人とも、それぞれ、よくわからなかった。
ラーメンとか山歩きやラグビー観戦でつながっていたけど、
確かに、何を考えているのか、よくわからなかった。
もっとつきあっていたかったなあ、、、
結婚は「人間的に成長するためにする」
この言い回しは微妙だけど、納得している自分がいるのも確か。
ひとりだったらわからないこと、たくさんある。
子育ても同じ。
もってみないとわからない。
持った瞬間に一人の自分ではなくなるけど。
でも20年もたてば子育ては終わり、
さらに時間がたてば夫婦どちらかもいなくなり、
ひとりに戻る。
だったら結婚や子育て、する価値はあるんじゃないかな。
内田さんに賛成だ。
1「老い」を忌み嫌う時代に
Q.老いることは悪いことなのでしょうか……?
老いて、「あまりよけいなことをしない人間」になった
子どもは「老い」を想像できない
老人になったつもりで考える
老人は「どうでもいい話」をする
雅号という自己分析
鴎外が描いた『じいさんばあさん』
2 長持ちする身体のつかい方
Q.老いると体はどう変化するのでしょうか……?
死んだはずがまだ生きている
回復しない身体と付き合う
身体は壊れやすい
3 親の老いとの向き合い方
Q.老いる祖母に対して、後ろめたさがあります……
親の死に方を想像する
向き合わず、同じ方向を見る
「どんな人だったか」は分からなくてもいい
「気づかいをすることができる」喜び
4 死について考えることは生を豊かにする
Q.「供養」とは何なのか、よく分かりません……
なぜ墓参りをするのか
人は死んでも、なかなか死に切らない
「供養」とは双方向的な営みである
自分の墓にお参りする
5 人生は思い通りにいかないけれど
Q.人生に行き詰まった時、どうしたらよいのでしょうか……
「疑似的老人になる」という教養
隠居の書法
老いは病ではない
「老い」も「老いたくない自分」も認める
「ほんとうの自分」はない方が生きやすい
41歳で倒れて分かったこと
6 人を育てる、たった一つの大切なこと
Q.年下への接し方が分かりません……
答えはシンプル「親切にする」
人がついていきたいメンターとは
気分がよい場をつくる
7 「ほんとうの友だち」とはなにか
Q.友だちと疎遠になり、さみしいです……
友情が語られない時代
「友情」は宿命か?
相性だけでは続かない
何を考えているのかわからない「親友」
謎によって結びつく
8 いい人間関係のつくり方
Q.どうすれば、長く続く人間関係を築けるのでしょうか……?
大人になっても友だちはつくれる
屈辱によって、絆を確認する人たち
伴侶は選び取るものではない
9 「天職」の見つけ方
Q.いまの仕事を続けていてよいかわかりません……
内定をもらって迷う学生
最初から「よい勤め先」は存在しない
助けを呼ぶ声に耳を澄ませる
10 いまの時代に「結婚」は必要か
Q.「結婚」に意味を見出せません……
結婚は幸福になるためにするものではない
あまり期待しない方が夫婦は長続きする
感情ではなく契約で縛られる意味
離別を先送りにして暮らしていく
11 子育て困難な時代で、子を持つこと
Q.子を持つことが不安です……
人類が経験したことのない、少子化・人口減
やってみないとわからない
たった一つ確信のもてること
12 「死」という難問
Q.いずれ死ぬという現実にむなしくなります……
いずれ死ぬけれど、今ではない
26年かけて死ぬ
100年後まで冬眠したいか?
死を迎えることの「つらさ」とは何か
親切にすることで心穏やかに死を迎えられる
あとがき -
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【日本人とは何ぞや?】
・日本は歴史的に、常に「中心(中国・西洋)」を意識しながら自らを位置づけてきた“辺境”の文化である。
・そのため日本人は、外来の思想・制度を受け入れつつ独自に再編し、適応することを得意としてきた。
・この“辺境性”こそが日本文化の特徴であり、現代の日本社会を理解する鍵になる。
※辺境=中心から離れた端っこ、を意味する。
ここでは文明の中心地から「地理的」に離れた周縁地域という意味。
●日本の「師弟関係」や「道」は優れた学習装置だと述べている。「〇〇道」(武道、茶道、華道…)という教育プログラムの中で、弟子は師から何もかもをオープンマインドに学びとろうとする伝統的学習システムは、世界的にも珍しく、学びの効率が良い。
●また、武道や禅家に通ずる『機』という思想を辺境人として哲学的な概念キーとして明示している(が、爆速で読者を置き去りにする難読さで、「なんか言ってる」が結果「なにも言ってない」状態である…もうちょっと修行します…)
●最後に、日本人を「日本人」たらしめてるのは日本語で、その特殊性について語っている。
日本語は「表意文字(漢字)」と「表音文字(かな)」を併用するハイブリッド言語で、「図像」と「音声」の並列処理(脳の処理部位がそれぞれ異なる)に長けているから、絵とセリフの表現手法であるマンガ分野を世界でリードするようになった。
◆世界における、日本人の立ち位置を考える契機を与えてくれた良本でした! -
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民主主義、憲法、教育などの様々なジャンルに関して、意見を述べている内容を集めた本。
一番印象的だったのは、憲法の箇所。改憲派と護憲派の対立構造が私にはよくわかっていなかったのであるが、著者の解釈は割と納得感があった。
改憲派のロジックは、基本的に日本国憲法はアメリカに押し付けて作られたものであるため、日本人だけで作るべきといった一貫性のあるものである。
一方、護憲派には改憲派のような明快なロジックは存在しない。なぜなら、著者のように1950年に生まれた人間からすると、日本国憲法は空気のようにそこに存在していたからである。
また戦争を経験した世代は、大戦の悲劇を次世代に受け継がないように、戦争体験および憲法制定時の背景などは、口を閉ざしていたのだと。戦争体験者の無言の言葉は、時に雄弁に物事を語るものであるものの、我々にはそれがもはやわからない。
私のような現役世代は、憲法で保障されている権利などを当たり前のように享受し、それを血肉としていく義務を忘れてしまったのだなと反省した。
憲法はあくまで目指すべき姿であり、それを実現するためには、国民一人ひとりが努力していく必要があると改めて自分に言い聞かせておく。
過激な意見やわかりやすい意見が通りやすい昨今、護憲派には分が悪い状況だなと思う。某政党の憲法草案が話題になった今、改めて憲法について考えてみるのは大事なんだろうなと。 -
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マルクス思想の超入門書。
往復書簡形式でマルクスの著書が噛み砕いて解説されており、知識の無い私もマルクス思想のエッセンスを理解出来た。
マルクス思想は共産主義の一言で理解され、破綻した過去の理論と受け取られている事が多いと感じる。しかし、マルクスのテキストは政治的・経済的正しさの範疇のみで読み解かれるものではなく、読者の知性を鍛えるものとして今尚有効であるという内田先生の話に深く共感した。
印象に残ったマルクス思想に「類的存在」が挙げられる。人間は、利己主義者としての市民と、法に従って公民として分裂した個人を統合し、自身と他者の幸福を共に気遣う存在であるべきとする人間観は大変魅力的である。早速「ユダヤ人問題について」を購入し、マルクスの扉を叩きたいと思う。 -
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非常に面白かった。
著者は大学教授でありながら、武道家。この武道家の要素が身体知をともにした文章にしていると思う。
・無理して頑張るということはそれだけエネルギーを前借りしているということ。
・職場等の不快な人間関係に耐え続けると必ず「オヤジ化」し、自分がイヤな奴になる。
・パパ活等(たいした価値も提供していないのにその気になっていること)で自らの価値観が狂ったら、一生ものの傷になる。
・礼儀とは仮面を被ることで自分の利益を最大化すること。権力者の前で素顔など出してはいけない。
など、すっと頭に入ってくるような内容だった。
タイトル通り、頑張りすぎて疲れた時に読むといい本。
社会の変な価値観から人間の身体的な感覚に戻してくれる。