内田樹のレビュー一覧

  • だからあれほど言ったのに(マガジンハウス新書)

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    七五調のタイトルにつられた。
    仮題の「不思議の国ニッポン」のままだったら読んでいないと思う。
    難しい印象が強い内田樹さんの本だが、これはすごく読みやすかった。

    日本社会の問題の本質を考えるのにいい本だと思う。
    普段考えが及ばない視点を幾つも示してくれている。

    ・日本の組織の問題
    日本社会では「管理」したがる人の前にキャリアパスが開かれている。
    統治機構の上層に上り詰めれば、政策決定に関与することができる。
    「創造」に熱中している人は「管理」や「出世」に興味がないので、政策決定に関与することはほぼない。

    「管理」が大好きな人の関心はもっぱら「上下」関係にある。
    その結果、「管理」者は相手に

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    2024年06月13日
  • 凱風館日乗

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    ちょっと前にはたくさん読んでいたので久しぶりに大垣書店で見かけて購入。最初の章は時事ネタで、そこは苦手なんだけど、教育とか、レヴィナスについてとかはやっぱりいいなあと思う。短いというメディアの特質もうまく作用しているように思った。

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    2024年06月08日
  • 邪悪なものの鎮め方

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    読みはじめがつまんないかも?と思ったけど、読み出したら面白い!特に、日本は「こども」が増えすぎてるって話とか!!

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    2024年06月09日
  • だからあれほど言ったのに(マガジンハウス新書)

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    「加速主義」というアメリカで発生したポスト資本主義を望見する思想。シリコンバレーの若手ビジネスマン達の間では支配的なイデオロギー。人類はポスト資本主義の時代に備えなければならない。だが、「民主主義」や「人権」や「政治的正しさ」のような時代遅れのイデオロギーがブレーキになって、資本主義の矛盾を隠蔽し、その終焉をむしろ遅らせている。そのブレーキを解除して、資本主義をその限界まで暴走させて、その死を早め、資本主義の「外」へ抜け出そうというのが加速主義。

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    2024年06月03日
  • 疲れすぎて眠れぬ夜のために

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    ■ささった箇所
    ・欲望の充足ラインを低めに設定しておけば、すぐに「ああ、なんという幸せ」という気分になれるでしょう
    ・礼節というのは、まさに「生き延びるための知恵」なのです。礼儀を失した応接をするということは、実は手に入ったかもしれない貴重な情報や支援を、それと知らずにどぶに棄てていることなんですから。

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    2024年06月01日
  • 寝ながら学べる構造主義

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    構造主義的な考え方を知って、主体性というものはないんだなと感じたし、それに幾分か救われた。

    ある種の諦めというか、限界があることを理解しつつ、それでもちょっと足掻いてみよう、頑張ってみようと考えるようになった本。

    (筆者に失礼かもだけど)おじいちゃんみたいな優しい文体が好き。読みやすい。

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    2024年05月30日
  • コモンの再生

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    昔は下水工事の土管が置かれ、"原っぱ"と呼ばれた"共有の土地"は沢山あった。
    こうした「コモン」な土地は、地価が上がると資本主義的な考えで「私有地」になった。
    資本家たちの土地買収で、"原っぱ"は柵で囲まれ、「私有地につき立ち入り禁止」の看板が立った。

    だが今、高齢化や過疎化が進んだ地方では、土地を私有財産として維持し難くなり「コモンの再生」が始まっている。
    都心でも空き家問題が進んでいるが、私有財産ということで行政が手を出せなくて困っている。
    土地の私的所有はやめた方がいい時代が来ていると感じる。

    世の中の出来事にモヤモヤを感じ

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    2024年05月20日
  • サル化する世界

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    やはり語り口は巧みで読み進めることに気持ちよさはあるのだが、筆者の身辺を基礎とする主張にはどこまで蓋然性があるのかといった疑問も。

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    2024年05月11日
  • だからあれほど言ったのに(マガジンハウス新書)

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    単著は久しぶりかも。でもいつもの内田節。共著はちょくちょく読んでいるから、それほど久しぶりな感じもせず。安定感抜群の読み心地。本題とは外れるけど、前書きでタイトル決定について触れられていて、”本の雑誌”の特集がそれだったこともあり、なかなかに興味深かった。あと、これも前に読んで大きく首肯した部分だったけど改めて、子どもは愛するより傷つけないのが大事、と。この考え方には、今のタイミングでもう一度触れられてよかった。

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    2024年04月15日
  • 新しい戦前 この国の“いま”を読み解く

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    自分はどちらかというと右よりの傾向にあるので、最初のうちの日本叩きにはムカムカしながら読んでいたが、どこかに日米地位協定が憲法より上にあるのが問題である云々あって、基本がそこなら同じでない?となって、あとは素直に読めた。ごもっともな内容でした。

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    2024年04月13日
  • 夜明け前(が一番暗い)

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    ネタバレ

    本書に収められている文が書かれていたのは2022年11月のものまで。
    そしてタイトルは日本社会が明るくなる希望を持って付けられたのだそうです。

    しかし本書から1年半刊行から一年過ぎた今も夜明けの兆しが感じられるとは私には思えず。夜明けまでまだ遠い、というかまだ真夜中?と思ってしまいます。

    コロナは終息したとは全然まだ言えないし、教育はイエスマン製造システムとなり、政治は開き直った権力者ばかりでボロボロ。マスコミも批判精神などなく忖度した記事ばかり書いてるし。(と段々腹立ちを通り越し悲観)

    この先本書の内容を振り返った時、笑い飛ばせるような未来になっていれば良いけれど…うーん。
    ちょっと楽

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    2024年04月09日
  • 街場の成熟論

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     いつも聴いているpodcastの番組に著者の内田樹さんがゲスト出演していて、本書についてお話ししていました。
     内田さんの主張は、ご自身の “思考の軸足” にブレがないので、昨今のいろいろな社会事象に関する私自身の考え方の揺らぎをアジャストするのにとても参考になります。

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    2024年04月08日
  • だからあれほど言ったのに(マガジンハウス新書)

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    様々な媒体に発表した文章を集めたコンピレーション・アルバムのような本でした。極めて多作な内田センセー、相変わらずの切れ味ですね。子どもを傷つけず、無垢な大人に育て上げる・・・ ネオリベ全盛の現代では難しいでしょうね。現役時代は仕事柄登校拒否の子どもに係わることもあったのですが、今どきの子どもたちの受けるプレッシャーは半端ないようです。彼らが安心できる「アジール」を見つけることができればいいのですが・・

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    2024年04月06日
  • 街場の米中論

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    筆者はあとがきで何度もした話しと言っているが、自分にとっては新鮮な内容が多かった。
    ・食い合わせが悪い「自由」と「平等」
     フランスは、平衡を取るため(?)、「友愛」も入れた
    ・常備軍を認めていない合衆国憲法
    ・マルクスとリンカーンに交流があった
    ・リンカーンの再選にマルクス(第一インターナショナル)が祝辞を贈り、リンカーンが謝意を返していたこと
    ・マルクスはテキサスにホームスデッターとして来ていたかも
    ・マーク・トウェインがアメリカ共産党の原始
    ・アメリカ人は最悪を描くことを非難しない
    日本人は非難する

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    2024年04月06日
  • 新世界秩序と日本の未来 米中の狭間でどう生きるか

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    ネタバレ

    本書が安倍元首相暗殺(の一年)に前書かれたものなんだよなと言うことを思いつつ読み。内田先生はよく「これからの日本」を予測してそれがその通りになったかならなかったを検証するということをされるようです。(別の著作に書かれてました)

    2024年春現在、米国でトランプ元大統領が再選される可能性が出てきたことを踏まえて読むと、三年前に出版された本書も一段と興味深く読める気がしました。
    政治や世界情勢に疎いので果たしてちゃんとついていけるのか、と思いましたがやっぱりそれほど理解できた気はしなかった(笑)
    しかし読み通せたのは対談形式だったからでしょう。

    それにしても内田先生はすごい。専門家じゃないのに

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    2024年04月01日
  • 寝ながら学べる構造主義

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    構造主義って聞いた感じ何それ難しそうって感じだったけど、構造主義自体の基本的な考えは難しくないんだなってこれ読んで思った。

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    2024年03月31日
  • 先生はえらい

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     中高生向けということでしたが、私にはちょうど良く腑に落ちました。
    まさしく「先生運が悪い!」と思っており、自分が尊敬する先生(人)は、誰もが尊敬できる先生なんだと思っていました。こんなに様々な人がいて、感じ方が同じわけないのに。
    分かりやすく伝えて相手に理解してもらうこと、それも大事なことだけど、(少なくとも自分は理解したことを)何度も言われると退屈だし、その時点でシャットアウトして終わってしまう。誤解の余地が残っている方がコミュニケーションが続くって面白い。
    何でも謎があった方が惹かれるもんね。

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    2024年03月08日
  • 街場の米中論

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    いつもの話が多いけれど、後書きで「ウチダはどうして同じ話をするのか」について書かれていたのが良かった。
    中国では受験戦争が加熱していて、その対策として子どもの学習時間を制限したり学習塾の非営利化までしているというのは初めて読んでびっくりした。

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    2024年02月12日
  • 生きづらさについて考える【毎日文庫】

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    取り扱うテーマは、先行き真っ暗な日本の現状なんだけど、語り口が軽快で、面白く読める。

    内田節で語る日本人の国民性も、
    そうかもとちょっと納得させられる。

    度重なる不祥事は、壊滅するまで止められないのは日本人の特徴から。

    日本教育が量産した上位下達のイエスマン。

    自民党が国民の政治無関心を意図的に築き上げたという自説。

    教育投資少なすぎて、論文出稿数も先進国最下位、これに叱咤してるのは、日本じゃなくて、アメリカや英国だとか、、

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    2024年02月04日
  • 下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち

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    自分も含めてですが、コスパよく結果がでることや収入が得れるというのが一般的な時代になっています。そんな時だからこそ本書で述べられている
    教育という本質的な部分は忘れてはならないと感じました。親と子で学ぶ。なぜ勉強するか?そこは問わずに楽しいよね?学ぶって出来るってという変化をしっかりとみてあげること。子どもも含めて感謝をする。人間として大事な教育という土台をもう一回作り直して現行にも活かせる一冊だと感じました。

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    2024年02月04日